第十三回東方SSこんぺ(アメリカ)

寓話「狐の智を借る虎」

2014/03/08 21:26:35
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 よその子よりもうちの子。
 他人の美女よりも自分の恋人。

 身内が世界の誰よりも可愛いと思うこと、それが人情、仕方がない。
 古来より身内びいきの類は尽きない。身内の可愛さというものは語りつくせないものがあるのだろう。子供の自慢話や恋人の惚気話は、聞いている方には災厄かもしれないが、話している方は幸福の絶頂にあるものだ。聞いてやるのが渡世の義理というもの。
 親ばかちゃんりん、そば屋の風鈴。
 女房の 妬くほど亭主 もてもせず。
 子を持って やうやう親の 馬鹿が知れ。
 それでもやっぱり、身内が可愛いものなのだ。

 つまり今回は、そういう寓話。


<狐>.

「えっ?藍様、今、なんて言いました?」

 橙がその愛らしい目を丸め、自分の主人をまじまじと見た。耳をピンと立ててあんまりまじまじ藍を見つめるものだから、フレーメン現象か何かかしらと藍が自分の体臭を気にしたほどだ。

「だから、この本のことよね?」
「ええ。そうなんですけど……」

 念を押した藍に橙はそうじゃなくてですね、と可愛らしい仕草で頭を振った。

「今、藍様、なんか「おまじない」みたいなこと言いませんでした?」
「おまじない……?」

 藍は先ほどまでを思い出すように首を傾げた。
 確か、読書中に橙に声をかけられて……。
 そう。

 文字や記号で一杯の分厚い本に目を通していた主人にかまって欲しくて、橙は藍に声をかけていた。しかし特に切り出す言葉が思いつかなかったせいで、出てきた言葉は「そのご本はどういう本なんですか?」という拙いものであった。

 どうせいつものごとく、紫様からいただいた式神にとって重要な「術式の本」なのだろう。そのことは橙にも分かっている。そしてそれが恐ろしいほど難しい内容であるということも、藍がそれに熱中しているであろうことも理解していた。そうした式神の修行、あるいは研究というべきか、そうした努力をしているときの藍の集中ぶりは凄まじいものだ。ときには橙のことを、あるいは藍自身のことすらも忘れてしまっているんじゃないだろうかと思うほどである。

 ご飯ちゃんと食べてらっしゃるかな、と橙が心配するくらいよくあること。そういうときには紫が起きていれば紫に相談するし、紫がいないときにはこっそり握り飯だけでも作ってそっと傍に置いておいたりした。そうして少しすると、全部平らげた皿が外にあるのを見て、橙もほっとするのだった。それほどに藍の集中力は凄まじく、橙をもってしてもその間は構ってもらえずに、少々寂しい思いをする。

 にもかかわらず橙にとって「難しいご本」を読んでいる藍の姿は、とても格好の良いものだった。熱心に集中する藍の横顔は橙がうっとりとするほど凛々しく、書き物を走らせているときの鋭い瞳は橙の心臓の鼓動を早めるほどの怜悧さを持っていた。
 だからこそ、藍のお勉強の邪魔をしてはいけない、近くでご様子を伺うだけにしよう、そう橙は心に決めていた。それは、仕事をする母親を頼もしげに感じる子供のようであり、自分の主人を誇らしく思う式神としての自負でもあった。
 とはいえ。

 だが、それにも限度がある。
 そのことは、母親が仕事で構ってくれないときの子供と同じであって。
 橙にしても数日くらいなら我慢することはできる。お仕事なのよと言われれば納得するくらい、子供というものは賢いものであるし、橙となれば当然、猫又の式神なのだからずっと賢いだろう。
 だがいかに物わかりが良いとはいえ、あんまりその本に執着して何日も過ごす藍の姿を見ると、なんだか段々我慢ができなくなってくる。それは子供が感じるような親に構って欲しいという気持ちなのかもしれないし、いつもは気儘な猫が急に主人にまとわりつきたくなる、そんな感覚に近いのかもしれない。

 だから橙は、特にその本には興味もないのに藍に声をかけていた。
 そう、ただ藍に構って欲しかっただけなのだ。
 こうした切実な橙の言葉の響きが、藍を正気に戻させた。集中を解かれたためか、藍は一瞬だけ呆けた顔をした。しかしすぐにその声で誰かを察すると、いつもの優しい表情で橙を見つめる。まるでこの世界に戻ってきたばかりのように、夢から覚めたような表情で。

「これ?これは紫様からいただいた、大切なご本よ。外の世界の術式について書かれた本なの。なんでも、マサチューセッツ工科大学の情報科学の教授、つまり術式を研究する「人間」が書いた本なのだそうよ」

 藍が橙に優しく答える。
 数学も情報科学も計算機科学も、どれも橙にはまだ難しい内容であるだろう。だから敢えて中身には触れず、妖怪である式神の自分が人間の本を読んで勉強しているのよ、と優しく外観だけ伝えるつもりだった。
 しかし、そのときの橙の示した反応は、藍にとって想像外のものとなる。
 藍のその言葉の響きがあまりにも突拍子もなく素っ頓狂でもあったので、橙は目を丸めた。そう、この言葉が冒頭の橙の反応につながっている。

「マサチュー?」
「マサチューセッツ、ね」

 藍が確認するように重ねて言うと、橙は繰り返して答える。

「なんですか、それ?「おまじない」みたいに聞こえますよ?」

 くわばらくわばらとか、ぎゃーてーぎゃーてーはらぎゃーてーとか、びびでぃばびでぃぶぅとか、えこえこあざらくとか、いあいあくとぅるふなふたぐるふたぐんとか、すーぱーかりふらじりすてぃっくえくすぴありどーしゃすとか、じゃヴぁうぉっきーとか、そういうものに聞こえたのだろうか。橙はクスクス笑う。

「外の世界の地名よ。外の世界の大きな国の中の小さな国の」

 正確には「state」ではなくて「commonwealth」であの大きな合衆国を構成する一国、あるいは一州である。小さな国という概念に間違いはない。

「その地名がマサツーチェッチュ、ですかぁ……」
「そうよ?あとマサチューセッツね。その郷に住んでいた人の言葉で大きな丘、ね」
「……「おおおか」とかなら言いやすいのに」

 「お」が多すぎて少し読みにくい気もする。もし幻想郷で漢字にしたら「大岡」とか「大丘」、あるいは「○○丘」「○○台」と呼ばれるだろう。

「でも、マサチューセッツと呼ぶのよ」
「そうなんですか。言いにくいですね、マシャチューセッツ」
「惜しいわ」

 感慨深げに腕を組み舌っ足らずに繰り返す橙を見て、いよいよ藍は目を細めた。
 これまでは必死に我慢してきたのだが。
 いけない、可愛すぎる。
 いつも思うのだが、どうしてこの私の式神はこんなに可愛く、私をせつない気持ちにさせるのだろうか。いけない式神だと思う。
 紫様もこんな気持ちで私を見ていたのだろうか?それはそれで問題だ。いや、そうでもないのだろうか。自分が主人になって初めて主人の気持ちが分かるのかもしれない。それは子が親になって初めて親の気持ちを知るように。

「マチャチューセッチュ?」
「……マサチューセッツ、よ」

 少し間があったのは橙の可愛らしい声の余韻を楽しんでいたからだった。
 そういえば、最近本に夢中で構ってあげられなかった。だから禁断症状もあったのかもしれない。
 ああ、あと、もう少しだけ。
 橙の愛しさを堪能したい。

「マシャチューチェッチュ」

 そう改めて言うと、うまく言えないことを自覚したのか橙はムキになって連呼し始めた。藍の前でこのまま無様には終われないと思ったのだろう。

「マチャチューチェッチュ、マチャスーチェッチュ、マサシューセッツ、マチャシューチェッチュ、マサチューチェッチュ、言えました!」

 藍の顔を真っ向から見上げて、どうだと言わんばかりに橙が満面の笑みを浮かべる。

「ダメダメ、言えてない」

 にっこり微笑んで首を横に振った藍は、一方で興奮を押さえるのに必死である。
 やばい。
 これはやばい。
 なにがって、橙がやばい。
 橙が可愛すぎて、私の神経がやられる。

「い、言えてますよ~」
「もうちょっと。もうちょっとよ、橙。もうちょっとだけ頑張りましょう」

 もうちょっとだけ幸せになりたい。
 そう思うことの、何が悪いだろう。
 橙に耽溺したいのだ。
 ……橙中毒の症状について最も恐ろしい点は、患者に自覚がないことだった。大変、危険である。なお、人間性を失う可能性がありますが、藍は大妖怪の式神なのでたいして問題ではなかった。人間はダメ、絶対。

「そうですか、じゃもう一回!」

 久しぶりに藍に構ってもらえたことが嬉しく、藍に応援されたことでなおさら上機嫌になった橙がまた繰り返し始めた。

「マチャチュー……」

 ああ、なんと愛らしいのだろう。
 これこそ、最も美しい時間ではないのだろうか?
 時間よ止まれ、お前は美しいのだから。
 あるいは愛に時間を。

 橙が繰り返し噛む姿を堪能して、藍は滂沱の涙を流す。橙がその様子に気づいたらどん引きだったかもしれないし、体調を心配したかもしれないが、橙は繰り返しに必死で気づかない。
 うん、生きてて良かった。
 藍は残念ながら橙中毒の末期症状を発症しているので、お医者さんも匙を連投中である。

「藍様ぁ……」

 恍惚状態にある藍に、橙はおずおずと声をかけた。なかなかうまく言えないため、ちょっと悄気て藍を見上げてそっと藍の袖を引く。
 上目遣いがまことに愛らしく、愛嬌無双である。南無三。

「もう一回、お手本をお願いしていいですか?」

 ああ、死んでも良い。
 いや、紫様の許可なく死ねませんけど。

「うん?もちろん良いわよ。良い?」

 そう言ってそっと橙の耳元で、息を吹きかけるように優しく囁く。

「マ・サ・チュ・ウ・セッ・ツ。ね?」
「はい!えっとぉ、マ・サ・チュ・ウ・セッ・ツ!」

 橙はこぼれるような笑みを見せた。

「言えました!藍様、言えましたよ!今度は本当に言えました!」

 それは花開くような笑みであった。

「よくできました」
「マサチューセッツ、マシャチューセッツ、マチャシューセッツ、マサチューセッチュ!」

 最初以外やっぱり言えてなかったが、それでも連呼して嬉しそうにしている橙が、無闇矢鱈と愛らしかった。

「よし、よくできました!ご褒美に今日は橙の好きな料理にしましょう。何が良いかしら?」

 もう完全にだだ甘やかしの悪い保護者の見本になっている藍に、橙が目一杯元気に言った。

「猫まんまが良いです!」

 その元気の源は、「おまじない」のような早口言葉「マサチューセッツ」が言えた喜びもあったろう。だがそれ以上に、藍の関心が自分に戻ってきた喜びがそこにはあった。

「よろしい。今日は特別にめざしの塩焼きもつけましょう」

 藍のその言葉はとてもつつましいように聞こえるが、海のない幻想郷ではこれはこれで非常に贅沢なごちそうである。橙のテンションも、自然とあがる。
 橙は嬉しそうに、もう一度藍に言った。

「マサチューセッツ!」

 それは舌っ足らずでも噛んでもいない、キチンと滑らかな発音だったが、藍の目には最強に愛らしかった。
 見てみなさいな、うちの式神が一番可愛いんだから。 





<虎>.
 寅丸星は只管打坐、ただただ煩悩と戦っていた。
 己を空しくすることが悟りへの道であり、そこで初めて自分の内に潜むであろう仏性を迎え、あるいは開くことができるのだ。
 それは色即是空、空即是色の精神である。うちにある欲望を抹消して八正道へと進むことこそ修行の道である。毘沙門天の代理人といえど、仏となることは誠に難しく、悟りを開くことは困難を極めるものである。

 とはいえ星には、自分の導き手として毘沙門天のご加護とともに、それ以上に自分の人格に大きく影響を与えてくれる存在がいた。もし、一人であれば大悟への道への険しさ、無限にも見える遠い距離に星はただただ茫洋として挫折し、妖怪としての本性とともに暴れ回っていたかもしれない。
 しかし、偉大な阿弥陀仏の無限の慈悲の光が遍く注いで衆生を救うように、寅丸星の前にもその慈悲は現れた。

 聖白蓮。

 その慈悲は星の理解できる人の形をとって現れた。その暖かい心と言葉がときに星の誤りを正しきへと導き、ときに妖怪としての本能の中へと崩れ落ちそうになるのを支え、妖怪としての自分を仏の道へと導いてくれた。
 星にとって仏への帰依とは毘沙門天への帰依であると同時に、聖白蓮への帰依と同一であった。
 白蓮が法界に封じられていても、星を導いていたのは白蓮の残してくれた言葉であり、虎の妖怪・寅丸星の内側に潜む仏性が白蓮の形をとって「思い出」として支えてくれていたのだ。

 だからこそ、白蓮が戻ってから星の中はなにか暖かいもので満たされており、これを空しくすることの難しさを感じていた。そして、それでも悟りへと導こうと手を取ってくれる師との繋がりによって、なお仏道へ邁進することができたのである。
 とはいえそれにしても、欲望は尽きせぬものであり、欲望を打ち消すことは難しい。
 それも金銭や物などよりもっと深い奥底の欲望、自然として存在する欲望ならなおさらのことだ。
 家族への愛、仲間への愛などは最早打ち消すことなど難し過ぎる。

「聖。私は愛という欲望を捨てねばなりませんか?」

 かつてそうした問いに、白蓮は重々しく答えた。

「愛は確かに欲望の一つ。それゆえに人は愛に満たされてなお己の中で苦しみ、その愛が失われることを懼れる。愛は満たされてなお満たされぬものゆえ、やがて愛すべき人が消えて愛することそのものが消えるか、愛が極まって己が身すら消えて、なにものかへの愛のみが外に残るかするもの。とするならば、愛の果てというのもまた、一つの悟りの姿であるか」

 白蓮はそこまで言うと今度は軽々と片目を閉じてちょっと舌を出し、冗談でも言うように続けた。

「愛を無くせ、ですって?無理なものは無理なのですよ。無理なんだから、無理と知りつつじたばたと無様に足掻きましょう。努力しないと仏様に怒られますが、無理なことをせよ、とまでは仰ってないのですし」

 禅僧のようには言葉を超えていないが、白蓮には白蓮なりの仏があった。白蓮もまた、仏への道を進むうちに欲望があり恐怖があり、そうした四苦八苦の中でもがき、四諦へ進まんと戦ってきた。
 そして、その苦しみの向こう側で「私、破戒僧ですから」と言って微笑んで妖怪を導くという、この強かさ。
 その来し方、その道のりこそが白蓮の信仰の力であり、白蓮の仏道に他ならない。
 竜樹には竜樹の、達磨には達磨の、智顗には智顗の、最澄には最澄の、空海には空海の、馬祖には馬祖の、そして何より、仏陀には仏陀の仏道があったのだろう。
 そうした聖との交流に導かれ、なお星は進んでいく。しかし、嫉妬や愛情という欲望は必ずまた姿を見せて、また星を苦しめるのだ。
 それは、今まさに。

「それにしても」

 星は座禅を解いてつぶやく。

「やっぱり羨ましい」

 全然、煩悩は消えてませんでした。助けて聖。

 昨夜、マヨヒガを聖の代理として訪れてから煩悩が消えないのだ。
 マヨヒガに行った理由はたいしたことではない。
 幻想郷の大妖怪、八雲紫は幻想郷の誰に対しても等しく優しく、かつ等しく残酷である。そのため、いろいろ便宜を計ってくれたり、陰謀に巻き込んでくれたりするわけだが、日常の細々とした支援は命蓮寺一同にとっても大変ありがたいものだった。
 特に紫の式神である藍は、本来の九尾の狐の妖怪としても大物であるせいか、周囲への気遣いを欠かさないでいてくれた。
 先日も、いくら破戒僧とはいえ肉食主体ではまずいでしょうと、大豆とその加工品である豆腐やおからを大量に調達してくれたのだった。
 そのお返しに、聖は高価な食用油を仕入れて油揚げを作った。何でも聖が、これも大妖怪風見幽香と知り合った際に、油をそれなりの値段で仕入れることができるルートを教えてもらったのだという。

 さすが幻想郷、大妖怪という言葉のオンパレードであり、インフレが進んだ観がなきにあらずだ。
 ところでこの「油揚げ」というお返しまで含めて考えていたのだとしたら、あの九尾の狐もなかなかのものだが、星としてはそこまで悪く考える気もなかった。油揚げをサクッサクッと音を立てて切って重箱に詰めると、マヨヒガを訪れたのだった。
 藍は「油揚げ」というお返しを心から喜んでくれて、ではこれを煮つけて明日にはいなり寿司にして命蓮寺にお持ちしましょう、と約束してくれた。

 そのときだった。
 いなり寿司はこの子に持って行かせますから、と藍が橙を指したのは。この猫又の式神は星を見つめて微笑んだ。そして彼女は藍の傍で丁寧にお辞儀をすると、明日もよろしくお願いします、と言ってまた戻っていったのだが。
 そのとき、藍が得意げに言ったのだった。

「どうです?可愛いでしょう、うちの橙」
「ええ、相変わらず可愛らしい方ですねえ」

 マヨヒガを訪れる度に繰り返されることだし、橙が可愛らしいのは星にも分かる。この狐が式神中毒なのはいつものことなので、こうした遣り取りはたいして気にならなかったのだが。

「実は橙が昨日ですね……」

 と言って狐が話し出した内容が良くなかった。その「おまじない」のような言葉。

「マシャチューセッチュ?」
「いや、マサチューセッツです」

 星ですら言えない言葉だったが、その言葉を何度もあの橙が愛らしく繰り返したのだという。その光景は確かに想像に難くなかった。舌っ足らずな彼女は、とても可愛らしかったのだろう。そして、この妖狐の言葉が間違っていないことも分かる。

 だが。
 だがここで、星の心に猛然と沸いてくるものがあった。

 うちのナズーリンだって、可愛い。
 すっごく可愛い。
 ちょっと生意気だし、ときどきオカンかと思うようなことも言うが、それすらちょっと背伸びしているようで、可愛い。
 いや、確かに橙さんは可愛いでしょう。星は理解する。そりゃ、可愛いでしょうとも。
 でも、ナズーリン。
 これ。
 私にとってはこれが至高。
 なにより、いつも澄まし顔で何事も見事にこなしてみせるナズーリンが、舌ったらずに「おまじない」を言う姿を想像するだけで、星の相好を崩すに十分だった。

「あの、星さん?」
「あ、ああ。すいませんでした。あの、ここにその陀羅尼を書いてもらって良いでしょうか?」
「そりゃ構いませんけれど。あの、陀羅尼ではなく地名なのですが……」

 自分のことは置いておいて、藍が心配そうに星を見る。
 この毘沙門天の代理人、ときどき抜けていることがあるらしい、と人伝に聴いているからだった。普段はそつなくこなしているように見えるし、事実、彼女は今では郷の大物の一人である。あるのだが……。

「あの失礼ですが、これは何と書かれているのでしょう?私には梵字でもないように見受けられます」

 Massachusettsと書かれた札に、星が首を傾げる。

「ああ、ではこれでどうです?」

 藍はその英語の下に「まさちゅーせっつ」「マサチューセッツ」と丁寧にひらがな、カタカナを書き添えた。

「これなら読めます。ありがとうございます。助かりました」
「いえいえ。でも、何にお使いになるんですか?陀羅尼にはなりませんよ?」
「まぁ、その、悟りを開くためともうしますか」

 完全に嘘です。聖、すいません、許してください。

「お役に立てるなら構いませんが。それでは、明日、いなり寿司をお持ちしますので」

 藍が丁寧に星に頭を下げるので星も辞去し、その御札を胸に命蓮寺に戻ったのだが。
 しかしその札を胸に星は苦悩する。我が胸中は、なんと悪しき欲望に満ちたことであろうと。
 ナズーリンにこれを読ませ、その愛しさに恍惚としようなどとは。自分の罪深さを道中に悟り、道に迷いながら悩みぬき、それでようやく寺に戻ってからは必死に瞑想・座禅と毘沙門天に縋って欲望を滅ぼさんとしたのだが。

「いけません。どうしてもナズーリンが舌を噛んで、「主人、これは厄介だね」と困った顔を浮かべる愛らしい姿が邪魔をします」

 可愛らしい。ちょっと不満そうなナズーリンの顔が可愛い。
 幻覚すら浮かぶとは、なんと欲望の恐ろしいことか。思わず肩を落としてしまう。
 内実を知っていればただのナズーリン中毒患者なのだが、傍から見るとそれは、仏道の途上に悩む毘沙門天の代理人の苦悩にも見えた。だからなおさら性質が悪い。

「どうしたのですか、星」
「聖……」

 見上げると、そこには落日の夕日を背に障子を開いて現れた聖白蓮の姿があった。そう、いつでも星が道に迷うと彼女がいてくれる。

「あなたが思い悩んでいると、ナズーリンから言われましたよ。わざわざ無縁塚の方から出向いてきてくれました。またお使いの途中で何かを無くしたのではないか、と」
「……いえ、そう、いつも失せ物をしているわけではないのですが」

 星は冷や汗を流して答える。とはいえ、一番肝心なときに、一番すごい失敗を、一番印象に残る形でやってしまった身としては、何にも言えない。

「では、何か悩みがあるのですね?」
「なぜ先に失せ物のことを訊かれたのです?」
「あ~。……仏のお導きです」

 白蓮は一瞬言葉に詰まった後、敬虔な仕草で合掌した。
 この破戒尼僧、仏をだしにして逃げたらしい。とはいえ、仏道において悟りに導くには方便も重要。これは方便品の重要な概念であり、まさに仏の道である。三車火宅の譬えは仏の柔軟な精神の表れである。

「それで星、何に悩んでいたというのです?」
「……私は愚かです。自分の欲望のために、ナズーリンに頼みごとをしようとしていました」
「やはり、何か失せ物を……」
「そこから離れましょう、聖」

 少しいじけたように星が言う。 

「では、失せ物以外なのですね?」
「ええ。実は、ナズーリンにしてもらいたいことがあったのですが、それは私の欲望を満たすためのものでしかないのです。ナズーリンのためではなく、私が楽しむためだけに……」

 罪を感じて悄然とする星に、白蓮が少し慌てたように言葉を選び始めた。

「……えっと、それはこう、恋愛的な何かですか?私が口を挟めない類の。あるいは、その、もっと直接的な、なんていうか、房中術的な」
「……何言ってるんですか!聖!」
「いえ、女性同士の愛を否定する気はないのです、それも確かに愛の形ですしね。大丈夫、私は理解のある方で……」

 まるで娘の性の目覚めに遭遇した母親のように、狼狽えながらうなずく。破戒尼僧でも狼狽えることはあるらしい。

「ち、違います!それに、そういうことを言い始めたら、聖は重度のブラコンじゃないですかっ!?」
「それを言っちゃったら、おしまいよ?」

 白蓮がほほえみながら拳を握る。次の動作はエア巻物召喚の可能性大だ。さすが、破戒尼僧、手段を選ばない。全然、悟りを開けていない気がした。かえって、何かこう、違うものが開きかけている気さえする。

「いえ、ですから、そうでなくて。私はその、性的な意味ではないことを考えていたのです。この後、滅茶苦茶どうこう、とかではなくて」

 星は慌てて必死に言い訳した。その様子は毘沙門天の代理人のそれではなく、不器用な少年少女のそれであった。これ以上追いつめたらきっと星は、くるくる回り出して最後にはバターになってしまったかもしれない。

「……冗談ですよ、星」

 さっきまでの様子と打って変わって、また白蓮が微笑む。ブラコン云々の部分については冗談とは思えなかったが、そういうことにしとこう。星は咄嗟にそう思った。

「もう、聖は私をからかって」

 ため息を一つ付くと、そっと星は胸中から札を取り出した。

「……私の欲望というのは、そのぅ、これなのです」

 星はそう言って、藍からもらった御札をそのまま白蓮に差し出した。

「これを、ナズーリンに読んでもらいたかったのです」
「……これは、異国の言葉?」

 アルファベットに白蓮は目を丸めた。

「ええ。そうなのです」
「……まさか、卑猥な言葉をナズーリンに言わせたい、とか?」
「聖、あんまりですっ!私はそんなに歪んでおりませんっ!」

 涙目になる星に、白蓮がごめんなさいね、言い過ぎたわと謝罪して、そっと白蓮が何事かつぶやく。陀羅尼のような、祝詞のような、あるいは方術のような言葉を。その言葉と共に、白蓮は目を細めて札をなぞった。

「これは、……地名?」
「そ、そうです。その振り仮名のように読むのです」

 その答えに頷き、やがて白蓮はしばらく腕を組んで考えあぐねていた。

「これを、ナズーリンに読ませたい、と?」
「はい」
「……読ませたら良いでしょうに。ねぇ?」

 白蓮はそう言って、障子の外に声をかけた。そこにはいつのまにか、小さな影が写っていた。

「聖、約束が違う」

 すっと障子が開いて、その小柄な鼠の妖怪が姿を現れる。星は突然のナズーリンの登場に言葉がない。

「いいじゃないの、ナズーリン。あなたに読んで欲しいのですって」

 白蓮が朗らかに笑って、御札をナズーリンに差し出した。

「ナズーリン、聴いていたのですか?」

 星が困った顔をしているのを見て、ナズーリンはやれやれと肩をすくめた。

「マヨヒガから返る途中のご主人を見かけて、ちょっと気になってたんだ。白蓮にご注進して、ご主人の悩みを解決してもらうはずだったのだけれど。御札を読むくらいのことならすぐに私に頼めばいいんだ。少し、水くさいんじゃないかな」

 ナズーリンはそう言いながら、人の良い主人のこと言い出せなかったのだろうな、と推測する。

「でも、あくまで私の都合ですから」
「ご主人の都合でも、私の苦にならないものならすぐに頼ればいいんだ。失せ物探し以外にだって、お役には立てるのだから。……まぁあまりその、性的なものは難しいかもしれないけれど」

 ナズーリンが珍しく言葉を濁しながらも律儀に答えると、星は涙目で白蓮を睨む。とはいえそんなに嫌われてないでしょ、と何処吹く風とばかりに白蓮は微笑んで返す。
 そんな主人連を横目にナズーリンは星の傍に寄りつつ、御札に目を通した。

「これが地名、なのかい?」
「そうなのです。その……、読んでくれますか?」

 座禅を組んでいたために星は、立っているナズーリンを見上げる形になる。上目遣い気味で言う星は愛らしく、ナズーリンはじっとその目を見つめていた。

「ナズーリン?ダメですか?」
「……構いませんよ。この程度のことで何を悩んでいたのやら」

 ナズーリンはそう答えて、コホン、と咳を一つする。星もその唇を期待を込めて見つめる。う、うん、と喉をならすと、ナズーリンはついに口を開いた。

「Massachusetts」

 アクセントはchuにあります。

「英語だね。うん、このチューという音に美しさを感じるね。気に入ったよ」
「綺麗な発音ね、ナズーリン。そういう風に発音するのねぇ」

 白蓮がほのぼのとうなずき、ナズーリンも満足げにうなずく。

「星はこの異国の文字の音が知りたかったのかしら?」

 しかしその横で星だけが一人身体を震わせ、白蓮の質問に首を横に振る。

「……違う、違うんです」

 星はここにきて、己が期待を完全に裏切られたことを知った。そうだ、こういう展開の可能性があったのだ。おのれ、九尾の狐、傾国の美女め、謀ったな。
 完全に八つ当たり、逆恨みです。

「そうでは、そうではないのです!」

 星の剣幕にナズーリンが驚き、じっと御札を見つめかえして訊く。

「何か、失礼なことをしてしまったのかい?」
「いえ、そんなことはないのです!ないのですが、その、ほら、違うのです。えっと、そうだ!こっちの異国の文字を読むのではなく、こっちの振り仮名の方を読んでください」
「……何か違うのかしら、これ?」
「まぁ、ご主人がそう言うなら」

 ワクワクしているのだろう星の剣幕に押されて、ナズーリンも不思議そうに再び言った。

「マサチューセッツ」

 ナズーリンがなめらかな滑舌でそう言う。多分、微分可能の滑らかさである。

「確かに音が平板になるわね。でも、これはこれで味があって良い響きだと思うわ」
「うん。それにやはり、チューという音には何か懐かしい響きがあるね」

 盛り上がる白蓮たちの言葉を後目に、星は悄気返る一方だった。

「そう、そうですよね……」
「……ご主人は、私にどうして欲しかったんだい?」

 ナズーリンがそんな主人の様子を気遣うが、星は心配無用と首を振る。

「いいえ、違うのです。私は愚かで浅はかだったのです。そうですよね、綺麗に読めますよね。少し子供っぽくムキになっていたのかもしれません」

 ナズーリン中毒患者、寅丸星はナズーリン分摂取に失敗したらしい。そのうち禁断症状が現れること請け合いだ。
 しかし、そんな星の言葉を受けて白蓮も御札の文字を口に出してみる。

「まさちゅうせっつ」
「……白蓮、なんだかアクセントがおかしいよ?」

 ナズーリンの指摘に白蓮が首を傾げた。

「そうかしら。でもキチンと言えていると思うのだけれど」
「……なんだか「正中」「摂津」と言っているように聞こえる」

 おまえ、どこ中出身だよ、の答えにしか使用できない不思議な日本語が今、ここに誕生した。具体的には「摂津にある正中」出身者を意味している。
 それこそ、そこ、どこだよ。

「ああ、そういうのあるわよねぇ。バスが、酢爆発。とか」

 ぽんっと手を叩いて白蓮が微笑む。いや、バスが何なのかいまいち分かっていない白蓮が言うのもどうかと思う。紫あたりに入れ知恵されたのだろうか。なんにせよ、バスガス爆発は言いにくいが、「バスが、酢爆発」だと言いやすいのは有名な話である。ちなみにこの日本語も、現実で使用できる可能性が少ない。
 どんな爆発だよ、酢爆発。

 ちなみに、この概念を延長していくと、「青巻きが3(み)、赤巻きが3(み)黄巻きが3(み)」なども可能となる。と思う。是非、繰り返し言ってみていただきたい。

「いいですね、お二人とも滑舌がよくて」

 星が寂しげに言うので、ナズーリンが労るように答えた。

「ならご主人も、ご一緒に」
「……マサチューチェッチュ」

 星が悲しげな瞳でつぶやいたその刹那。
 まさにその瞬間に、ナズーリンと白蓮に電流が駆け抜けた。
 二人はマジマジと肩を落とした星を見つめる。

「も、もう一度。ご主人、良いかな?」
「何がですか、ナズーリン」
「い、良いから、もう一度言ってみて欲しい」
「マシャチューセッチュ」

 白蓮とナズーリンがお互いに視線をぶつけて頷き合う。
 そう、今初めて白蓮とナズーリンは星の欲望の正体に気づいたのだ。何がしたかったのか、何をさせたかったのか。そしてそれに気付いたからには、これは行けるところまでトコトン行かねば。そう、ここにいる白蓮とナズーリン、間違うことなき寅丸星中毒患者である。

 中毒者しかいねぇな、幻想郷。

「ご主人、もう一回」
「……良いですけど。マサチューセッチュ」
「……ね、ねぇ、星。もう一回良いかしら?」
「白蓮まで。私は綺麗に言えてしまいますからいいのですよ。……マシャチューセッツ。これで、ご満足ですか?」

 星が悲しい目をして言うが、かえってナズーリンと白蓮のテンションがあがっていく。
 おお、これは可愛い。
 普段、毘沙門天の代理人、凛として毅然たるはずの虎の妖怪が、舌っ足らずに言うその地名。

「ご主人、申し訳ないのだが……」
「何です。もう良いでしょうに。もう言いませんよ?」
「言えてない」
「……?」

 はい?と星はまじまじとナズーリンを見つめて答えた。

「言えてます」
「いや、ご主人、神仏に誓って言えてないよ」
「白蓮、ナズーリンがこんなことを言って……」
「言えてないわ」

 星が言いつける前に、白蓮はかぶせ気味に断言した。

「いや、私は言えてますよ?今回の私の欲望は、あくまでナズーリンが言えないんじゃないかと思って……」
「私のことなんてどうでも良いんだ、ご主人。それより、ご主人、言えるまで挑戦だ」
「……だから、言えてると」

 星はそう答えると、むっ、と気合を入れて目を見開いた。

「マシャチューチェッチュ、マサチューチェッシュ、マサシューセッチュ、マサチューチュッチュ、ダラシューチェッチェ、マッサチューシェッツ!」

 どうだ、言えた!と勝ち誇ってナズーリンを見るが。

「惜しい!」

 ナズーリンが、らしくもなく声を上げて答える。

「いや、「惜しい!」でなくて、私は言えてますよね?」

 おずおずと白蓮を見ると。

「言えてない言えてない」

 白蓮が首を振り、さ、と手で促す。それはお題目を唱えるのを促すような感覚だった。念仏は何回唱えるのが良いのでしょうか?
 真心込めた一回でも必死になって何千回でも。

「マサチューセッチュ」
「もう少し、もう少しだよ、ご主人!頑張るんだ!」

 なぜか嬉しそうに、ナズーリンがうなずく。それはまるで赤ん坊が立ち上がるのを応援する大人のようで。

「……本当に私、言えてないのでしょうか?」
「全く、言えてないわよ?」

 白蓮の言葉に一瞬、星は絶句する。
 全く、って。
 そう、何を隠そう、星は「自分は言えている」と今の今まで思っていたのだ。まぁ、皆、気づいていただろうが。

「マ・サ・チュー・セッ・ツ」

 ナズーリンが赤ん坊に言葉を教える母親のように区切って言う。りぴーと、あふたー、みー。

「マ・サ・チュー・セッ・ツ」

 星がゆっくりと発音していく。相変わらず最後のツがややチュになりそうで危なかったが。

「できた、できていたよ!ご主人!」
「星が言えた!」

 まるで立てなかったお金持ちの娘が立てるようになったときのテンションで、二人が拍手する。

「……ありがとう、ございます?」

 疑問形で星が答えると、ナズーリンがぽろりとした、もとい、ほろりとした顔で微笑んだ。

「とても素敵だったよ、ご主人。頑張る姿が格好良かったし、とっても愛らしかった」
「……うん?」

 星には何か重大な逆転が起こっているような気が、ほんのりとした。ほんのりとしか感じていないところに、この寅丸星という妖怪の度量の大きさと、その天然さ加減が伺えよう。

「やっぱりうちの星が一番ね」

 白蓮がうんうん、と涙を拭くように微笑む。何を大げさな、と思わないではない。

「勿論だとも」

 ナズーリンは誇らしげに白蓮に言った。

「隙間妖怪の狐の式神も、マヨヒガの猫又も、白玉楼の庭師も、薬師の弟子も、閻魔の死神も、紅魔館の女主人の瀟洒な従者も、それはみな、それぞれ可愛いのだろうが……」

 多分、この幻想郷で一番の寅丸星中毒患者は続ける。
 やっぱり彼女も末期患者だった。
 救いようがないが、そのくらいでなければ従者というのは勤まらないのかもしれない。
 とはいえ、みんな、うちの従者が一番可愛いと言うだろう。そして従者もまた、うちの主人が一番だと言うだろう。
 しかしそれでも、私は違う、と敢えてこう断言するのだ。

「うちのご主人が、一番可愛い!」

 そんな風に興奮しているナズーリンたちの様子を見て、納得がいかないのだろうか。虎の妖怪は首を傾げながら、狐の妖怪の言葉を思い返してもう一度だけ、二人に聞こえないようにつぶやいてみる。

「……マサチューチェッチュ」

 それをしっかり聴いていたナズーリンは思いを強くする。
 ほら見るがいい、うちのご主人様が一番、可愛いんだ。

-了-
 つまり、この物語の教訓とは、全ての人に橙か藍、あるいは星かナズーリンが必要ということです。
 如是我聞。

 ちなみに、ケンタッキー州、ペンシルバニア州、バージニア州と、マサチューセッツ州だけが「State」じゃなくて「Commonwealth」なんだそうです。United States of Americaなのに。
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コメント



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1.9ししとう削除
ああもう!かわいいなぁ!?
2.6名無し削除
可愛いは正義。私も中毒になりそうです。この様子だと同じネコ科のお燐も中毒の対象にされてそうだなぁw
3.8がま口削除
で、出た……人を噛み倒させるために生まれたような地名マサチューセッツ。
でも頑張る橙や星がとても可愛かったです。チェッチュとシェッツがツボでした。
すると、むらむらと自分もこう言って欲しい欲望に駆られました。
「赤坂サカス市長主催の新春シャンソンショー」と!
4.8烏口泣鳴削除
率直に、面白くて笑えた。星とナズーリンの関係が反転するところが、期待していた通りで、特に。
5.5エーリング削除
全くもって可愛いな皆!星ちゃんは保護者ポジションなのにいじられているのが良く似合う、可愛らしいキャラですね。
6.3みすゞ【5点満点】削除
可愛さがあまり伝わってきませんでした。冒頭にあるような「災厄」とまでは言いませんけど、やはり他人事ですので。可愛さを押し付けられると突き返したくなるというか。肌に合わなかったということでご了承ください。ただ物語の進め方やまとめ方は手馴れているなという印象を受けました。
7.3がいすと削除
例えば、だ。
宮古芳香に関してはこの幻想郷においては概ね3パターンにわけられる

・「まささささー!」など意味不明言語に変換するボケよしか
・「マサチューセッツ」と完璧に言うことで悲哀感を出すシリアスよしか
・「・・・」首から上がすっぽぬけてて話せないグロテスクよしか

単語の選び方次第で、キャラクターが大きく背景が変わってくるということを認識させられました。
よしかちゃんが1番可愛いんすよ
8.4ito削除
駄目だこの人たちは。
「マサチューセッツ」が上手く言えない橙が可愛い。
もしyoutebeに動画が投稿されていたとしたらgoodを間違いなく押しているであろうかわいさ。
星がナズーリンに同じことをしようとして、逆にからかわれるのが予想通りでよかった。
やはり星はそうでなければ。
が、余分な描写が多いように感じました。
特に、星のパートの「煩悩と戦っていた」の次、「とはいえ星には」から聖にマサチューセッツの話をするまでのところ。
ここは丸々要らないか、あったとしても半分以下の文章量でいいと思います。
ここの部分を読む頃には星がナズーリンに同じことを言わせようとして失敗する流れは予測がついていたので、
本筋と関係ない情報が続くなあ、と思いながら読んでましたから。
9.5あらつき削除
かわいい
10.6みく削除
かわいかったです。
MITと最初に言っておけば……
11.8ナルスフ削除
ほっぺがマサツでマサチューセッチュ~
なんて平和な幻想郷なんだ・・・(震え声)
ナズーリンが噛まずに言えることは予想できましたが、そこからナズの星中毒に移行するとは一本取られましたなハハハ。
本質はキャラ萌えSSでありますが、何気に書き込まれた地の文と、やたら作りこまれた薀蓄や小ネタが光る一作ですね。
12.8deso削除
可愛すぎるw
MITによもやこんな使い方があろうとは!
13.7文鎮削除
欲まみれでいいじゃない、いきものだもの。
読み進めていくと、顔がどんどん歪んでいってしまって大変でした。
藍や星を筆頭に、真面目なんだけど欲まみれな者ばかりなのが良いですねぇ。
可愛い、本当に可愛いです…もうこれ以上の言葉は必要ないのではないでしょうか。
14.6あめの削除
ブラコン聖か。……ありだな!
それはさておき、キャラ同士のやり取りが面白くて最後まで飽きずに読めました。
15.10めるめるめるめ削除
奇抜さは無いものの、奇抜さが無いこらこその安定感があって存分に楽しめました。
作品の完成度では今回で一番だったように思えます。
16.6このはずし削除
まさちゅーせっつ……なんでしょうこの可愛い話はw
あとがきには二重に納得いたしました。
17.7百円玉削除
取り急ぎすいません、ちゃんとした感想はまた後ほど。
18.9名前無し削除
取り急ぎ、点数のみで失礼します。
19.6K.M削除
残念な人・妖怪ばっかりだw