第十三回東方SSこんぺ(アメリカ)

ふつうのアメリカ人

2014/03/08 05:01:38
最終更新
サイズ
29.99KB
ページ数
1
閲覧数
71
評価数
23/23
POINT
164
Rate
1.58
 わたしのとなりの席には、『ふつうのアメリカ人』が座っている。
 アメリカ人は、みんながそろばんを弾いているあいだ外をながめていた。慧音先生(最近やっと先生の漢字をおぼえた)が幻想郷(漢字あってるかな?)の歴史を教えているときは、お酒をいっぱい飲んだおじさんみたいにとろんとねむそうな目をしていた。
 なんなんだ、この子。
 慧音先生に歴史の問題をきかれても、「わかりません」とこたえる。そのときの教室にいるみんなの顔は、まるで夕食の皿にのったピーマンを見るような顔。
 わたしもたぶんそんな顔をしていると思う。でもわたしはピーマンは好きだから、キノコを見たときの顔かもしれない。
 先生は声をかえず「そうか」といい、アメリカ人を座らせる。みんなはつまらなそうな顔で前をむく。生徒たちが思っていることはきっといっしょ。
 ――うそだ。こいつがわからないわけがない。だって――こいつはあの『稗田阿求』(この漢字も最近おぼえた)なのだ。ならたくさんのことを知っているにちがいない。
 でも阿求になにかをたずねる生徒はいない。理由はだいたいふたつだと思う。
 ひとつ目は、阿求に質問したところできっとなにもこたえてくれないから。生徒たちはみんなそういうが、そもそも本当に質問したことのあるやつを見たことがない。つまり、授業中のタイドと阿求のフンイキでみんなはそう思ったのだろう。
 ふたつ目は、阿求とかかわると稗田家とうらでつながっているヨウカイたちに食べられてしまうから。ただこのうわさを信じているのは男子のみで、しかもそのうわさを信じている男子たちに共通していることは、ぜんいん九九の七の段より先がいえないことである。
 阿求がおとした筆をひろったよっちゃんが次の日から一週間学校をやすんだとき、そいつらは「よっちゃんは八雲ゆかりにつれさられたんだ」とまじめな声でいっていた。カゼがなおり、きのうから学校に来ているよっちゃんはずっと申しわけなさそうな顔でいすに座っている。
 このうわさだってきっと阿求のフンイキからできたのだろう。このフンイキというのは、つまりだれも近づけようとさせないオーラのことである。
 授業中のふまじめさ。やすみ時間はむつかしい漢字がいっぱい書かれた本を読んでいること。授業がおわればそそくさと帰ってしまうこと。
 そして、『阿礼乙女(漢字は霖之助から教えてもらった)』というかたがき。これらがすべてあわさることによって、阿求のフンイキはできているのである。
 ――そういえば、気がついたら阿求のあだ名が『ふつうのアメリカ人』になっていたけど、どうしてだろう?
 わたしの頭のなかにはてなマークがうかんだとき、お昼のチャイムが鳴った。



 ◆ ◆ ◆

「じゃあ今日はここまで。おのおの寄り道せずに帰るんだぞ」 
 慧音先生が歴史の教科書をとじると、みんなはいっせいにさわぎ出した。いろんなところでぺらぺらとおしゃべりが始まる。前の席の男子が水にふれた干しわかめのようなのびをした。
 となりの阿求はてきぱきと教科書を手さげにしまっている。わたしが大きなあくびをしていると、とつぜん男子に話しかけられた。
「おい魔理沙。これから男子たちとサッカーするんだけど、おまえは?」
 阿求の体がいっしゅん止まり、ちらっと男子のかかえるサッカーボールを見た。しかしすぐに手さげをもって教室を出ていってしまった。
 この顔が四角い男子はみんなから『ドン太』とよばれている。じっさい男子のボス的なやつなのだが由来はそこからではなく、よく宿題をわすれて慧音先生から頭にゲンコツをもらうたびに「ドン」とヘンに鳴るからだ。
「わたしはいいや。またこんど」
「そうか。じゃあな」
「あ、まった」
「あんだよ」
 ドン太がフキゲンな顔をする。ちらりと時計を見た。
「ドン太は阿求がなんで『ふつうのアメリカ人』っていわれてるか知ってるの?」
「ああ、それか。まあな。だれが名づけたのかは知らんが」
「教えてよ」
 しぶいお茶を飲んだような顔のドン太。もういちど時計をちらっと見てからいった。
「外の世界にはさ、アメリカ人っていうのがいて、そいつらはおれたちと『ジンシュ』ていうもんが違うんだ。だからアメリカ人とは会話ができないんだとよ」
「ジンシュってなに?」
「おれもくわしく知らねえよ。ただ外のみんなはアメリカ人と会話ができねえもんだから、話しかけない。きっと話しかけてもつうじないから。
 外の世界にいるふつうのアメリカ人みたいだから、阿求はそうよばれてるんだってさ」
「でも阿求は先生にさされると「わかりません」って日本語をしゃべるよ」
 そこでドン太は笑った。「それがさ」と楽しそうにうなずく。
「なんでもアメリカ人は日本語で話しかけるとこうこたえるんだって」
 ドン太はヘンなアクセントをつけていった。「ワタシニホンゴワーカリマセーン、て」
 ひとりでげらげら笑っているゴン太に、慧音先生が「おい、平吉」と声をかけた。いつのまにか慧音先生がドン太のとなりに立っていた。
「今日までの宿題はどうした? おまえだけ出していないぞ」
『慧音先生の禁止令3条目』は「宿題をわすれるべからず」である。この『慧音先生の禁止令』はぜんぶで24条まであり、たとえ七の段より先がいえない生徒であってもすべて暗唱できる。もちろんやぶったときのバツも。
 ドン太はにこりと笑った。
「ワタシニホンゴワーカリマセーン」
 慧音先生もにこりと笑う。
 教室にドンという音がひびいたとき、みんながバクショウした。
 わたしはちょっぴりさみしくなりながら、よこの席をちらりと見た。

 ――ワタシジンシュワーカリマセーン。





 ◆ ◆ ◆

「ただいまー」
 家のドアをあけるとまず見えるのはたくさんの商品。勘定台(この漢字はしぜんとおぼえた)にはフキゲンそうな顔のお父さんが座っている。
 勘定台の前にはお客さんがひとり立っていた。小さいノリを数枚はったような頭のそのおじさんは、わたしを見てイヤな笑顔をうかべた。
「これはこれは。霧雨道具店ゴレイジョウの魔理沙ちゃんじゃないですか。阿礼乙女からききましたよ。先日、寺子屋で算術のテストがあったらしいじゃないですか。もちろんうちの阿礼乙女は満点でしたが、魔理沙ちゃんはどうでした?」
 この人は阿求のつきそいをしている人だ。よくうちの商品を買ってくれるのだが、おとずれるたんびにお父さんに阿求のじまん話をしていく。いつもフキゲンそうなお父さんだが、おじさんの話をきいてるときはまゆ毛のあいだにできるしわの数がいつもより多い。
 満点のハンブンのハンブンです――とはいわずに、ただムリヤリに笑顔をつくった。
「これは失礼。そうですよね、阿礼乙女のあとに点数はいいづらいですよね。でも魔理沙ちゃんも満点をとれなくちゃお店はつげませんよ。霧雨道具店はご主人の代でおわりですかね。おお、これまた失礼」
 おじさんはぺちんと自分のだだっ広いおでこをたたいた。そのたたく役、わたしがやりたかった。
「なかに入ってなさい」
 お父さんは低い声でそういった。でも、わたしが勘定台のよこをとおったとき、
「魔理沙」
 と、きゅうによび止めた。
 ふり返る。あまりしゃべらないお父さんが大きな口をあけてなにかをいおうとしている。わたしはせなかで仏さまにねがうときのように両手をかたくにぎった。
 しばらく口をあけていたお父さんは、しかしけっきょく小さな声で「なんでもない」といった。
 わたしの両手から力がぬけていく。「あっそ」とわたしはおくへと入っていった。ちょっぴり泣きそうだった。
「やっぱり、阿礼乙女は『トクベツ』なんですよ」
 後ろでおじさんがお父さんにいった。
 あっそ。



 居間にいくと霖之助がこたつに入っていた。わたしに気づいた霖之助は小さく笑って「おかえり」といった。
 わたしは「ん」とだけいってこたつに足を入れた。ふわりと足があたたかくなる。きのうの「春が遅刻しているわ」というお母さんのことばをとつぜん思い出した。
「おにい……霖之助はなに読んでるの?」
「商売についての本さ」
「おもしろい?」
「興味深い」
「意味わかんない」
 それっきり会話がおわった。ちらちらと霖之助の顔を見るが、ずっと本を読んでいてこちらに気がつかない。
 静けさに遠くのおじさんの笑い声がわりこんできた。うようようごく毛虫を見たときの気もちになった。
「えいっ」
 わたしは霖之助のメガネをはずす。
「魔理沙ちゃん、本が読めないよ」
「ちゃんづけをやめたら返す」
「僕のことを『おにい』っていわなくなったらやめるよ」
 むっとした。「りんのすけりんのすけ」と早口ことばみたいにいってみるけど、「りんのしゅけ」とまちがえたのでやめた。
 霖之助が笑った。わたしはとてもむっとした。
 でもすぐに『あのこと』を思い出し、にっと笑った。
「きいてきいて! きょうね、『魔法使い』になったときにつかう魔法の名前をきめたの!」
「まだあきらめてなかったのかい」
「あったりまえだよ! ねえ、名前ききたいききたい?」
「そんな変わり者になったらみんなから白い目で見られるぞ」
「ならいっぱいいいことしてみんなと仲よくなる」
「ソウケイだね」
「……ソウケイってなに?」
「考えがたりない、てこと」
 わたしたちはふたたびだまった。目の前のメガネにいのったけど、霖之助はわたしがほしいことばをいうことはなかった。
 ふんっ、いいもん――心のなかで舌を出す。ぜったいなってやるもん!
「あした、このメガネは商品だなにならんでいるからカクゴするんだな!」
「なら買いもどすまでだよ」
「非売品にしてやる!」
「でも商品棚にならべたのはきみだよ」
「ワタシニホンゴワーカリマセーン」
「なんだい、それは?」
「アメリカ人のまね」
「アメリカ人?」
 霖之助がわたしを見る。でもよく見えないらしくねむそうなときみたいに目を細めている。
「知ってる? アメリカ人」
「外の世界の話だろ。くわしくは知らないけどね」
「アメリカって国なんでしょ?」
 霖之助がひらいているページを指でなぞったあとに、ぱたんと本をとじた。
「そうだね。くわしく知らないけど、とても面積が大きくて、外の世界ではすごいケンリョクをもっているらしい」
「ケンリョク?」
「なんていうんだろ、たとえるなら幻想郷のなかの『阿礼乙女』みたいなことかな」
 わたしはぷっと笑った。たしかこういうのを『偶然の一致』というんだっけ。
 笑っているすきに霖之助はわたしの手からメガネをとった。
「あー」
「残念だったね」
「ふん、買いもどすまでだよ」
「申しわけございません、こちらは非売品になっております」
 霖之助は教室にいる男子のようなわるい顔で笑った。ふんっ、いいもん。
 わるい笑顔を引っこめると、
「話をもどすけど」
 といった。「アメリカは、日本から遠くとおく離れているんだってさ」
「じゃあいけないね」
 となりの席のアメリカ人。ヘンな話。
「でも会えたところで、『ジンシュ』がちがうから会話はできないもんね」
「ん?」
 霖之助がメガネのブリッジをおしあげた。
「それはちがうよ。言葉がつうじないのとジンシュは関係ないさ。会話ができないのはただ単にむこうが英語をしゃべるから」
「そうなの?」
 頭のなかがこんがらがっていく。あれ、じゃあ阿求とは会話ができるの? あっ、でもあの子は英語を話すのか。あれっ、「わかりません」て日本語を話すじゃないか。あれあれ?
 と、そこで気づく。ああ、これに阿求はカンケイないんだ。
「アメリカ人だって日本人と同じ人間だからね。目も耳もふたつ。口も心臓もひとつ。差別する理由はどこにもない」
「だけど何度もきくけど、ことばはつうじないんでしょ?」
「ぜったい無理なわけじゃない」
 そこで霖之助はにやりと笑った。
「僕たちが英語を勉強したり、むこうの文化を学べばいいんだよ」
「なるほど。あっ、でもおにい……じゃなくて霖之助がさっきいってたじゃん。アメリカは遠くとおくにはなれてるって」
 霖之助は本をかかえて立ちあがった。「そろそろ店番だ」とつぶやきながら。
「そうだね。でももしかしたらその逆があるかもしれない」
「逆?」
「そう」
 霖之助がわたしの大好きな顔で笑った。
「もしかしたら、アメリカ人が日本に興味をもって、僕たちに近づいてきてくれるかもしれない」
 じゃあね、魔理沙ちゃん――わたしの頭をやさしくなでてから霖之助は出ていった。
 わたしはしばらくひとりぼっちで考える。そしてだれにも話しかけない阿求を思い返して、さみしくなった。
 たしかにこれは阿求とカンケイない話だ。
 下をむいてこたつを見る。きのうのお母さんのことばを思い出した。
 春が遅刻しているわね。
 ――わたしから、会いにいっちゃおうかしら。





 ◆ ◆ ◆

 寺子屋のろうかは歩くたびにぎいぎいと鳴る。そういえば、ブキミな声を出すヨウカイがいるらしい。ひとりでいると後ろから来てぱくりと――
 わたしはいそいでふり返る。もちろんなにもいない。
 まだお昼すぎなのになさけないぞ、魔理沙――わたしは大きく息を吐く。
 そもそも寺子屋に教科書をわすれたのがいけなかった。しかも宿題につかうからそのままにもできない。わたしのあだ名がドン子になるのもイヤだから、こうして来るしかなかったのだ。
 教室が見えてくる。いそいでとってすぐに帰ろう……。
 もういちど後ろを見てからはしって教室に入る。
 わたしは止まってしまった。まどぎわの自分の机に早くいかなくちゃいけないのに、足がうごかなかった。
 先客がいたのだ。
 アメリカ人がいたのだ。
 しかも、そのアメリカ人はせっせとぞうきんでみんなの机をふいていた。
 どうして……?
 アメリカ人がバケツから出したぞうきんをしぼっていると、わたしを見た。
「なっ……」
 ことばになっていない声を出して、アメリカ人はぞうきんをバケツのなかにおとした。
 ぼちゃんという音がひびいた。
 わたしはそこで気づく。そしてとても悲しくなった。
 アメリカ人に歩いて近づく。目の前まで来たとき、あいての手をにぎった。
 阿求が目を大きくひらく。
「あなた、いじめにあってるの!?」
「へっ!?」
「そうじをおしつけられたの! だれに? ドン太? ドン太なんでしょ!」
「ち、ちが」
「じゃあだれ!? も、もしかして、慧音先生……?」
 ゆるせない。いい人そうなふりをして……。
「よしっ、わたしが退治してやる!」
「だからちがいますっ!」
 アメリカ人は、きれいな発音で日本語をさけんだ。あらく息をしている。
 びっくりして、静かにきいた。
「じゃ、じゃあ……」
 阿求がぷいっと外をむいた。まだ夕日の時間じゃないのに、顔がまっ赤だった。
「阿求が、自分から?」
 長いあいだだまってから、阿求は小さくうなずいた。
 体から力がぬけていく。いじめじゃくてよかった、と安心しながら、こんなことも思っていた。
 ――なんだよ、ことばつうじるじゃないか。
 阿求の前で、わたしは大きな声で笑った。ちゃんと会話ができたのがうれしかった。
「……そういえば、なんでわざわざ机なんかふいてるの? しかもみんなの」
 きくと、阿求はきらいな食べ物を見たときのように口をかたくとじてしまった。顔は赤いまま、目はおこってるみたい。
「ねえねえ」といっても、口はあかない。こっちを見てもくれないので、たぶんずっときいてもムダだなと思った。
「わかったよ、じゃあそれはもうきかないよ」
「…………」
「でもさ、前からききたいことがあったんだ」
 阿求がやっとこっちをむいてくれた。
「どうして寺子屋なんかにかよってるの? 阿礼乙女ってことは、勉強しなくてもいっぱいものを知っていて、とっても頭いいんでしょ?」
「……親に、一年間だけ寺子屋にかよいなさい、っていわれたんです」
 ムシされるか不安だったので、こたえが返ってきてうれしかった。
「へえ、どうして?」
「そ、それは……」
 いきなり阿求がこまったような顔をする。
 でもそれは、さっきみたいにいいたくないという感じじゃなくて、いうことがきまっていなかったような感じだった。
「そ、それは、学校で人とのつき合い方を勉強しなさいってことで……」
「おお、やっぱり親もまじめなんだね」
 うんうんとわたしはひとりでうなずいた。
「でも、あなたはだれともつきあってないじゃん。そんなんじゃ、なにも学べないよ」
 阿求がさみしそうな顔をした。
「だって、みんなわたしをさけてるんですもん。きっと阿礼乙女ってことでおそれているんでしょ? 自分たちとはちがう人間だって思っているんでしょ?」
 首をよこにはふれなかった。この子のあだ名を思い出したから。
 ――わたしたちは、一生阿求とは仲よくなれないのだろうか?
「……そんなことはないよ。いや、みんなあなたにビビってるのは本当だけど。でもずっとそうとはかぎらないじゃない」
「どうしてそういえるんですか? ただのなぐさめですか?」
「ちがうよ」
 わたしは胸をはった。勇気をこのちっぽけな胸につめこみながらいった。
「だってわたしたちはことばがつうじるんでもの」
「……なんですか、それは?」
「ことばがつうじれば会話ができるの。ならどんなことだってできるんだよ。
 だれかとおしゃべりすることも、ケンカすることも、仲直りすることも、友だちになるために大事なことがすべてできるんだ」
 そう、この子はアメリカ人じゃない。日本語が話せる、きこえる。遠くじゃなくて、ちゃんと教室にいる。
 じゃあムリなことなんて見つけるほうがむつかしいじゃないか。
 阿求はまだ心配そうに下をむいている。
「だけど、どうやって友だちをつくれば……」
「簡単だよ。近づけばいいんだ」
「近づく?」
「そう。あいてに一歩をふみ出せばいい。いっぱい話しかければいい。ただそれだけさ」
 阿求はしばらく下をむいたままだったが、やっとこっちを見たときはとても真剣な目をしていた。
「や、やってみます」
 のどをたたかれてるみたいに声がふるえていたけど、目はちょっともうがかないでわたしを見つめていた。
 わたしはにっと笑った。
「きっと大丈夫。
 それより安心したのが、阿求が友だちをつくろうって思っていたことだよ。まったくまわりに興味がないのかと思ってた」
「わ、わたしだって、ひとりは、さみしいし……」
 照れながらまた下をむいてしまった。そこでわたしは気づいた。
 そうか、阿礼乙女っていうのは、きっとたくさんのことを知っていて、勉強もできて、ヘンな力ももっていて、でも――中身はわたしたち子どもとなにもかわんないんだ。
 ひとりだとさみしくなって、はずかしいと照れるんだ。
 じゃあ、やっぱり問題はなにもないじゃないか。
「あしたから、わたしも手伝うよ」
「あ、ありがとうございます!」
 阿求がうれしそうな顔をした。たぶんはじめて阿求の笑顔を見たと思う。
 そのとき、教室の入り口から音がした。いそいでそっちを見る。
 目をどんぐりみたいに大きくひらいているドン太がいた。服には土がいっぱいついていて、同じぐらいよごれているサッカーボールをかかえていた。
「ドン太か、どうしたの?」
 わたしが近づきながらきくと、ドン太はねじをまかれたおもちゃのようにうごき始めた。
 ドン太の左のほっぺたには血がにじんでいるすり傷があった。
「――あ、ああ。ちょっとわすれものをとりにきたんだ」
「あなたも。なに、教科書?」
「いや、九九のプリントだ」
「そうだもんね、まだ九九を七の段から先をいえないもんね」
「うるせえ」
 ドン太はいっしゅん阿求にちらっと目をむけてから、自分の机のなかに手を入れ、プリントを出した。ごみ箱から引っぱり出したみたいにくしゃくしゃだった。
「きったないなあ」
「ほっとけ」
 ドン太はくしゃくしゃのプリントをざつに折って、ポケットへつっこんだ。
「じゃ、じゃあ――」
 いいかけていたドン太は止まった。見ている先は、いつのまにかわたしのとなりにいた阿求だった。
 阿求がドン太の顔をじっと見ている。
「ほっぺたの傷、痛くないんですか?」
「べ、べつに。こんなんなれたよ」
 顔が赤いドン太がななめ上をむく。
「ちょっと待っててくださいね」と阿求が遠くにあった自分の手さげをもってきて、なかからハンカチとかわいらしいきんちゃく袋を出した。
 まずハンカチでドン太の傷をふき、つぎにきんちゃくから出したしょうどく液をかけた。
「いてて……」
 最後にきんちゃくからバンソウコウを出して、傷口にはった。そのあいだドン太はずっとななめ上を見ていた。
「……あ、ありがとよ」
 ドン太がやっと阿求を見ていった。阿求はにこりとほほ笑んだ。
「男の子だからって、ムチャはいけませんよ」
 たぶんそのときのドン太の顔を一生わすれないと思う。
 赤かった顔がみるみるうちにお酒を死ぬほど飲んだ人みたいなまっ赤になった。『幻想郷赤顔コンテスト』というものがあったら、ぜったいにユウショウするだろう。
 ドン太はしばらく机といすのようにまばたきせずに止まっていた。わたしがげらげら笑っていると、やっとうごいたドン太が赤い顔のままこちらをにらんできた。
 わたしはわざとらしくいった。
「魔女はイジワルなもんだよ」
「おまえ、まだマジョなんかめざしてるのか」
「いくらでもいってなさい。いつの日かえらい魔女になるんだから」
 ――ああ、そうか。そういうことか。
 わたしは今、自分が霖之助にいったことばを思い出し、そして阿求が机をふいていた理由がなんとなくわかった気がした。
 となりの阿求を見る。この子は、どうしようもなくブキヨウなやつなんだろうな。もっとアピールすればよかったのに。
 わたしはドン太のサッカーボールを見た。そして、うばいとった。
「な、なにすんだよ」
「ねえドン太。ほかの男子たちはいるの?」
「ああ? まあ、寺子屋の外でまってるけどよお……」
「よし、今からわたしと阿求もまぜてよ」
「ええ!」
 ドン太と阿求がほとんど同時に声を出した。
「知ってるんだぞ、阿求。あなたがいつもサッカーにいく男子を見ていたって」
 阿求がぴくりとうごいた。そして、照れくさそうに小さく笑った。
「どうするんだ、ドン太。あなたも来るの?」
「ええっと……」
「まあ来なくても、サッカーボールはわたしたち側にあるからいいんだけどね」
 ドン太がこまった顔をしていた。わたしはわざと大きな声で「じゃあ阿求いこうか」といった。
 阿求がドン太の顔を見て、いう。
「ドン太くんも、いっしょにやりませんか」
 ドン太の顔がみるみるうちにまっ赤になっていった。わたしがげらげら笑っていると、赤い顔のままにらまれた。



 とつぜんのわたしと阿求の参加に、ほかの男子たちはとてもおどろいていた。みんなちらちらと阿求を見ている。
 しかしドン太が「いっしょにやるぞ」というと、みんなはおずおずとうなずいた。
 阿求もとてもキンチョウしていた。
 寺子屋のグラウンドにいく。そこには大人たちがつくってくれたサッカーゴールがふたつ立っていた。
 わたしと阿求は同じチームになった。ハンデとして運動が得意な男子がいっぱい入ってくれた。ドン太が自分からこっちのチームに入ってきたときは、げらげら笑って、赤い顔でにらまれた。
 さっそくゲームが始まる。
 このサッカーというゲームは、最近外来人が広めたスポーツである。ボールをけるというのになれていないわたしたちは、運動がたとえ得意な人でもなかなかじょうずにできない。
 それでもボールをける手前でころぶ人ははじめて見た。それは、阿求である。わずか開始数秒後のことである。
 みんなはいっせいにしんと静かになった。阿求がゆっくりと立ちあがる。からだについた土をはたき、みんなを見回し――
 にっと笑った。
 だれもうごかないことをいいことに阿求はボールをけり始めたのだ。しかしまた数歩はしるとハデにころんだ。
「おい、魔理沙! なにやってんだよ!」
 おどろいて見ると、ドン太が楽しそうな顔でさけんでる。「阿求がこぼしたボールをカバーしろよ!」
 敵チームの男子たちが顔を見あわせて、にっと笑った。そしてボールへとはしっていく。
 わたしもはしる。胸のうら側がむずむずとかゆいような感じがした。心も「いけいけ」とわたしの足をせかしていく。
「このボールはわたしのものだ!」
 わたしはだれよりも早くボールにたどりつきけり始め、あいてのゴールへ近づいていく。しかし途中で敵にとられてしまった。
 後ろをむく。阿求が敵の前に立っていた。敵が右にうごく。あわせて阿求もうごいたが、自分の足がもつれてしまいころんでしまった。
 味方チームがいっせいに笑う。敵チームも笑う。でも、このグラウンドでいちばん笑っていたのは、まちがいなく阿求だった。
 大きなおおきな声を出して笑っている。
 さっきからとても近くから笑い声がすると思っていたら、それは自分だった。
 胸のうら側のかゆさの正体がわかった。わたしは今、興奮してるんだ。
 ドン太がボールをうばいとる。そして、
「阿求パス!」
 といった。
 阿求は来たボールに足をのばしたが、ひらいた足のあいだをころがっていってしまった。
「ドンマイ!」
 こんどは味方のよっちゃんがさけんだ。わたしはそのボールをひろって敵のゴールへいった。
 前方に敵。よこを見る。阿求がいる。
「阿求!」
 こんどはうまくボールを止めた阿求が、ゆっくりとすすむ。
「シュートだ!」
 でも、ヘンに力を入れすぎたのか、足はボールに少しかすっただけでそのまま阿求はころんでしまった。
「ドンマイドンマイ!」
 おどろいた。そういったのは敵側のゴールキーパーだったのだ。
 そこから、敵も味方もひたすらにさけんでいた。

「阿求はしれ!」
「敵が来てるぞ、気をつけろ阿求!」
「ドンマイドンマイ!」
「うまくなってるよ!」
「そうそう、腕をふって!」
「いいぞ! いっちまえ!」
「パスパス!」
「そうそれでいい!」

 わたしたちはなにをしてるんだ。
 みんな笑ってる。みんなが阿求に声をかけている。
 こんなんじゃゲームにならないじゃないか。
 ねえ、阿求。あなたはそれでいったい何回ころんだの? いつもスミひとつつけないように気をつけていた着物が土でどろどろになっているのに、なんで笑ってるの。ほらほら、顔もよごれているじゃないか。
 あなたは阿礼乙女なんでしょ? いっぱいものを知っていて頭のいいあなたならわかってるんでしょ? もう気づいてるんでしょ?
 ――今を楽しまないバカがどこにいるんだ、ってこと。
 グラウンドから笑い声が消えることはなかった。



 いつのまにか太陽が夕日になって、幻想郷をイチゴジャムのように赤くそめていた。とろとろといろんなものがジャムみたいにまざりあっていた。
「――阿求、きめろ!」
 ドン太のパスしたボールをうけた阿求が、強くつよくけった。
 そのボールはキーパーののばした手の少し先をすすんでいき――ゴールへと入った。
 いっしゅん静かになったあと、グラウンドは大きなハクシュの音でいっぱいになった。
「すげえすげえよ」
 みんな阿求をほめている。阿求はうれしそうな顔でほっぺたをそででふいた。土よごれが広がってしまった。
 阿求がわたしを見る。わたしは親指を立ててやった。
 やったじゃないか。あなたをみんなが見ている。
 もう、これで――

「――なにをしてるんだ!」
 グラウンドがわれてしまいそうな大きな声。慧音先生がおこってるときの声よりもとがっていた。
 みんながいっせいにそっちを見る。
 いたのは、阿求のつきそいをしているおじさん。かたが上下に大きくうごいていた。
「おまえら! 自分たちがなにをしているのかわかっているのか!」
 男子はまばたきをいつもより多くして、首をかしげていた。
「阿礼乙女をそそのかしおって! 彼女は未来の幻想郷をになう存在! おまえらのようなカトウな人間がつきあっていいわけがないじゃないか!」
『カトウ』ということばの意味はわからなかったけど、『ジンシュ』ということばをはじめてきいたときみたいになんだかさみしくなった。
「阿礼乙女もなにをしている! あなたは『トクベツ』な人なんだ! ほら早く帰りますよ!」
 阿求を見る。阿求は下をむいていた。
「あなたはえらばれた人間なんです。そこらのガキたちとはちがうんです」
 阿求が、ゆっくりとおじさんのほうへ歩き出した。
 早く止めないといけないのに、わたしの体はうごかなかった。
 このままじゃ、阿求はアメリカに帰ってしまう。もう、日本には来てくれなくなってしまう。だというのに、『トクベツ』ということばがずっと頭のなかで回っていた。
 そうだよね、阿求は、ふつうのアメリカ人だもんね……。
「まったく。毎日、ガキたちの机をふきにいくことだって問題だというのに」
 男子たちがいっせいにおどろく。わたしは下をむくことしかできなかった。
「そもそも、あなたが親に頭をさげてまで寺子屋にかよわせてほしいといった時点で止めるべきでしたよ」
 ――えっ?
 おかしいじゃないか。だってあなたは、いったじゃないか。親がかよいなさいといったって。
 でも、それじゃあ……。
 阿求を見る。阿求はわたしを見ていた。
 悲しそうに、照れていた。
 わたしはしゃがんで石をにぎる。
 ――ありがたく思いなさい、阿求。
 石を強くにぎり、立ちあがる。
 ――大人になったらみんなにじまんしなさい。
 わたしは、大きくふりかぶった。
 ――わたしのはじめての魔法を、あなたにささげるんだから。


「マスタァァァァァァァァァスパァァァァァァァァァク!!!!!」


 ぶんと投げた石はおじさんのよこをとおっていった。
 おじさんがおこりながらこちらを見て、イヤな笑顔をうかべた。
「これはこれは。霧雨のムスメじゃないか。いつも店をひいきにしてやったというのに。おまえはもう少し頭のいい子だと思っていたよ」
「それじゃあ、おじさんの見る目がなかったね。わたしは算術のテストで満点のハンブンのハンブンをとるような子どもだよ」
 おじさんがなにかをいおうと口をあけたとき、石がもういっこ飛んでいった。「いたっ」とおじさんはぶつかった手をおさえる。
「おれは十六点だよ」
 ドン太が、にっと笑った。
 そして、おじさんにどんどん石が飛んでいく。男子がみんな投げ始めたのだ。
「二十点!」
「十八点!」
「十二点!」
「十三点!」
「八点!」
「十点!」
「五点!」
「カゼでうけてない!」
『慧音先生の禁止令18条目』は『人に石を投げることなかれ』である。やぶったときのバツは、漢字三百文字かきとり。
 でもちょうどいいじゃないか。テストで満点をとれないガキたちにはいい勉強だ。
 おじさんはさんざん「いたっいたっ」といったあと、「慧音先生にいいつけてやるからな!」とガキみたいなことをいってにげてしまった。
 男子が笑顔で阿求を見る。阿求はおどろきながら見る。
 わたしはいった。
「阿求、つぎの漢字テスト、わたしたちが勝っちゃうかもよ?」
 そのとき、阿求が泣きそうな顔をした。涙がほっぺたをころがる前に、阿求はにっと自分がサッカーのときにころんだみたいに笑った。
 そして、石をひろい――寺子屋のまどガラスにむかって投げた。
 ぱりんと気もちのいい音がした。ちっぽけなものがわれた音にもきこえた。
 みんな口をぽっかりあけている。
 それもそのはずだ。『慧音先生の禁止令二十四条目』は最後にしてもっともつみがおもい内容。『窓ガラスをわるべからず』。やぶった場合は、まどの半額弁償と漢字八千文字かきとり。
 阿求がいった。
「これでみなさんには漢字テストで負けません」
 ――たしかに、阿求の勝ちだよ。
 男子たちはいっせいに笑った。もちろんわたしも。
 でもおかしいな。なんでわたしのほっぺたを水のつぶがころがっているんだろ?





 ◆ ◆ ◆

 授業はとっくにおわっていた。
 教室のなかでは女子がみんな一点にあつまっている。まん中にいる阿求があやとりをみんなに教えていた。
 教室の外をながめる。男子たちがはしゃぎながらサッカーをしていた。
 新しいまどガラスのすきまから風がぴゅうっとふいた。強いけどさむくはない。
 きのうのお母さんのことばを思い出す。
 ――やっと、春が近づいてきたわ。

 石投げ事件のつぎの日、朝からわたしたちは寺子屋の準備室(この漢字はバツのかきとりでおぼえた!)によばれ、一時間以上の説教(この漢字も!)をされた。
 けっきょくみんなはゲンコツを頭に一発ずつもらった。ドン太だけ二発。理由は、「どうして石を投げたんだ」ときかれたときに、「漢字テストで阿求に勝ちたかったからです」とこたえて一発多くもらったからだ。
 先生のゲンコツはとてもいたいので、みんな涙目になった。
 阿求をちらっと見ると、笑顔のままふたつぶの涙を流していた。いたくて泣いてもひとつぶ以上の涙を流した生徒を見たことがないので、たぶんふたつぶ目の涙にはちがう理由があるのだろうと思った。
 慧音先生がみんなを教室に返すとき、「魔理沙は残れ」といった。
 わたしがほっぺたをふくらませながら残っていると、先生がまじめな顔でいった。
「阿求から全部きいたよ。おまえが最初にあの子をサッカーにさそったんだろ?」
「だったらなんですか? こたえたら阿求のつき人に教えるんですか?」
 先生がいすから立ちあがる。またゲンコツかな、と思ったら――
 やさしく、だきしめられた。
 先生のとくんとくんという心臓の音が胸につたわってくる。とくんとくんという、ことばじゃないことばがわたしの胸を静かにたたく。
 泣きそうになるのを必死でこらえた。
 先生がはなれると、わたしはにっと笑った。
「食べられちゃうと思いました」
「おまえを食べたらおなかをこわしそうだな」
 慧音先生もにっと笑った。

 そのあとから阿求は教室の人気者になった。
 男子とはサッカーと石投げ事件でいっきに仲よくなり、阿求の手先が器用なことが有名になってからは、女子も阿求と仲よくなった。
 授業中にさされてもこたえるようになった。どうやら問題をこたえるとイヤミに思われると考えていたらしい。
 学習面でも阿求をたよる生徒がふえた。教室のみんなが九九をぜんぶ暗唱できるようになったのは阿求のおかげだといわれている。
 最後に、いちばんうれしかった変化がある。
 阿求のことを、『ふつうのアメリカ人』という生徒がいなくなったことである。
 でもあいかわらずつきそいのおじさんは阿求をトクベツあつかいしているらしい。
 わたしはそれをきいて、ひとつきめたことがある。
 もし魔法使いがふつうだったら。そしたら、アメリカ人も阿礼乙女もふつうになるんじゃないのかな。『トクベツ』っていうことばは意味をなくしてしまって、ただの四文字のことばになるんじゃないのかな。
 だからわたしが変えてやるんだ。魔法使いをふつうにして、世界の基準をくるわせちゃうんだ。
 だから、わたしがめざすのは『えらい魔法使い』じゃない。
 わたしがなりたいのは――

 まどからまたふいた風がはなに当たった。犬のしっぽが当たったみたいにあたたかくてむずかゆかった。
 外から小さく男子たちのはしゃぐ声がきこえる。教室のなかと外のあいだには今、声がとおるすきまがあいているんだ。
 気づいたらわたしはいすの上に立ちあがっていた。女子たちがこちらを見ている。
「今から男子といっしょにサッカーをしない?」
 女子たちが目を大きくひらいて、みんなで顔をあわせている。
 今の気もちは阿求にはじめて声をかけたときににていた。
「――わたしは、いい考えだと思います」
 そうこたえたのは、阿求だった。阿求はもう、人に近づくことをこわいと感じなくなっていた。
 女子たちはもう一回みんなで顔をあわせて、そして楽しそうに笑った。
 わたしはうなずいていう。
「じゃあ、みんなグラウンドに出発!」
 笑顔のままで女子たちが教室を出ていく。わたしはそのグループをぼんやりとながめていた。
「……魔理沙さん」
 いつのまにか阿求が女子のグループの後ろからはなれてこちらを見ていた。
「どうしたの?」
「わたし、ずっと魔理沙さんにいいたいことがあったんです」
 阿求が大きく口をあけた。

「――――」

 その声は、慧音先生の心臓の音みたいにやさしかった。
 わたしはかたまる。ほっぺたは火がついたみたいにあつい。
 阿求はにっといたずら好きの男子のように笑った。
 追いはらうように手をふると、阿求は「サッカー、楽しみですね」といってはしっていった。
 だれもいない教室。まどガラスのむこうにはあったかい世界がまっている。
「――ほめられて照れるのは、ふつうでしょ」
 わたしはわざと大きな声でつぶやいて、ゆっくりと歩き出した。
それにしても、お題が「アメリカ」ってLunaticすぎませんかね。

読了ありがとうございました。
シンフー
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.簡易評価なし
1.10ししとう削除
子供のパワフルさには大人の理屈も敵いませんね。
lunaticなお題を消化しきった作者さんに拍手。
2.9がいすと削除
す ご い 

「アメリカ」という単語から割りと人種差別を扱う作品が多いように見受けられるのですが、この切り取り方は別格。
ちょっと道徳の時間ぽい間はあるものの、非常に良く出来たプロット、キャラクターの良さ、しっかりとした旨味がそこに存在している。
「ふつうのアメリカ人」という言霊と「普通の魔法使い」をかけるセンスなども見事。
これが30kb以下?信じられない。
3.6アメリカ探索者削除
アメリカ人というより異人さんですね。
素敵な物語でした。
4.10百円玉削除
お題の難度がLunaticでも、上手く調理すればFantasticになるとこのお話しを読んで思いました。
すごい素敵なお話しでした。内容の清々しさもさることながら、お題の『アメリカ』の使い方にも思わず「なるほど」と唸りました。お題のイメージを比喩的に使用し、なおかつそれを物語上で解決に導くという手法に、唸らざるをえませんでした。大変興味深い。(霖之助風に)
その霖之助との会話シーンが一番好きでした。まあ爽やかなこと。あと、お母さんの言葉が良いアクセントですね。大好きです。
5.8がま口削除
これは誠に爽やかな学園群像劇ですね。教育テレビの連続ドラマでやってそうな、浮いている子供の雰囲気とかちょっとリアルな小学生生活の描写がナイスです。
考えてみれば阿求や魔理沙にも寺子屋時代があったわけで、そこで徐々に将来の夢を膨らませてちょっぴり大人になっていったかと思うと、ほろりとくるものがあります。
そんな阿求も、今や小鈴とつるむあんな活発な子になって……大きくなったねぇ(ほろり)
6.5名無し削除
話としては王道的な良い話なのだけど、阿求と魔理沙と霖之助が同時期に人里にいる設定はやや不自然な気がして、高得点をつけるまでには至りませんでした。でもテーマの消化の仕方は良かったです。
7.9ななし削除
良いお話、大好きです
8.5烏口泣鳴削除
ふつうの魔法使いを決意する場面がとても良い。
ただ文体がわざとらしすぎて胸焼けがした。
9.5エーリング削除
さわやかな読後感を残す、真っ直ぐなお話でした。最後の普通の魔法使いに繋げてくるのも話の流れとして上手く決まっていると思います。だけれども「ふつうのアメリカ人」というあだ名には違和感があり、オチの為に用意されている、ちょっと予定調和な感じがしました。後子供だからって人に向かって石は投げちゃダメ、絶対!下手すりゃ人が死ぬ!慧音先生もっと怒って!
10.7削除
おもしろかったです
11.2みすゞ【5点満点】削除
お題の使い方が苦しい(そういう場合、普通は「ガイジンさん」と呼ぶのでは?)のと、ラストの石を投げるシーンで減点しました。ガラスが割れるほどの石(作中からはそう読める)を人に投げては駄目です。そうでなくともガラスを割るより罰が軽いのは変です。引っ込み思案な阿求や幼いころから天然たらしだった魔理沙は良かったのですが、もう少し描写に気を付けてほしいと思いました。
12.4ito削除
王道な児童文学な感じで楽しめました。
「水にふれた干しわかめのような」とか子供っぽい比喩もなかなかよかった。
が、お題の使い方が無理矢理な印象。
東方の中では「アメリカ」要素が強そうな魔理沙が、阿求を「ふつうのアメリカ人」と言うのは意外性があっておもしろいのですが、
お話全体をこの単語にどうやって近づけるか、といった点に力を注ぎすぎているように思います。
また、SS全体がわざとらしくなってしまっているかな、と思いました。
特に魔理沙が石を投げてマスタースパークと叫ぶところなどは、
それまで本文のどこにも触れられていない要素が唐突に登場し、置いてきぼりをくった感じです。
13.8矮鶏花削除
勿論個人的な感想で、コンペで言うのは無為だとは承知していますが、「アメリカ」というお題が枷になってしまったかなと。話の中で活かされてはいますが、アメリカという言葉と、それに纏わる要素が、この作品には不釣り合いだったと思います。
漢字を開いた文章、それに終わらず、表現の一つ一つが子供らしさを感じさせるもので、ストーリーに対しても有用だったと思うのですが、それだけにアメリカに対しては無理に入れざるを得なかった感が私には。
それを踏まえても良作でしたし、それだけに気になった所ではあるのですが。
14.7あらつき削除
確かにLunaticですね。「ふつうのアメリカ人」っていうのは無理があるよね。

と、読み始めは思ったのですが、それを押し切ってしまうパワーがあった。
ストーリーも魔理沙の思考も、物語全体の流れが良い。あと阿求魔理沙かわいい。

けれど、やっぱり始め引っ掛かったことが解消されず。どうしてもお題に掛かってくる点なので…。確かに子供だとありそうなあだ名。けど、開き直って言い切ってしまった様な感触がありました。
15.10みく削除
「阿求は特別な存在だ」みたいなことを自作で言わせてしまったので、こういう話を読まされると「その通りでございます」と頭下げる他ありません。
子供っぽい文体もよく工夫されていたと思います。
お題の使い方にやや物足りなさがあったようにも思えましたが、今回一番好みでした。
16.9ナルスフ削除
端的な感想を言うなら、どっかで見たような話ではあるんですよね。でもこういうの大好き。
アメリカというテーマや東方という舞台にこういう学園青春劇を持ってくるのは素直に驚きです。
普通の魔法使いのルーツはここにあった。阿求も魔理沙も、みんないい子だ。それにしても阿求の友人と言えば小鈴ですけど、彼女はこの時代は一緒じゃなかったのかな。
ともあれ、付き人のおっさんを撃退した時は痛感でした。面白かったです。
さて、これを読んで誰もが気になるであろう点と言えば、『ドン太』と『ゴン太』が完全に混在してること。これくらいの見直しはしてほしかった・・・。
・・・まさかわざとではないですよね?
17.6deso削除
可愛くて良い話すぎてむず痒いですが、それはそれで!
お題の使い方はちょっと厳しいような。
設定上細かいところは気にしたらダメなんだろうなあ。
18.10文鎮削除
子供のあだ名って的確に、簡潔にその人を表していたかと思えば、まったくの由来不明だったりと面白いですよね。
その点、このお題の使い方は自然ですし、上手いなぁと思いました。
ちょっとしたきっかけで仲良くなってしまう、これが子供なんですよねぇ。
まさに童話の王道的な展開が気持ちよかったです。
また、魔理沙が窮屈な実家を飛び出し、魔法使いの修行をしたくてうずうずしている雰囲気が伝わってくるのも良かったです。
成長した魔理沙と同窓生たちがどのような関係を持っているのか、こういう妄想が否が応でも浮かんできてしまうお話でした。
19.10あめの削除
お題へのアプローチの仕方、キャラや世界の設定、ストーリーの構成、すべてがうまくて舌を巻きます。会話のテンポも良い。
阿求が寺子屋に通っていて一人孤立している状況を、ふつうのアメリカ人と呼ぶ発想がまず思いつかないし、その孤立している状況から、いかにしてみんなと仲良くなったかを、子供の魔理沙視点で本当にうまく描けていると思います。
読み終わった後に心が温かくなる素晴らしいお話でした。文句なしの満点です。
20.8めるめるめるめ削除
こういうほのぼのした作品は大好きです。
今の魔理沙と阿求が当時を懐かしんだり恥ずかしがったりするシーンがあったら更によかったですね。
21.5このはずし削除
不思議な味わいの作品でした。
アメリカが割と身近な存在になった今、こちらの世界では「宇宙人」というあだ名の方が適しているかもしれませんが、幻想郷では確かに「アメリカ人」になるのかな。海の向こうですし。
お題がLunaticだったのは完全に同意ですw
22.7名前無し削除
取り急ぎ、点数のみで失礼します。
23.4K.M削除
子供時代……もう随分懐かしさを感じます。