第十三回東方SSこんぺ(アメリカ)

あやかしコーラ

2014/03/09 23:52:36
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 香霖堂に入ると先客がいたので、稗田阿求は少し驚いた。

「やあ君かい。珍しいね」

 と挨拶こそすれど、椅子から立ち上がって客を出迎えようとしないのは森近霖之助らしい。阿求も丁寧な応対など期待していない。手短に告げた。

「こんにちは。紅茶を頂けますか」
「もちろん。良いのが手に入ったんだ、今持ってこよう」

 それだけ言い残すと、客2人を店内に残し、霖之助は奥へと引っこんでしまった。
 阿求は先客である八雲紫をちらと見た。うっすら微笑をたたえ、ガラクタの間に佇むさまは、曰くつきのフランス人形のよう。不吉な表情に一瞬気圧されたが、何も言わずともいかなかった。

「お久しぶりです。こんなところでお会いするとは思いませんでした」
「こちらこそ」紫は柔和に答えた。「それよりいいの? こんなところまで来て」
「暑さも峠を越えましたし、たまには歩かないと却って体に悪いと思いまして」
「良い心がけと誉めてあげたいところだけど、ここは森の入口。妖怪も多い場所よ。まず自分の身の安全を考えなさい。貴女は特別な存在なのだから」

 紫の小言が始まったところで、タイミング良く霖之助が戻ってきた。手にあったのは、紅茶一缶にしてはずいぶんと大きな風呂敷包みだ。

「今さっき紫さんと話していて思い出したんだ。こないだ大量に入荷してね。おまけしておくよ。好きだったろう?」

 包みの大きさに対する霖之助の説明はこうであった。彼には珍しいサービス精神と、阿求は最初こそ感心した。この大荷物が彼女の細腕ではとうてい持ち帰れない重さと知るまでは。このあたりの詰めの甘さはいかにも霖之助だ。
 当惑していた阿求の前に、音もなく紫が近寄ってきた。扇子を取りだし、すぅと虚空をなぞる。開いた裂け目から転がり落ちてきたのは、九尾の狐。

「えと、あれ、紫様?」
「藍、仕事よ。この子をお見送りしてあげて」
「あの、今昼ご飯の支度をしていたところで、お鍋を火にかけたまま――」
「私が命じたのです。返事は必要ないわ」

 どうやら式神に拒否権などないようだ。二人の掛けあいを見ていた阿求は苦笑いを隠せなかった。


      *


 帰宅する前に、阿求は鈴奈庵へ立ち寄ることにした。追加で借りたい本があったのだ。荷物持ちをしてもらっている八雲藍も、少しくらいならつきあえると言ってくれた。二人で運河沿いの道を進むことしばし、傾いだ「鈴奈庵」の看板が見えてくる。
 阿求は声もかけずに店へ入った。中からは話し声が聞こえる。どうやらこちらの貸本屋にも先客がいるようだ。

「いらっしゃ……って、あんたか」

 本居小鈴のぞんざいな挨拶には答えず、阿求は先客の方へ会釈した。茶色の長髪にスラリと伸びた四肢、洒落た羽織をさっと着流し、銀縁眼鏡を鼻にのせた女の姿に見覚えがあったのだ。

「どうも、先日はお世話になりました」
「おう、嬢ちゃんは確か――」
「おや阿求、この人とお知り合い?」

 挨拶を交わす阿求たちの間に、瞳を輝かせた小鈴が割りこんできた。

「前にちぃとな」
「へえー、この子うちの常連なんですよ。お顔が広いんですね!」

 と、眼鏡の女を喜色満面で持ちあげた小鈴であったが、阿求の背後でうごめく九本の尾に気づいた瞬間、その表情が一変した。

「この方は大丈夫よ」阿求が慌てて言い添える。「荷物を運ぶ手伝いをしてもらってるだけ。ねえ藍さん?」

 阿求の呼びかけにも、藍からの返事はない。一つ遅れて、「ええ、怖がらせて申し訳ありません」とそぞろに返されただけ。ひどく動揺しているような印象を、阿求は受けた。

「ほう、こりゃあ九尾の狐様ではないかい。まさか里でお目にかかれるとはの」

 いまだ警戒を解かぬ小鈴に代わって、藍に歩み寄ったのは眼鏡の女だ。恭しく礼を垂れると、会えて光栄だのご高名はかねがねだのといった常套句を、しつこいくらい並べたてた。

「そんな、おだてても何も出ませんよ」藍も笑顔で会釈を返した。「初めまして、八雲藍です」
「いやいや、九尾の狐様に頭を下げられるとは畏れ多いことじゃ。こちらこそよろしゅう」

 和やかに握手をかわす二人に、見守っていた小鈴もようやく心を開いたようだ。藍に向かっておずおずと頭を下げる。よほど眼鏡の女のことを信頼しているらしい。
 挨拶もひと通り片がつき、店内にも喧騒から一転、静寂の時間が押しよせた。阿求は懐からメモを取りだし、小鈴へ手渡す。

「この本が欲しいの」
「あれ、今月分の本なら昨日届けたばっかでしょ」
「追加で入り用になったの、お願い」

 その言葉とともにメモを受け取った小鈴は、机から立ち上がると、とことこ本棚の方へ駆けていった。
 本が見つかるまでの間、阿求は座って待たせてもらうことにした。客用の長椅子へ腰を下ろし、長歩きで棒になった足を伸ばす。と、

「あの方とはどこで関わりに?」

 ふいに耳元でささやかれたので、ぎょっと振り返った。背後に立っていたのは藍。阿求の首筋に顔を寄せ、真向かいを見るよう目で促される。それはさっきまで小鈴がいた机のそば、眼鏡の女が立つ方向であった。

「いえ、前に里で妖怪を捕まえたことがありまして、その時お世話に」
「お世話というのは具体的にどんな?」
「えと、チュパカブラとかいうよく分からない妖怪だったんですが、それについて教わったり、逃げださないよう封印してもらったりと……」
「どした、儂の顔になんかついとるかいの?」
「いえ、なんでもありませんよ」

 愛想よく話しかけてくる女と、それとなくはぐらかす藍。何気ない言葉のやりとりに挟まれて、しかし阿求は不思議と居心地悪くて仕方なかった。本を抱えて戻ってきた小鈴が、思わず救いの女神に見えたほどに。
 阿求は長椅子から立ち上がると、自分から彼女の方へ向かった。

「はいよ。これでいい?」
「ええと……」と、阿求は受け取った本を検める。「うん、これでいいわ。ありがと」
「ところでさ、どこ行ってたの? ずいぶんと大荷物っぽいけど」
「ああ、ちょっと森のそばの道具屋に――」

 と、香霖堂へ行ったことを話そうとした阿求は、霖之助からもらった"おまけ"を思い出した。

「そうだ。あんたにもおすそ分けするわ。私一人じゃあんなに飲めないし」
「飲み物もらったの?」
「前に好きだって話したら気を利かせてくれたみたいでね。藍さん、すみません」

 阿求の合図を受けて、藍は持っていた風呂敷包みを机上に置いた。包みがほどけて皆の前に姿を現したのは、褐色の液体が詰まったガラス瓶。

「ほう、コーラじゃな」

 まっさきに呟いたのは眼鏡の女だ。

「コーラ、って何ですか?」

 すかさず、興味津々の小鈴が問い返した。

「簡単にいえば甘い飲み物なんじゃが……まぁ飲んでみるのが早かろ」

 そう答えた眼鏡の女は、机に転がっていた紙切れを使って器用に4人分の栓を抜くと、小鈴と阿求、藍に手渡した。
 鮮やかな女の手さばきにほれぼれと見とれていた小鈴は、未知の飲み物にも臆するところがなかった。好奇心に促されるまま、乾杯の声を待たず一気飲みする。そんなことをすれば悲劇が待っていることも露知らず。

「……ぐふっ、ゲホゲホッ!! 何これ? のどがパチパチする!」
「ふぉっふぉっふぉっ」眼鏡の女は高笑いでコーラを一口。「そんな一気に飲むからじゃ。こいつには炭酸っちゅう泡が入っておってな、最初はキツイが、慣れるとこれがなかなかオツなんじゃよ」
「へぇー」

 教え諭す女とそれに聞き入る小鈴は、まるで姉妹のように睦まじげだ。片や藍はといえば、供されたコーラに喜ぶ様子もなく、窺うような目つきで小鈴たちのやりとりを眺めている。店に入ってからの彼女の変貌ぶりはどうにも不可解であったが、阿求はもう深く考えないことにした。さっきまでくつろいでいた長椅子へ引き返し、コーラをちびりちびり飲みながら、小鈴たちの会話に耳を傾ける。

「ところでこの瓶のところにある『Cola』って、英語ですよね?」
「おおよく知っとるな」
「日本語以外で書かれた本もうちでは扱ってますから。ということはこれ、外国の飲み物なんですか?」
「そうじゃよ。元はアメリカっちゅう国でできた舶来品での、今じゃ外の世界のどこでも飲まれておる。特にこのメーカーが出しとる『Cola』は『Coke』と言ったりもするな。C-O-K-Eと綴って」
「『Coke』……って、もしかして!」

 小鈴は勢いよく立ち上がると、「ちょっと待っててくださいね!」と言って慌ただしく本棚の方へ駆けていった。

「ずいぶんとお詳しいんですね。外界のこと」

 再び三人きりとなったところで、口を開いたのは藍だった。

「まぁな。ちぃとばっかし興味があっての」
「そういえば、前も外の世界マニアだっておっしゃってましたよね?」

 また重苦しい空気にされては敵わんと、阿求は二人の会話に割って入った。そのまま先日のチュパカブラの一件に無理やり話題を持っていく。眼鏡の女も気さくに応じてくれたので、場の空気はたちまち和らいだ。それでも藍の面持ちから気難しさは拭えていない。どうしたものかと渋面しかけたところで、丁度よく小鈴が戻ってきた。
 持ってきたのは薄っぺらい装丁をした、雑誌のような本だった。小鈴は息を整える時間も惜しいといった感じで椅子につくと、机に置いてあった眼鏡をかけ、雑誌をぱらぱらめくり始める。

「実はついこの前手に入れたばかりの本なんですけど、どこだったかな、と……あった。これだこれ、このページです」

 小鈴が指差すまま、三人は誌面をのぞきこんだ。阿求には英語ばかりで何が書かれているのかさっぱりだったが、文中に『Coke』という単語が散見されることは理解できた。

「これなんて書いてあるの?」
「そっか、あんたは英語読めないか」小鈴は得意気に鼻をふくらませた。「私の読みだとこの本はアメリカの妖魔本で、このページに載ってるのはコーラに関する怪談だと思うわ。ずっとこの『Cokelore』って単語の意味がピンとこなかったんだけど、要するに『コーラ奇譚』って意味なんじゃないかなぁ。それだと内容とも辻褄があうし」
「ふむ、確かに外の世界にはコーラについての都市伝説めいたものがあるの」
「やっぱり!」

 眼鏡の女の言葉は小鈴をいっそう調子づかせたようだ。こうなると彼女の独壇場である。だから阿求から

「でもねぇ、しょせん飲み物の怪奇譚でしょ。そんな大したもんじゃ」

 と冷水をかけられても動じない。小鈴は「甘い、甘いわよ阿求」と不敵に指を振った。

「例えばね、この部分。コーラっていうのは非常に強い酸で、骨や歯を溶かす力があるって書いてある」
「バカねぇ。それが本当だったら、今頃私たちだって溶けちゃってるじゃない」
「最後まで聞きなさいよ。強力な酸っていうのは、あくまで原液の時点。その証拠に、間違って原液に落ちた作業員が骨一つ残さず溶けて死んだって話も載ってるの。こうやって飲む際はある程度薄めてあるんじゃないかな。でも、だからって長いこと浸かっていたり、飲み過ぎたりすると危険ってこと。
 実際本の中にも、コーラを飲み過ぎたせいで死んだって話が多いのよ。例えばここ、コーラにはコカインっていう幻覚作用のある薬が入っていて、これを摂り過ぎると人間はコカイン中毒になって壊れてしまうんだってさ。
 それに……これなんかもそうかな。アメリカのとある学校で実際にあった事件らしいんだけど、宴会で誰が一番コーラをたくさん飲めるか競争したそうなの。そしたら優勝した学生さんが次の日死んでしまったんだって。なんでも血の中に『CO2』? とかいうものがいっぱい貯まって窒息死……むごいなぁ。あとは……あ、子宝に恵まれるのを防ぐ呪法にも使えるみたい。えぇとやり方は――」
「世にもおぞましい呪法じゃ。読んだらイカン」

 眼鏡の女はさっと本を取り上げる。そして水を差されてふくれっ面の小鈴に向かって、笑い飛ばすように言った。

「小話としちゃそれなりに面白いが、ご生憎様、こりゃ全部ほら話じゃよ。まぁ確かにコーラの泡は二酸化炭素っちゅう、吸い過ぎると息ができなくなる気体でできとる。けれどそりゃ直接吸いこんだ場合だけじゃ。飲みもんとして腹に入れても何ともありゃせんよ。
 最初の骨が溶けるっちゅうのも、甘いもんの摂り過ぎが体に悪いってだけで、別にコーラだけが毒というわけでもない。幻覚作用があるっちゅう話も、できた当初はちょびっと入ってたそうじゃが、今儂らの飲んどるコーラには入っとりゃせん」
「えーそうなんですかー?」

 と突っかかる小鈴からは、話し相手の女に対する疑念というより、茶化し気味に言うことで彼女との親密さを深めたいという思いが感じられた。眼鏡の女の方も少女のそんな期待を察してか、優しく諭すような口ぶりで受け答える。

「この手の話ちゅうのは、子供をしつけるために親が広めたもんが多いからのう。コーラみたいに甘い飲みもんは標的にされやすいんじゃ。似た話ばかりなのもそのせいじゃろ」
「じゃあこの、『コーラの瓶は女性の体を象ったもの』ってのはどうなんですか? これはしつけと関係ないと思いますよ」
「それも嘘じゃった気がするが……あれ、どっかのメーカーのペットボトルはそうじゃったっけな?」
「ほら、本当の話も交じってたりするんですよー。だったらこういう怪談めいたのだって――」
「女性を象った、形なんですか?」

 ふいに阿求が口を挟んだものだから、有頂天だった小鈴でさえお喋りをやめてしまった。阿求は慌てて「何でもないです」と自分の発言を引っこめる。

「そろそろ私は帰りますね」

 続けて横から呟いたのは藍。空になったコーラ瓶を袖にしまい、阿求の方を向く。

「コーラも片づけてしまいましたし、あとはお一人でも大丈夫ですよね?」
「あ、ええ。大丈夫だと思いますけど」
「でしたらお先に失礼します。やり残した仕事がありますので。では、ごちそうさまでした」

 口調こそ丁寧なものの、その実有無を言わせぬような圧力を感じる言い方だった。阿求が返事に困っていると、背後からまた別の声が聞こえた。

「さてと、そんじゃ儂もそろそろ帰るかいの」

 あの眼鏡の女であった。残っていたコーラを一息に飲み干すと、軽く口元をぬぐい、もたれかかっていた机から身を起こす。

「あれ、もうお帰りになられるんですか?」

 と、小鈴から慌てて引き止められるも、女は取りつく島もないといった感じで、

「悪いが、ちぃとばっかし急用ができそうでの。そんじゃ、コーラ馳走になったの、お嬢ちゃん」

 とだけ言い残し、足早に店を出て行ってしまう。
 取り残された阿求と小鈴は、飲みさしのコーラを持ったまま、狐につままれたような顔を見合わせるばかりであった。


      *


 阿求が目を覚ましたのは、もう夜もだいぶ更けた頃だった。
 どうやら居眠りをしてしまったらしい。頬の下には、鈴奈庵で借りたばかりの本が開いたまま。阿求は書見机から顔を持ち上げると、崩れた髪を手ぐしで整えた。
 寝つけぬ夜だった。何度も布団に潜ってはみたのだが、どうにも頭が冴えてしまって、その度寝床から抜け出してぱらぱらと本を眺めるの繰り返し。それでも睡魔ははたと襲ってこなかった。秋の夜長とはいえ、ここまでくると不養生でしかない。
 枕代わりにしていた借り本には、幸いシワやよだれの痕は見られなかった。安堵の表情で本を片づけていると、積み本の陰にあったコーラの空き瓶が目に止まった。
 手にとって、行灯にかざしてみる。赤みを帯びた蝋燭灯りが、ガラスの凹凸に一つ一つ反射して、瓶の中に虹色のゆらめきを結ぶ。次は目をつむり、両手で撫でまわす。硬くひんやりとした触り心地、細やかな曲面は指にぴたりと吸いつき、滑らかなくびれはいくら触っても飽きることがない。
 最初にコーラと出会った時から阿求が心奪われていたのは、中の飲み物よりむしろ瓶の方であった。それは言うなら一目惚れに近い。理屈ではなく、ただただ虜となったのだ。以来コーラを飲んではこうして瓶を持ち帰り、しばし無言の語らいをするのが恒例となっている。石やガラスに異様な執着を見せる子供みたいに思われるのが恥ずかしくて、誰にも秘密にしているのだけれど。
 そしてこうやってコーラ瓶と戯れていると、決まって思い出す話があった。

――このコーラという飲み物は、実によくできていると思うんだ。

 香霖堂で初めてコーラを飲んだ時、霖之助から聞かされた話だ。

――中身だけではなく、外面にも面白みを持たせてある。この瓶を見ていると、いろいろな想像が掻き立てられるだろう? こういうのが大事なんだ。もしこの飲み物が幻想郷的な発想で作られているとしたら、この瓶の形状にこそ、コーラという物の本質的な意味が表されていると僕は思うよ。

 いつもなら聞き流す店主のうんちく、なのにこの言葉だけは一言一句頭に焼きついて離れない。この話があったからコーラの瓶に惹かれたのか、瓶に惹かれたから話を覚えているのか。どちらにしても阿求にとって、霖之助の話とコーラ瓶は分かちがたく結びついたものだった。

「女性の体を象ったもの、か……」

 芋づる式に甦ったのは、鈴奈庵で聞いた一説。「Cokelore」という翼を得た想像力は、阿求の脳内を不尽に飛び続ける。強力な酸、全てを飲みこむような褐色の液体、湧き上がる泡、人を窒息させるという気体、死、そして瓶のきらめき、くびれ――すべては無秩序に結びつき、ほどけてはもつれあって、しだいに脳髄を押しつぶすかのような、奇怪な集塊へと育っていく。微睡みかけていた目がぱっと開いた。

「ああ、また居眠りを……」

 周囲を見まわす。稗田家の大屋敷は、部屋の間取りも一つ一つが無意味に広い。だから夜が更けると行灯では部屋の隅まで光が届かなくなる。この寝室も、明るさが保たれているのは阿求のいる書見机の周りくらいで、その先は完全な闇に沈んでいた。一切の気配が失せた世界。あまりに無音すぎて、甲高い金属音が頭蓋の中だけで鳴り響いている。自分一人が闇に取り残されてしまったかのような寂寞感。
 背筋にすぅと冷たいものが走るのを、阿求は感じた。手にあったコーラ瓶を机上に戻すと、行灯を吹き消し、書見机の脇に設えてあった寝床へ向かう。ふと見返した先では、コーラの瓶がぬらぬらと輝いていた。ようと見通せぬ暗がりの中、まるでそれ自体が光を宿しているかのように、ぼやぁっと、鈍く。
 薄気味悪くなった阿求は、慌てて布団から抜け出ると、置きっぱなしのガラス瓶を書見机の引き出しへしまいこみ、しっかりと鍵をかけた。
 布団を頭まで被り、目蓋を固く閉じる。寝よう寝ようと思っても、奔放するイメージは消え去ってくれない。言葉にならない考えが、昼先からずっと脳にこびりついているのだ。考えることを拒否すればするほど、眠りを願えば願うほど、思考が先鋭化していく。何の脈絡もなく、こんがらがった毛糸玉が弾みでほどけるように、一つの仮定が阿求の中で明瞭に像を結んだ。

――もしあの瓶のモデルになった人が、コーラで死んだ人だったとしたら?

 急に掛け布団が重くなった。同時に阿求が感じたのは湿り気。布団がみるみる水っぽさを帯びていく。足元、布団のすき間からひゅうと風が入った。じめっとした空気は、不気味に生温かい。
 布団はどんどんと重みを増す。もはや湿り気というには多すぎる水分が、布団を伝って阿求の寝巻きにまで染みこんできた。まるで真上からじょうろで水を注がれているかのように。
 阿求は布団から出ようか悩んだ。逃げたかったが、布団の前には誰かの気配がある。見下ろすような眼差しを、はっきりと感じる。出てはいけないと、本能がけたたましく叫ぶのだ。息をするのも苦しい。掛け布団からあふれた雫が頬に垂れた。粘りのある液体、頬を伝って口元へ流れ落ちる。たまらず吐きだすも、舌に残る甘みは消えない。この味は紛れもなく――

「コーラ……?」

 四方から耳障りな音が一斉に鳴り響いた。しゅわしゅわと、泡のはじける音。コーラの海に沈んだら、こんなふうに聞こえるのだろうかと阿求は思った。上からは絶えず黒い雫が滴り落ち、ぬぐえどぬぐえど、砂糖の入った汁は彼女をべたべたに汚していく。
 突然皮膚に鋭い痛みが刺した。阿求は慌てて手のひらを見る。コーラに濡れた部分が、ふつふつと泡を立てながら溶けだしていた。肉の焼ける匂い。毛穴という毛穴から吹き上がる、泡、泡、泡。

「ひぃっ!」

 阿求は布団から跳ね起きた。振り返らず部屋の外へ。しかし動かない。逃げだそうにも足が応えてくれないのだ。手を伸ばして下半身をまさぐる。足はちゃんとついてはいた。だが手触りは蛸のようにぐにゃぐにゃで、さながら骨が溶けてしまったかのよう。無意識に体から悲鳴が上がる。

「誰かッ! たすけゴホッグフォッ!!」

 しかし叶わない。急に息ができなくなった。いくら吸えども息をした手応えはなく、むしろ苦しさが募るだけ。朦朧とする意識の中、阿求の脳裏にコーラの飲み過ぎで窒息死した学生の話がかすめた。ままならぬ体がどうしようもなく震えだす。全身の血が腐っていくような感覚と、黒い泡に全身を乗っ取られていくような絶望感が押しよせる。
 それでも阿求は無我夢中で這った。もう怖いだ不気味だと言ってはいられない。生きたいという本能に引きずられ、ただ腕だけで前へと前へと。すでに畳は泡吐く赤黒い液体にどっぷり浸かり、首を高く上げていなければ溺れてしまいそうな水位がある。額や背中からも泡に肉を溶かされる感触が伝わってくる。それでも阿求はあがいたのだ。
 かくも強き生に対する執着も、酸欠状態の体では長く持たなかった。しだいに腕の力は弱り、水かさを増す液体は容赦なく鼻腔を侵す。死を覚悟した阿求は、最後の力を振り絞って後ろを向く。求聞持の力を継ぐ者として、目に焼きつけておかねばならないと思ったのだ。次の稗田へ託すために。
 霞む視界の中、辛うじて映ったのは、腰のくびれた女のシルエット。そして見慣れた九本の尾。

「大丈夫ですか!?」

 間違いなく藍の声だった。阿求は必死の思いで手を伸ばす。つかんだ藍の手がどれほど温かく、頼もしく感じたことか。

「阿求さん、瓶は、あの瓶はどこですか!?」

 声を出せぬ阿求は、書見机を指さす。

「あそこか。大丈夫、今助けますから!!」

 机上を探す藍に、阿求は引き出しの中に瓶があると伝えようとした。しかし戦慄く唇をどれだけ動かしても、声は出てくれない。あふれてくるのは涙だけ。
 ようやく藍の手が引き出しにかかった。人外の力で鍵もろとも引き抜く。瓶に手をかけた瞬間、花火の弾けるような軽い音が部屋に鳴り響いた。

「え?」
「……ぁ」

 ひらひらと、部屋いっぱいに舞う木の葉。机や布団の周りも、一面同じ葉で埋め尽くされている。阿求は無意識に体を撫でまわす。やはり全身緑の葉まみれ。よくよく気づけば濡れてもいないし体はちゃんと動く。息苦しさも消えていた。

「そこかッ!?」

 藍が背後へ爪を振ると、人影が阿求の脇をかすめて外へ走り去った。暗くてはっきり姿は捉えられなかったが、一つだけ見えたものがあった。大きな、縞模様のしっぽだ。

「もしかして……狸?」

 阿求はぽかんと口を開け、藍に目で問う。小さく頷き返されて、積もり積もった恐怖はたちまち怒りへと変わった。

「ぁ、あンの畜生めぇぇぇーーーっ!!」


      *


 魔法の森では最近、頻繁に催されるようになった宴会がある。
 たき火を囲むのは妖怪狸たち。丸く肥えたしっぽをくねらせて、酒と踊りに興じている。そして付喪神。磁器や陶器、漆の箱に木製の家具類、衣服や装飾品なんかも交じっている。産まれたての付喪神も多く、そういう連中は生えたばかりの手足をよちよち動かして、踊りの真似事に一生懸命だ。彼らはこうやって一人前の妖怪に育っていくのである。
 付喪神に対する配慮はすべて幹事である二ツ岩マミゾウの意向だった。善意ではない。部下を増やすこと、それは即ち彼女自身の妖力を高めることにつながるのだから。
 そんな宴会には今夜、少しばかり風変わりな客が来る予定になっていた。

「なんじゃい、ずいぶん時間がかかったのう」

 背後から訪れた客へ、マミゾウは前を向いたまま告げた。

「稗田の娘をなだめるのに手間取ってな」

 八雲藍はマミゾウのすぐ横に腰を下ろした。幹事からの酌を受けて、まずは一献。盃を煽る居ずまいは、しかし宴の享楽とは程遠い。

「そっちこそどうなったんだ、あの"妖怪"は」
「ん、こいつか?」

 と言ってマミゾウが振ったのはコーラの瓶。たき火にかざしても、もう虹色の光を放つことはない。

「ダメじゃな。妖気もすっかり消えてしもうた。もう付喪神になることはあるまい」
「ならいいんだ」
「『ならいいんだ』とはまた狐らしい言い草じゃのう」マミゾウは無愛想な藍をおちょくるような言い方をした。「アメリカ生まれの同胞が、名すらもらえず消えてしもうたっちゅうのに」
「ふん、そいつを喰ったお前が言えた話じゃないな」
「儂に喰えと持ちかけたのはあんさんじゃろ? びっくりしたわい、よもや狐様から妖怪退治を手伝ってくれと言われるとはのう」

 くくくと忍び笑いをしたマミゾウは、懐から煙管を取り出した。おもむろに火をつけ、一服を始める。それは狐相手に主導権を渡さぬという意思表示でもあったが、藍もさるもの、効き目は薄いようだった。

「言ったろう? 退治したのは私たちじゃない。稗田の娘だよ」藍は手酌で何杯目かの酒を煽った。「妖怪は人を襲い、人は妖怪を退治する――そういうポーズを取りあうのが幻想郷のあり方だ。里で生まれた妖怪が実際に人を襲うわけにはいかないし、妖怪が妖怪を調伏するわけにもいかない」
「だから狸に襲われたとあの嬢ちゃんに認識させ、コーラに対する恐怖を全部儂に向けさせたと。ったく、狐様はまわりくどいこと思いつくのう」
「おかげでお前は妖力を高められたんだ。悪くない交換条件だったろう? 狸は儲け話に弱いからな」

 ほくそ笑む藍は妖怪らしい顔をしていた。マミゾウも同じ笑顔で応える。

「まあ、あの状況では最善策だったと思うけどね」と、藍は首をすくめて語りだした。「他の人間に調伏を依頼しても、暴力巫女では瓶を壊すのが関の山だったろう。稗田の娘に芽生えたコーラへのイメージを打ち消さない限り、いつか瓶はあの子の恐怖心を喰って付喪神となろうとしたろうさ。それを防ぐにはああいう芝居を打つしかなかったんだよ。お前も貸本屋にいた時気づいていたろう? コーラ瓶に溜まった怨念と稗田の娘の怯えが共鳴したことに」
「こいつは、きっと不憫な奴じゃったんじゃよ」

 マミゾウは藍にではなく、物言わなくなったコーラ瓶へ話しかけるように言った。

「外じゃあこういう瓶は回収して再利用されるからの、念も溜まりやすかろう。おまけに今じゃ瓶詰めコーラなんぞめっきり減ってしもうたから、飲まれもせずにこんなとこまで流れ着いたとなりゃ、怨みの一つくらい持っとったっておかしくない。今年の夏は方々で道具が暴れとったし、それの影響を受けたのかもしれんな。そういやアレ、結局なんじゃったんじゃ?」
「それはお前が知る必要のないことだよ」
「つれないのう」

 渋い面のマミゾウに目を向けもせず、藍は話を戻した。

「飲んでしまえば怨みも晴れるかと最初は思ったんだが、あの『Cokelore』のせいで稗田の娘が予想以上に想像力を逞しくしてしまったからな。あの場で処理とはいかなくなってしまった。お前がいて助かったよ」
「あの嬢ちゃん、何や知らんが、この瓶に魅入られてたみたいじゃったな」
「ご主人が言うには、コーラをもらった店主が妄想を掻き立てるような話をしていたそうだ。あの子もそれを聞いて、影響を受けたんだろう」藍は盃に向かってほうと息をついた。「偶然とは言え、付喪神が育つにはこれ以上ない条件が揃ってしまったわけだ」
「いやはや。ほんとに、人間の想像力っちゅうのは恐ろしいわ」

 マミゾウはため息代わりに煙管を吹かした。口から漏れた煙が、たき火に溶けて闇夜へ消えていく。

「しかし人間の想像力と恐怖心がなければ、私たち妖怪は存在できない。それは幻想郷でも同じさ。だから我々は里の人間を殺すわけにはいかないんだ」
「あの嬢ちゃんに関しちゃ、それだけが理由じゃなかろう?」

 にやりと笑いかけるマミゾウに、藍は素知らぬ顔で小さく含み笑い。小さな間ができた。

「あの子は少し特別なのさ」やっと答えた藍は、初めてマミゾウへと視線を遣り、「お前こそ、あの貸本屋の娘、ずいぶんと懇意のようじゃないか」

 と、思わせぶりに尋ね返した。

「なぁに、あの子はそっちの嬢ちゃんと違ってコーラに変な思い入れはないからの。それにありゃ妖怪の恐怖を楽しんでしまう子じゃ。今度みたいなのは寄ってこんよ」
「ふぅん。ずいぶんと買っているんだな。手籠めにでもするつもりか?」

 今度の軽口はいくぶん毒が強かった。マミゾウは藍をじろりと睨み返す。

「そう怒るなよ、冗談だ」藍は軽く笑い飛ばすと、「狸が里で人を化かすのを咎める気なんてない。ただ心配なだけさ。お前、こっちに移ってからずいぶんと尾を大きくしているだろう?」

 馴れ馴れしい、しかし峻烈な口調で問いかけた。そして空になった盃を置くと、狸の答えを待たずに立ち上がる。

「何を言いたいのかよう分からんな。儂にあの妖怪を喰わせた奴の台詞とは思えん」
「とぼけるな。こんなに付喪神を侍らせてさ、今日みたいに喰われた奴が他に何匹いるんだか」藍は足を止めて振り返った。「世話になったよしみで一つだけ忠告しておいてやる。私の主人は均衡を崩されるのをなにより嫌う。中庸を弁えることだな」
「はん、情けないもんじゃなぁ、ええ?」マミゾウはたんと煙管を打ちつけ、雁首から灰をはたき落とした。「さっきからご主人ご主人と、すっかり飼い慣らされよって。人前で偉そうにしっぽぶらつかせて監視に勤しんどったのも、そのご主人様のご命令かい?」
「お前らみたいに後ろ暗い生き方をしてないだけさ」藍はおどけた顔を作った。「それに強い者に従うのは動物の本能だよ。利でしか動かない狸には分からんか」
「利の追求こそ生き物にとって最も純粋な行動原理じゃよ。政が大好きな狐様は忘れてしもうたかもしれんがな」

 結局はこういう罵りあいになってしまう。マミゾウは内心悪い気はしなかった。やっぱり狐とは喧嘩しているくらいが丁度よいのだ。嘲るような笑みを浮かべている藍も、きっと同じことを考えているのだろう。

「ああ、そうだ。忘れるところだった」

 しばしの睨み合いの後、唐突に藍が呟いた。袖口をまさぐると、取り出したものをマミゾウへ向かって放り投げる。

「そのご主人からだ。今回のお礼だとよ」

 それは酒瓶だった。

「こりゃ、ラムじゃな」
「コーラで割ると美味いそうだ。やってみるといい」
「儂コーラなんて持ってないんじゃが」
「だったら普通に呑め。幻想郷じゃ洋酒なんてめったにありつけないぞ」藍はとうとうと続けた。「そうそう、渡すついでに伝言も預かってあったんだ。『引き受けた以上、最後まで責任をもって役目を果たしてね』だそうだ。じゃあ頑張れよ」
「ん? 『最後まで』って、そりゃどういう――」
「見つけたわ!!」

 怒号は空から。マミゾウが見上げた先には、怒りで顔を真っ赤にした巫女がそびえていた。

「阿求から聞いたわよ! 狸に襲われたってね」
「ちょ、ちょっと待てい。おい狐、こりゃいったい」

 と、マミゾウが問いかけた頃には、藍の姿はもうどこにもなかった。

「ぁ、あンの女狐チクリよったなぁっ!」
「なに一人で盛り上がってんのよ! 今日こそは容赦しないんだからね」
「いや、ちょっち話を聞いてくれんか巫女殿。ありゃまぁ確かに儂がやってない言うたら嘘になるのかもしれんが、これには色々と事情っちゅうもんが――」
「問答無用!! 二度と里で悪さできないよう、徹底的に懲らしめてやるわ!」

 どうやら巫女に交渉の二文字はないらしい。マミゾウは観念した。考えてみれば望むところと言える。人を襲った見返りに人から退治される――これくらい自然で、妖怪らしい生き様はない。
 餞別のラムを一息に煽った化け狸は、堂々と猛った。

「ええい分かった! その通りじゃ。お天道様が東から昇るのもポストが赤いのも、みんな儂が悪いんじゃい。かかってこんか人間風情が!!」
「とうとう本性表したわねこの化け狸。覚悟なさい、3枚!!」
「なんの、5枚じゃ!!」

 ちなみに結果は、開始早々「夢想封印」を叩きこまれたマミゾウの完敗だったそうな。

作中で登場した本の内容については、以下のリンク先を参考にしました。
http://www.snopes.com/cokelore/
みく
http://twitter.com/sakamata53
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コメント



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1.7アメリカ探索者削除
コーラを元にしたやりとり。
すずな~んっぽいやりとりがよかったです。
2.5削除
藍とマミゾウさんのいがみ合う話かと思いきや、二人が協力する展開だったのが意外で高ポイント。
3.8削除
面白かったです。
4.4烏口泣鳴削除
マミゾウのキャラクターが良かった。特に最後の霊夢と対する場面。
5.5エーリング削除
裏であれこれ画策しながら、表にはそれを見せない狐と狸が魅力的でした。阿求が妖怪に襲われるところの描写も良かったです。惜しむらくは最後の会話が説明文っぽくなりすぎているように感じられる所でしょうか。
6.7がま口削除
コーラに関する都市伝説、全て聞いたことがありました。
その影響かここ5年間一滴もコーラを飲んでおらず、最早どんな味だったかもおぼろげであります。
しかしコーラの瓶にアヤカシを見るとは、さすが幻想郷縁起の作者たる阿求さんですね。
確かに色も醤油みたいな泡立つ液体が分厚いガラス瓶に収まっているのは、少々不気味かもしれません。
その想像が簡単に具現化しちゃうのも、幻想郷らしいな、と思いました。
7.8絶望を司る程度の能力削除
哀れマミゾウww
8.3みすゞ【5点満点】削除
コーラとホラー(?)の組み合わせが新鮮でした。内容も丁寧に書かれてあって好印象です。ただ阿求がコーラの怪に怯える図がギャグにしか思えなかったのと、ラストのネタばらしが釈然としなかったのとで、あまり加点しきれませんでした。肌に合わなかったということでご了承ください。
9.7あらつき削除
東方らしく良い話であった。
ただ、種明かしがくどかったかな。いっそコーラ瓶が完全に妖怪化していた方が幻想郷の話として取り込めたかも。
10.5deso削除
ネタは良かったと思うんですが、種明かしの比重が大きくなってしまったのがもったいない。
11.7ナルスフ削除
懐かしいなぁ、コーラの都市伝説。私はコーラが苦手で、ほとんど飲んだことありませんでしたが。
マミゾウさんと藍様はいがみ合いながらも仲が良さそうで何より。
最初の緊張感で何か狸と狐の因縁で一悶着あるのかと思ってましたが、なるほどミスリードでしたか。
ひたすらマミゾウさんを慕う小鈴もかわいかったです。
12.7文鎮削除
やはり狸と狐は仲が悪いんですねぇ…マミゾウにも責任がないわけではないので仕方ないですが。
何度も再利用された瓶が怨みを貯めこみ、妖怪化して阿求を襲う設定。さらに妖怪たちによる事件の後始末も楽しめました。
世界中へ侵攻して我々の健康を脅かす(我ながら酷い言い方ですが)コーラはある意味ではすでに妖怪なのかもしれません。
13.8あめの削除
東方らしさがすごく良く描けていて羨ましいです。
阿求がコーラのビンに惹かれているというのが何とも可愛らしい。阿求のピンチに助けに来る藍様は格好良いし、泥をかぶってくれるマミゾウはいい人。そして安定の鬼畜巫女。
いやあ、面白かったです。
14.8めるめるめるめ削除
幻想郷における妖怪というものをよく考えていて、それを物語の根底にしっかり織り込んでいたのがよかったです。
コーラというおよそ恐怖とは結びつかなさそうな要素を選択したことで、妖怪の本質が一層際立ったのかなぁと思います。
15.6百円玉削除
コーラって良いですよね、長い時間飲まれてきただけあって、お話作りの中にもすんなり入ってこれる親しさがある。これがドクペだったら、ほら、なんだか……うん。 
妖怪らしい妖怪っぷりを堪能出来ました。人を怖がらせてなんぼだけど、個のため全のため、やれることはやっておく強かさがマミゾウさんっぽい。霊夢に怒られるのも、仕方ないね。
16.2ito削除
阿求のコーラの瓶に対する執着が道具を付喪神にさせる。なかなかおもしろい設定でした。
しかし、話が分かりにくい。
作中、阿求の瓶、またはコーラに対する考えは作品の中盤に至るまで全く出てきません。
香霖堂で霖之助・藍に会い、次に鈴奈庵で小鈴・マミゾウ・チュパカブラ。
この構成では、いったいどこが話の中心になるのだろうと考えることに力を使い果たしてしまいます。
冒頭で瓶をクローズアップしておくべきではないでしょうか。
そのため、阿求の瓶に対する思い入れを書いた部分が全然目立ってこない。阿求が遭遇した怪異に説得力がなくなってしまった印象です。
また、瓶が付喪神になってしまうことを防ぐ、という理屈には疑問符が。道具が付喪神になることは幻想郷では何の問題も無いはずではないでしょうか。
あと、小鈴と阿求がむせたときに上げた声が可愛くないのが不満だったりします。これはすごく細かいことで、単なる私の好みなんですけど。
17.6藤村流削除
コーラで歯が融けるっていう話は昔よく聞きましたねー。
ストーリーに意外性があり、よくまとまっていておもしろかったです。
18.6このはずし削除
アメリカの飲料といえば、やっぱりコーラ! ……の付喪神という発想に驚きでした(汗)
でもとても幻想郷っぽい話です。
19.8名前無し削除
取り急ぎ、点数のみで失礼します。
20.7K.M削除
コーラから、こう話がつながるとは予想できなかったです。お見事。