第十二回東方SSこんぺ(嘘)

賢将の手紙

2013/10/27 23:58:16
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                      ――もうひとつだけ、貴方を騙す。





永遠亭へと届きたる或る妖怪からの手紙



―――
イナバ様へ


  まず、あなたに嘘を吐いていることを謝らなければなりません。
 いきなり手紙を寄越したうえ、何を言い出すのかとお思いでしょう。不躾なのは承知しています。ですが、あなたにどうしてもお伝えしたいことがありまして、こうしてお手紙を差し上げることにしました。
 私は、名を寅丸星と申します。
 普段は命蓮寺で僧侶をしておりますと言ったところで、ピンとは来ないかもしれませんね。一度お会いしただけの間柄ですし。あるいは、先日あなたから壺を買った者です、と申し上げた方が話は早いかもしれません。……そちらの方ならば、あなたには身に覚えがあると思うのですが、いかがでしょうか。

 ああ、誤解をなさらぬよう先に申し上げておきますが、これは壺の返品の手紙ではありません。
 あれについては、私は本当に気に入っているのですよ。
 あれこそ真に芸術品と言うべき代物でしょう。あのようなものが壺の形を保ったまま存在していることが、私は不思議で仕方ありません。体は羽のように薄く、ふちは砂のように脆く、おそらく春の柔らかな風にさえ負けそうな焼け土のかたまり。器でありながら容器に非ず、ただ眺めるほかに用途を持たない、壺としては失格のその在り方に私は衝撃を受けたのです。
 私は壺を自室に飾り、時々そっと眺める日々を送っています。
 あの壺には何を入れるのが良いのだろうと、最初はそんなことを考えていました。花を活けようとして三日で枯らし、筆を立てようとして毛先を土まみれにし、水を注いでみようと雫を垂らし、もれなく底に穴が開いたのを見て私は考えを改めました。それからは、触れてはならない壊してもいけないあの壺には何も入っていないのが良いのだ、とわかったふうな口を利き、それでも入れるべきなにものかがきっとあるという考えを捨てきれず、あの手この手で策を弄してはその在り方に白旗を揚げ、敗北感を抱きながらぼんやりと壺を眺める日々が二十日ばかり続いたようでした。趣味より日課と呼ぶ方が実態に近いでしょうねと聖が苦笑いを浮かべ、船長や一輪のちょっかいを掻い潜り、部下の謹言を聞き流し、それでもじっと見つめているうち私はこう悟りました。
 人間の存在とはこの壺のようなものなのかもしれない、と。
 ひとたび何かがその身を揺らせば、瞬く間に壊れそうなほど儚い壺です。その壺には何も入っておらず、私は何かを入れようと考えました。ですがおそらく、どんなものを入れたとしても、この壺は重さに耐えきれず壊れてしまうでしょう。
 ならばなにも入れず、触れもせず、ただ眺めていようと思いました。そこに入るべき、だけれど現実には存在しえないなにものか、私のなかの最も美しいなにものかを想像の中に探しながら、ただずっと眺めていようと――
 すみません、話が逸れました。ともかくあの壺は私のお気に入りです。その点はご安心ください。
 そんな素晴らしい物を売ってくださったあなたに、ですが私は謝らなくてはなりません。
 この度手紙を差し上げたのは、先日人里でお話したことへのお詫びを申し上げるためなのですから。
 

 あの壷を、あなたは「幸福になる壷」として私に売ってくださいました。
 部屋に飾っておくのが良い、そうして壊れぬよう眺めているだけで良い。事実それ以外に使い道はなさそうですが、ともかくそうしていればきっと幸福がやって来る。家に在っては家庭円満、庭に在っては五穀豊穣、旅に在っては交通安全、弾幕勝負も諸芸上達、失せ物は出るし待ち人は来る、そのほか出世開運萬福招来なんでもござれとまこと幅広きご利益たるや、毘沙門天様にも比肩しうるものだと仰られた。ところが相も変わらず寺の者たちは聖の目を盗んで喧嘩ばかり、庭で育てた茄子は一向に実を付ける様子もなく、遠出をすれば道に迷うし、弾幕勝負は連戦連敗、宝塔は失くすし出会いはないし、直近の宗教戦争ではまさかの留守番を命じられる体たらくと実に散々な有様でして、そのたび私はあの壺を見つめながら、こんなことを考えます。
 『だが我々の幸福とはどのようなものだろうか?』
 未だ答えは出ません。幸福に定型はありませんし、私にとってどうであれ、誰かが見ればそれは幸福と見えるのかも。
 ただ一つ言えるのは、私にあの壺のご利益はないようだ、ということだけです。
 ――ああ、いえ、あなたを責めようという訳ではないのです。そのどれもが、少なくとも私に原因があるのだと、今はわかっていますから。
 寺の者が喧嘩っ早いのは、お互いに我慢せず言い合えるからでしょう。茄子が生らないのは、世話をきちんとしなかったから。目印を覚えないから迷うのですし、勝てないのは単に実力不足。宝塔はなぜ失くすのか理解できませんが、終日寺に居れば出会いはなくて当然です。それに留守番だって、信頼されているから任されているのです。……多分。
 壺と不幸に因果関係はありませんし、壺と幸福にもないでしょう。ですが、あなたは本当に、私がこの壺を買えば幸福になれると信じていたように見えました――

 私はあなたから壺を買いました。里への買い出しから戻る途中でした。あなたは偶々行商の帰り道だった。鈴仙さんの代理だったのでしょうか。私はあなたに声を掛けられた。そこのお姉さん、貴女に訊きたいことがあるんだ。私は怪訝な顔をしたと思います。あなたはこう続けました、あんた今幸福かい。私は少し考え込んで、どちらかと言えば、と言葉を濁しました。自信を持って幸福と言えなかったのは、種々の悩みが頭の片隅にちらついたからかもしれません。どうも不幸そうに見える、とあなたは笑い、あんた人間だろう、いいものを紹介してあげようと続けました。いいものですか、と聞き返すと、あんたにだけ特別だよ、特別不幸そうに見えるからねと言って、出してきたのがあの壺でした。
 ……もう、お判りでしょう。
 私はあの時、はっきりと申し上げませんでした。つまり、その、私が人間ではないのだと。曖昧な言葉で、あるいは矛先を逸らして、真実を語らなかったのです。それは嘘とどう違うでしょう。知っていながら正さない、その行為を嘘と呼ばずになんと?
 ナズーリンから(私の部下です)、あなたの能力は「人間を幸せにする程度の能力」なのだと聞きました。恐らくあなたは善意から、あの素晴らしい壺を(私を幸福にするために!)売ってくださったのだと思います。壺そのものに効力はなく、代わりにあなたはその能力を発揮したのでしょう。しかしそれが不発に終わった。理由はひとえに私が妖怪であり、それをあなたに伝えなかったため、つまりは私のせいです。
 その日からずっと、あなたへ真実をお話しする機会はありませんでした。だけれど、このままではいけないと思ったのです。もしかしたらあなたはそのことを気に病んでいるかもしれない。自分の能力の正しさを疑ったかもしれない。そうならば、それは私に責任があるはずです。あなたを騙した、本当のことを言わなかった、私の吐いた嘘の責任が。
 
 以上、このようなわけですからと申し上げたく手紙を出したものです。
 秋も終わりに近付き、めっきりと肌寒くなりました。どうかお体にはお気をつけて、あなたの善いと思ったことを為していってください。
 正直に生きるということは天下の美徳です。これからも、あなたの商売が衆生を幸せに出来ますように。

                        百二十八季 長月の十二日  寅丸星より





無縁塚近くの小屋へと届きたる或る妖怪からの手紙



―――
ナズーリンへ、愛を込めて


 嘘を吐くのはいつものことだけど、まあこの手紙も嘘に関する手紙だからそのつもりで読んでもいいよ。
 でも損したくないなら、ちゃんと読んだ方がいいと思う。あんたにだって得はある話だからね。
 さて、別にどうというわけではないんだけど、でもどうにも癪だからこうして手紙を出す。
 私のことは、因幡てゐって言えばわかるでしょ? 直接の面識はないけどさ。私もあんたのことは噂で聞くよ、それなりに頭が回るらしいって。
 でね、ナズーリン。多分あんたは知ってると思うんだけど。この間あんたの上司を(……上司よね?)騙して壷を売ったのよ。幸福になれるとかなんとか言いくるめてさ。別にそれ自体はどうもこうもない。騙しに恨みっこはなしよね。きっとあんたもこう言うでしょ、『騙される方だって悪い』ってさ。頷いてくれるなら、私たち気が合いそうなんだけれど。どう?

 ……だけどね、困ったことに、先日馬鹿丁寧な手紙が届いちゃって。具体例は挙げないけど、あまりにも純粋が過ぎると壮大な皮肉になるのね。私驚いた。あれ天然でやってるわけ? あいつ何なの、疑うということを知らないの? よくあんた部下なんてやってられるわね。あの性格で疲れない?
 あー、まあいいや。それじゃ本題。
 騙すのってネタばらしの瞬間が一番楽しいの。私の話を信じ込んでる相手が、全部嘘だって知った時の唖然とした顔が特に好きでね。私はこっそりとその様子を見て楽しんだり、直接本当のことを伝えてみたり、からかってみたりする。あ、勿論相手は選ぶよ。巫女なんかには特に、『ウソでしたー!』なんて言わないほうが身のためね。その分一人になってから大笑いするわけだけど。
 でも上司さんの論調だとさ、私がいくら嘘だって言っても『そうまでして私の嘘をかばわないでください!』とか言いそうじゃない。私ね、そういう面倒なのは嫌なのよ。そりゃ、そうやって無理に信じようとする様子は笑えるかもしれないけど、その笑いは私の流儀じゃない。騙されるか気付くか、そこの境目ははっきりさせておきたいのよね。勝手なポリシーなんだけどさ。気付かない相手をあざ笑うのはよし、気付いた相手を今更気付いたの? って馬鹿にするのもよし、でもその嘘が本当かどうかは、いや嘘なんだけど、曖昧なまま放っておくことはしたくないわけ。そうしないと、私はきちんと笑えない。どっちの立場で馬鹿にするか、困っちゃうのよね。
 だからといって、上司さんに真っ向から「嘘だったんだよばーかばーか」って言い続けるのも芸がないかなって思うの。多分意固地になっちゃうでしょ? そっちの方向性であんまりやりすぎると傷付けちゃいそうで、そしたらあんたも怒るかもしれない。あんたを敵に回すのはちょっと厄介そうだしなるべく避けたい。まあ、大体そんな感じかな。手紙の意図はわかってくれた? わざわざあんたの住処の方に届けた理由もさ。

――手を組みましょ。
 こっちからの要望はひとつだけ。嘘だってことを、あんたのほうからそれとなく気付かせてほしい。私が嘘を吐いているかもしれない、でもそんなことないって信じたい、くらいのギリギリの線を狙ってほしいな。勝手な注文だけどさ。その代わり、上司さんにはなるべくやさしーく種明かしするから。ああ、方法は任せるからね。上司さんのことを一番わかってるのは多分あんたでしょ? だから、あんたが一番適任ってこと。
 あんたのほうが多少面倒だろうから、謝礼はするよ……っても信じてもらえないかな? 普段の行いが行いだししょうがないか。そうね、適当なときに永遠亭を訪ねるか、人里に出てる鈴仙に声掛けて。話は通しておくからさ。よろしくね。


                    百二十八季 長月の十六日 書いた奴:因幡てゐ




行商帰りの月兎と呼び止めたる鼠の話



「そこのお嬢さん、ちょっと待った」
「え? ああ、ナズーリンじゃない。久しぶりね」
「おや、私のことを覚えてるのか」
「ま、従者組としてはね?」
「……この間の宴会のあと、家まで送ってくれたのはきみだったか。すまないね、あの時は前後不覚で」
「凄いところに住んでるのね。据わった目で、こっち、って言いながらどんどんと人気のない場所に歩いてくんだもん、送られ狼かと思ったわ」
「いや襲わないから。……酔って変なことを言わなかった?」
「何も聞いてないわよ?」
「そうか、それはよか――」
「ナズが寅丸さんをどう思ってるかなんて一言も聞いてないからね!」
「……くれぐれも内密に頼むよ。どうやっても愉快な話にはならないだろう?」
「えっ?」
「……」
「まあいいわ、何の用なんだっけ」
「きみの友人について話があってね」
「てゐね。今度は何やらかしたの?」
「ノータイムで断言したな? まあその通り、実はご主人様が幸福な壷を買ってしまってね。騙されるあの方も大概だけれども」
「貴方も大変ねえ。そうかこれか。ナズ、えーっと……あったあった、『例のブツ』。あなたに渡すよう言われてたのよ」
「どうも。……ちゅうちゅう、たこかいな、っと。うん、まあこれくらいが妥当かな?」
「珍しい数え方するのね」
「え、十を数える時はこうだろう」
「二四六八十(にしろやと)が普通じゃない?」
「そうなのか?」
「……どうなんだろ。で、それは何のお金なの」
「当ててごらん」
「……てゐからはこう聞かされたわ。『この間ナズーリンと一緒に呑んだ時、たまたま持ち合わせがなくて奢ってもらった。鈴仙の方が会う機会多そうだから、見つけたら代金を渡しておいて』、って」
「きみも大変な友人を持ったものだね」
「ってことは、やっぱりでまかせなのね。本当は何に使うわけ?」
「――ま、言ってもいいか。多分、依頼料って認識でいいだろう」
「詐欺の片棒かしら」
「そういう訳じゃないよ。私にも多少得はあるんだ」
「ますます怪しい。このお金の出所って、もしかして壺の……」
「どうだろうね。けどまあ、私はご主人様に土産を買って、釣り銭を懐に収めるわけだ。トータルでは因幡のと私がちょっと儲かるな」
「やっぱり詐欺じゃない!」
「今回の件に関しては私はノータッチだよ。因幡のともまだ面識はない」
「それも嘘だったりする?」
「しないしない。ご主人様に損をさせるようじゃいけないからね。放っておいても勝手に損する人だから、わざわざ罠にかける意味もない」
「……へえ」
「そういえば、きみにひとつ借りたいものがあるんだ」
「薬ならいくつか持ってるけど」
「つけ薬は?」
「ないけど、どっちの意味で訊いてるの?」
「さてね。って、そうじゃなくてだな。悪いんだが、きみの名前を借りたいんだ」
「何に使うのよ、そんなもの」
「まあ聴いてくれ。先だって、ご主人様には騙されているよと言ってみたんだ。子供が泥遊びで作ったような壷だし、とても効果があるとは思えない。第一あなたは妖怪なんだから、因幡の能力だって効き目がないだろうってね」
「そうでしょうね。寅丸さんはなんて?」
「返ってきた言葉はこうだ。『ナズーリン、あなたの気持ちはありがたく受け取りますが、善意を疑うことはしてはいけません。本当の善意まで見落としてしまっては、昔の彼らと同じになってしまいますよ。私は、イナバさんの善性を信じます』。けどさあ、その論調だと最後には部屋が壷で埋め尽くされるだろう? そんな場所で物でも失くしてみろ、どう考えても大惨事だ。被害に遭うのが私かご主人様かはわからないけど、大体あの方はもう少し――」
「ちょっと、ちょっとナズ待った。ストップストップ」
「……失礼。だけど、おそらく私がなにを言っても、あの人の性善説は覆せないだろうと身に沁みてね。どうしようか考えていたところで、きみを見てピンと来た」
「えっと?」
「手紙を出そう。この壺が偽物で、因幡のに善意なんてないのだと、そんな内容を告発する手紙だ。当然本人からの自白文なんて望むべくもない。だからね、たれ込みで行こうと思うんだよ。永遠亭の内部から出すなら、一番自然なのはきみだろう。見たところ、きみのお師匠様も姫様も、因幡のの尻拭いは面倒がるだろうからね」
「――私がてゐの悪事を知って、『善意から』寅丸さんに報告する、ってことね?」
「無理のない筋だと思うんだが、きみはどうだろう?」
「えーっと……てゐには、普段の意趣返しくらいはできそうね。しょっちゅうひどい目に遭わされてるし」
「内容はきみに確認をとってから送ろう。手紙自体はきみが書いてくれてもいいんだが……いや、そうか。内容だけ私が考えて、手紙はきみが書くべきなのか」
「まあ、それくらいなら時間は取れると思うけど……私が書くと、共犯にならない?」
「君の字を真似てみるのも手かな。ただ、私の字はご主人様も見慣れているだろうから。万が一偽書の疑いを持たれたらそれこそ面倒なことになるだろう?」
「それもそうね。……あの子に一泡吹かせられるなら、うん、協力してもいいわよ」
「それじゃ決まりだ。次の行商はいつだい? そのときにやろうじゃないか」




命連寺へと届きたる或る妖怪からの手紙



―――
寅丸様へ

 どうしても貴方のお耳に入れたい事がございまして、こうしてお手紙を差し上げます。
 私は鈴仙・優曇華院・イナバと申します。永遠亭で、地上の兎のリーダーなんぞをしています。
 お伝えしたいことというのはですね、最近部下の因幡てゐが随分羽振りよく遊びまわっておりまして。
 薬師であるお師匠様に仕えて、いろんな仕事をしているのは私も彼女も同じはずなのですが、それにしてはあまりにも分不相応な金遣いに見えたのですよ。
 そこで、不審に思った私が問い詰めたところ、てゐはあっさりと以下のことを白状しました。
 ・申し付かった仕事は手早く済ませているとのこと
 ・遊びの金の出どころは、個人的に始めた商売であること
 ・商売とは何かと問うと、壺の販売であると答えたこと
 ・その壺とやらはどこにあるのかと問うと、自分で作るのだと答えたこと
 そこまで聞いたうえで、それがなぜ売れるのかと尋ねた時、彼女は『私は芸術家だからね』と楽しげに答えました。そんなばかな。私は知っています、あの子の壺が売れる理由は、壺そのものが評価されているからではないのだと。重ねて、どう売っているのかと問うと、『付加価値を付けている』との回答が得られました。付加価値とはつまり、自分が相手を幸福な気持ちにすることである、と。
 そのあたりで私はああまたかと思ったのですが、貴方は恐らくご存じないのでしょう。
 まずは同封したスクラップをご覧ください。文々。新聞の切り抜きです。あの記者も随分信用できない天狗ですが、この記事は事実です。彼女は賽銭詐欺を行ったという前科があります。巫女に代わって賽銭の集金をして――まあその時点で気付けよ、という話ですが――得た金を懐に収める。これを詐欺と呼ばず何と呼びましょう。
 そのほかにも、彼女は記事にはなっていないものの大小さまざまな嘘用いて、しょっちゅう皆を苦笑させているのです。かく言う私もよく被害に遭います。そんな彼女の商売ですから、真っ当であるかどうか疑ってかかるのも当然でしょう。
そうやって疑惑を抱いていたところ、先日里でナズーリンさんとお会いしまして、貴方が壺を買った事を伺いました。
 本人は幸せそうなので放っておくか、とナズーリンさんは仰っていましたが、聞いたところの手口はやはり先述の詐欺と同様、これはリーダーとして放っておくわけにはいけないと思い、こうして手紙を出したものです。
 判断はあなたに委ねます。ただ最後に、私が彼女にこう尋ね、そしてこのような回答が得られたということを明記しておきます。

問:寅丸星という人を知っている?
答:……ん? ああ、あのお寺の妖怪ね。人じゃないでしょ。そりゃ知ってるけど。
問:いつ頃から知っていた?
答:この間の神霊騒ぎの時くらいかな。何年前だっけあれ、二年くらい?
問:てゐ、あんたの能力って人間以外にも効くわけ?
答:え、なによいきなり。そりゃ効かないと思うわよ。人間はほら、儚いから効くの。鈴仙ちゃんはずっと私の傍にいるけど、それで幸福になった?
問:寅丸さんが良い壺を買ったらしいんだけど、あんた身に覚えは?
答:記憶にございません。

――貴方にだってお判りでしょう? 彼女は本当に嘘吐きなのです。

                   百二十八季 長月の二十五日 鈴仙より 





命連寺にて交わされたる主人と部下の話




「おはようございます、ナズ」
「おはようござ……どうしたんですご主人様、押入れなんかに頭を突っ込んで」
「ああ、手紙用の筆がどうにも見あたりませんので、探していたのです」
「手紙用の筆?」
「ええ、どこに仕舞ったのか……」
「別に筆くらい、寺に予備があるでしょうに」
「いえ、あの筆だから良いのです」
「……それはまた、どうして?」
「あなたに貰った筆ですから」
「またそんな――いや、待てご主人様」
「なんでしょう」
「……その筆をなくしたと?」
「えっ? ……あっ、ごっ、誤解です!違います!」
「いいんだいいんだ、別に気にしないでくれ。私はそういったことを気に病むたちじゃないからね」
「あの、どこへ?」
「ご主人様は捜し物を続けてくれて構わない。私はちょっと隅っこでいじけてくるから」
「あ、ああ……ごめんなさい、大事に使ってますから! 滅多に手紙を出さないだけで」
「しょっちゅう私書を出してたら、それはそれで問題だ」
「うっ……え、えーと、ナズは手紙とか書かないんですか?」
「……私が手紙を書くときは、貴方の部下を辞める時だろうね」
「えっ」
「そうだご主人様、筆を見つけたらちょっと借りてもいいかい?」
「なっ……だっ、ダメです!」
「ええっ!?」
「なんでその前振りから了承の言葉が出ると思ったんですか!?」
「もとは私の筆だから……ああごめん、冗談だよ」
「いきなり何を言い出すのかと思いましたよ」
「私は手紙が、特に私的な手紙なんかはどうも書くのが苦手でね。どうしても書かなくてはいけないとしたら、多分身の上に何かが起きて、貴方の元を去らなくてはならない時くらいだろう、と思っただけだよ。つまり辞表だね……そもそも、何で手紙筆なんて持ちだそうと?」
「先日、貴方が忠言してくれた件で、告発文が届きまして」
「告発文、ですか」
「鈴仙さんからでした。てゐさんは詐欺の常習犯なので気を付けてください、くらいの内容ですね」
「それで、返事を書くために筆を?」
「いいえ、てゐさんにですね。実際どうなのか、私書を出して尋ねようと思いまして」
「……それなら本人に直接訊いた方が早いんじゃないか?」
「それもそうですね……えっと、てゐさんは永遠亭でしたっけ?」
「迷いの竹林の方が会いやすい、と縁起には書いてあったかな。ただ、手紙にしろ会うにしろ、本人にどう訊くんですか?」
「それはもちろん、貴方は嘘を吐きましたか、と尋ねますが」
「はい、と答えたらどうするおつもりで?」
「正直に認めたなら、それ以上言うことはありませんね」
「――彼女が嘘吐きなら、吐いていません、と言うでしょうけど」
「……私は、やっていないと言うならそれを信じることにします。内心で舌を出しているのだとしても、それを呑みましょう」
「なぜ?」
「それでお互いが笑顔で別れられるなら、いいと思うんです。私たちの間には何事もなかったのだ、と、そう確認することにします」
「ご主人様は、それで笑顔でいられるんですか?」
「ええ。その嘘は、人を不幸にしないための嘘でしょう。人を傷つけないために吐く嘘は、傷付ける本当より余程上等なものかもしれません。勿論嘘は嘘です。だから、私は一度傷付いて、嘘を吐かれたことを確認したいのです」
「――本当、ご主人様は人が好いんだな。ちょっと待っていてくれ」
「どうしたんですか……一緒に? ああ、はい、騙されるかもしれないから? わかりました、待ってますね。でもナズ、ちょっと心配し過ぎじゃないですか?」




嘘を問われたる妖怪兎の話



 あ、この間の。ご無沙汰してます。
 ――はい、壺ですか。ええ、ええ、確かにお売りいたしましたね。
 そうですか、鈴仙から。ではお答えしますね。
 
 ばれちゃったか。思ったより頭が回るんだね。買う前から回っていればもっと良かったんだけどね。
 それより、鈴仙から手紙ってほんと?
 なんで鈴仙が、私があんたを騙したこと知ってるわけ?
 うーん、そっちを読み違えるとは思わないんだけどー。
 ……ああ、そうか。
 まあいいや、謝るよ。ごめんね、あれ嘘なんだ。ご利益あった? なかった、それは良かった。あったらどうしようかと思ってたのよ。
 私の能力じゃ、あんたを幸せにはできないもんね。……そりゃ有名だからね、それくらい知ってる。そうよ、知ってて騙したの。
 あんな壷が好みなら、里なら寺子屋、外なら太子廟かな。お値段は時価。私は筍と交換したけどね。良い壷かって? あたしには目利きの才はないよ?
 はーい。うん、素直に謝るのはやっぱり清々しいね。正直は天下の美徳? ああ、まあ、そうね。
 今後はちゃんと人間相手に売りますからー。
 あれ、どこへ? ああお寺。お仕事抜け出してきたんですか。実は私もなんですよー。お互い大変ですね、急いで戻った方がいいですよ?
 私? もうちょっとサボってから。

 


 よし、行ったかな。




 ねえねえ。あんたなかなかやるね。
 ……なんでとぼけるかな、そこで。上司はもう行ったんだしいいじゃん。
 あの手紙、あんたでしょ?
 鈴仙には何も言ってないもん。まともに手紙が来るなんてまずありえない。そっちで私がヘマを踏んだって考えるよりはどっかに嘘があるって考えるほうが建設的だし、それにあんたには動機があるでしょ?
 良い主従関係よね、お師匠様とは違うタイプ。あんたは苦労するけど、たぶんメリットがあるんでしょ? 何とはいわないけどさ。
 ……ちゃんと鈴仙には断ったって、律儀ねあんた。名前くらい勝手に使っちゃえばいいのに。
 話が通っているとしてもそれが礼儀だって? ちょっとちょっと、何の話?
 私が鈴仙に全部説明するわけないじゃん。そんなことしたら絶対協力してくれないもん。
 かといって下手な言いくるめは不審に思われるだけだし、よほど巧い口実がないと。うん、だから今回は何もしてないよ。私は壷を売っていい気分だっただけ。依頼料? 何それ。壺の代金は全部私の懐の中だけど。
 へーえ、鈴仙かな。いや、ちょっと待てよ……
 ねえ。
 あんたどこまで仕込んだの?






嘘を問われたる月兎の話





そうよ、私が犯人よ。
てゐ宛の手紙が、なんでか私のところにきちゃって。宛名が「イナバ様」だったせいね。カタカナなら私の方だって、適当な分類されたのね。部屋に放り込まれてたわ。
それで、読んでみたら貴方の上司からの手紙じゃない。てゐが悪さをするのはいつもの話だけど、痛い目を見るのも大事よね。意趣返しのつもりもそりゃあったけど。
ええ、だからてゐの名前で貴方に手紙を出したの。よくわかったわね。
見比べられたからねって、私ちゃんとてゐの字を真似たんだけどなあ……見落としでもあったのかな?
え、名前? 誰の? ――私の?
私の字で手紙を書いてほしいって、そういう事だったわけね。しまったなあ。
自分の名前はねー。無意識に書いちゃったな。あーもう、慣れないことはするもんじゃないわ。てゐならそこまで気が回るんだろうけど。
私ももう少し疑うべきだったのかしら。てゐがそれ以外の目的で誰かを頼るなんて、それこそ詐欺臭いもんね。
身内からも信頼ゼロなのかって? いや、信頼してるのよ? 騙すこと以外で誰かを動かすことはしないもの。それだけは、絶対。
だからあの手紙は、てゐなら絶対に書くことと、絶対に書かないことを書いただけなのよ。
……理解があるって、なんだかんだ30年以上も一緒にいれば少しはわかるわよ。――貴方は違うの?
でも、たまにはてゐを出し抜くのも楽しいわね。
あらためて協力ありがと。ああ、あのお金は私から。それと、謝礼って訳でもないけど、一緒にお団子でも食べない?
小さな小さな祝勝会ってことでさ。





命連寺の一室にて交わされたる虎と鼠の話




「おはようございます、ご主――どうしたんですか、憂鬱な顔して」
「……ナズですか。ええ、あの、この間はごめんなさい」
「何がです」
「あなたの忠告を信じずに、自分の見えているものだけを正しいと思うなんて、やってはいけないことでした」
「――なんだ、そんなことか。いいんだよご主人様。私だって、ある意味では正しいと思った物しか見ていなかったんだから」
「そうなんですか?」
「……嘘を吐くというのは、ケースバイケースだと思うんだ。絶対的に正しいことでも、間違っていることでもない」
「嘘をつかなければ誠実、真実を白日の下に晒せば誠実、というものでもありませんからね」
「ただ、嘘を吐けば誠実、というのだけは確実に嘘だな。この前のでよくわかったよ」
「てゐさんは、たぶんまた嘘を吐くんでしょうね」
「まあ、それがわかっただけでもいいんじゃないか?」
「……嘘なんて、吐かなくて済むならそれが一番ですよ」
「己にも、相手にも、嘘を吐かずに生きていけるならいいんだけどね。存外、それが難しい」
「そうですね。両方に正直に、というのは本当に……」
「……話題を変えようね。筆、見つかったよ。押入れから出てきた。晦日(みそか)の大掃除で仕舞ったんだろう」
「あ――本当ですか! 良かったぁ……」
「書初めは寺でやったから、使わなかったんだろ?」
「そうですね。手紙のやり取りも、ここの所はあまりなかったので……」
「別に、無理にあの筆に拘らなくてもいいのに。何本か予備はあるよ?」
「全部ください」
「おい」
「だって、手紙を書く筆がなければ、ナズはいつまでも傍にいてくれるでしょう?」
「…………、……………………ご主人様、私は嘘吐きが大好きなんだ」
「なんです、藪から棒に」
「いいや、何でもないさ。今日は随分と冷えるようだから、風邪を引かないようにね」
「ええ、ナズもお気をつけて。宝探しもいいですが、怪我なんてしたら嫌ですからね?」
「ああ、そうするよ。……そうだ、ご主人様」
「なんですか、ナズ」
「あの筆な、手紙用の奴。随分と放っておかれてたみたいだから、一応すぐ書けるように手入れはしておいたよ」
「ナズのそういうところ好きです」
「そう思うならきちんと手入れしてくれ。全く、最後に使ったのはいつだい?」


「……半年くらい触ってませんね。私信はしばらく出していませんから」







そうして小さな小さな嘘を今日も私は吐き続ける。貴方にも、自分にも、偽りの言葉を投げかける。
それが私たちのためであると信じているからだ。
家に戻って、夜を待つ。
一人きりの時くらい、そんな偽装はいいだろう。
嘘を吐くたび、心は軋む。あとどれくらい保つだろう。あと何回、貴方を騙せばよいのだろう。

もし私が手紙を書くなら、貴方の部下を辞めたいと書く。
きっとその手紙は、こんな書き出しから始まるはずだ――





嘘を告白せし妖怪鼠の手紙


―――
「嘘の多い生涯を送ってきました。
 己のため、誰かのため、在りたいようにあるために、たくさんの嘘を吐いてきました。
 人を欺き、己の心を偽り、恐れ多くも貴方の名を騙ったことすらありました。もちろん、悪意で騙すことはしませんが、結果として誰かを不幸にすることはあったかもしれません。
 何のためかは問題ではない、と貴方は言うでしょうね。たとえ善意でも悪意でも、嘘を吐いたという行為そのものを恥じるべきだと、おそらく貴方はそう言うでしょう。――言いながら、貴方は自分をも責めるでしょう。人を欺いてきたのは私も同じではないのか、自分にはそんなことを言う資格はないだろうと、きっと自分を責めるでしょう。
 どうかそれはお止めくださいね。貴方はそれでいいのだとしても、傍で見ている私はどうすればよいのかわからなくなります。そんなことは気にせずとも良いのです。ただ私の嘘をお咎めくだされば。
 そうです、私は貴方にだって、幾つも嘘を吐いてきたのです。
 真実を告げないこと、曖昧な言葉ではぐらかすこと、あえて貴方に伝えないこと、考えつく限りのあらゆる手段で、貴方を騙してきたのです。
 軽蔑なさいますか。長いつきあいですが、これに関してだけは、あなたがどう言うのかどうしてもよくわかりません。
 
 そんな私の言うことですから、貴方に信じてもらえるとは思いません。だけれど、もう止めにしましょう。ごまかしや、曖昧や、勘違いに答えを委ねるようなことは止しましょう。
 私は……私は、嘘に疲れたのです。貴方を欺く自分にも、欺かれる貴方にも、嫌気がさしているのです。
 ですから正直に、率直に、貴方にこう伝えましょう。

 私は。
 何年も、何十年も前から、
 私は貴方のことが――


くしゃり、と乱暴に紙を丸めて、妖怪鼠は文机に突っ伏した。
やがて部屋の灯もかき消え、彼女は秋の夜のすずやかな闇にその身を委ねたのだろうか、野にはただ鈴虫の音が響くばかりである。
手紙の行方は、誰も知らない。
いつか壺が壊れる日まで、私は嘘を吐くでしょう。
梶五日
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1.7ばかのひ削除
嘘というお題からこういうものが来るかなと思っていた通りのものが読めました
 一度の裏切りならぬ重ねた嘘を
とても面白かった!
すっきりとしたよい嘘でした
2.2mayuladyz削除
コメントが長くなりますが許して下さい

物語の内容は普通でした
ただし、構成(情報を読者に提示する順番)
によって面白くなったと思います

基本的に小説の時間は現在から未来へ進行しますが
読者に興味を抱かせ、かつ最後まで持続させるために
この流れを変更する場合があります

今回の物語は下記のとおりです

1.永遠亭へと届きたる或る妖怪からの手紙
2.無縁塚近くの小屋へと届きたる或る妖怪からの手紙
3.行商帰りの月兎と呼び止めたる鼠の話
4.命連寺へと届きたる或る妖怪からの手紙
5.命連寺にて交わされたる主人と部下の話
6.嘘を問われたる妖怪兎の話
7.嘘を問われたる月兎の話
8.命連寺の一室にて交わされたる虎と鼠の話
9.嘘を告白せし妖怪鼠の手紙

この構成では時間は現在から未来に流れています

そして私なら9を冒頭に持って来てます
読者に「ナズーリンの想いは叶うの?」
と興味を抱かせたまま話を進めます
そして最後に9の続き、または新たに10として締めを書いて
ナズーリンの想いについて答えを出します

つまり、冒頭の9から見ると
1から8は過去の話となり
最後にまた現在へ戻る構成です
現在→過去(古い順から現在へ流れる)→現在

簡潔に言うと、冒頭で問題を提示し
中盤で問題解決のプロセスを提示し
最後に答えを提示する流れです

なぜ冒頭を変更するかというと
冒頭の「もうひとつだけ、貴方を騙す」
だけでは読者の興味をひく問題としては
インパクトが弱いと思いました

さらに
冒頭の「もうひとつだけ、貴方を騙す」は
一応、現在→過去(古い順から現在へ流れる)→現在
の流れですが、その構成を読者に認識させるには
言葉(情報)が不足してるように思えます

そして冒頭の「もうひとつだけ、貴方を騙す」を読んで

 ・貴方とは誰なのか?
 ・もうひとつの嘘とは何をさしているのか?

と疑問は浮かびましたが、それよりも
「またこんな感じか…」
というのが冒頭を読んだ感想です

なぜなら、お題の「嘘」に関連した言葉は
他の作品でも沢山登場するので、読者は飽きています
なのでインパクトは薄くなると思います

勘違いしないで欲しいのは
お題の「嘘」に関連して言葉を使うなと言う事ではありません

むしろこの「嘘」に関連する言葉を
どこで使うのが一番効果的かと考えるべきです

もしお題が「嘘」で無ければ、この冒頭でも良いと思います

それから
作者は意図があって採用したと思いますが
セリフのみの、やり取りで時々「ん? これは誰のセリフだ?」
と混乱してしまいました それとも混乱するのは私だけなのかな?

行間に空白をいれるなり、短く纏めるなり、地の文を入れるなりの
工夫が必要だったと思いました。

と偉そうなくちぶりでしたが
私も素人なので、参考程度して下さい(´・ω・`)
3.7ジューシー削除
自然体な星くん素敵でした!
4.9あらつき削除
2回読んだ。面白かった。
5.10名前が無い程度の能力削除
芸が細かいですね!思わず最初から読み返したくなります。
6.8名無削除
悉く騙されました。皆がナズの手のひらの上で踊っている様は、流石は賢将といったところか
7.6uiui削除
やはり幻想郷は愛すべき嘘吐きどもばかりですね

寅丸の生き方は善ではありますが、けしてほめられたものではないと思います
8.10がま口削除
素晴らしい。小説という形式を十二分に利用した叙述でした。
最初は星ちゃんええ子やぁ……ってか出てくる子みんなええ子やないですか! みたいなほのぼのストーリーかと思ったのですが、まさかのてゐを騙すどんでん返し。
それでやられたぁ、と思っている所にナズーの切ない心情の吐露で話の根本をひっくり返す大どんでん返し!
いやぁ、面白かったです。心地よく騙され、エンターテイメントとして完璧でした。
9.5みすゞ削除
ちょっとよくわかりませんでした。最初の手紙を書いたのはねずみさん?
10.9PNS削除
 これは実にいいナズーリン。
 やっぱりこのキャラは暗躍が似合ってますね。
11.9ナルスフ削除
面白かった! ほとんど地の文が存在しないというスタイルもなかなか。
賢将の手紙っていうから、手紙だけの作品だと思って、この手紙ってもしかしてナズが書いたとして読み取るべき? と思ってたら手紙が終わったから違うのかと思ってたら、マジでナズだったとは。
さすがナズ様は賢将だぜ!
最後の切なさが不意打ち。
12.9道端削除
 うーん、上手い。
 嘘という題材を上手く用いた技巧的な作品でした。二転三転する真相に思わずはらはらどきどき。
 登場人物の殆どが嘘つきという中、ただ一人ずっと真摯でありつづけた星ちゃんが印象的。ともすれば単なる騙され役でカッコ悪いだけで終わる可能性もあっただろうが、なんというか、登場人物たちの一歩上の視点に立っている彼女は一番かっこよかったのではないか。しかし、星がそういう性格だからこそ、ナズーリンは自分を追いつめてゆくのか。
 最初の手紙もナズーリン作。ナズーリンはあの人間を壷に例える比喩に、どんな思いを込めたのだろう、と想像して悲しくなる。
13.7名前が無い程度の能力削除
これからも嘘を吐き続ける(続けねばならない)ナズを想像すると
なんかニヤニy・・・もといモヤモヤしてしまいますな
14.8生煮え削除
入り組んだ仕掛けで読み進めるのが面白く、最後まで愉しく読めました。鈴仙がてゐを騙った手紙の、鈴仙の名前を出したから嘘だと気づいたというあたりが少し判りづらかった(読み直して納得はできましたが、一読目で直感的に理解できる感じではありませんでした)のと、台詞が交互に続く会話シーンが物凄く混乱しやすいので読みづらい点が残念でした。
また、ナズーリンの目的(本心)があえて伏せてあるのはいいのですが、結局ナズーリンと鈴仙がなにを変化させたくて最後に何を得たのかと考えてしまうと、本当に僅かですがひっかかりを覚えてしまう面もあります。その僅かなひっかかりから、話の構造的なロジックと仕掛けが優先でその構造にキャラクターを当て嵌めたんだろうなというのがうっすらと透けて見えてきそうで。
15.9名前が無い程度の能力削除
いやぁ、ナズーリンの嘘が分かった時、思わず叫んでしまいましたよ
どの手紙も偽りではありましたが、それぞれの個性が出ている文で素晴らしかったです
各所に光るナズ星もとても美味しゅうございました
「あなたに貰った筆ですから」とか素敵じゃないですか
16.10きみたか削除
これは二転三転、次から次へと手紙を通した騙しあい、最後には星も嘘に参加する、お題の生かし方が良かった。いじられ役の多い鈴仙が活躍する話は何かと冴えがあるように思います。
17.5エーリング削除
ナズは本当に頭の良いお方……
18.7K.M削除
嘘がいっぱいで、込み入っていて。実に好みでした。
19.9時間が足りない!削除
時間が足りないので、感想は後日に。申し訳ないです