第十二回東方SSこんぺ(嘘)

永遠亭の永い夜「誰か私の火照りを静めてっ!」

2013/10/26 17:44:08
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 そこは実に騒がしい宴の席だった。
 騒がしいとは言っても、幻想郷中から人間や妖怪が集まる大きなものではなく、身内だけのささやかなものだ。
 全体的に、兎の比率が多い気がするけれど、それはご愛敬と言うことで。


 大きなテーブルの上には、里から購入してきた料理や、私が丹精込めて調理した料理などが所狭しと並べられている。
 少しばかり作り過ぎたかな、とは思うけれど、最悪残ったものは明日にでも食べればいいし。なんて、考える事がいよいよ主婦じみてきている事に少しだけゾッとしてしまう。


 まだそんな歳ではないし、そもそもそんな相手自体いないけれど。うちの方々がどうにもこう言った方面には疎い為、自然と今のような形――私が主婦の真似事をするようになってしまっていた。


 ま、そんな準備も終えた今の私は、ちびちびと舌先で酒を掬う機械と化していた。


 宴の喧騒が心地良い環境音として、右から左へと流れていく。


「あ、お師匠様」


 いつの間にか、八意永琳ことお師匠様が私の側まで寄っていた。


 彼女が酔っているところなど見たことがないが、その顔は少しだけ赤らんでいて、目が少しだけ熱を帯びているように見えた。


「鈴仙ってば、全然呑んでないんじゃない?」


 なんて、絡まれてしまう。


 ……そんな事はない筈なんだけど。お師匠様と姫のペースが異常なのだ。「酒は呑めば良いと言うものではない」と言うのが私の考えなのだが、酒豪が多い幻想郷でそんな考えが受け入れられる筈もなく。そして、うちの二人もその例外に漏れずそれはもう浴びる様に酒を呑む。


 それだけならば結構なのだが、それを他人にまで強要してくるのは如何なものか。これも一つのパワハラなのか。


 と、私の返事も待たず、お師匠様は私の持つ猪口へと酒を並々と注いでいく。
「おっとっと」などと、化石じみたやり取りをしつつ、注がれた酒に口を付けない程不躾にもなれず、取り敢えず喉へと流し込んでいく。


 喉がカッと熱くなり、胃がポカポカと暑くなる。美味しい御酒だ。こんなもの、年に何度も味わえるものでもなく、だからこそ味わって呑みたかったのだが――と、私の思考を遮るように、頭が沸々とし、下腹部がジンジンと熱を持ち始める。


 ……あれ、私ってば、どうしてしまったのだろう。


 先に、「酒は呑めば良いと言うものではない」と言ったが、私はべつに下戸と言う訳でもない。幻想郷の者達と付き合える程度には窘めるし、飲み込まれると言う事も殆どない。その筈なのに――


「どうしてこんなに……熱いんでしょう」


 服を脱いでしまいたいほどに熱い。胸の内側、心の臓が大きく脈を打つ。
 何度も、何度も、ドクンッ、ドクンッ、と跳ね上がるように。私の身体が一つの大きな心臓になってしまったように。激しく拍を刻んでいく。


 これはいけない。そう思いつつ、熱いものは仕方がないとブレザーのボタンに指をかける。一つ、二つ。何故か震える指先を必死に抑え込みながらボタンを外していく。そして、袖から手を抜いていく。その時、手の甲と袖口が擦れ「んっ」などと、口元から変な声が漏れてしまう。いろいろとおかしい気がしたけれど、正直そんな瑣末なことはどうでも良かった。


 四苦八苦しながらも、ブレザーを脱ぎ棄てる。そのタイミングで、私の猪口へと再度注がれる透明な液体。私はネクタイを弛めながら、その熱い液体を飲み干す。
 そして、その液体に、私の思考が厚く篤く塗り潰されていく。
 熱を帯びた吐息。視界が揺れ、何故か「切ない」と言う気持ちが、胸の内に降り積もる。


 訳も分からない内に、私の腕はお師匠様へと伸びていた。
 肩に触れ、そのまま倒れるようにして押し倒す。
 私を見上げるお師匠様の目も、心なしか熱を帯びているように思えた。


「どうしたの? 鈴仙」


 お師匠様の言葉に、脳が大きな音を立てて脈打つ。名前を呼ばれるだけで、何かが破裂しそうになる。
 私は奪うようにして、お師匠様の唇に唇を重ねていた。


「んっ……」


 驚いた様なお師匠様の目。周囲の視線がこちらへと集まってくるのが分かる。
 ――やってしまった。辛うじて残っていた一割程の理性がそう考える。
 しかし、そんな理性も口元へと流し込まれて来る甘い唾液に溶かされ、消えた。


「お師匠……様っ」


 貪る様な深く濃い接吻。
 舌と舌を重ね、互いの唾液を相手の口内へと注ぎこんでいく。


 ――ああ、もう何もかもがどうでもいい。


 全てを忘却の彼方へと帰す、そんな行為を今はしたい。
 熱情の波に、飲み込まれてしまいたい。


「……良いのよ? 鈴仙のしたいようにして」


 その一言で、私のすべてが崩壊した。ただ、獣のように互いを感じ合いたかった。


 私の指先がお師匠様の脚を辿る。


 太腿の内側を撫でてあげると、お師匠様は可愛い声を上げた。


 そのまま、私の指先は彼女の中心、脚の付け根へと向かう。


 期待したようなお師匠様の熱い眼差しに、私も、後には引けなくなる。


 そして、私の指先は、想像していたよりも抵抗なく彼女の――――



 ここまでご覧になって頂いた皆様、ありがとうございます。
 嘘とはなんの縁もないこの作品ですが、少しでも読者様を楽しませる事が出来たのであれば望と開き直る事に致します。
綾加奈
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コメント



0.簡易評価なし
1.10名無削除
続きがない…だと…
2.3ななし削除
これは4月1日向けじゃないかな
出だしの文章が読みやすくて期待しただけに肩すかしされた感
3.3がま口削除
よくある嘘だ! でもこのサイトだと出来ちゃいそうな感じがして少しドキドキしました。
……少しだけだよ。
4.3mayuladyz削除
(´・ω・`)
5.3エーリング削除
容量まで使ってきっちり仕込んでくるあたり芸コマ、しかしちょっと話の溜めが少なすぎるかなと思いました、肩透かしを食らわせるならもっともっと力をためてからでなくては。あるいは少し山場見せて、そこから更なる山場で食らわす、とか。
6.9みすゞ削除
【良い点】
お見事です。お題をうまく使った個人的にはめっちゃ好きな仕掛けでした。諸手を上げて満点差し上げたい。……でもお題「嘘」やねん。騙されへんぞ(笑)
【悪い点】
とくに無いのですが、規則によると成人向けの作品は削除対象のようなので、そこに絶望しました。
7.5ナルスフ削除
何で前回こんぺの遅刻分があるんですかね・・・(すっとぼけ
8.3道端削除
 あ、あれ……? これで終わり? まじで?
 だ、騙された……。てゐの台詞に、というよりも、容量に騙された……。
 これで終わりのはずがない、と白い部分を反転させたり、ソースを表示させてみたり、といろいろやったのに、本当に終わりだなんて……騙された。悔しいっ! 
 しかし、これどうやって容量増やしたんだ……。携帯で見ると3ページ目がデカイ白紙になってるから、空行入れまくったんでしょうか。
9.無評価生煮え削除
いやいや面白かったです。こういう悪ふざけは大好き。でもコンペですので残念ながら無評価で。『八意永琳ことお師匠様』のように所々あれ? と思ってしまう文章の乱れが気になりましたがどうでもいいですね、はい。
10.無評価きみたか削除
むしろ他の誰もが同じことをしなかったことと、あえてやっちまった作者の両方に敬意を評し、意図的に点数を入れません。
11.2名前が無い程度の能力削除
この詐欺兎!
12.5K.M削除
ひとつはあると思いましたよこういいうネタ。……えぇ、判っていましたとも嘘ですから。
くやしくなんかありませんとも。