第十三回東方SSこんぺ(アメリカ)

16

2014/02/28 12:05:06
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 どさり、と音を立てて、15号の身体は崩れて落ちていった。
 しばらく地面の上で痙攣したように震えていたが、やがて動かなくなる。
 様子を見ていた咲夜は、彼が絶命したことを見届けると、しゃがみ込んで喉元にナイフを宛がった。

 一気に切り裂くと、鮮血が高く舞い踊る。
 濃厚な血の匂いが畜舎を満たしていった。

 慣れた行為だった。
 もう何度も同じことを繰り返している。だから躊躇いも憐憫も何も無いはずだった。
 でも今夜ばかりは勝手が違う。
 いつもなら後の解体を美鈴に任せて立ち去るはずが、今は立ち尽くしたまま動くことが出来なかった。

 咲夜は彼の右腕に刻まれた「15」の数字を忌々しげに見つめる。
 彼は15番目だ。
 1から30までの数字を刻印された者たちは、それが主の所有物であることを示している。
 咲夜は、次の数字が「16」であることを呪った。


 ナンバ―15号は、最近畜舎に入れられた「人間」だった。
 聞けば外の世界から迷い込んできた者らしい。
 レミリアはそんな彼を端金で「買って」きたのだ。

 人身売買――「奴隷」

 大国アメリカが、その発展の為にかつて使用したツールだ。
 現在彼らはそれを悔やみ、幻想に追いやろうと躍起になっているが、お陰で別の場所がそのツールを受け入れることになった。
 人々から忌み嫌われ、忘れられようとしている「奴隷」は、幻想郷の気風によく馴染んだ。

 奴隷を斡旋しているのは八雲紫だった。
 彼女は幻想郷の内外を問わず、口減らしに捨てられた者、遭難して行方不明になった者、あるいは自ら死を望んだ者らを拾い、奴隷として売買していた。
 それは人を襲わずにはいられない妖怪と、これ以上里人の数を減らすわけにはいかない幻想郷の事情と、双方に折り合いを付けるための苦肉の策であった。

 八雲は、奴隷は人間ではないので人間を襲ってはいけないという規則に反するものではない、と弁解している。
 里人たちの耳には詭弁に聞こえたが、必要はそれを黙認させ、多くの奴隷が幻想郷中で取引されていた。

 中でもレミリアの場合は、さらに踏み込んだ扱い方をしている。
 私以外の全ては私にとっての「家畜」でしかないのだ――、彼女はそう言って笑ったのだそうだ。


 ……15号の首筋からは、どくどくと血が溢れ出ていた。
 その赤は決して気持ちの良い色ではない。
 咲夜は思わず隣の部屋へと目を逸らした。簡単な柵で区切っただけのその部屋では、「16」の数字を持つ少女がすやすやと寝息を立てていた。

 16号は咲夜ともそう歳の変わらない少女だった。
 金髪に可愛らしい青い瞳が印象的で、本来ならこんな陰惨とした畜舎ではなく、太陽の下で元気に駆け回っている方が似合いのはずだった。
 やがては温かな家庭を築き、幸福な人生を送っていく未来もあるはずだった。
 咲夜は彼女と初めて会った時に見た、不安そうな、縋るような視線を思い出す。

 ――だから、どうしたというのだ。
 つい沸き上がってしまった感情を、咲夜は慌てて追い払った。

 畜舎の窓からは夜を照らす真円の月が見える。
 今夜は満月。
 あの月が新月を経て再び円を取り戻す時、咲夜は16号を屠殺しなければならない。


  ★


 次の日の夕刻、主レミリアがまだ眠っている頃。咲夜は地下魔法図書館で魔女のパチュリーに紅茶を淹れていた。
 この魔女は主の友人として紹介された人物で、雑多な知識と高度な魔法を習得しているという。
 いずれにせよ、咲夜にとっては遥かに目上の存在で、主と同等の接し方をしていた。

 本を脇に置いて黙考しているパチュリーの前で、とくとくとカップに紅茶を注いでいく。

「熱っ……」

 そんな時、不意にパチュリーが短い悲鳴を上げた。突如感じた熱量にその腕を振るう。咲夜の溢した紅茶がかかってしまったのだ。
 自分のミスに気付いた咲夜は、慌ててパチュリーに近寄った。 

「も、申し訳ありませんっ、お怪我は……」
「大丈夫よ。少しかかっただけだから」
「いえ、私の不手際で――」

 咲夜はパチュリーの右手を取る。長い袖が紅茶で濡れてしまっている。火傷になっているかもしれないと思った。

「少し見させてもらいます。パチュリー様のお身体に何かあっては……」
「ちょっと、触らないで! 大丈夫だって言っているでしょう!?」

 袖を捲って確かめようとすると、パチュリーは声を張り上げて言った。
 囁く様ないつもの声との違いに驚く。

「申し訳、ございません……」

 本当に大丈夫なのかはわからない。
 だが本人がそう言うのなら、これ以上は無礼と思い、咲夜はパチュリーの腕から手を離した。
 彼女はほっとするように息を吐く。

「珍しいわね。あなたがこんなミスをするなんて」
「……十分注意していたつもりだったのですが」
「何が原因かはわかっているわ」

 まだ苦しいみたいね、とパチュリーは言った。
 昨晩、部屋に戻った後に呑んだ薬のことを言っているのだと分かった。

「あなたも人間だもの。人間の屠殺を愉快に思えないのは当然だわ」
「でもあの薬のお陰で大分楽になりました。本当に助かっています」
「少なくなってきたらまた言って。用意するから」

 薬――とは、パチュリーが「精神安定剤」と言って咲夜に与えている錠剤のことである。
 初めての屠殺の後、咲夜は一日中吐き気に襲われ、ついには熱まで出した。
 見兼ねたパチュリーがその薬をやったのだが、今でも殺した後は薬がないと耐えられなかった。
 いつもありがとうございます、と咲夜は頭を下げた。

「咲夜に屠殺をやらせてみたら、と提案したのは私よ。同じ人間にやらせた方が奴隷たちの警戒も薄いから。あなたには酷な判断だったでしょうけど」
「……命令はお嬢様からのものです。異論を唱えるつもりはありません」
「私だってあなたが何を迷っているかは気付いている。レミィに相談してみなさいな。次の子を殺したくないんでしょう?」

 次の子、という言葉に咲夜は驚く。
 真意を当てられて、下唇をぐっと噛んだ。
 想いが見透かされたことより、表に出してしまった自分自身の不甲斐無さが恥ずかしかった。

 ――情けない、同じ家畜ではないか。

 咲夜は自分にそう言い聞かせた。
 だが何度言い聞かせても、不快感を拭うことは出来なかった。

「……もうすぐお嬢様が起床なさいます。失礼ですが私はこれで」
「そうね。あなたにその気が無いのならもう何も言わないけれど……」

 でも最後にひとつだけ忠告しておくわ、とパチュリーは続けた。
 その紫の瞳を咲夜の顔に向けてくる。

「レミィの元に行く前に一度鏡を見てみなさい。酷い顔よ?」

 ……パチュリーの元から退室した後、咲夜は自室に戻って姿見を眺めた。
 その鏡の中に居る自分は、青ざめてげっそりとしていた。


  ★


「ふわわ。おはよう咲夜。いい夜ね」

 両目をこすりながら食堂に入ってきたのは、主レミリアだった。
 彼女のための夕食を用意していた咲夜は、恭しく頭を下げる。

「おはようございますレミリアお嬢様。よく眠れましたか?」
「ううん。パチェが貸してくれた本を読んでいたら遅くなっちゃったの。まだ眠いわ」
「……お嬢様。御髪に寝癖がついていますよ?」
「えー? 直してー咲夜ー」

 レミリアはそう言って咲夜の腰に抱きついた。そのまま顔を押し付ける。
 あまりに幼い仕草に微笑みを誘われたが、これでも長い時を生きる吸血鬼なのだと思い直した。

 それからレミリアは食事に移った。今日の夕食は特製ミートパイだった。
 もちろん、それらは全て咲夜が作っている。味は主が太鼓判を押すほどのもので、今日も一流シェフさながらの一品だった。

 レミリアは満足げにそれらを平らげる。だが、彼女の食べているものが何から出来ているのかを思うと、つい眉をひそめてしまいそうになる。
 無論不服があるわけではない。それでも容易に受け入れることは出来なかったのだ。

(これではお嬢様に対して失礼だ。このお方は私の恩人だと言うのに……)

 咲夜は元々捨て子だった。行く当てもなく、ひとりで生きていく力も無く、そのまま枯れていく運命だった。
 しかしそんな彼女を拾い、育ててくれたのがこの紅魔館だった。
 件の斡旋所を通していないせいか、奴隷ではなく人間らしい扱い方をしてくれている。
 咲夜はレミリアに救われたのだった。

(感謝こそすれ、気味悪がるなんて論外よ……)

 それでも不快感は消えてくれない。
 そんな事を考えていると、不意にレミリアから声が掛かった。

「どうしたの咲夜。調子が悪そうだけど」

 食器の片づけをしていた咲夜は、はたと手を止めた。

「顔色が良くないみたいね。何かあったの」
「いえ。そんなことは」
「嘘よ。私に隠し事なんて通用しないわ。困ったことがあるなら相談してみなさいな」

 やはりか――、と咲夜は思った。
 幼い見た目だがこれでも長寿の妖怪である。不自然を見抜く目は人間の比ではない。
 少しの逡巡があったが、やがて意を決して切り出した。

「あの、実は家畜のことなんですが、ひとり使えそうな子がいるんです。出来れば私の部下にしたいのですが……」
「家畜? 畜舎の連中のこと?」
「はい。もちろん仕事はきちんと教えます。どうか許可を頂けないでしょうか」

 不安そうな、恐る恐るといった口調になった。もともと主に対してはっきり意見を言うことはあまり無かったのだ。
 だがレミリアは不思議そうに首を捻る。

「どうしたのよ急に。……あ、やっぱりメイドの仕事が辛いんでしょう。お休みをあげましょうか?」
「え……」
「いいわよ。休んでらっしゃい。留守中は美鈴に代わりをやらせるから。少し羽を伸ばすのもいいでしょう」

 レミリアは以前より、ほぼ休みなく働いている咲夜にたまには休んだら勧めていた。
 やんわりと断られたのでそれ以上は言わなかったが、やはり疲れが溜まっているのかもしれない。
 あなたがいなくても一日二日くらいは平気よ、とレミリアは胸を張った。

「いえ。そういうわけではないんです。ただ彼女を殺したくないんです」
「でも、奴隷でしょう?」
「ですが奴隷にだって仕事は出来ます。彼らは豚や鳥とは違います」
「そんなことを言われても困るわ。私には「人間」という食材が必要なんだもの」
「それはわかっています。人間を食用として扱うことに異論はありません。ただ、ひとりだけ特例を与えては貰えませんか」

 咲夜は簡単には引き下がらない。引き下がれば彼女が死んでしまうからだ。
 ここまで主に盾付くのは恐らく最初で最後になるだろう。出来るなら全て撤回して無かったことにしたい。
 でも、ここで退いてしまえば生涯悔いを残すことになる、その確信があった。
 しかしレミリアは首を縦には振らなかった。

「駄目よ。例外はいけないわ」
「でもお嬢様は、私を側に置いて下さったではありませんか」
「私にとって「特例」はただひとり。それで十分だわ」
「あの奴隷と私はよく似ています。どうかあの子だけでも見逃して貰えませんか」
「あなたは別よ。大切なあなたをあんな奴隷たちと一緒にしないで」

 私が傷つくわ――、レミリアはそう言って悲しげに瞳を伏せた。それだけで、高貴で、純粋な者を貶めたような罪悪感を抱かされる。
 勢いを失った咲夜に、主は諭すように続けた。

「ねえ咲夜。頭を冷やしなさいよ。あの子達は所詮「奴隷」よ。人間じゃないの。殺すことに躊躇いなんて要らないんだから」

 咲夜はうな垂れて、主の言葉をただ聞いている。
 こうなることは分かっていた。自分の主張がこの館の常識から外れていることは知っていた。
 それでも主を恨むべきではないという事も分かっていた。

 奴隷は家畜だ。
 しかし咲夜の腕に番号の刻印はない。
 彼女はその意味を、しっかり分かっているつもりだった。

(信頼の証なのだ。お嬢様は私を家畜ではなく人間として扱ってくれているのだ……)

 自分の境遇を思えば、すぐにでも奴隷として家畜扱いされてもおかしくなかった、咲夜はそう思っている。
 だからこそレミリアには逆らえない。その信頼を思うがゆえに、意見を貫き通せないのだ。
 いつしか咲夜は、レミリアからの信頼を重く感じるようになっていた。


  ★


 夜が終わってレミリアが就寝すると、咲夜も自室で休憩を取った。
 眠りは浅い。最近は一睡も出来ないことも多々ある。
 この日は少しは眠れたが、あまり寝覚めが良いとは言えなかった。

 起き上がって窓を開けてみると、外はおよそ昼過ぎという具合だった。
 咲夜はメイド服に着替えて再び仕事に取り掛かろうとする。
 姿見を眺めて仕度を整えていたら、扉をノックする音が聞こえてきた。

「咲夜さん起きてますか。美鈴です。食事を持ってきました」
「ありがとう。いつも悪いわね」

 咲夜は扉を開けて美鈴を部屋の中に招いた。トレーに載ったシチューがそっとテーブルの上に置かれる。
 たちまちシチューの香りが部屋の中を満たしていった。 

 紅魔館の食事は、何も咲夜がひとりで担当している訳ではない。
 レミリアの舌を満足させられるのは確かに咲夜しかいないが、しかし材料が材料なだけに調理には精神的な苦痛が伴う。
 そのため、使用人たちのものは各自で用意するようになっているのだ。
 とくに咲夜の場合は美鈴が調理を担い、忙しい彼女の為にわざわざ自室まで持ってきてくれる。

「それでその、レミリア様用の食材は、さっき調理室に運んでおきましたので」
「わかったわ。でも、こんな時に言わないでよ」
「すみません。私もこれから作業があるので……」

 屠殺した後の解体は美鈴の仕事だった。流石に咲夜ではそこまでのことは出来ないので、彼女が代わりにやってくれている。
 ならば屠殺の方も代わりにやってもらいたいとも思ったが、ここまで親切にされておいて仕事を選り好みするなど、咲夜にはとても出来なかった。

 咲夜が食事に移ったのを見ると、美鈴は仕事に戻ると行って背を向けた。
 咲夜はそんな彼女に声をかける。

「美鈴。いつもありがとうね」
「何を言ってるんですか。水臭い」
「うん。でも……ありがとう」

 幼い頃、両親に捨てられた咲夜を拾ったのは美鈴だった。山奥の古びた神社、どこにも居場所がないのだと泣く咲夜に、彼女はそっと手を差し伸べた。
 その後、レミリアから住み込みを認められた咲夜は、美鈴に育てられながら紅魔館の仕事を覚えていった。
 それはとても幸運なことだったと彼女は思っている。美鈴は時に優しく、時に厳しく、いつだって自分を見守ってくれていたのだから。

 それに美鈴だけではないのだ。
 この館にいる吸血鬼にしても魔女にしても、皆、悪い者はいないと咲夜は思っている。
 彼女たちは自分にとって家族であり、温かな居場所であったのだ。

 ただ種族が違うだけ。
 だから見える景色が違うだけ。
 違いといえば、それだけのことなのかもしれない。

 しかしその違いは、咲夜にとっていつも重く圧し掛かるものだった。


  ★


 午後からは奴隷たちを使った畑仕事の監督をしていた。手作業でトウモロコシ畑の雑草を除去していくのだ。
 彼らはこのような労働力としても有意義に使用されている。もちろん16号もその中にいた。

 咲夜は無言でそんな彼らを見ている。

(奴隷たちに思想はない。言葉を知らないからだ)

 おそらく斡旋所でそのような処置を受けたのだろう。奴隷たちは記憶を失い、言葉を失い、赤子のような状態で売買されている。
 以降も積極的に言葉を覚えさせるようなことはせず、ただ都合のいいように利用していく。
 きっと反抗するという発想すら無いに違いない。

(でも、私は彼らを笑えない。私も彼らと同じだったのだから)

 咲夜の両親は、いわゆる普通の親とは違っていた。生まれてきてしまった彼女を疎み、ろくな子育てもせず、少し使えるようになればそれこそ奴隷のように扱った。
 それでも反抗しようという意思は無かった。他に居場所が無かったから。彼らに見放されてしまえば、誰からも必要とされなくなると思ったから。
 いよいよ不要と見なされ、山奥の神社に捨てられた時でさえ、彼女は必死で両親を求めたのだ。

(あの時、私は四葉のクローバーを見つけられなかった……)

 ひとり残された神社で、咲夜はその葉を探した。
 もし見つけることが出来れば、父も母も戻って来てくれる。その幼い幻想は、絶望から目を逸らす唯一の手段だった。
 その後美鈴に拾われたが、もし四葉のクローバーを見つけることが出来たなら、今でも自分は父と母を求めるのだろうか。

 ……馬鹿げた幻想だと首を振った。もう自分の居場所はここ以外にない。
 だが奴隷たちならば、かつてあったはずの居場所を思い出すのかもしれない、そう思った。

 顔を上げて畑を見る。奴隷たちは彼らなりに懸命に作業を続けている。16号はどこだろうと思って辺りを見回してみた。
 だが彼女の姿は見当たらない。おかしいと思って畑の中に入るが、背の高いトウモロコシのせいですぐには見つけ出せない。

 まさか逃げたのか――、あり得ないとは思いつつ、どこかほっとしている自分がいた。
 逃げられたのなら仕方がない。レミリアからは罰を受けるだろうが、それで彼女が助かるなら、それでもいい気がした。
 そんなことを考えていると、何者かが自分の手を引っ張った。

「え……」

 顔を向けると16号が立っていった。嬉しそうににっこりと笑う彼女の手には、何かが握られているようだ。
 16号は咲夜にそれを差し出す。四葉のクローバーだった。

(あなたは、私が居場所だというの? 私の側が、あなたにとっての居るべき場所だと、そう言っているの――?)

 彼女が四葉のクローバーにそんな意味を見出しているとは思えない。
 しかし差し出されたのは事実だった。そして彼女の笑みが喜びを表しているのだということも。

 咲夜はそれを受取れなかった。受け取る資格が無いと思った。

(あなたは知らないだけなのよ。わたしは誰かの居場所になれるような人間じゃないのよ……)

 咲夜は16号の持っているクローバーをそっと彼女の髪につけてやった。寝癖のついたその髪は何故だかとても愛おしくて、切なかった。
 16号は何をされたのかわからず、きょとんとしている。

 いつの間にか他の奴隷たちも集まっていた。その面々も手にはクローバーを、見つけられなかった者はトウモロコシの葉などを持っていた。
 彼らは16号を羨ましそうに見ている。自分にもやってくれと咲夜の前に詰め寄った。

 全員に同じことをやってやると、皆が皆、その髪飾りを自慢し合った。
 そうして銘々に笑い合い、まるで今日の日を祝っているかのようだった。

 ……咲夜はそれを呆然と見ていた。
 見ていることしか出来なかった。


  ★


 満月だった。夜の畜舎は酷く冷え込み、時折吹き抜ける隙間風が痛いほどに肌を刺した。
 奴隷たちはただ一枚の毛布にくるまり、各々の部屋で眠っている。

 今日で15号を殺してからちょうど一カ月後の夜だった。月がめぐり、満月の夜にひとり殺す、そういうサイクルになっているのだ。
 ナンバー順にひとりずつ殺し、30号を殺してまた1号に戻る。
 殺された奴隷はすぐに斡旋所から補給され、一月前に殺した15号の代わりが、すでに同じ部屋で眠っている。

 機能的だな、と思った。
 なんとも合理的で無機質で、心の入る隙間のない、道具のような扱いだと思った。

 当然だ。彼らは奴隷で、家畜なのだ。
 心など無い方が良いに決まっている。

 咲夜は、壁際に据えられた大きな機械の前に立った。そこからコードの延びた銃を取り出す。
 非力な咲夜のために作られた屠殺用の電気銃だ。
 これを奴隷の額に当てて引き金を絞ると、電気が奴隷の脳を焼いて、あっという間に殺すことが出来る。

 咲夜はその銃を持ったまま16号の部屋に向かった。道に迷うほどの間は無い。あまりにも無慈悲な距離だった。
 部屋の中を見ると彼女はすやすやと眠っていた。
 安心しきっているように見える。
 今から自分を殺そうとしている誰かが近づいているなど、思ってもいないようだった。

 咲夜は握った銃に力を入れる。
 だが、16号の頭に干乾びた四葉のクローバーを見た時、膝から崩れ落ちてしまった。

(――駄目だ、私には殺せない。この子を殺すことなんてできない……!)

 無理だった。自分にはもう殺せなかった。
 それをしようと考えただけで、震えが止まらなかった。

 恐ろしい。おぞましい。畜生の行為だ。こんなことは絶対に間違っている。

 吐き気がした。涙が零れ落ちた。
 頭を抱えてしゃがみ込んだ。
 どうすればいいのかわからない。
 あるのは絶対的な嫌悪だけで、どうやって解決すればいいのか、まったく思いつくことが出来なかった。

 ――そこに。
 何者かの声が掛かった。

「どうしたの咲夜。泣いているの?」
「パチュリー様……?」

 夜の畜舎を訪れたのは食客である魔女だった。
 地下図書館を離れることでさえ珍しい。
 心配で様子を見に来た、と彼女は言った。

「私にも責任はあるからね……。何があったのか話してみなさい」
「パチュリー様……私にはこの子を殺せません。もう今までみたいに殺せないんです……」
「レミィには相談した?」
「はい。でも例外は認められないと。私はどうすればいいでしょうか……」

 咲夜は泣きじゃくる子供のように縋り付いた。
 パチュリーがそんな彼女の頭をそっと撫でた。

「わかったわ。あなたがそこまで言うのなら私からもレミィに話してみる。でも、あなたはそれでいいのね?」
「はい……、えっ?」
「あの子を人間だと認めてもいいのか、ということよ」

 咲夜にはパチュリーの言っていることがよく分からない。
 それのどこがいけないのだろうと思った。

「咲夜。今あの子に例外を認めてしまえば、今まで殺してきた者たちはどうなるの? 彼らも人間だったことになるんじゃないかしら。あなたは自分を「大量殺人犯」にするつもり?」
「そ、そんな、私は……!」
「でもそういうことだわ。ここで例外を認めるというのはそういうこと」

 パチュリーの紫の瞳がまっすぐ咲夜に向けられる。
 哀しいほどに澄んでいて、弱さも、欺瞞も、何もかも見透かされている様な気分だった。

「私は、人間の心はそれほど強くないと思っている。罪を認めてしまえばあなたは壊れてしまうでしょう。よく考えてから決めることね」

 私は奴隷より自分を大事にして欲しいと思う、パチュリーはそう言い残して畜舎から出ていってしまった。

 咲夜はまたひとりになった。


  ★


 ひとり残された咲夜は、地面に座り込んだまま、パチュリーの言ったことを考えていた。
 大量殺人犯、という言葉がこびり付いて離れない。
 だが実際、彼女は大量の人間をその手にかけてきたのだ。

 奴隷だと思っていた。
 家畜だと思っていた。
 そう思うことにしたからこそ、彼らを殺すことが出来た。
 しかしそれを止めてしまった時、今まで殺してきた彼らも「人間だった」と認めなければならないのではないか。
 自分が人殺しであるという事実と、正面から向き合わなければならないのではないか。

(……!!)

 ぞっとした。
 背筋の凍る思いだった。
 恐ろしくて、認めたくなくて、また吐き気がぶり返してきた。

 ……血の赤を思い出す。
 今まで殺してきた人間たちの赤。
 それが自分の為してきたことだと思うと、おぞましさに身の毛がよだつ。
 目の前がチカチカして、動悸が激しくなって、息をするのも苦しくなった。
 こんな思いをするくらいなら、家畜のままだった方がましだった。

 ――そう、思った瞬間。

 咲夜はとても気が楽になった。
 これはいいなと思った。
 何もかも解決する最善の選択肢を見つけた気分だった。
 悩むことはない。
 答えは初めから手元にあったのだった。

 彼女は、ゆらりと立ち上がる。

 ――家畜だ。
 ――食料だ。
 ――躊躇うな。
 ――例外など作るんじゃない。

 そうだ。
 レミリアも言っていたではないか。「例外は作るべきではない」と。
 もう引き返せないのだ。認める訳にはいかないのだ。
 自分が人間ではなく「悪魔」だったなど、そんなことを受け入れる訳にはいかないのだ。

 ……咲夜は、16号の部屋に目をやった。
 彼女はすやすやと寝息を立てている。自分の存在に気付きそうな素振りは無い。
 今ならば、簡単に屠ることが出来そうだった。

 再び屠殺用の電気銃を手に持った。
 まるで吸いつくように軽い。
 これが命を狩る重さだと誰かに説かれても、とても実感など沸きそうになかった。
 ただ作業の為の、利用する為だけのツールとしか思えなかった。

 咲夜は、その先端を16号の額に向けた。


  ★


「お食事の用意が出来ましたわ。レミリアお嬢様」

 咲夜は瀟洒な笑みで主を食堂に招き入れた。
 もうその表情に陰はない。足取りも羽のように軽かった。
 レミリアは咲夜の変わり様に少し驚く。

「元気が出たみたいじゃない、咲夜」
「ええ。肩の荷が下りたようです」
「それは良かったわね。私も嬉しいわ」

 はい、と咲夜は明るい声で返事をした。

 テーブルの上には鮮やかで色とりどりの料理が並べられていた。今夜のメインディッシュは、大きめのスライス肉を焼いたステーキだ。
 最近は肉料理が少なく、あったとしても小さなものしか出てこなかったので、レミリアにとっては大変喜ばしかった。

 食事が済んで食器が下げられると、少しお話しましょうよとレミリアが提案した。
 今夜はとくに予定も無いので咲夜はそれに従う。
 和やかな空気のままレミリアが話し始めた。

「何にせよ、あなたが元気になって良かったわ。私も少し心配していたのだから」
「お恥ずかしい限りです。ですが、これからはお嬢様にご迷惑をお掛けすることもありません」
「最近ずっと暗かったものね。あなたとこうして楽しくおしゃべり出来るのは嬉しいことだわ」

 それは私にとっても嬉しいことです、と咲夜は思った。
 胸のつかえが下りたような、晴れ晴れとした心地だ。
 もう何の迷いもなく主に尽くせるのだと思うと、胸が躍った。

 ところで、とレミリアが切り出した。

「ねえ咲夜。あなたは私が以前言ったことを覚えているかしら」
「以前、と言いますと?」
「ほら。あなたが奴隷を部下にしたい、と言い出した時のことよ」

 その話を持ち出されて、咲夜はむっと渋い顔になった。
 今はもう、恥ずかしくて思い出したくなかったのだ。

「私はあの時こう言ったわ。「私には人間という食材が必要だ」って。でもこうも言ったはずよ。「奴隷たちは人間ではない」と。あなたにこの意味が分かるかしら」

 ……何を言っているのか分からない、というのが正直な気持ちだった。
 問いが分からないのではない。その問いの意味が分からなかったのだ。
 何を言わんとしているのかが分からない。
 しかし、あまりに単純な論理の解は、少し考えただけですぐに分かってしまった。
 咲夜はゆっくりと口を開く。

「お嬢様は、奴隷を食肉として召し上がっていない……?」
「そう。あなたが屠った奴隷のどれにも、私は手を付けていない。じゃあ、彼らの肉を処理したのは誰なのかしら」

 あなたには心当たりがあるのではないかしら、とレミリアは続ける。
 からかう様な、面白がるような態度だった。 

 そんな態度に困惑しながらも、咲夜は更に黙考する。
 思い付いたのは解体のことだった。

 主の食事は自分ひとりで調理している。すり替えられるような隙は無い。ならばそれより前しかあり得ない。
 食肉は解体後、レミリア用と人間用が混同しないよう区別されている。
 しかし、その区別を行なっていたのは誰だったろうか。
 誰が自分の食事を用意してくれていただろうか。

 ――その真実に思い至った時、彼女は唇を震わせながら後退りした。

「まさか。美鈴は……」
「あの子は嬉々として従ってくれたわ。あれも相当いかれているわよねえ?」

 レミリアが呆れるように肩を竦める。
 何も不自然はない。自然な仕草だった。
 しかし自然であるがゆえ、咲夜の心は掻き乱されていった。

「なんで、どうして? そんなことって……」
「どうしてって、私は悪魔だもの。親切なだけの善人とでも思っていたの?」
「でも、そんなっ……!」
「……ああ、いいわ。あなたのその顔が見たかったの。恐怖、混乱、哀しみ、怒り、そして絶望――」

 あなたこそが私の餌よ、レミリアは笑って言った。

 ……開いた口の間からは牙が見える。鋭い牙だ。人間のものではない。
 ああこのお方はどうしようもなく悪魔なのだと、咲夜は今になって悟った。
 しかし、一度始まった混乱はなかなか収まらない。

「そんなっ、家畜は奴隷だけだと……だから番号の刻印は彼らだけでッ……!!」
「私以外の全ては私にとっての家畜でしかないわ。ただ、生かしてあげているだけ。その中から誰にどんな役割を振るのか、決めるのは私よ」

 混乱して喚き散らす咲夜に、まるで幼子を諭すような優しい口調でレミリアが語りかける。
 ひとつひとつ語られる真実が咲夜の心を抉っているのが分かった。それは旨味のある恐怖だった。人間を襲う醍醐味だと思った。
 あなたは「特例」ではなかったの――、またひとつ真実を告げてやった。

「よく育ってくれたわね。16番目の咲夜」
「そんな……」

 それが、とどめだった。
 咲夜は呻きながら崩れ落ちる。
 ようやく全てを理解した。

 十六夜咲夜は「16番目」だ。
 ナンバー16号。
 その名前に番号を刻まれたひとりの家畜。
 従者などではなかったのだ。

 ――何が悪魔になってしまう、だ。
 自分もまたレミリアにとっての家畜でしかなかった。
 食べるため、楽しむために、人間のまま育てられた家畜でしかなかった。
 ただ利用する為だけのツールでしかなかったのだ。

 レミリアが俯いた咲夜の顎を持ち上げた。ふっと楽しそうに微笑む。
 まるでおもちゃで遊ぶ子供のような顔だった。

 咲夜はその手を払いのけ、彼女の前から逃げ出した。


  ★


 自室に戻ると、いつものように食事が用意されていた。
 美鈴の作ったミートローフがテーブルに置いてある。その上には飾りのつもりなのか、干乾びた「四葉のクローバー」が乗せられていた。
 香ばしい匂いがすぐに漂ってくる。

 くっ、と咲夜は奥歯を噛み締めた。
 全身の血液が沸騰しそうな程の怒りを覚える。
 踊らされていた不快感と、自分の将来を案じさせる恐怖があった。

 ……だが結局、彼女は乱暴な手付きでそれらを喰った。
 今更、引き返すことなど出来ない。
 もう普通の人間には戻れない――否、初めから「普通」など知らなかったのだ。

 最後の一切れを口に入れた。
 ゆっくりと味わうように咀嚼していく。
 玉ねぎの水分と肉汁が口の中を満たしていく。
 嫌悪などはない。
 慣れ親しんだ味がした。

 ふと顔を上げると、レミリアから貰った姿見がこちらを向いて立っていた。
 鏡の中には、不安そうな、縋るような自分の顔が写っている。
 それは、どこかで見たことのある顔だった。

(まるで、家畜のよう……)

 咲夜は自分の顔を見てそう思った。
 もう怒りは感じなかった。
 ただ全身の力が抜けていくような、一種の安堵を感じていた。
 その家畜を屠るのは誰の役割だったか、今更に思い出していた。


  ★


 半月後、レミリアは久しぶりにパチュリーを招いて晩餐を楽しんでいた。
 今夜のメニューはミートスパゲティである。
 十六夜咲夜がいなくなってしまったので味は落ちたが、とてもいい食材を使っていた。

 全て平らげると、腹を擦りながら向かいのパチュリーに言った。

「なかなか、美味しかったわ」
「そう。良かったじゃない」
「ああなったら早いわね。一月も持たなかった」
「良いことよ。粘られても面倒なだけ」

 パチュリーは興味の無さそうに小声で言うと、また本の中に注意を戻した。
 それを見たレミリアは、くくく、と喉の奥で笑う。

「しかしあなたの悪知恵には毎度驚かされるわ。咲夜もあの世で驚いているでしょう」
「何のことかしら」
「全ての発起人がよく言うわ。この三文芝居を思いついたのはパチェだったじゃない」
「仕方ないわ。あなたが奴隷なんて食べるに値しない、なんて我が儘を言うのだから」

 ふん、とレミリアは鼻を鳴らす。
 それが二人の策だった。

 人間を無暗に襲うこと、その上で殺してしまうことは、この郷では禁止されていた。だからこそ奴隷を食えという暗黙の了解が出来上がったのだ。
 だが、レミリアにとって奴隷は味気のないものだった。
 まるで恐怖を感じない、あるいは感じたとしても薄過ぎる奴隷たちは面白くないし、美味しくもなかったのだ。

 それでも人間は殺せない。それは郷の規則に反する。まったくもって癪な話だが、反すれば自分もただでは済まないだろう。
 だが、人間が勝手に死ぬ分にはどうだろうか。例えば――自殺とか。そういう風に勝手に死ぬ分には規則は関係ないだろう。

 追い詰めて追い詰めて、十分に恐怖を堪能したら、後は勝手に死んでもらう。傍目にはただの自殺だから責められる謂れもない。
 パチュリーの考えた策は、非常に有効に働いていた。

「そういえば次の咲夜はどうなっているの?」
「美鈴がまたどこかで拾ってくるって言っていたけど。まあ、使えるようになるまで数年はかかるんじゃないかしら」
「そう。しかし今の美鈴はいいわね。どんな捨て子にも上手に人間らしさを取り戻させる。今回の咲夜はとっても壊し甲斐があったし、次も楽しみよ」

 次は17番目だから十七夜――否、立待月咲夜かしら、レミリアはそう嘯いた。
 パチュリーが処置なしという風に肩を竦める。

「毎度毎度、あなたのネーミングセンスはどうかと思うわ」
「うるさいわねえ。いいじゃない分かりやすくて。まあ、次の咲夜の時もよろしく頼むわよ。あなたの協力は絶対に必要なんだから」
「……わかってるわよ」
「お願いね。――頼りにしてるわよ? 何たってあなたは唯一の「特例」なんだから」

 レミリアはそう言って、パチュリーの右腕をそっと撫でた。
 悪魔らしく邪悪な笑みを浮かべる。
 魔女の顔が歪んでいくのを見ると、やがて満足したのかまた何処かに行ってしまった。

 ぐっ、とパチュリーは右腕を締め付ける。

「……くそッ、忌々しい!!」

 彼女はその右腕に向かって吐き捨てる。
 例え咲夜が紅茶を溢しても、それを見られる訳にはいかなかった。
 そこにある刻印を、誰にも知られる訳にはいかなかったのだ。

 奴隷ナンバー0号。
 レミリアがこの番号遊びを考えたとき、最初に仕入れたのが彼女だった。
 彼女は魔女であり、魔女の魔法と知識はレミリアにとって愉快なものだった。

 ――私を愉しませてくれる限り、あなたを玩具として生かしてあげる。

 レミリアは手に入れたばかりの奴隷にそう言った。
 以来、彼女たちは表向きの友人関係と、裏に根付く確かな隷属関係を使い分けて生きてきた。
 そしてそれは今も、これから先も続こうとしている。

(でも今の内よ、レミリア・スカーレット……! 後半分――毒薬が完成した暁には、あなたの死に様を一番近くで見ていてあげる)

 月のナンバーを持つ咲夜たちは皆人間だった。
 だからこそと言うべきか、美鈴によって情操教育を施された彼女たちは、例外なく奴隷の屠殺に心を苛まれた。
 そんな咲夜たちに与える薬を、パチュリーは「精神安定剤」だと言った。そしてその「毒薬」は咲夜たちの身体に留まり、やがてそれを喰らうレミリアの体内へ侵入することになるのだ。
 レミリアの血肉となって、毒は身体に蓄積されていく……。

(今、16番目の毒薬が刷り込まれた。最後の30番目――三十日の咲夜を喰らう時、毒はあなたの体内で完成する)

 仮にレミリアが無敵の吸血鬼だというならば、その無敵の体質ごと変えてしまえばいいのだ。
 少しずつ少しずつ、糧にしているつもりで、力に変えているつもりで、その身体は弱く、脆く作り変えられていく。

 これが私の「南北戦争」だ――。
 心の中でそう嘯くと、パチュリーはレミリアの去った空席に向かって小さな笑みを浮かべた。

 久しぶりに館の外に出てみた。夜の闇に月の姿は見えない。三十日月だった。
 パチュリーはその闇夜に目を細める。視線の先には、「黒」に喰われた「白」い月があるはずだ。
 彼女はその黒に向かって、もう一度小さな笑みを浮かべた。

全員悪人、ということで。
ありがとうございました。

みすゞ
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コメント



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1.10リペヤー削除
華やかさだけでない、アメリカのドス黒い「奴隷」という面を存分に活かした御話だと思います。
GJ。
あとがきは「アウトレイジ」からかな?
2.10March削除
おお黒い黒い。
種明かしまで読んだ時に思わず唸ってしまった。
3.8がいすと削除
奴隷、という単元からダークな話が見事に形成されている。
うーむ、凄まじく嫌な感じ。完成度の高いダークファンタジー。
ただ、アメリカという感覚は薄め?

伏線の用意の仕方、一気に畳み掛ける話の作りなどお見事なのでございました。
4.7ばかのひ削除
不快感が残る心地よさがたまらないです
夢オチであれ
5.8百円玉削除
悪趣味と言えば悪趣味。でも根っこの部分に強かさがあるお話しでした。
なんとも裏表ある登場人物が良い味を出してまして、とても魅力的でした。表では世間の都合や流れに従っているふうにして、裏では自分の目的・欲望を遂行している。それはまるで地球から見た月のようで、決して裏を見せないから魅力的なのでしょう。
『アメリカ』というテーマへのアプローチの仕方が興味深い。暗部と言えば大きい括りに誤魔化されがちですが、その実、映し出しているのはアメリカのことだけでなく、人間全体へのアプローチとしても機能している気がしました。
最後の『「黒」に喰われた「白」い月があるはずだ』が良い仕事してますね。
6.7ししとう削除
レミリア圧勝かと思いきや、パチュリーの野望が達成するなら、一番の勝ちはおこぼれを預かってた美鈴なのかもしれない
7.3名無し削除
救いの無い話は好きではないが、読者の予想を裏切る展開の持って行き方は評価したい。でもパチュリーの「これが私の南北戦争だ」って、無理やりアメリカとこじつけてるようにしか見えないのですが、何か共通点あるのでしょうか…。
8.3がま口削除
これはまさに、本当は怖い幻想郷ですね。
しかし個人的に言えば、正直こういうエグいテイストのお話は苦手です。
テーマとの関連性も希薄ですし、もっと違う場での発表であれば評価が違ってくると思いました。
9.8ななし削除
面白かった
10.4烏口泣鳴削除
良い雰囲気だった。
ただ、どうして16号が四つ葉のクローバーを咲夜に渡したのか分からなかった。
11.7エーリング削除
陰鬱とした話でありながら、謎やギミックが興味深く、読み易い話でありました。レミリアの容赦の無い言動の節々から人外らしさがあり、良かったと思います。恐らくパチュリーの罠さえもレミリアの術中なのでしょうね。「悲劇のご都合主義」的な面が少し見られたのが気になりました。
12.9削除
終盤、ゾクッとしました
13.5ito削除
いい感じで嫌な話でした。
途中まで、咲夜のイメージが私と違うなあとか、彼女が原作よりもだいぶ弱いなあとか、
この設定なら紅魔館を舞台にするのではなくて、普通の人間が妖怪に食料を用意する話の方が自然なのでは、
とか思いながら読んでいましたが、なるほど、そういうことしたか。
が、読後感は、作者さんに上手くだまされたなあ、というより、どうも釈然としない、もやもやしたものでした。
「私以外の全ては私にとっての家畜」と言ったレミリアの台詞の意外性をついてくるところはよかったのですが、
その言葉以外には彼女の価値観が垣間見える描写が存在しているように思われないのです。
なので、情報が上手く伏せられていて、あとから思い返してあれが伏線だったのかとハッとする感じではなくて、
そんな情報どこかに書いてあったっけ? と感じる、後出しじゃんけんに近い印象でした。どちらかと言えば。
また、「黒」に喰われた「白」い月とか、格好良くていい落ちだと思うのですが、ちょっと唐突かなあと思ってみたり。
14.10右の人('A` )削除
圧倒的な緊迫感で背筋が凍るような、恐ろしいのに目が離せない、そんな感じで一気に読みきってしまいました。
レミリアの凄まじい悪意のような迫力、その言葉の選び方。特に「次の咲夜」「今の美鈴」という言葉の何気なさに、ぞっとしました。
15.8あらつき削除
物語が素敵。
展開として、咲夜のことまでは察知できたけれど、パチュリーまでは読めなかった。してやられた感!
残り2点は、すみませんが文章的な好みの問題です。その点の突破力は足りなかった。
16.5みく削除
好き嫌いの分かれそうな話ですが、個人的にはこういう幻想郷好みです。むしろ書くならもっと突きつめてほしいと思いました。パチュリーの南北戦争のくだりはちょっと強引だった気がしました。
美鈴は何番だったのだろう……
17.8ナルスフ削除
あ、悪魔だ・・・
なんとも恐ろしい紅魔館。
『私以外の全ては私にとっての「家畜」』の言葉が最後まで効いてくるとは。
色々と驚かせていただきました。
18.5deso削除
良い感じにエグかったです。
もうちょっとお題をうまく絡めてくれたらもっと良かったんですが。
19.10文鎮削除
咲夜の暗い過去にまつわるお話かと思いきや、繰り返される意表を突く展開に、ただただ驚かされてしまいました。
黒幕であったパチュリー自身が元奴隷であったという真実は、どんでん返しというよりは何とも言えない皮肉ですね。
人は追い詰められた状況では、易々と恐ろしい行動をとってしまいかねないと考えざるを得ません。
しかし、いかなる世界であれ、お嬢様のネーミングセンスは変わることがないのですね…
20.7あめの削除
これは発想が素晴らしい。
後半に明かされる事実は完全に予想外でした。精神安定剤の伏線も良いですね。
なかなか新鮮な紅魔館で、面白かったです。
21.7めるめるめるめ削除
しっかりと張り巡らされた伏線が上手くて、真相はなかなか見応えがありました。
原作と照らし合わせるとギリセーフぐらいの危ういところですが、そのくらい無茶な話も僕は好きです。
22.8このはずし削除
 ワルい奴だらけだー!
 お題がアメリカじゃなくても十分成立してそうな辺りが、ちょっと残念かなーと思いましたが、内容は文句なく面白い話でした。
23.6名前無し削除
取り急ぎ、点数のみで失礼します。