第十三回東方SSこんぺ(アメリカ)

I Have a Dream

2014/03/09 14:09:38
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「ゆくぞ! 『スーパー・バーニング・レボリューション!』」
 龍脈を司る風水師の術で生じた大火が決闘場を包む。
 
「押し切る! 『ファンタジカル・サマークラウド!』」
 圧倒する妖怪行者の使役する雲入道の拳が空を斬り裂き唸る。

「粘るのう! ならばこやつでトドメだ、『スタードラゴンアロー!』」
「隙有り! くらえ、『コンフェッション・キリングウィンド!』」
 星を落としたかのような矢の雨を、懺悔の風が迎撃せんと荒れ狂う。
 
「やりおるのう! だが我のライフはまだオッケーであるぞ。ファイヤー!」
「ふっ、貴女……あ、いえ、ユーのようなEvil immortalは、我がジャスティスでブレイクして差し上げましょう!」
 少女たちの、弾と弾が、拳と拳が、そして言葉と言葉が里の上空で激しくぶつかり合う。
 
「……なんだかずいぶんと、この決闘もハイカラになったものだな」
 人里の人々の輪から少し離れたところで少女たちの戦いを眺めながら、僕は誰にも聞こえないように呟いた。



 I Have a Dream
 


「なあ香霖、この店は名前を変えないのか?」
 椅子に座ったままカウンターに肘を乗せ、床に着かない足を所在なさげにぷらぷらと揺らしながら、魔理沙は言った。やれやれ、と口に出す替わりに僕は溜息を吐く。魔理沙がそんなことを聞いてくる理由は概ね想像できるが、生憎と僕はそれに乗るつもりは無いのだ。
 
「必要無いよ。僕の店はこの名前だからこそ意味があるんだ」
 『香霖堂』というこの店の名前には、きちんとした意味が込められている。流行に乗って名前を変える必要など、どこにも無いと言うのに。
 
「この名前だからこそ客が来ないんじゃないのか? 私の店はこないだ、アメリカ風のいかした名前に改名したぜ。その名も、『マジックストア・キリサメ』だ。どうだ、思わずふらっと寄ってみたくなるエレクトリックな響きだろ?」
「魔理沙の場合、必要なのは店の名前より立地条件なんじゃないの」
 横から霊夢が突っ込んだ。魔理沙は面白く無さそうに霊夢を横目で睨むが、霊夢が突っ込まなかったら代わりに僕が突っ込んでいただろう。最近の魔理沙はいつもこんな感じだ。幻想郷でブームが起きているからといって、僕までその流行に乗らせようとしてくるのは少々疲れる。
 
「いくらアメリカ風の生活が人気だとしても、僕は僕のやりたいように生活するさ」
「時代はグローバルなんだぜ香霖。もっと広い視野でライフスタイルを見直すいい機会だろ」
 魔理沙はそう言うが、そもそもこの店をどうやったらアメリカ風に変えられると言うのか。『アンティークショップ・コーリン』とでも改名しろと言うのか。なんともこの店の雰囲気には似つかわしくない名前だと、僕は浮かんだ名前を即座に却下した。


『America is Hot Now! ~今、アメリカが熱い!~』
 これが少し前に、天狗の新聞の大見出しを飾った記事だ。
 例えばアメリカは家が大きいし土地も広い、アメリカ人は男も女も背が高くスタイルが良い、アメリカ人は陽気でパーティー好きだ、アメリカ人はこんなに美味そうなものを食べているなど、アメリカの魅力を紹介する連載記事は、最初のうちこそただの物好きのためのコラムとしか思われていなかったが、何度も特集が続くうちに次第に幻想郷の一部に深く広まって行ったらしい。
 
 とは言っても、それで突然幻想郷の土地がアメリカのように広大になったり、人々の主食がパンと牛肉になったり、天狗の新聞が英語で書かれたり、弾幕ごっこにピストルやショットガンが用いられたりするようになるわけでは当然ない。
 強いて言うなら、一部の面々……要するに、影響を受けやすく、流行に乗りやすい少女達を中心として、あちこちでアメリカ人の真似が流行っている程度だ。
 
 例えば、決闘におけるスペルカードの名前を英語に変えようかと言う話題が妖精達の間ですら出るようになったり、

「スペルカードを英語にするのが流行ってるのね! よし、あたいもやる!
 ……で、あたいのスペルカードは英語だと何て言うんだ? 大ちゃん分かる?」
「チルノちゃんの場合は元から英語だから意味無いと思うな……」

 例えば自分の名前をアメリカ人風に名乗りたがるようになったり、

「英語かー。ねー藍様。私も名前を英語にしてみたら少しは強くなれるかな? 『橙』から『オレンジ』に」
「止めた方がいいと思うよ。その名前だとなんだか巫女に埋められる不吉な未来が見えそうだ」

 例えば日常の挨拶をわざわざアメリカ風に切り替える連中が現れたり、

「ドーモ、カグヤ=サン。モコウです。今日もデュエルするぞ」
「ドーモ、モコウ=サン。カグヤです。懲りないのねぇ。返り討ちにしてあげるわ」
「なあ八意先生。あの二人はアメリカというものを何か勘違いしていないか?」
「いいんじゃないの? 本人達が楽しければ」

 例えば英語を使うために、人里の貸本屋では英語の辞典が全て貸し出し中になるほどの人気が生じたり。
 
「小鈴ー、ちょっと調べたい言葉があるんだけど、外の世界の和英辞書ってのまた貸してくれない?」
「あー、悪いけど全部貸し出し中。阿求といえども貸し出しは一カ月先になるよ」
「うわぁ、こんなところでブームの弊害が。せっかく幻想郷縁起に追加する妖怪にアメリカンな二つ名を付けてあげようと思ったのに」

 僕が先日人里で見た、仏教と道教の信仰獲得勝負においても、仮にも仏教の門徒と道教の尸解仙でさえスペルカードの名前をわざわざ英語に直して使っていたほどだ。
 なぜここまで幻想郷の少女達がアメリカ色に染まってしまったのか。
 その理由として、ブン屋の取材に対しある少女は「カッコいいから」と答え、またある少女は「何となく自分が強くなった気がする」と答え、さらにある少女は「このチャンスにビッグになるため」などと答えていた。要するに、みんな暇なのだろう。


「霖之助さん、この店にコーヒーって無いの? いつ来てもお茶ばっかり」
 お茶を飲み終えた霊夢は、空の湯呑を差し出しながら唐突に言った。やれやれ、ここは古道具屋であって茶屋ではないのだが。
 
「無いよ。僕はお茶の方が好きなんだ」
「流行に疎い奴だな。今は新聞を読みながらコーヒーを飲むのが男の『ハードボイルド』ってやつらしいぜ?」
 ハードボイルド、確か『しっかりと硬く茹でた卵料理』だったか。魔理沙はどこでそんな言葉を覚えたのか。だが男のハードボイルドとはどういう意味だろう。卵料理ならば別に男にこだわる必要は無いはずだ。……いや待てよ、そういうことか。
 茹で卵を作るにもコツというものはある。料理を作り慣れている女性なら当然、卵を茹で過ぎず適度な茹で加減を調節し、やや半熟を保ったままの美味しい茹で卵を作ることは決して難しいことではないだろう。一方で料理を作り慣れない男は、つい卵を茹で過ぎてしまい、結果として硬すぎて卵本来のふんわりとした食感を味わえないハードボイルドな茹で卵になってしまうことが多いと推測できる。つまり、男が自分で茹で卵を作って、パンとコーヒーと一緒に食すのが、アメリカにおける独り身の男によくある食卓の風景だということだろう。
 
「生憎と、僕は卵料理にもコーヒーではなくお茶を合わせたいんだ。それに茹で卵くらい失敗せずに作れるよ」
「何を言っているかはさっぱり分からんが、この店にコーヒーが無いことは理解した」
「残念ね。今ならコーヒー豆でも仕入れたら売れ筋商品になると思うのに」
 そう言いながらも、霊夢たちは僕に断りも無く店の奥からお茶と菓子を持ってきている。見つからないよう巧みに隠しているはずの上等の茶葉や茶菓子を霊夢があっさりと見つけ出してくるのはいつものことなので、もう諦めた。コーヒーが飲みたかったんじゃないのか、君らは。

「ところで香霖。今日もここに来る前に私は霊夢と神社で一戦交えて来たんだが、どっちが勝ったと思う?」
 頬張っていた茶菓子をお茶で流し込み終えた魔理沙がそんなことを聞いて来た。一戦、というのはいつもの弾幕ごっこのことだろう。
 人一倍負けず嫌いな魔理沙は、自分が負けた時はわざわざ自分から勝負の話を僕に振って来ることはない。ならば魔理沙が僕に話を振って来た時点で、答えは自ずと明らかだ。
 念のため霊夢の方を見てみる。霊夢は魔理沙にも僕にも視線を向けず、まだお茶が残っている湯呑の中をじっと覗き込んでいた。緑色に濁ったお茶の水面には、果たして何が映っているのだろうか。霊夢の顔以外にはおそらく何も映っていないとは思うが。
 
「そうだね。二人の状態から推測するに、魔理沙の方だと思うが」
「おお、正解だ。私の勝利を信じてくれた香霖には、褒美としてこの茶菓子を進呈するぜ」
 魔理沙はお茶受けにしていた割と上等な茶菓子を一つ摘むと、僕の方へと差し出して来た。言うまでも無いが、この菓子は僕の店にあったもので、魔理沙は霊夢の共犯として勝手にこれを食べている立場だ。何かが間違っているのだが、生憎と僕の思考は固茹で卵のように硬くは無いので敢えて指摘はしないことにした。
 魔理沙が差し出した菓子を手の平で受け取り、口の中に入れ咀嚼すると、口の中に上品な甘味が広がった。やはりこの菓子には、苦いコーヒーではなく渋いお茶がよく合うと思った。

「ちなみに今日で私が五連勝だ」
 魔理沙は胸を張って得意げにそう宣言した。隣の霊夢の眉が、僅かだが面白くなさそうな角度に吊りあがるのが見えた。
 
「総合戦績ではまだ大きく負け越してるじゃないあんた」
「今は確かにな。だが、このままなら戦績を五分に戻す日も決して遠くはないぜ」
 そう話す魔理沙の声は、いつにも増して自信たっぷりだった。
 霊夢と魔理沙は、異変で無くともよく弾幕ごっこをしている。暇潰しだったり、掃除当番や夕食のおかずを賭けたりと、弾幕ごっこをする口実はいくらでもあるらしい。
 魔理沙も大変な努力家であり、弾幕ごっこの腕はかなりのものだということは僕も知っているが、何しろ霊夢は博麗の巫女としての天性のセンスがある。魔理沙と霊夢の今までの戦績は、四対六くらいで霊夢が勝ち越していると記憶している。
 それが最近は魔理沙が五連勝しているという。魔理沙の腕前が上がっているということももちろん考えられるが、それでも今までの戦績からすればいささか偏っている。

「五連勝か。ずいぶん連勝が伸びたね」
「そうだろうそうだろう。このまま一気に十連勝、いや百連勝を目指すぜ」
「ふんだ。次は私が勝つんだから」
 だとすれば、魔理沙の調子が上向いているだけではなく、霊夢の調子が下向きになっていると考えるのが自然だろう。もしかしたら今の霊夢はかなり調子を落としているのではないだろうか?
 これが身内でのお遊びだけで済んでいるうちは問題は無いだろう。霊夢が悔しい想いをすることを除けば、魔理沙との日々の弾幕ごっこは遊びのようなものであり、それによって何かに影響するということは考えにくい。
 
 だが、もしこの状態で異変が起きたらと考えると、あまり好ましい状況でないことは確かだ。
 博麗の巫女である霊夢が弾幕ごっこで力を発揮できないということは、異変解決に大いに影響する可能性がある。
 このまま霊夢が魔理沙に一度も勝てないほど調子を落としたままでは、幻想郷の異変は博麗の巫女が解決するというルールが覆されてしまいかねないのだ。
 
「まあ、霊夢も人間だからね。好不調の波があって当然だ。魔理沙の腕も日々上達しているのは確かだとしても、霊夢の調子もそのうち上向くだろうし、決して自分の力を過信せずに精進することだね」
「むー。子供じゃないんだしそれくらい分かってるぜ」
「たかが五連勝したくらいで喜ぶところがまだお子様なのよあんたは」
 そんなやりとりを始めとしたお喋りでしばし時間を潰し、霊夢と魔理沙は帰って行った。
 
 
 一人になった僕は、しばし思考に耽る。
 霊夢にはああ言ったが、霊夢の調子がこのまま上向かない場合の対処法も念のために考えておかなければならないだろう。
 霊夢の不調が霊夢自身の問題であれば、例えば修行不足や体調不良などの要因、その大元を絶てば問題は無い。
 だがもしも、霊夢の不調が外的要因によるものであれば。その場合はそれを探しだして排除しなければ霊夢の力は戻らない可能性がある。ならば今のうちから原因を絞りこんでおくことは損にはなるまい。
 例えば呪術的なものや魔術的なものなど、幻想郷では普通にあり得る要因はいくらでも考えられる。しかし僕が気になっていたのは、霊夢が調子を落とした時期――つまり、魔理沙が霊夢に勝ち始めた時期だ。そこに何かヒントがあるかもしれない。そして思い起こせば、それは、丁度幻想郷でアメリカン・ブームが広まり始めた時期と一致している気がしたのだ。
 僕の思考は自然とアメリカへと誘導されていく。無論、この推理がただの徒労で終わる可能性もある。しかし一度海の向こうへと飛んで行った思考は、瞬く間にアメリカの広大な大地の如く僕の脳内に広がって行く。

 そもそも、アメリカの魅力とは何か。なぜアメリカは、幻想郷の少女たちをこうも引きつけているのか。
 その参考とすべく、僕は少し前に読んでいた、外の世界から流れ着いたアメリカについて書かれた雑誌を読もうと思ったのだが、不思議なことに店のどこを探してもその雑誌は見つからなかった。
 なので仕方なく、僕はうちで購読している新聞のアメリカ特集の記事を読みながら考察することにした。
 
 その結論としては、やはりアメリカは雄大で、壮大で、強大で、とにかく「大きい」ということが一つの魅力なのではないかということだ。
 例えばこの国とアメリカとの繋がりが一気に強まったのは、江戸時代末期の黒船来航とされているが、その当時この国の人間達は黒船のあまりに近代的で巨大な姿にたいそう驚いたというのは有名な逸話だ。
 幻想郷は狭い。それはここが、博麗大結界で隔離された箱庭のような土地だからだ。
 それでも、地に足をつけて歩く人間にとってはあまり関係の無い話だろう。だが空を飛べる少女たちにとっては話は別だ。空を飛べば、幻想郷の端から端までを移動するのにそこまでの時間はかからない。
 そんな狭さを実感できる少女たちが、まだ見ぬアメリカの大きさ、広大さというものに一種の憧れを抱くことも無理なからぬことではないかと僕は考える。
 
 まあもっとも、だからと言って現実はそう簡単に変わらない。いくら少女達が普段の会話で英語を使ってみたり、外見や名前をアメリカ人の如く模してみようとも、それで幻想郷の土地が広くなるわけでも、博麗大結界の範囲が拡大するわけでも無いのだから。
 だから霊夢や魔理沙を始めとする少女たちが、いつの間にか流行していたアメリカン・ブームに乗っているのも、一種の暇潰しであり、お遊びなのだろう。例えば、少し前に幻想郷でサッカーというスポーツが流行したように。流行しているから、自分達もそれに乗って楽しむ。それが出来るのもまた、空を飛べる自由さを持つ少女達なのだ。
 
 ……しかし、現実に霊夢は弾幕ごっこにおける調子を落としている。この事実から目を背けることは出来ない。
 仮に霊夢の調子が多少落ちたところで、例えば霊夢の代名詞とも言えるスペル『夢想封印』のように、霊夢のスペルは魔理沙といえどいつもそう容易に破れるようなスペルではないはずなのだが……
 
 そこまで考えたところで、僕は気が付いた。
 『夢想封印』。そして現在のアメリカン・ブーム。これらの点が線で繋がるとしたら……そうだ。可能性はある。
 僕は外の世界の和英辞書を用意すると、更なる考察の深淵へと潜って行った。


 カランカラン。
「お邪魔するわ」
 翌日。カウベルを鳴らして霊夢が店に入って来た。少し不機嫌そうにぶすっと頬を膨らませている姿を見る限り、何があったのかは想像に難くない。
 
「魔理沙は一緒じゃないのかい?」
 今日は霊夢一人だけだった。いや、別に二人はいつも行動を共にしているわけではないのだが、ここ最近は二人一緒に店に来ることが多かったから、つい気になってしまう。

「私との弾幕ごっこが終わったらすぐに、魔法の研究があるとかで帰ったわ」
 そう言って霊夢はカウンター脇に用意してある椅子に腰かけた。服がところどころ痛んでいたり、手や頬に少し煤けたような痕が見えるが、すぐに手当てが必要なほどの怪我はしていないようだ。

「弾幕ごっこか。今日はどっちが勝ったんだい?」
「察して」
 最初から予想はしていたが、念のための問いに対する霊夢の答えは、実にシンプルで分かりやすいものだった。
 ……これで六連敗か。これまでの魔理沙との勝率を考えると、さすがに偶然で済ませるわけにはいかなくなってくる数値だ。
 勿論魔理沙が弱いわけでは決して無いのは僕もよく分かっているが、もしも今、力のある大妖怪が異変を起こしたとしたら――このままでは、異変解決が長引いてしまうかもしれない。
 いちおう、僕の中では昨夜このことについて考察した僕なりの答えが用意されている。本来ならば、博麗の巫女として霊夢には自分でその答えに辿り着いて欲しいものだ。だがこのままでは、霊夢が自力で答えを見つける前に、『仕方ないわね。博麗の巫女引退しようかしら』などと言い出しかねない。いくらなんでもそんなことは、などと一概に言いきれない掴みどころの無さこそが博麗霊夢という少女の在り方なのだから。
 
「一つ確認しておきたいんだが、最近負けが続いている原因は分かっているのかい?」
「そうねぇ。やっぱりスペルカードの不調かしら。いつもの半分の威力も出せて無いもの。お札とか針とか、普通の弾幕はいつも通り撃てるんだけど」
「ふむ。スペルカード、か」
 予想していた通りの霊夢の答えを聞いて、僕は自分の考察の結果がおそらくは間違ってはいないであろうことに自信を持った。
 
「最近真面目に修行してなかったから、博麗の巫女の力が失われつつあるのかしら。このままじゃ紫のやつに何言われるかたまったもんじゃないわ」
 そう言いながら、霊夢は出されたお茶を溜息と共に喉の奥に流し込んだ。口にした言葉の重大さと、暢気にお茶を飲む仕草が全くかみ合っていないのが実に霊夢らしい。このままだと本当に、今日は雨だから外出は止めよう、とでも言うかのようにあっさりと、巫女を引退するなどと口にしてもおかしくはないだろう。やはり僕が辿り着いた結論を霊夢に教えてあげることが僕の責任のような気がする。
 
「それは誤解があるよ霊夢。君が弾幕ごっこで勝てなくなった理由は、巫女の力が落ちたからじゃない」
 決意した僕がそう口にすると、霊夢はあさっての方向を見ていた視線の照準を僕へと合わせてきた。不思議そうに目を瞬かせる仕草は、見た目相応の少女のものだった。

「え? 霖之助さんには私の不調の理由が分かっているの?」
「ああ。と、言うより霊夢が気付かない方が巫女としてどうかしていると思うんだが」
「何よ。もったいぶらないで教えてよ」
 霊夢は立ち上がると、僕を下から覗き込むようにカウンターに手をついて身を乗り出して来た。別に霊夢は僕を脅そうとしているわけではないはずなのだが、霊夢に正面から迫られると何とも言い難い威圧感のようなものが感じられる。

「分かった分かった。霊夢の不調、それは君が、今流行りのアメリカン・ブームに付き合っているからだよ」
 僕は手元にあった新聞記事をカウンターの上に広げながら、今までの考察の結論を口にした。
 
「私の不調がこのブームのせい? いまいちピンと来ないわね。まさかこのおかしなブームのせいで幻想郷がアメリカみたいになって、日本古来の巫女の力が薄まったとか言い出さないでしょうね」
「そんなわけはないさ。いくら言葉や外見を真似しようとも、それで幻想郷の空気までアメリカの空気になるわけがないだろう」
 そのあたりは僕も今まで何度も考察したのだ。問題はそんな大きなところではなく、もっと身近に存在するものだ。
 だが考えの方向性としては必ずしも間違っているというわけではない。そのあたりは霊夢の勘の良さによるものか、あるいは霊夢も内心では薄々気付いているのか。

「とはいえ『薄まった』という表現は実に的確だ。巫女の、と言うより君のスペルの力は、言ってしまえば君自身の『アメリカごっこ』のせいで薄まってしまったんだよ」
 『アメリカごっこ』などという言葉は今僕が作ったものだが、得てして実に的確な比喩ではないかと思う。言葉や外見や生活を模倣することは、まさに『ごっこ遊び』に他ならないだろう。
 霊夢は僕の言葉の続きを待っているかのように、口を挟まず、黒い瞳を真ん丸に開いて僕を見ている。僕は続けた。

「例えばだ。君の得意なスペルに、『夢想封印』というスペルがあっただろう。最近の魔理沙との弾幕ごっこでそのスペルは使っているかい?」
「ええ。いつも使ってるわよ。ただ……」
「『せっかくのアメリカン・ブームなんだから、名前を英語に直して使ってみた』……といったところかい?」
「ご名答。よく分かったわね」
 霊夢からは予想通りの答えが返って来た。僕が霊夢の行動を言い当てたことに、霊夢が驚いているのかどうかは外見からでは分からない。
 しかしここでもし霊夢が僕の問いに対して否定していれば、僕の考察は見当違いの方向になるところだった。推理の方向性が正しい方向へと向かっていることに、僕は内心で安堵の息を吐いた。

「ちなみに聞くが、なんて名前で宣言しているんだい?」
「えっと、『夢想』がdreamで、『封印』がsealだから、霊符『シールオブドリーム』って」
「良く分かった。やはりそれが君の不調の原因だ」
 もしこの名前を全くの前情報無しに耳にしていたら、僕はそのセンスに苦笑いするか頭を抱えていただろう。僕ならとても恥ずかしくて口に出せない。霊夢くらいの年頃では抵抗は無いのかもしれないが。

「なんで? 名前を変えても、スペルカード自体はただスペルを宣言するだけの手段であって、撃つ弾幕はいつもと同じなんだけど」
「それはだ。霊夢、巫女である君には釈迦に説法だろうが、君は言霊(ことだま)について知っているかい」
「当たり前じゃない。言葉に宿っているとされている不思議な力のことでしょ」
 その通り。言霊、そして言魂。これらは『言』が『事(こと)』に通じ、あらゆる現実の事象に対して霊的な力が影響を及ぼすと古くから考えられてきたことによる。昔の文件においてはこの国が『言霊の幸ふ国』、つまり言霊により幸せをもたらす国と言われていたり、言葉を口に出す際の心の持ちようによってその結果が良くも悪くもなるという『言挙げ』という思想が語り継がれてきたことなどがその代表だろう。
 巫女であり、妖怪退治のための手段として陰陽道や道教に通ずる力を行使する霊夢がそれを知らなかったら大問題だ。もっとも、知っているのであればやはりこの問題は霊夢自身で結論に辿り着いて欲しかったのだが。

「君の夢想封印だが、まず『夢想』とは文字通り夢の中、非現実的な考えという意味や、夢の中に神仏が現れて教えを示すという意味を持つ。
 また、『封印』とは悪しきモノが漏れ出ないよう、封じるための印章という意味だ。二つを合わせれば、夢の如き非現実的な想いによって封ずるための印とする、という意味となる。
 これらの言葉は、構成する漢字そのものが意味を持っているからこそ、たった二文字や四文字の漢字の組み合わせで明確な意味を持つ言葉として成り立っているんだ」
「確かにそうね。夢想封印って、なんか物理法則を無視して相手を封印する技だし」
 恐ろしいことを霊夢はさらりと言う。本人は深く考えていない様子を見ると、物理法則を無視するとうことの非現実さすら霊夢にとってはどうでもいいことなのだろうか。
 
「ところがだ。それを君がやったように、英語に直すとどうなるか。『dream』はラテン文字……アルファベットとも呼ばれるが、五つもの文字で構成されている。これは夢想の二文字と比べて三文字も多く、その分だけ一つの言葉の持つ意味が薄められるということになる上に、dやrといったそれぞれの文字は単体では何の意味も持たないものだ。
 また、『seal』は確かに封印という意味を持つが、他にも封をするための印章や証明のための紋章など、複数の意味を持つ。つまり、一つの言葉で多数の意味を持つということは、その言葉自体が持つ『封印』という意味の力が薄められるということになる」
「ああ、分かって来たわ。つまり私の巫女の術や力は、元々の漢字に込められていた意味の持つ力、つまり言霊に少なからず依存するものだったのに、それを無理に英語にしてしまったせいで言葉の持つ意味が薄れてしまったから本来の威力が出せなかったのね」
 理解が早くて助かる。つまりはそういうことだ。
 確かに辞書に載っている言葉を使えば、『夢想』も『封印』も、他の言語に直すことはいちおうは可能だろう。だがそれによって作られた言葉はあくまで異なる言語であり、『夢想封印』という言葉に込められた霊的な力を発揮させるための言霊とは別物になってしまうのだ。
 
「ついでに言うと、だからこそ魔理沙の調子、正確にはスペルカードの威力は落ちなかったのさ。あの子のスペルは元々大半が英語で名付けられていたし、その力の源も西洋魔術を基本とする術法だからね」
「私のスペルカードが漢字から英語に変わったのとは違って、一切の影響が無かったというわけね。そう考えれば、私の弾幕でも元から英語だったホーミングアミュレットやパスウェイジョンニードルの威力はいつも通りだったのも納得がいくわ」
 霊夢は店に入って来た時と比べるとずいぶんとすっきりとした表情を浮かべていた。やはり霊夢も少なからず、今の不調をなんとかしたいという想いがあったのかもしれない。
 
 霊夢は空を飛ぶ。どんな力にも縛られず、屈せず、止められず、あらゆるものから浮いた存在だ。
 だが、それならば彼女は何事にも興味を示さないのかと言うとそうではない。
 宴会で回りが酒を飲んでいれば霊夢だって酒を飲む。
 サッカーが流行すれば、霊夢だって同じようにサッカーをする。
 霊夢が律儀にも、そして自分も楽しもうと今回のアメリカン・ブームに乗った結果が、予期せぬ不調を招いてしまったということだ。
 だが、僕はそれでいいと思う。博麗の巫女とはいえ、霊夢とて一人の少女なのだ。皆と同じ流行に乗り、皆と同じように楽しむことが、悪いことなわけがない。その過程で何か間違いがあれば、僕のような大人がそれを直してあげればいい。

「周囲の流行に合わせて楽しむことそれ自体は悪いことじゃない。だが、何もアメリカの真似をする方法は一つじゃない。無理やりな英語を使って霊夢の個性を殺さずとも、他に無理の無い範囲で楽しめばいいのさ」
「そうね。そうするわ。ありがとう霖之助さん」
 そう言って、霊夢は帰って行った。去る時の霊夢の足取りは、店に入って来た時と比べたらずっと軽く、まさに空を飛んでいるかのようだ、と思った。


 カランカラン。
「邪魔するぜ」
 カウベルを鳴らし、魔理沙が店に入って来た。霊夢はと尋ねると、神社の仕事があるから今日は来ないと言う。
 普段より少しばかり不機嫌そうな声と表情、そして所々痛んでいる服を見れば、ここに来る前に何をしてきたかは一目瞭然だ。
 
「その様子だと、今日も霊夢が勝ったのかい?」
「ああ。今日『は』霊夢にしてやられたぜ。だが勝率が元に戻っただけだ。次は負けるつもりは無いぜ」
 あたかも負けたのは今回だけかのような強がりを言いながらも、魔理沙の目はやる気に満ちていた。ここ最近の霊夢と魔理沙の弾幕ごっこの戦績は、また元の勝率に戻りつつある。魔理沙の話では、少し前から霊夢のスペルカードが普段の威力を取り戻したらしい。おそらく、霊夢は夢想封印などのスペルカード名を無理やり英語に直すのを止めたのだろう。

「魔理沙」
「……ん?」
 魔理沙の分のお茶を差し出しながら、僕は尋ねた。
 喉が渇いていたのだろう。魔理沙は差し出されたお茶を一口飲み、飲みやすいように温めにしてあることが分かると、一気にゴクゴクとお茶を喉の奥へと流し込んでから僕を見た。

「今回のアメリカン・ブームとやらの仕掛け人は魔理沙だね?」
 少し前の霊夢の不調。その原因を考察していた時に、併せて僕の中に浮かんでいた疑問を僕は魔理沙にぶつける。
 魔理沙の動きが止まる。数秒の沈黙。それから魔理沙は頭上の帽子の位置を手で直し、弾幕ごっこで少し煤けた顔に少し引きつったような笑みを浮かべて僕を見た。
 
「知らんな。今回の発端は天狗の新聞だとか私は聞いているが」
「ああ。最初に幻想郷に出回った新聞記事があったね。ところでそこに載っていた写真と同じ写真が載っている外の世界の雑誌がこの店にあったはずだが、それがいつの間にかここから消え失せていたね」
「……」
 僕の問いを受けて数秒の間固まっていた魔理沙は、目線を虚空へと向けた。
 わざとらしく口笛まで吹くその仕草は肯定以外の何者でも無かった。
 僕だって霊夢のための考察をする際に、改めて新聞記事を読み返さなければ気が付かなかっただろう。うちにあった雑誌に載っていた写真と同じものが、天狗の新聞に載っていたことに。
 そしてそこから導き出される可能性のうちから最もありえるものだけを残した時に辿り着いた結論は、魔理沙がその雑誌を持ち出した、ということだ。
 
「別に怒ったり非難するつもりはないさ。あの雑誌は非売品だが、そこまで惜しいものではなかったからね。
 ただ、魔理沙が霊夢に勝ちたくてこんなことをしたのなら、次からはもう少し別の方法にすることを勧めたいだけだ」
 魔理沙ならば、天狗と組んで幻想郷にアメリカン・ブームを巻き起こす動機があった。それは言うまでも無く、それに乗ってしまった霊夢が調子を落とし、魔理沙が霊夢に容易に勝てるようになったことだ。霊夢に勝つという目的のため、という理屈であれば筋が通っているように思えた。
 だがそれは、決して魔理沙が実力で霊夢を上回ったと言えるものではない。言わば霊夢を自分の土俵に引きずり込んで不公平な勝負に持ち込んだだけに過ぎない。
 もしも魔理沙がそういう目的で外の世界の雑誌を持ち出し、ブン屋と組んであの記事を書かせたとしたら、それは魔理沙の今後のためにならないと言うことを、僕は魔理沙に分からせる義務がある。
 
「ち、違う! 私はそんなことのために文の奴と組んだわけじゃないぜ!」
 外まで聞こえんほどの大声で反論してから、魔理沙は「しまった」と言いたげな顔になる。今のは自分がブームの仕掛け人だと認めたも同然だ。
 だが、僕の推理を否定する魔理沙の声は本気だった。魔理沙との付き合いも長い。魔理沙が嘘を言っているかいないかくらいは僕にも分かる。正直僕は自分の仮説に自信を持っていただけに、意外と言えば意外だった。

「そうか。魔理沙がそう言うのなら信じるよ。妙な疑いをかけてしまってすまなかった。それについては謝る。
 だが、記事が人気になれば新聞の発行部数が増えるかもしれない射命丸文と違って、魔理沙にはあんな流行を起こして他にどんな得があるのか僕は色々と考えても分からなかったんだ。もし良かったら、なぜあんなことを考えたのか教えてくれるかい?」
 魔理沙のことだ。もしかしたら、単に面白そうだったから、という理由も十分考えられる。外の世界の異国の地など、この狭い幻想郷の住人からすれば興味を惹かれても当然と言えば当然の話だ。それならそれで構わない。僕はただ、間違っていた自分の推理の答えを確認したいだけなのだから。
 
「そ、それはだな、その……」
 素直に教えてくれるかと思っていたのだが、魔理沙は急に口籠ると、僕と目を合わせなくなった。動揺しているのか、さっきより顔が赤いような気がする。何か言いづらい理由があるのかもしれない。僕は魔理沙が答えてくれる気になるまで気長に待とうと、魔理沙を穏やかな視線で見続けた。……だが、
 
「や、やっぱり言えるか――っ!」
 一瞬だった。魔理沙は帽子を深く被って顔を隠すと、逃げるように店を出て行ってしまった。あんなに歯切れが悪いまま、慌てて去るのは魔理沙にしては珍しい。もしかして、他人には言えない理由があったのだろうか。まぁ、魔理沙にも魔理沙の考えが何かあったのだろう。言いづらいことならば、僕が無理に聞くことはできない。
 
「ふむ、魔理沙に少し悪いことをしてしまったかな。妙な疑いをかけられれば、怒っても仕方が無いかもしれない」
 魔理沙がこのブームの仕掛け人だという僕の予想は当たった。しかし、なぜ魔理沙が幻想郷にアメリカを流行させようとしたのか、その理由は結局分からずじまいになってしまった。あの様子では次からも魔理沙に教えてもらうことは難しいかもしれない。
 仕方ない。このことは僕の胸の内だけにしまうことにしよう。

 一人になった僕は、新しい本を開きながらふと考える。
 魔理沙を始めとした幻想郷の少女たちは、今回のアメリカン・ブームにおいて根本的なところで勘違いをしているのに誰も気付いていないのだろうか、ということをだ。
 
 アメリカと言えば英語。それは誰もが連想するところで、事実日常会話や弾幕ごっこにおいて英語を使う少女が今回のブームで増えていた。
 もっとも、「英語」という漢字に目を向ければ、その発想はそもそも間違っていることに気付いて然るべきなのだ。
 なぜなら、英語とは本来はアメリカの言語ではない。『英吉利』と書いてイギリスと読むように、英とはイギリスの意、つまり英語とはアメリカではなく、本来はイギリスの言語なのだ。つまりいくら英語を使ったところで、アメリカ人のようになれることなどありえない。
 そう。ここでも、漢字だからこそ文字そのものが意味を持つという概念が重要になってくるのだ。英語の「英」という言葉の意味を知らないからこそ、間違った形で流行を追ってしまう。あくまで海の向こうから来た言葉にこだわるうちは、形だけ真似をしてもその真実に気付くことはないのだろう。
 この事実に誰も思い到らないというのもいささか嘆かわしいことだが、あるいは……一部の少女たちは、知っていて敢えてこのブームに乗っているのかもしれない。その方が面白いから、と当然のように答える様子が目に浮かぶようだ。
 
 だがどちらにせよ、かって幻想郷で流行したサッカーのブームも一時的であったように、今のアメリカン・ブームもそのうち収まっていくことだろう。
 単に英語を多用したり、アメリカ人を真似ることにさほど意味がないのではないか、と気付く者も徐々に増えていくだろうし、流行とは得てして次の流行に取って代わられるものなのだから。
 
 まぁ、それまでは僕も、度の過ぎない程度にならこの流行に付き合うことは正直やぶさかではない。
 今読んでいる英語の本。これを読んでいて分からない言葉が出てくるたびに辞書を引く。そのたびに新たな言葉を覚え、その言葉に込められた意味や背景を想像することは楽しいものだ。
 あとはそうだ、機会があれば、コーヒー豆でも仕入れてみようか。確か前に仕入れた商品の中に、コーヒーを淹れるための道具もあったはずだ。
 ハードボイルドな卵料理は用意できないが、霊夢と魔理沙と3人でコーヒーを飲むと言うのも、たまには悪くないかもしれないと、僕はささやかなアメリカ生活を想像しながら本のページをめくった。



「……まったく」
 帰宅した私は、ソファーに深く腰掛けて背筋を伸ばした。ふぅ、という深呼吸の後に思い出すのは、さっきの香霖との話だ。

「言えるわけ無いよなぁ……」
 今回のアメリカン・ブームを私が流行らせた理由を香霖に聞かれたけど、あいつの前でだけは絶対に言えるわけがない。
 
「幻想郷がアメリカっぽい空気になれば、金髪の私も、少しはこういうナイスバディになれるんじゃないかと思った、なんて」
 写真に写っている、でっかい乳のアメリカ女を見ながら、私は自分の貧弱な胸に手を当ててみる。手ですっぽりと隠せる程度の大きさしか無いのが、ちょっと悲しい。
 
「でも、今の私のこんな体型じゃ、あいつに私を女として意識させる、なんて夢のまた夢だもんな」
 香霖にとっては、私はまだ子供にしか見えないんだろう。私の気持ちにも気付かず、子供扱いしてばかりだ。
 だったら、もっと背とか胸とかでかくなって、セクシーな金髪美女に成長できればあいつも……とか思ってあの流行を起こさせた、とか、そんなこと恥ずかしすぎて言えやしない。

「けど待ってろよ香霖! そのうち絶対、お前を誘惑できるくらいのナイスバディになって驚かせてやるからな――っ!」
 今はまだ色々と小さいけれど、いつかあいつが振り向くようなでかくていい女になってみせる。

 それが私の、アメリカン・ドリームだ。



 完
なお、人の夢と書いて儚いと読む模様。
白雀
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コメント



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1.6アメリカ探索者削除
霖之助さんらしい。うんちくでした。
2.6がま口削除
アメリカブームは漢字スペルの威力を落とす、という設定に納得しきりでした。名は体を表すという言葉もあるくらいですし。
それなら逆もあるのかな? 『熟練した放電』とか『紅親方』とか『奇跡の果物』とか……ううん、考えるの止めよう(笑) 
あと、魔理沙はでっかくなくても可愛いよ!
3.5削除
東方とアメリカの両方のらしさを両立させてたと思うが、印象に残る山場が無かったので平均的な評価で。
4.9烏口泣鳴削除
霊夢が実に可愛いのと、霖之助の視点が冷めていながら温かみがあって良かった。
5.3エーリング削除
乙女チック魔理沙は良いものですね。話として綺麗にまとまっていると思います。しかし、2点だけ違和感を覚えました。1つは香霖が幻想郷のバランスに凄く気を使いすぎてるんじゃないかと思った点。香霖が紫のような立ち位置に設定されているように見えました。もう1つは魔理沙が流行を流行らせるとナイスバデーになれると思った理由。因果関係が不明確なように思いました。
6.5みすゞ【5点満点】削除
それアグリアス姐さんが(ry 釈迦ではありませんが少々説法臭くなっていたのが気になりました。でも黒幕に魔理沙がいたというのは意外性があってドキッとしました。しかもその理由は可愛らしかったりして、魔理沙も乙女だなあとほっこりしました。面白かったです。
7.3ito削除
霖之助の謎理論で話が展開するのは香霖堂っぽくていいですね。
言霊の力で霊夢が弱くなったというのはなかなか説得力がある。
気になったのは、作中の霖之助の推理の過程。
魔理沙がブームの火付け役で、元になったソースは霖之助の店にあった雑誌。
そこまではいいのですが、彼がそう考えるに至った過程について、読者側に納得できるだけの情報は与えていないと思います。
また、アメリカが流行る→霊夢がスペルカードを英語で宣言する→霊夢が弱くなる→魔理沙が勝つ、というのは納得できますが、落ちの部分には納得いかない。
アメリカを真似する→自分がナイスバディになる、の流れはちょっと。
8.5あらつき削除
言霊に注目した、着眼点が素晴らしい。
しかし、少し散漫的な印象。全体を通して謎に関するあれこれが浮き沈みしていて、落ち着かない感じ。
9.6みく削除
パワーダウンの理由を言霊に持ってくるのは、とても幻想郷的でいいと思いました。
ただその理由の説明やオチの魔理沙に至るまでやや間延びしたというか、先の展開が読めてしまった部分がありました。
10.5ナルスフ削除
魔理沙ェ・・・
なんか全体の雰囲気の中で、言霊の薀蓄だけが浮いてるような気がします。まぁ霖之助だから仕方ないと言えばそうなんですけど。
それまでの伏線が微妙なことと、結局それきりでオチが魔理沙なので、あれだけ語るならもう少し有効利用できたらよかったのに、と思いました。
11.5deso削除
考察に耽る香霖がそれっぽくて良かったです。
あと、魔理沙ちゃん可愛い。
12.6文鎮削除
自分の土俵に引きずり込んで有利に戦うのも才能の内…と思ったらそういう理由ですか、この乙女魔理沙めっ!
言霊によってスペルカードの威力が増減する、当たり前と言われればその通りなんですけど、実に東方らしいと思うんですよ。
また、霖之助の推測や思考も彼らしくて良いですね。
13.7あめの削除
香霖っぽさが良くでていると思います。
魔理沙がアメリカが流行るよう仕向けた理由は少々強引な感も受けますが、可愛いから許す。
ナイスバディの国アメリカの――その空気を吸うだけで私はぼんきゅっぼんに(ry
14.8右の人('A` )削除
霖之助の謎解きを楽しみつつ、黒幕の愛らしさに悶えました。
魔理沙のいじらしさ、健気さが可愛すぎます。叶えて欲しい、アメリカンドリーム。
でも霖之助、「ナイスバディ」が好きなのか、それが少し気になるところ。
15.4めるめるめるめ削除
霊夢が負けるようになった理由に納得がいくような、いかないような。
16.3がいすと削除
え、男坂エンド!?
17.8百円玉削除
読んでいくにつれてだんだんと事実が明らかになって、香霖のうんちくも冴え渡ってストンと気持ち良く落ち着く感じ。 
魔理沙がブームの火付け役だったことや、タイトルの意味など、なるほど納得としたことばかり。構成の妙ですね。
……魔理沙には、でっかい女性になってもらいたいものです。
18.4矮鶏花削除
冒頭の調子から一瞬思ったようなルー語連発に終わらないのは好印象。
霖之助の蘊蓄ないし解説という下りも興味深くはあったのですが、そこからは周りがあっさりと納得していくだけの場面になってしまったのかなとも思いました。
19.8このはずし削除
考察が面白かったです。
魔理沙の夢が叶いますように……。
でもアメリカンジョークでは、金髪ボインは頭に栄養がいってない、っていうのが定番だったようなw
胸と頭、魔理沙はどっちを選ぶかな?
20.2白衣削除
放っておいてもいつかは嫌でも大きくなるんだし、小さい間はそれを楽しめば……いや、無理か。
21.5名前無し削除
取り急ぎ、点数のみで失礼します。
22.6K.M削除
最後台無しだw