第十二回東方SSこんぺ(嘘)

さとり式ライアーゲーム

2013/10/27 23:43:54
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「さっとっりー!!」

 その陽気な大声を聞いて、部屋で事務仕事をしていた私――古明地さとりはおもわず「げ」と呟いてしまった。
 この時ばかりは自分が覚りを持っている事を恨めしく思った。
 彼女の大声と一緒に彼女の心の声が響き渡り、そしてそれら二つが彼女の正体を確実に私に伝えてきた。
 その結果が、冒頭の「げ」である。
 彼女は私が最も苦手とする妖怪であった。
 私が苦手とする理由――すなわち覚りが通じない相手である。
 たしかにお空のように心の中が大宇宙だから読めないという相手もいる。だが、そういう相手が私に敵意を持つ事はない。心が大宇宙であるがために敵意という感情がないためである。
 だが、彼女の場合は違う。
 私に明確な敵意を持ちながら、私の覚り能力が通じない相手なのだ。

「はぁ~……」

 溜息をつきながら、対処法をいくつか考える。
 彼女を地霊殿に入れない方法。彼女に要件を言わせない方法。彼女に素直に帰ってもらう方法。
 そのことごとくが却下された。
 理由は簡単で、覚り能力が通じない彼女には成功確率が百%にできないからである。
 ならば、残る手段は一つ。彼女に勝つ方法を練り上げるしかないのだろう。
 それが、とてつもなく面倒くさい。
 だから、私は彼女が苦手なのだ。

「さとり様、お燐です。入ってもよろしいですか?」
「えぇ、どうぞ」

 考えがまとまりかけたところでお燐が部屋へと入ってくる。

「正邪っていうヘンテコな妖怪がさとり様に面会を求めています。
 いかがされますか?」
「客間に通してちょうだい」

 私が即答すると、お燐はびっくりしたような顔を見せた。
 まぁ、たしかに私が彼女と戦っていたのはお燐をペットにする前の話なので無理はないだろう。

「へ? さとり様は彼女と知り合いなんですか?」
「ええ、思い出したくもない昔からの知り合いなの。
 だから、そうね……、彼女の大好きなはちみつドリンクで再会を祝おうかしらね。
 私にはクリームソーダをお願いね」

 両手で頬をぱんぱんと叩いて気合を入れる。
 怨霊をも恐れる少女であり最低妖怪とも揶揄される私と、彼女――天邪鬼である鬼神正邪の戦いはこうして始まったのである。






「久しいな、古明地さとり。元気だったか?」

 にやにや顔でフレンドリーに接してくる正邪。
 その顔には余裕が浮かび、それが強者の証と勘違いしてしまう輩も多い。
 事実、私も昔はそうであった。
 だが、今は違う。本物の強者――例えば勇儀に比べると、彼女には威厳も尊厳も存在しない。
 正邪はそれっぽく見せているだけだ。

「前置きはやめてもらえるかしら? あなたは私に勝負を挑みに来たのでしょう?
 忙しい私としては、さっさと本題に入ってもらえると助かるのだけれど」

 私は素っ気ない態度で正邪をかわす。

「おやおや、久しぶりに会ったというのに素っ気ない態度だねぇ。
 お前には旧友と再会を祝して抱擁する寛大な心もないのかい?」
「だから、あなたには美味しいはちみつドリンクを出してるつもりよ。
 それはめったにお客様に出さない上物なんだから」

 私が言うと、正邪はにやにや顔を崩さないままにカップの縁を指ではじく。
 明らかな拒絶の態度だった。
 だけど、私はそれを予想済みだったので、その程度の事で表情を崩したりしない。
 むしろ、これが正邪との再会の儀式ともいえる。

「他の者には上物だろうけど、私にとっては侮辱でしかないな。
 私が甘いもの嫌いというのはお前も十分承知のはずだろう?」
「あら、そうだったかしら? ごめんなさい、忘れていたわ」

 もちろん、わざとである。
 これで正邪が気分を悪くして帰ってくれるなら、私は彼女の事を最も苦手な妖怪と呼んだりしないだろう。

「いいね、いいね。やっぱりさとりは私の一番の好敵手だよ。
 勝負をする前からそんなに敵意を丸出しにされると、こっちもわくわくしてくる」
「好敵手にされても困るわ。
 あなたは私にとって最も嫌な奴なのだから」

 邪険に扱っても遠回しに嫌がらせをしても、そして直接悪態をついても彼女には全く通用しない。
 だから、私は正邪が嫌いなのだ。

「さてと、お待ちかねのゲームといこうか。
 このゲームでは私は絶対に負けない。絶対に負けないという事は、お前に絶対勝てるという事だ。
 この理不尽極まりないゲームをお前は受けるか否や?」
「前置きはいらないと言ったばかりよ。
 心配はいらないわ。私も絶対に負けるつもりはないから」
「いい度胸だ。
 では、早速お披露目といこうか」

 正邪は言い終わると、机の上に箱を置いた。
 質素な包装紙に包まれたその箱は大きさといい、客である正邪が差し出したものといい、普通の土産にも見えた。
 「開けてもいい?」と聞くと、正邪は無言でうなずいた。
 包装紙を丁寧に剥がし、箱のふたを開ける。
 そこには土産ものとして定番のお饅頭が入っていた。
 いや、定番であるが普通のお饅頭ではないのだろう。そうでないと正邪が持ってきたゲームとして成りたたなくなってしまう。

「ロシアンルーレット。それが、今回私が用意したゲームだ。
 二0個の饅頭のうち三個だけ外れが入っている。
 さて、激辛饅頭を口にするのは誰になるかな?」

 そう言って「くっくっ」と笑う正邪。
 私は正邪の言葉を無視して饅頭をつぶさに観察した。
 一口で食べられる小さな饅頭である。包装されていないので饅頭の様子が鮮明に分かる。
 ハバネロでも練りこまれているらしく、表面は鮮血の如く真っ赤に染まり見ただけで舌がひりひりしてきそうだ。さらにカモフラージュのためか、二0個全ての饅頭が紅く染められている。
 だからこそ、どれが激辛饅頭であるのか判別しにくい。

「あなたがこの饅頭に細工している可能性は?
 例えば、あなたはどれが激辛饅頭なのか分かっているとか?」
「ゲームに関しての説明に嘘は含まれていないし、私もどれが激辛饅頭なのか分からない。
 そうでないとゲームは面白くないからな。
 ――と言ったところで、お前は納得しないだろうな。だから、このゲームをお前自身の手で公正に変えてもらっても構わない。
 ただし、ルールを変えるのは駄目だ。
 二0個の饅頭のうち三個が外れ。これ以外の事で自由に私に勝てるように変えてみな」

 正邪にしては妙だと思った。
 このゲームは一見すると、運だけが絡むようなものに見える。
 正邪にも激辛饅頭がどれか分からない以上、彼女に絶対敗北はないと言い切れないはずなのだ。
 という事は、彼女はどこかで罠を張っているのだろう。いや、もうすでに張った後かもしれない。
 だが、いくら考えたところで、今はまだ私に彼女の罠は見抜けない。
 ならば、私はできる事をすべきだろう。

「参加者は私とあなたの他に、こいしとお燐とお空の計五人にする事。
 私とあなた以外の誰かが勝負を始める前に二0個の饅頭をシャッフルする事。
 そして、選ぶ順番は私に決めさせてくれる事。
 この三つが私からの条件よ」
「あぁ、構わない。それでやろうか」

 正邪がにやりと笑うのを私は見逃さなかった。
 嘘つきゲームはもう始まっているのだ。






 お空とお燐はその場に居合わせていたので、後はその日たまたま地霊殿にいたこいしを連れてくる事で第一条件はクリアした。
 次に、選ぶ順番は、こいし、お空、正邪、お燐、私という事になった。
 最後に、シャッフルする係りは、順番が最初という事でこいしに決定した。

「あの~、一ついいですか?」

 ゲームを始める前にお燐が口を挟んだ。

「さとり様はサードアイの力で正邪の考えを読む事ができますよね?
 そしたら、勝負にならないんじゃないですか?」
「あぁ、それなら安心して。
 正邪の頭の中は反対だらけで、むしろ正邪の考えを読んでしまったら逆に私が失敗する事になるわ。
 正邪を相手にする時に限っては、心が読めないあなた達の方が有利になるかもしれないわね」

 シロと思ったらクロになり。クロと思ったらシロになる。
 中には真実も含まれているのだが、それには森の中が木の葉を探すような途方もない労力が必要になってくる。
 正邪との勝負に勝とうと思ったら、最初にまずサードアイを捨てるのが必要不可欠となる。
 サードアイを捨てれば、私も一般妖怪へとなり下がる。
 つまり、この勝負で私ができる事は頭脳を駆使する事のみとなるのだ。
 だからこそ純粋にゲームを楽しめるとも言える。

「それじゃあ、お姉ちゃん。私がシャッフルすればいいんだね」
「えぇ、お願いね、こいし」

 私の出した条件通り、一番最初に選ぶこいしが饅頭をシャッフルし始めた。
 まず箱を裏返して二0個の饅頭を用意した大皿へとぶちまける。
 さらにこいしの手で饅頭をかき混ぜた。
 これで二重のシャッフルとなり、正邪が事前にどれが激辛饅頭なのかを知る事は不可能となった。
 加えて、こいしにやらせたのも無意識の力を期待した私の考えによるものである。
 少しでも正邪の裏をかければ、と思ったのだが、残念ながらシャッフルだけでは正邪の顔を歪ませる事はできなかったらしい。
 正邪は例のにやにや顔を崩さないままにこいしの行動を眺めていた。

「さて、ゲームの開始だ」

 正邪の一声により、ロシアンルーレットの開始が告げられる。
 気のせいか周りに緊張が走ったように感じた。
 一番手はこいし。
 こいしはどれが激辛饅頭なのか判別するためか、一つ一つ饅頭を手にとりながら選んでいた。
 だが、それは私に言わせれば浅知恵だと思う。
 たしかに饅頭に自分しか分からないマークでもつけておけば判別はできるかもしれないが、正邪がそんな浅はかな手を使ってくるとは思えない。
 彼女ならば、もっと狡猾で誰も気づけないような策を使うはずだ。

「じゃあ、これにしよっと」

 二0個の饅頭のうち三個が激辛饅頭なのだから、外れる確率は十五%となる。
 まだまだ心配する必要はないだろう。
 案の定、こいしは当たりを引いたようで「美味しいっ!」と感想を漏らした。
 私はこの行動で一つの懸念が取り除かれる事となった。
 つまり、この饅頭全てが激辛だった場合である。
 いや、全てが激辛饅頭だった場合はルールに違反しているので、少し辛い饅頭といったところか。
 赤い饅頭は見るだけで辛そうで、いくら小さな饅頭と言えども一口で食するのにはかなりの勇気を必要とする。
 もし当たりの饅頭であってもそれが少し辛い饅頭であった場合、それがハバネロ饅頭と勘違いして吐き出してしまう恐れがあるのだ。
 それを正邪が狙っているのではないか、と私は当初考えていた。
 だが、こいしが最初に食し、当たりがただの饅頭であった事が分かり、私の推理が外れた事となった。
 ならば、正邪が最初に言った通りに二0個の饅頭のうち三個が激辛饅頭という純粋なゲームとなるのだろう。
 以上、私が考えていた事は周りも同じだったようで、こいしが食べ終わると途端に空気が和らいだように感じた。
 少なくとも外れは三個しかないのだから、よほど不運でない限り最初で当たる心配はないのだ。

「次は私だね」

 そんな空気も手伝ってか、二番手のお空は即座に食べる饅頭を決めた。
 外れる確率は十九分の三でおおよそ十六%。まだまだ余裕であった。
 少なくとも――私はそう思っていた。
 だが――。

「うっぎゃああああああっ!!!!」

 お空の突然の悲鳴が、場の空気を凍り付かせた。
 それは、饅頭を口に含み咀嚼し始めたと思った瞬間の出来事であった。お空がその辛さに絶叫し、のたうち回る。
 辛さを和らげるために用意をしてあった水を口に含むが、それが逆効果になってしまった。
 水のせいで辛さが口全体へと広がり、被害はより拡大してしまうのである。
 再び絶叫し、恥も外見も構わず床を転げまわるお空。
 普段のお空とは一変したその姿に、私を始め周りはただただ唖然とするばかりであった。
 荒い呼吸がだんだんと静かになりはじめ、床を転がっていたお空が微動だにしなくなる。
 私たちはお空がその状態になってもまだ放心状態で誰も動く事はできなかった。

「……お空?」

 お燐のその一声で、私たちに正気が戻る。
 そろりそろりと皆でお空に近づき、彼女の様子を確かめてみる。
 お空は白目を開いたままで気絶していた。
 まさに悶絶。お空はその激辛に耐えられなくなり意識を飛ばしてしまったのである。
 いくら旧地獄後に住んでいる私たちにとっても、この一連の光景は強烈な印象を残し、激辛饅頭の恐ろしさを目の当たりにする結果となった。

「正邪、あなたなんてものを仕込んでいるの?」
「あはは……、おっかしいなぁ。そんな激辛に仕上げたつもりはなかったんだけどなぁ。
 もしかしてそいつは辛いのが苦手だったんじゃないか?」

 確かにお空は甘いものを好み、辛いものが苦手だった節がある。
 だからといって、悶絶し気絶する程の辛さというのは想像しがたいものがある。
 私は最初に抱いた認識を改める事となった。
 ――つまり、これはゲームではない。生きるか死ぬかをかけた死闘である、と。

「次は私の出番だね」

 三番手は正邪。
 主催者とはいえ、正邪にしてみてもお空の惨劇を見た直後の出番。
 少しはためらいもするかと期待していた。だが、彼女はあっさりと饅頭を選び出し口に含んだ。
 もぐ、もぐ、もぐ……。
 沈黙が場を支配する中、正邪の咀嚼する音だけが辺りに響く。
 やけに咀嚼音が長いと思った。
 正邪は口に饅頭を含んだまま気絶してるのではないか、と疑った程だった。

「うん、我ながらうまい」

 予想に反して、にやりと笑顔を見せる正邪。
 やはり、彼女は何かしらの策を実行済なのだろうか。
 一抹の不安が私の脳内を過った。
 それとも、私の考え過ぎなのだろうか? 正邪が外れを引く確率は十八分の二で十一%程度しかない。
 ふつうに考えれば、単にお空の運が悪かっただけで正邪が外れを引く確率は限りなく低いのだ。
 まだまだ結論を出すには早すぎる。
 私は再び動向を見守る事にした。

「……次はあたいですね」

 四番手のお燐が饅頭の選定に入る。
 次が私の出番という事になる。五番手という事で少し楽観視していたのだが、予想以上のプレッシャーで背中に嫌な汗が伝った。
 外れる確率は十パーセント前後のはずなのに、お空の惨劇を見てしまうと私まで外れるような気すらしてくる。
 正邪はなんて危険な死闘を地霊殿に持ち込んでくれたのだろうか……。
 すでに賽が投げられた現在、いくら嘆いても状況が変わらない事は分かっているのだが、嘆く他になかった。

「……あら?」

 そこで、私は一つの疑問を覚えた。
 いや、疑問ではなく不審だ。
 私が考えに耽っていた時間はわずかではあるものの、周りからしてみたら短い時間というわけでもない。
 その時間があれば、お燐の饅頭選定も終わり、すでに食べ終わっていてもおかしくないはずだった。
 なのに、場は無言が支配している。
 これはどういう事だろう?
 お燐の方を見ると、手に少しだけ齧られた饅頭を握っていた。
 という事は、彼女はすでに咀嚼段階へと入ったのだろう。だが、やけにその時間が長い上に咀嚼音が全く聞こえてこない。
 文字通りお燐は停止していた。

「……お燐?」

 声をかけて、お燐の肩に手を触れる。
 ――その瞬間、お燐の身体がゆっくりと傾き、ばたん! と大きな音を立てて地面へと倒れた。
 人形の背中を押して地面に倒れたように、お燐はまるで息絶えた死体のように力なく倒れてしまったのである。

「お、お燐!?」

 私はあわててお燐の状態を確認する。
 うつ伏せから仰向けに転がすと、お燐の状態が一目で分かった。
 つまり、彼女は白目をむいて泡を吐いていた。簡単に言えば一撃必殺であった。
 お燐も激辛饅頭の餌食となってしまったのだ。
 ――あなたはどうして私を置いて往ってしまわれたの?
 やり場のない憤りが私の心を支配する。
 お空とお燐という大切なペットを数分の間に失ってしまった悲しみは決して小さなものではなかった。
 私は選択を間違えてしまったのだろうか?
 様子見のために私の順番を最後にしてしまったのは、軽率だったのだろうか。彼女らの犠牲は無駄に終わってしまうのだろうか。

「……さて、次はさとりの出番という事だな」

 正邪の一言で私は無理やり現実へと戻された。
 そうだ、今は死んでしまったペットを嘆く暇はないのだ。今は自分の事を考えなければいけないのだ。
 お空とお燐が死んでしまった今、主である私が彼女たちの意志を継がなければいけないのだ。
 拳に力を入れて気合を入れなおす。
 さぁ、私はどうすればいい?
 どうすれば私は正邪の罠を打ち破れる?

「一言で言って、この状況は異常と言えるわよね」

 誰に聞かせるわけもなく、自分への確認を含めて声に出す。
 相変わらず正邪はにやにや顔のままだった。

「お燐が外れを引く確率はわずか十一%。
 常識的に考えてまず外れを引くはずがない状況。なのに、彼女は外れを引いてしまった」

 そして、お燐が外れを引いた事により、私が外れを引く確率は十六分の一、つまり六%まで減る事になった。
 なのに、身体の震えが止まらない。
 私が次に激辛饅頭を選んでしまう未来が容易に想像できてしまっていた。
 確実に何かがおかしかった。
 お空が外れを引いたのは偶然と片付けられない事もない。だが、偶然が二度続けばそれは疑うべきものへと変化する。
 偶然と偶然が重なり合い、生まれるのは必然だ。
 お空とお燐は、正邪の張った罠により外れをつかまされてしまったのだ。
 ――こう考えなければ、今の状況を論理的に説明する事はできない。

「状況を一度整理しましょう。
 一番手のこいしは当たりを引いた」
「うん、確かに私の食べた饅頭は美味しかったよ」
「次にお空が外れを引き、三番手の正邪は当たり、四番手のお燐は外れと続いた」
「当たりが二つで、外れが二つだね」

 二0個の饅頭のうち激辛饅頭が三個しか存在しないのにも関わらず、当たりと外れの確率が半々。
 これを納得する結論にするのには、どういう過程を踏まえればいいのか。
 二0個の饅頭。
 三個の激辛饅頭。
 当たりが二つに外れが二つ。
 キーワードはすでにそろっている。今、ここで決めなければいけない。
 考えいくうちに私の中で一つの仮定が生まれた。

「仮に正邪が何かトリックを使ったと考えましょう。
 そして、彼女はそのトリックを使って外れだったのにも関わらず当たりのように見せた」
「ほぅ、そいつは面白い考え方だ。
 お前はこう言いたいのか? 二0個の饅頭のうち四個が激辛饅頭であった、と」

 そこで初めて正邪が口を挟んだ。
 何かしらの解決策が見えたような気がした。

「いいえ、そうじゃないわ。あなたは最初に二0個の饅頭のうち三個が外れだと言ったわ。それに最低限のルールには嘘偽りは含まれていないとも言ったわね。
 だから、ルールには間違いはない。間違いがあるとしたら、その考え方」

 もし、正邪が外れを掴んでいたとしたのならば、四人のうち当たりを引いたのはこいしのみという事になる。
 二0個の饅頭のうち三個しか激辛饅頭がない状態で、この結果は確実におかしい。
 この結果から考えるならば、前提条件を覆すべきだろう。

「……なるほどね。たしかに正邪は嘘を言っていないのだわ。
 でも、嘘を言っていない事は真実を言っている事の逆説にはならない」

 正邪が始めに言ったルール――それこそが彼女の仕掛けた嘘の始まりだったのだ。

「あなたは最初こう言ったわよね。
 『二0個の饅頭のうち三個が外れ。さぁ、激辛饅頭を引くのは誰になるのかな?』と。
 よくよく考えてみると、あなたは三個の饅頭が激辛饅頭だとは言っていない。
 私が勝手に外れ=激辛饅頭と認識しただけなのよ」
「お姉ちゃん、それってつまり――」
「えぇ、つまりはこのゲームは二0個のうち三個が激辛饅頭なのではなく、三個だけが普通の饅頭であり、残り十七個全てが激辛饅頭だったという事になるのよ」

 思えば、最初に饅頭を見た時から違和感はあったのだ。
 饅頭が赤く染められている理由。それを、私は最初普通の饅頭も激辛と勘違いさせるためのフェイクだと思っていた。
 だが、激辛だと思って食べた饅頭が普通だった場合よりも、普通の饅頭と思って食べたら激辛だった場合の方が心理的にもダメージもが大きくなる。
 それを無理やり激辛饅頭に染めた理由――つまり、数の逆転という事になるのだ。

「十七個も激辛饅頭があるのだから、お空とお燐がそれを引いてしまうのも仕方のない話だわ」
「しかし、さとり。その推理にはまだまだ決定力が欠ける。
 そもそもお前が展開した推理の前提条件は、私が当たりではなく外れを引いたと仮定したところから始まっている。
 この仮定を証明する手段をお前は持っているのか? 持っていないのならば、それは全て机上の空論という事になるぞ?」
「残念ね。結果さえ分かってしまえば、その過程を考えるのは簡単なの。
 三つのキーワードが、あなたが外れを当たりにみせたトリックの回答を私に導いてくれたわ」

 私はまず人差し指を立ててから続ける。

「一つ目は、あなたが主催者であった事。
 あなたは激辛饅頭がどれなのかは分からないと言ったのだから、それは真実なのでしょうね。
 でも、激辛饅頭の辛さは十分に吟味したはずよ」

 次に中指を立てる。

「二つ目は、激辛饅頭が十七個も存在した事。
 あなたにはしては珍しいミスだったわね。十七個も激辛饅頭があるのに、あなたは負けないと宣言しているわ。
 これはつまり、激辛饅頭を食べたとしても普通の饅頭を食べたように振る舞える用意がある事を示してしまっていたのよ」

 最後に立てるのは薬指。

「三つ目は、偶然起きた出来事だったわ。お空が最大のヒントをくれたのよ。
 お空が激辛饅頭を食べてのたうち回った時にあなたはつい「そいつは辛いものが苦手だったんじゃないのか」と漏らしてしまった。
 そう、お空が甘いものが好きで辛いものが苦手であるように、あなたはそれの逆――つまり、甘いものが苦手で辛いものが得意だったというわけね」

 私はこの正邪の好き嫌いを最初から知っていた。だからこそ、正邪を家に招き入れる時に嫌がらせの意味を込めて甘いはちみつドリンクを出したのだ。

「以上から考えるに、あなたが考えたトリックは至極単純。
 辛いものが好きな事を利用して、あなたは自分が耐えられるギリギリの辛さの饅頭を作ったのだわ。
 他の人が食べると気絶する程の辛さでも、あなたには耐えられる程度の辛さだった。
 耐えられるといっても、限界ぎりぎりの辛さなのだから、あなたは咀嚼にずいぶんと時間をかけた。あれは今思えば身体を張った見事なフェイクだったわね」

 これで私の推理は終わりだ。
 確かに推論ばかりで確証の得られない推理だとは思う。だが、自分自身で納得できる結論でもあった。
 私の推理が的外れだった場合、ゲームの趣旨が根本的にズレてしまうからだ。
 ちらりと正邪の方を見ると笑っていた。いや、先ほどまでのにやにや顔ではなく、心の底から笑っていた。
 まるでこの経過を予測していたかのように。

「いやはや大したもんだよ、さとり。ここまで私の思い通りに事を進めてくれるなんて、きっとこれはお前にしかできない所業なんだろうな」
「……何を言いたいの?」
「私の言った言葉を一言一句覚えているお前の事だから、これもきっと覚えているんだろう?
 私は敗北条件が激辛饅頭を食べる事だとは言っていない。
 お前のペットが勝手にリタイアしただけだ」

 確かに正邪は二十個の饅頭のうち三個が外れだと言った。
 この場合は三個の外れを引いた者が負けだと解釈できる。
 だが、前提条件が覆されて三個の饅頭が普通の饅頭になってしまった今、三個の饅頭が外れだという条件も覆されてしまっていた。
 有耶無耶は元々正邪の得意技の一つでもある。
 私がこの展開に反論できない以上、ゲームは続行という事になるのだ。

「加えて言うのなら、お前はまだ一つも饅頭を食べていない。
 いくら推理を展開して私の逆転を見破ったところで、饅頭を一つも食べていないお前に勝利はない」

 この言葉で私はようやく正邪の意図が掴めた。
 正邪は最初からこの展開を予測していたのだろう。
 いくら私が十七個の激辛饅頭を見破ったところで、激辛饅頭の味が変わるはずもない。
 私が次に激辛饅頭を食べれば、お空やお燐のようにリタイアしてしまう可能性が高い。
 仮に私が激辛饅頭を耐えたとしても、元々正邪が自分に合わせて激辛饅頭を作っているのだから彼女にとっては全く問題ないのだ。
 一巡目で勝負が着かないのなら、二巡目、三巡目と正邪は最初から私と耐久勝負を目論んでいたのだ。
 だからこそ、正邪は最初に言った。
 ――私はこの勝負に絶対負けない、と。

「さすが小者妖怪は言う事まで小者なのね」
「なんだと!?」

 私の言葉に正邪は眉をぴくりと吊り上げる。

「あなたに見せてあげるわ。地底の魑魅魍魎を束ね地霊殿の主を務める私の本当の実力っていうものを、ね」
「できるものなら見せてもらおうじゃないか」

 私はくすり、と笑みを浮かべる。
 正邪のターンは終わった。ここからは私が攻勢に出る番だ。
 正邪が卑怯な妖怪ならば、私は最低の妖怪なのだ。
 こんなところで終わりだと思っては困る。

「私はこれからランダムに二つの饅頭を選ぶわ。
 その饅頭が二つとも普通の饅頭ならば私の勝ち。一つでも激辛饅頭ならばあなたの勝ち。
 こんなルールでどうかしら? これじゃああなたに有利すぎてつまらないかしら?」
「お前は一体何を考えてるんだ、さとり」

 正邪が疑問に思うのも無理はない。
 私が提案した最終ルールは誰がどう考えても私が不利なものなのだ。
 残り饅頭の数十六個のうち、普通の饅頭は二つのみ。これを選び出すなんて奇跡にも近い確率になる。
 ――でも、だからこそ私はこういう勝負を選んだのだ。

「私とあなたの格の違いをみせてやるって言ってるのよ。
 さて、あなたはこの理不尽極まりないゲームを受けるか否や?」

 最初に正邪が言ったセリフをそっくりそのまま使ったのは、もちろん正邪を煽るためである。
 私は絶対負けないのだ。

「いいだろう。二つの饅頭を選ぶがいいさ。
 だが、お前は激辛地獄の中で後悔するだろうさ。自分の浅はかな知恵を、な!」
「後悔? 
 ……させてみなさい。あなたにできるものならね」

 にこりと笑みを携えながら饅頭の選定に移る。
 とはいっても、私はこいしのように一つずつ饅頭を手にする事はない。
 私は最初から普通の饅頭がどれか分からないのだから、神頼みで選ぶしか方法がないのだ。
 ほどなくして、私は二つの饅頭を手に取った。
 ちらり、と正邪の方を見ると、彼女は必至で虚勢を張っていた。
 彼女の心は反対だらけで読むことはできないが、今何を考えているのかは予測がついた。
 ――もしかしたら古明地さとりなら、激辛饅頭を避ける事も可能ではないか?

「さて、運命の女神は私に微笑んでくれるのかしらね」

 唾を飲み込もうとしたが、予想外に喉がからからに乾いていた。
 潤す意味も込めて飲み物を口にする。
 一息ついたところで、いざ勝負。二つの饅頭を同時に口の中へと入れる。
 そして、咀嚼。
 喉に詰まりそうになったのでもう一度飲み物を飲んだ。

「…………。
 美味しかったわ。これで私の勝ちね」

 余裕たっぷりの表情を見せながら正邪に微笑む。
 対して、正邪は悔しそうに顔を歪めていた。






☆ ☆ ☆






 私――古明地こいしが、鬼神正邪とのゲームが終わってから玄関先に出てみると、お姉ちゃんが塩を撒いていた。

「どうかしたの、お姉ちゃん」

 聞くと、お姉ちゃんは忌々しそうな顔で吐き捨てるように言った。

「もうあんな面倒くさい勝負は懲り懲りだからね。
 正邪が二度とうちの敷居を跨がないように塩を撒いているのよ」

 あはは、と私は苦笑いを浮かべる。
 たしかに勝負はお姉ちゃんの勝ちで終わったけれど、こちらにはペット二匹の損害が出ている。このダメージは地霊殿にとってもかなり大きい。
 お燐とお空はベッドの上で未だうなされたままである。あれは素人目に見ても三日は起きてこられないだろう。

「そういえばさ、お姉ちゃん。一つ聞きたい事があったんだけどいいかな?」
「何かしら?」
「……お姉ちゃんが最後に食べたのって激辛饅頭だよね?」

 さらりと、まるで明日の天気を聞くような気軽さで尋ねたつもりだったが、お姉ちゃんとしては予想外だったらしい。
 少しの間があり、その間塩を撒く手が完全に止まっていた。
 こちらを振り返った時のお姉ちゃんの顔はなんとも言い表しづらい。
 鳩が豆鉄砲をくらったような呆けた表情でもあるし、すでにそれを予測していたかのような自信に満ち溢れたかのような表情でもあった。

「ええ、そうよ。よくわかったわね」

 でも、お姉ちゃんはあっさりと自供した。もう少し引っ張るかと思っていただけに、この自供は私にとってもびっくりだった。

「嘘をついたの。正邪が激辛饅頭を普通の饅頭のように食べた時と同じような嘘をね」

 その時のお姉ちゃんはなぜ私にその事に気づいたのか聞いてこなかった。
 それが不思議だった。
 とはいえ、仮に聞かれたとしても私には「なんとなく」としか答えようがなかったのだが。

「そもそもね、ハバネロや唐辛子の辛み成分はカプサイシンっていうのよ」
「うん、知ってる。
 カプサイシンってたしか身体を一時的に温めた後に発汗作用で逆に身体を冷やす効果があるんだよね」

 だからカプサイシンの多く含まれるカレーなどは夏の食べ物とされる。
 でも、これは料理をかじった事のある者なら誰でも知ってる基礎的な知識だ。
 なぜお姉ちゃんが今更そんな事を話題にあげるのか、私には分からなかった。

「そしてね、カプサイシンの辛み成分っていうのは、乳製品に含まれるカゼインで和らげる事が可能なのよ」

 乳製品と言われて、私の脳内に閃くものがあった。
 お姉ちゃんが正邪を迎える時に用意したのは、嫌がらせを込めたはちみつドリンクである。
 当然の事ながらはちみつドリンクは乳製品ではないのだから、お姉ちゃんが言うカゼインは含まれていない。
 はちみつドリンクと同様に、お姉ちゃんが自分のために用意した飲み物は――

「クリームソーダ。
 言うまでもなく、クリームソーダっていう飲み物にはメロンソーダの上に乳製品であるアイスクリームを載せたもの。
 激辛饅頭を食べる前と食べた後にアイスクリームを口に含むことで、私は辛さをやり過ごしたの」
「でも、お姉ちゃん。それはあくまでも結果論のはずだよ。
 お姉ちゃんは正邪の心が読めないんだから、事前にクリームソーダを用意するのは不可能のはず」
「ええ、たしかに正邪の心は反対だらけで読む事はできないわ。
 でも、その中でもすでに確定し覆せない事だけは別。
 今回の場合は『ロシアンルーレットを行う事』と『その中に激辛饅頭が入ってる事』。
 この二つだけは逆転しようのない真実だったの。
 だから私は事前に対策ができたのよ。もちろん、正邪にはちみつドリンクを出したのは嫌がらせの意味もあったけど、私のクリームソーダを隠す意味もあったのよ」

 結局のところ、あのゲームは始まる前から勝負は決まっていたのだろう。
 正邪もお姉ちゃんも絶対に負けないのだから本当の勝者とはいないのかもしれない。
 ただ正邪が嘘をついただけに対して、お姉ちゃんは嘘をついた上で正邪に敗者の烙印を押す事に成功した。
 その点ではお姉ちゃんが勝ったといえるのかもしれない。

「なんか結局卑怯者の集まりだったってことだよね。
 お姉ちゃんも正邪もどちらも正々堂々と戦っていないのだから」
「ああいうゲームはね、真面目に戦った方がバカを見るのよ。
 策略を施して、嘘を貫き通すのが当たり前なんだから」

 そう言って、お姉ちゃんは私に手を差し出した。
 お姉ちゃんの意図が分からず疑問符を浮かべていると、お姉ちゃんは表情を変えないままに言葉を紡いだ。

「握手よ、握手。
 今は正邪を退ける事ができたのだから、素直に勝利の美酒に酔いましょう」

 差し出された手を見つめたままで――



 ――私は、握手をしなかった。



 いや、正しくは今のお姉ちゃんと握手する事ができなかった。

「あら、なぜ握手しないのかしら?
 それとも、私のこの塩のついた手とは握手できないのかしら?」

 お姉ちゃんは笑顔だ。
 だからこそ、その笑顔は私にとって怖いものでしかなかった。

「……いつから気づいてたの?」

 間が空いた後、私はようやく言葉を紡ぐ事ができた。
 でも、言い終わった後で、今のセリフは自分の策略を認めるようなものだなと、私は少し後悔をした。

「確信を持てたのはつい先ほど。
 ゲーム中は、違和感はなかったとは言わないけど、こいしならそんな偶然もあり得るくらいにしか思っていなかったわ」

 お姉ちゃんは歌うようにして真実の旋律を奏でる。
 私はそれを黙って聞いてる事しかできなかった。

「こいし、なぜあなたは私が激辛饅頭を選んだ事が分かったの?
 それが分かるのは、あなたが激辛饅頭がどれなのか知っている場合のみでしょう。
 分かってみれば、あなたの行動の理由が見えてくるのよ。
 こいしは最初にシャッフルをした。それなのに、あなたはその後選ぶ段階になってもう一度饅頭を一つずつ手に取っていたわね。
 ただ慎重なだけと取れるけど、触ればどれが激辛饅頭なのか分かるからとも取れるわよね。
 加えて、さっきの握手の拒否。
 塩のついた私と握手してしまえば、使った策略がばれてしまうのだから握手ができないのは当然だわ」

 お姉ちゃんが私との距離を詰める。
 お姉ちゃんが今から何をするのか、私は検討がついていた。
 でも、黙って見る事しか私はできなかった。
 私の予想通りに、お姉ちゃんは背後に隠していた私の手を取り開いてみせた。
 そこにあったもの――それは小さな切り傷だ。
 だけど、これが私がゲーム中に行った全てだった。

「傷口に塩を塗り込むなんていう言葉があるけど、確かに私と握手してしまえば傷口が染みてしまうのだから握手はできないのだわ。
 激辛饅頭の場合も然り。表面が真っ赤になる程までに染められた激辛饅頭を切り傷のある手で触れば当然痛いのだから、どれが激辛饅頭なのかはすぐに分かるのよね。
 傷をつけたのはシャッフルしている間かしらね。
 加えて言えば、たとえ傷口から血が噴き出したとしても、紅い饅頭なのだから目立つ事はない。
 味も同じね。血のついた饅頭を食べたら多少鉄分の味がしてしまうもしれないけど、激辛饅頭ならばハバネロの味で分からなくなってしまうもの。
 傷をつける――それは至極単純な行為だけど、単純だからこそ誰にも分からず、そして誰にも分からないからこそ一番効果的な嘘とも言えるわね」
「……嘘じゃないよ」

 私はようやく反論する事ができた。
 お姉ちゃんの言っている事は全て正しかったけど、それだけは間違いだったから、私は訂正せずにはいられなかった。

「シャッフル中に怪我したのは全くの偶然なんだよ。
 だから、私はお姉ちゃんや正邪みたいな嘘つきじゃないんだよ」
「あなたは私とは違うと言いたいの?」
「違うよ。
 だって、お姉ちゃんは今も嘘をつき続けているもの」
「…………」

 お姉ちゃんが返答できなかったのは、もうすでにその嘘に気づいている証拠なのか。
 それともそれを嘘と認める事はできないお姉ちゃんの強情さゆえなのか。
 私には分からなかった。
 だけど、私は言葉を続ける。
 嘘つきに対して、真実を告げる。

「お姉ちゃんは正邪が二度と敷居を跨がないように塩を撒いてるって言ったけど、あれは嘘だよね。
 だって、辛いもの好きの正邪のために塩を撒いてるんだもの。
 それはね、塩を撒くじゃなくて塩を送るっていうの。
 お姉ちゃんって本当は、正邪との勝負が楽しみなんでしょう?」

 私はお姉ちゃんに微笑む。
 対して、お姉ちゃんは苦虫を潰したかのような顔をしてた。


了。
締切二日前に艦これを始める。
人、これを死亡フラグと呼ぶ。


11月26日 追記。
8位入賞いよっしゃああああぁぁっっ!!!!!
『嘘』っていうお題は最も得意なジャンルだと自認してたので、しっかりとした結果が出てよかったです。
たぶん他のお題だったらこんな上手くはいかないだろうなぁ……。
3人の嘘の見破り方を書いてもいいんですが、作者がどうこう言うのは野暮なので控えておきます。
あ、一応3人目の嘘に関してはそもそも破られるようには書いていないのでご注意くださいませ。
最後に読んでくださった全員に最大級の感謝を!
くさなぎとーじ
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コメント



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1.6mayuladyz削除
知っているとは思いますが
念のため一から説明しようと思うので長くなります
お許しください

実は私も似た様な話を書こうと思った経緯があります
さとりに心を見透かされたまま、主人公がゲームに勝つという内容です
ですが、結果は不採用

理由は
考えた理屈にリアリティを見出さなかったからです

小説は文字情報しかないので
不足した情報を読者が補完します
読者は文字を読んで足りない情報(雰囲気など)を
自身の経験や知識を利用して不足を補うのです

なので
文字情報に読者が共感して貰えるように
ある程度のリアリティをつけないといけません
そうでないと、文字情報以外の情報を
読者が補完できず、楽しめなかったり
「机上の空論」として反感を買う恐れがあります

重箱の隅をつつくようで恐縮ですが
さとりが正邪に「二つの饅頭で勝負」を挑んだ際
あっさりと正邪が「おk V(`・ω・´)V」
っていうのが納得できませんでした。

正邪はさとりにある程度、作戦を読まれるを考慮して
自分が耐えられる限界の辛さにして、持久戦に持ち込む作戦を用意していた筈ですよね?
そのまま持久戦を続けたら勝てた試合を、自ら放棄して負けた…

正邪とさとりの高度な作戦と読み合い、そして騙し合いの戦いなのに
自身の用意した作戦をあっさり放棄して負けたので
「高度」な部分のリアリティが失われ
「あれ? 正邪ってもしかして馬鹿なの?」
ってなり物語が台無しになったような気がします
それとも私の勘違や読み間違いも含まれているのかな?

正邪が引き受ける理由に、「煽り耐性が低い」と言う理由づけ(過去の経験談など)と
「もしかしたら、正邪もあまりの辛さに最後まで耐えられないかも…」
などの理屈を盛り込んで置くと良かったと思います

それから
最後のクリームソーダの説明ですが
正邪と会う前に、お燐に用意してって言ったと思うけど…
おりんから正邪の心をよんで、辛し饅頭の情報を手にいれたから
クリームソーダを用意させたの?
ちょっとわからんかった(´・ω・`)

あと
冒頭のインパクトが薄かったと思うよ
構成(読者に情報をみせる順序)として
ロシアンローレットの場面の一部を
持って来ても良かったと思うよ
思わせぶりのシーンの後に
OPが始まるアニメと同じような感じだね

まあおれも素人なので参考程度して下さい
偉そうな口をきいてごめんなさい(´・ω・`)
2.6あらつき削除
良いですね。これだけ嘘が散りばめられていると、気持ち良いくらいです。
しかし、勝負はちょっと地味だったかな。
3.6ばかのひ削除
ちょっと無理矢理な気がしなくもなき!
いやあ楽しく読めました
4.8名無削除
お空とお燐の介抱は任せてください
5.6がま口削除
妖怪が気絶するほど辛いまんじゅうを、閾値ぎりぎりとはいえさらっと平らげる正邪さんすげぇ!
ロシアンルーレットの様なシンプルゲームに、策略を詰め込むライアーゲームの醍醐味が生きていたと思います。
たしかに面倒くさいけど、楽しそうだなぁ。
6.8PNS削除
二重三重と隠された真相、まさにライアーゲーム!
欲をいうなら、もっと長く神経戦を読んでみたかった気もしますけれど、それもこの作品の雰囲気が気に入ってしまったからに他なりません。
犯人は艦k(ry
7.7みすゞ削除
【良い点】
うそつき対決が面白かったです。二転三転する構成には驚きました。
【悪い点】
結局辛くても我慢すればいいというのが少し強引に思えました。
8.6ナルスフ削除
おお、正邪ちゃんキター。
なるほど、これは気持ちのいいひっくり返しっぷり。
さとりさんの反撃ぶりに感心するとともに、辛みに沈んだペット二人に南無。
ただ、最後のこいしの嘘のくだりはよくわからなかった。
こいしは何に負い目を感じてるの? さとりは何を責めているの?
何も明言せず、ただ嘘を暴くだけ。
責められるような事項と言うと、激辛饅頭の数がわかっていたのに、それを教えなかったことでしょうか? こいしは単に自衛しただけだし、さとりと正邪の戦いに水を刺さないようにした配慮とも受け取れないこともないと思うんですが。
ただそれや単に嘘をついたことを責めているのだとしても、そもそも自分のわがままでこんな死地に皆を巻き込んださとりに、こいしを責める資格はないはずですし。さとりが責めるのはともかく、こいしが負い目を感じる理由がわからん。
うーん、正邪VSさとりは面白かったけど、最後でよくわかんなくなっちゃいました。
これは個人的には蛇足と感じてしまいました。残念。

>鬼神正邪
なんかグレードアップしてる。
9.5道端削除
 うーん。納得がいかない点がちらほら。
 例えば、「なんでも反対に考えてしまうから覚りの能力が通じない」という設定に疑問符。「シロと思ったらクロになり。クロと思ったらシロになる」という本文の言葉を借りるなら、正邪が「シロ」と考えているならそれは「クロ」で、「クロ」と考えているなら「シロ」と適宜読みかえればいいだけの話で、二択に限定すればそれは「心が読めてる」と同義に思えるのだけど。二択じゃなくとも、選択肢のあるゲームならば確実にひとつ選択肢が消える(正邪が考えているモノは確実に正解じゃないから、それをはじく)と考えると、覚りの能力はほとんどの場合でアドバンテージになり得ると思う。
 
 肝心のトリックについても、「我慢する」や「辛さを紛らわす」というのは確かに盲点だけど、こういう心理戦の主要トリックとしてはちょっと華がないなあ、と思ったり。こいしが(偶然)使った手法が一番おもしろかった。
 
 正邪とさとりがどうやって知り合ったのかも語られなくてもやもや。
10.5名前が無い程度の能力削除
こいしが正邪とグルってたところまでは予想通り・・・でも「塩を送る」にやられたw
さとりんってば天邪鬼なんだからーw
11.10完熟オレンジ削除
はずれ=普通のお饅頭ってのは読んでて気付いたんですけど、あれだけギミックが込められているとは思いませんでした。
非常に楽しめました!
12.3生煮え削除
正邪とさとりのロシアンルーレットということで着想は面白いと思いました。展開も肝を押さえつつもスムーズで好印象でした。ただ肝心のトリックが辛いのを我慢した、クリームソーダで中和した、手に切り傷があったなど、納得できるかどうかの瀬戸際くらいな微妙なもので、ちょっとモヤモヤしてしまいました。
個人的な体験ではハバネロってクリームソーダでどうこうできるほど生易しい辛さじゃないって思うんですが。
13.9きみたか削除
さとりは正邪が苦手。でも好き。まずその着眼点がいい。饅頭のトリック、血のトリックなども。ペットどもがえらいとばっちりですが。嘘のつき合いが大前提の戦いも面白いもんです。
細かいところで「20」か「二〇」のどっちかにすべきでした。書体によっては漢数字ゼロがバランス悪かったりしますがそれはあくまで書体の問題なので。
14.8名前が無い程度の能力削除
さとり妖怪と天邪鬼の真剣勝負、面白かったです
傍から見ると下らない勝負に全力を尽くすのが妖怪というものなんでしょうね
二人共良い性格をしていると思います
15.2エーリング削除
嘘を見抜くのが第3の眼の能力で、それを前提にするからさとりと誰かがそういうゲームをするって前提は魅力的になるんだと思います。この話はその前提を正邪の能力でうやむやにしています。これではさとりを相手とする意味がなく、紫であっても幽々子であっても、いっそ少名針妙丸でも問題ありません。
16.6時間が足りない!削除
上手く纏まっていて良いですね。
でもちょっと新鮮みに欠けるような気がするので、勝負の方法を工夫すればもっと面白くなったと思います。
17.6智弘削除
今回の話の中でわりと好き。
18.7K.M削除
辛い物には牛乳、と昔教わったがなるほどアイスも乳製品。10%って割と高くね?と思うのはポケモンとかで低確率に挑む日々を送っているせいだろうか。艦これはこの期間中イベントでしたっけ。それはそれは死亡フラグ。