第十三回東方SSこんぺ(アメリカ)

アメリカ太子観 2014

2014/03/09 23:54:18
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「もちろん、ありますとも。私の頭には、はっきりとした理想郷の姿があります。そうでなければ、諸人を導くことなど到底できません」

 博麗神社の宴会の席で、豊聡耳神子はそう言い切った。
 会話の場にいるのは、彼女が率いる一派と同等か、あるいはそれ以上の勢力を誇る長達である。
 にも関わらず、神子の態度に緊張した様子はなかった。それどころか、歌を紡ぐように高らかに語る。 

「仏教では涅槃、すなわち生を超越した境地を目指すと聞きますが、道教は並の生を超越した生を目指しています。いわば、究極の個の探求ですね」
「それは多くの弱者を切り捨てることに繋がるのでは?」
「不完全な強さこそが、弱者を切り捨てるのですよ。器の小さな強さも、私の目指すところではありません」

 命蓮寺の住職から投げかけられた疑問を、神子はやんわりと修正する。

「我々の修行の目的は、衆生を救い上げ、運んでいくことのできるほどの器を手に入れること。欲を捨てねばならぬのは、その器が己の欲に足りていないからなのです。もっとも、私自身は悩みなくのんびり優雅に暮らすことを願っていますけどね。俗人はなかなか納得してくれないでしょう。超人には彼らを導く責任がある」

 さほど背は高くないものの、そのよく通る声と凛然とした振る舞い、何よりも独特な髪型は、神社に集まる派手で雑多な妖怪達の間にあっても際立っていた。彼女に向けられる好奇の視線も、次第に増えていく。

「生きとし生けるもの、全てに備わっているエネルギー。それが欲であり、生の原動力とも呼べるものです。無理に抑えつけるのは自然に反していますし、伸びるに任せて伸ばせばしてやればいいのですよ」
「何だか聞けば聞くほどそそられる考え方だな。食べるのも自由、戦うのも自由、本を借りまくるのも自由ってわけか」
「我欲はもっとも程度の低い欲です。ましてや泥棒などもっての外。己の不足を認めているようなものですから」

 白黒の魔法使いの茶化すような横槍を、神子は微苦笑で滑らかに断つ。

「各人が己の欲を糧に自己を研鑽し、自由な活動ができる世界。それが私の理想郷ですね」

 反対意見は上がらなかった。
 他の勢力の者は感心するか、あるいは興味深げに考え込んでいる様子だった。
 彼女達の様子を前にして、神子は満足げな表情を浮かべる。
 
 場にいた少女……守矢神社の風祝が呟いた、たった一言を聞くまで。

「ああ。もしかしてそれ、『アメリカ』じゃないですか?」




 $$$




 幻想郷を包む結界の狭間に作られた仙界。その特殊な空間の層の内に建てられた、仙人の修行場である神霊廟。
 蘇我屠自古は、その神霊廟内にある一室、主人の仕事場の戸を前にして、腕組みしつつ宙に浮かんでいた。

 眉をひそめ、首をかしげる。
 いつもは朝に姿を現す豊聡耳神子が、昼になってもまだこの部屋から出てこないのだ。
 もし修行中なのであれば邪魔してはいけないと思い、今朝は声をかけずにいたものの、よくよく考えてみれば一言あってもいい話だし、張り紙があってもいい。少しおかしい。
 おかしいといえば、昨晩神社の宴から帰ってきた時の主人も、どこかおかしかった。

(あんなに難しそうな顔をなさっている太子は、久しぶりだったな……)

 同じく従者である布都は、何か知っていたのかもしれないが、彼女は朝ご飯を大急ぎで平らげるなり出かけてしまった。
 ともかく、昼食も召しあがってもらえないとなると、作った身としては無念なことである。
 せめてお茶とおにぎりだけでも運ぼうか、と屠自古が考えていると、中から話し声がした。
 誰か他にいるのかと思った屠自古は、つい戸に指をかけていた。

「太子。失礼しまっ……!?」

 屠自古は驚愕する。
 広さ二十畳、高さ十尺という十分すぎるほどの板敷の間。
 その奥は文机と書物がいくつか置かれているだけの、質素な間だったはずなのだが……。

 今や部屋の半分が、カオスな空間と化していた。
 奥の壁を占める巨大スクリーン、その手前には無骨なデザインの乗用車。ダーツの的にビリヤード台。
 ドラム缶にロケットランチャー。数台のレコードプレイヤーが、同時にわけのわからない音楽を奏でている。
 黄色のつなぎを着た、赤いパーマにおしろいと口紅という風貌の怪人に、白髪と白髭を整えた恰幅のよい眼鏡の老人が、地獄突きをかましていた。
 その中心、こちらに背を向けた安楽椅子から、砂金色の髪が二房、にょっきりと見えていた。
 呆然としているうちに、椅子が回転し、そこに座る人物が姿を現す。

「……What's up Tojiko!?(やぁ、屠自古!)」
「んな!?」

 部屋の主が外国語を喋り出した! 予期せぬ応対に屠自古は吃驚。
 しかも……

「た、太子。そのお姿は!?」

 振り返った主人は、屠自古の知る豊聡耳神子とは全く異なる外見だった。
 異変解決の際に身に着けていたマントは、赤と白のストライプ、それに星の浮かんだ青の地に変わっている。
 そのマントが包んでいるのは、ジーンズにTシャツというラフな出で立ちだ。
 顔にはサングラスをかけていて、噛んだガムを風船状に膨らませている。
 どのアイテムも、やけに似合っているものの、やはり屠自古の知っている太子ではない。

「So why the long face ? Maybe your labor pain has started ?(なんですか浮かない顔して。もしや陣痛が始まっちゃいましたか?)」
「え、えーと……」
「……Oops,Just kidding.Sorry,my sweet heart.No offense(……おっと、冗談です。すまない、我が愛しの君よ。気を悪くしないで)」
「す、すみません何を仰ってるのか、よくわかりません!」
「懊・悩!(おうのう!)」

 頭を抱えて膝を屈する、グラサンの聖人は……直後に屠自古を指さして笑い始めた。

「今の分かりましたか!? OH,NO!! と懊悩をかけたんですよ! HAHAHAHAHA!!」

 さらに片手で腹を抱え、もう片方でバシバシと椅子の肘かけを叩き出す。
 凄まじいオーバーリアクションだ。なんというか、普段の威厳とは逆ベクトルの意味で近寄りがたい。

「太子。神社で何か悪いものでも食べてきたんですか?」
「悪いものだなんて、とんでもない! 素晴らしい発見があったんですよ! 私が千四百年の眠りについている間、外界に理想郷が誕生していたということを知ったのです! あれです!」

 シュパッと音を立てて、神子の手が閃く。
 彼女の指から放たれたダーツの矢は、壁に掛けられた世界地図に刺さっていた。

「……南極大陸、って書いてますが」
「失礼。狙ったのはもっと右上です。ほら、ここですよここ」

 椅子から立ち上がり、地図から矢を引っこ抜いた神子は、それを新しく右上にある大陸の上部にちょこんと刺す。

「ここにある国は、アメリカ合衆国というそうです。知っていますか?」
「知りません。正直、外界の国には詳しくないんです」
「私も昨日までは無知同然でした。しかしこのアメリカ、調べれば調べるほど、とてつもない国で、大いに参考になる国家ですよ。何しろ人々の『欲』を昇華し、原動力にして生まれた国なんです」
「へー」

 屠自古も地図の側に立ち、興味深く眺める。

「でも、もっと大きな国が他にもあるみたいですけど」
「ノーウェイ! この国の戦闘力は、なんとこの広い世界の中で飛びぬけていて、どこの国でも太刀打ち不能だというのです!」

 間近でこちらを見る神子の目が、金色に輝いている。
 何だか聖人というより、玩具とお菓子の山を前にした子供に見えた。

「しかも、その経済力も断トツであり、影響力は世界の隅々にまで及んでいるそうな。さらに他国から見ても多用な種類の者達が生きており、毎日のように弾幕が飛び交っているそうです。まさしく、この幻想郷をスケールアップさせたような国なんです! 私はしばらく、この国について学びながら、道教の新たな道を模索しようと考えているところです。ところで屠自古は、いかなる用事でここに?」
「えーと、お昼ご飯なんですが」
「やや! もうそんな時間でしたか。今日の献立は何かな」
「ホイコーローと麻婆豆腐です。あとグリーンピースを抜いたチャーハンも作りまし……」

 屠自古の顔面にクリームパイが叩きつけられた。「ぷぁもふっ!?」

「……な、何するんですかバカ太子!」
「失望しましたよ屠自古。人がせっかく米国文化を学ぼうと努力している時に、よりにもよって中華料理で水を差そうとは」
「昨日のお昼にホイコーローと麻婆豆腐が食べたいってごねたのはあんただろうが!」
「シャラーップ!! 『士別れて三日、即ち更に刮目して相待すべし』。かつて大陸におけるある武将が残した言葉です。私くらいの偉人となれば、別れて三分経てば別人も同然です」
「堂々と訳の分からん理屈をこねないでください!」
「むむ、この期に及んで口答えするとは! 屠自古!」

 神子が手にした笏を、クリームで覆われた亡霊の顔に向け、硬い声で叱責する。

「離婚です!」
「は!? なんで!?」
「君の言動が気に入らなかったからです」
「そ、そんな! 口答えしたくらいで離婚だなんて……!」
「アメリカでは珍しいことじゃないそうですよ。その離婚率はなんと五割。うちの布都が運んでいる料理のお皿を落として割るよりもありふれた出来事なのです」

 なんとも冷たい言い草だった。
 気丈な屠自古もこれは効いたらしく、握った拳をぷるぷると震わせ、クリームの残ったまつ毛に涙をにじませる。
 しかし、修行で鍛え抜かれた仙人の心は、そんないたいけな仕草を前にしても罅一つ入らない。

「嫌なら別のメニューを考えることですね。高カロリーで具だくさんのピザならいくらでも食べてあげましょう。ハンバーガーやホットドッグでも構いません。バーベキューなんかもありですね」
「やってやんよ!!」

 怒れる亡霊は、台所に向かって駆けていく。
 ……が、彼女には両足がないので、足音の代わりに稲妻がゴロゴロと音を立てていた。
 それから間を置かずに、扉からではなく、壁をすり抜けて別の人物が入ってきた。

「豊聡耳様。お勉強は捗っていらっしゃいますか?」

 神霊廟に棲みつく邪仙であり、神子の相談役でもある霍青娥だ。
 壁をすり抜けられるという、一見地味な能力の持ち主だが、博麗大結界を通り抜けて外界から物を仕入れることのできる程度の力と考えれば、ある意味で脅威の存在といえよう。それはともかくとして、

「不十分ですね。青娥が集めてくれた資料はどれも興味深いものの、アメリカという国の全体像を正しく捉えられている気がしません」

 部屋を占拠する膨大な資料の山を前にして、神子は厳しい評価を下す。
 確かにここに集められた品々は、アメリカ合衆国の凄さと美しさ、その魅力をたっぷり味わうにはふさわしい。
 しかしながら、その巨大なスケールが、逆に問題の隠れ蓑となっているということはないだろうか。
 もしその裏に致命的な欠陥が潜んでいるとすれば、それをきちんと暴かなくてはいけない。
 今後の計画に大きな支障をきたすかもしれないからだ。

「というわけで青娥。今の私には、外界で正しくアメリカについて学び、その知識を手に入れて戻ってくる人材が必要です。すなわち、遣米師」
「まぁ素敵な響きですわね。かつての小野妹子様、あるいは天竺を目指した玄奘三蔵を思わせますわ。して、誰にその役目を?」
「芳香はどうでしょう」

 宮古芳香は青娥の部下であり、いわゆるキョンシーである。

「アメリカにおいて、歩く死体はメジャーな存在だと聞いています。彼女ならきっと、遣米使の代表として、私の期待に応えてくれると思います」
「かしこまりました。すぐに手配いたします」
「頼みましたよ」

 青娥は来た時と同じく、ふよふよと煙のように去っていく。
 一人になった神子は、ここらで勉強の手を止めて、休憩することにした。
 クーラーボックスから冷えた瓶コーラを一本取り出し、栓抜きを当てながら考えに耽る。 

「今のところは順調。あとは今朝に遣いに出した布都が、優れた人材を持ちかえってくれれば……」

 ポン。

「あわわわわ」

 瓶の口から溢れた泡に、神子はアワアワとしながら、布巾を探し求める。
 この後、高貴な自分がゲップなどするはずがない、と信ずる彼女とコーラの激烈なバトルが始まったが、ここでは割愛する。ともかく、主人の命を受けた布都が神霊廟に帰ってきたのは、夕方になってからだった。



 $$$




「どうして、私はここに連れてこられたのでしょうか」

 神霊廟の客間に案内された、その銀髪のおかっぱヘアーの少女は、自らの置かれている状況が理解できず、困惑していた。

「君が仙界合衆国の初代大統領に選ばれたからだよ。魂魄妖夢」

 目の前に立つ三者のうちの一人、豊聡耳神子は日輪のごときスマイルを浮かべる。
 不安をコロナで吹き飛ばすと噂される不遜な表情だったが、妖夢には効果が薄かった。

「布都から聞いたところによれば、君は誰よりも大統領にふさわしい行いをしていたとか」
「全く心当たりがないんですが……」

 半人半霊の剣士はつむじを曲げてぼやく。
 冥界を一人で歩いていたところ、いきなり拉致同然のやり方でこの仙界に引っ張りこまれたのだから、愛想も悪くなる。
 神子は傍らで待機していた部下に、目線で指示した。
 ここに妖夢を連れてきた張本人である、物部布都は張り切った声で、

「魂魄妖夢! おぬしは白玉楼なる冥界のお屋敷の庭師であったが、先日主人の大切な桜の木を誤って切り倒してしまったのち、正直に謝ると共に切腹を試みた咎により、しばらく暇を与えられた。この情報に偽りはないな?」
「ど、どうしてそれを!?」

 出来立てほやほやの恥ずかしい情報に、妖夢は青ざめて狼狽する。

「文献によれば、アメリカにおける初代大統領ワシントンは、新品の刃物を振り回して桜の木を切っては正直に謝るのを常としていた辻切り庭師だったと言われています。まさしく君は選ばれし者」
「選ばれし……者……」
「選ばれし者だったのに!」
「わわ!?」

 なぜか泣きそうな顔で神子は訴えてくる。
 だが、選ばれし者。そのフレーズは若き剣士の心に、ビビッときた。
 冥界の白玉楼は立派なお屋敷だし、主人は閻魔から幽霊の管理を任せられている、立派な肩書きを持つ亡霊だ。
 とはいえ、妖夢自身の身分は従者であり、一介の庭師でしかない。
 それが一国の代表者に選出されたとは、いきなりの大出世だ。日頃から自分を頼りなく思っている、主人のことを見返すことができるチャンスかもしれない。

「でも大統領といわれても、何をすればいいのかわかりません」
「差し当たっては、国民の前で合衆国憲法を発表してもらいましょうか。草案は午前中の内に私達の元で練られて、原稿も完成しているので、貴方はこれを国民の前で読むだけでいいのです」

 神子は三枚重ねの紙束を渡してきた。上質な紙であり、墨もよいものを使っているようだ。

「憲法はわかりやすく、十七条に定めました。子供が言葉を学ぶ際に覚え、老いた者が天に召されるその時まで覚えていられるような、心に残る内容に……」
「いいですね、それは。私も賛成です」

 妖夢は素直に感心してうなずきながら、内容に目を通して、

「!!!???」

 おかっぱ頭が一瞬ガイルヘアーになるほど驚いた。

「な、なんですかこれぇ!?」
「何かおかしなことでも?」
「第二条からして、もうおかしいですよ! 『篤く三宝を敬へ。三宝とは』……せっ……せっ」
「セック●、ドラッ●、バイオレン●と読むのです。意味を知りたければ青娥に尋ねてください。私もまだ勉強中の身でして」
「ロックンロールの魂ですのよ。お二人がお望みなら、実習つきで教えてさしあげますわ」
「結構です!!!」

 赤面の剣士は怒鳴った。
 子供が最初に学ぶ言葉としてはあまりにも不適切だし、お年寄りが天に召される時にこんなことを考えていたら地獄に落ちかねない。

「それだけじゃありません! 第四条『群臣百寮、ストリーキングを以て本とせよ』! 確かこれって裸で歩くことですよね!?」
「虚飾を捨てることで、悪巧みを考えないようにするということです」
「第十条『人と性癖の違うことを怒らざれ』! 別に性癖に限定しなくていいじゃないですか!」
「同性愛にも理解のある国だということを拡大して知らしめようとしただけです」
「第十四条! 『群臣百寮、ぱぱるぱるぱるぱぱるしー』! わざとやってませんか!? もはやアメリカと関係ないでしょう!」
「どうしてそんなに怒ってるんですか。カルシウムが原因ですか? 牛乳ならガロン単位で保存してますよ」
「こんなものを朗読しろと言われて、キレないものなどあんまりいません!」

 居合のごとき気合と素早さで、彼女は広げた原稿を突っ返し、

「だ、大統領命令です! もっと格調の高い、国民に対して誠実な内容に変えてください」
「おお! つまり妖夢殿は大統領となることを承諾したということですね!?」
「……はっ!? そんなバカな!?」
「お召し物はこちらに用意していますわ。庭に集まっている方々に、スピーチをしていただきます。あと三十分なのでお急ぎいただけますよう」

 恐るべき急展開に、若き初代大統領は翻弄される一方であった。


 $$$


 普段は静かで閑散とした神霊廟の庭だったが、この日は割と賑やかだった。
 というのも、幻想郷の各地から、よりどりみどりの人材が集まっていたからだ。
 いかなる場所でも出入り口を繋ぐことのできる、仙界のメリットを用いて、布都が連れてきた者達だった。
 しかしながら、何が始まるのか理解している者は、おそらく一人もいない。

 定刻となった。
 庭の一角に設けられた壇の上に、一人の少女が昇り、備え付けのマイクに向かって喋る。

「えー……私が仙界合衆国……初代大統領の……魂魄妖夢です」

 いつもの緑のワンピースではなく、パリッとした燕尾服を着た妖夢は、かしこまって挨拶する。
 中性的な容貌が際立つと共に、普段はない凛々しさがあった。白い蝶ネクタイもよく似合っている。
 続いて、彼女の背後に控えていた二人も、簡単に挨拶をした。

「同じく、初代超統領の豊聡耳神子です」
「同じく、初代美統領の霍青娥です。書記と思っていただいて結構ですわ」

 集まった面々に?マークが浮かんでいた。
 だが質疑応答の時間は設けられず、大統領が演説を続ける。

「それでは建国にあたって……政府の代表者として……国家のありかたを綴った、憲法を発表いたします。第一条……和を以て、貴しと為し……さ、忤ふること無きを宗とせよ。第二条……篤く三宝を敬へ。三宝とは自由……平等……石油なり」

 堅苦しい空気の中で、憲法の条文が語られるものの、集められた面々の多くはつまらなそうにしていた。
 残りの者はガチガチに緊張している妖夢を心配そうに見守っている。「がんばれ~……」と誰かが小声で応援していた。ほとんど学芸会の発表を見守る保護者の様子だ。

 そして、相変わらず何がどうなっているのか、よくわかっていない者が大半である。
 仙界合衆国。大統領と超統領と美統領。そして憲法。全て呪文と変わらない。

「それではこれより、任命式を執り行いたいと思います。司会進行役は、国務長官の物部布都です」

 ここで、布都が壇の側に颯爽と登場した。
 彼女は大統領と違って、自信に満ち溢れていた。

「紅美鈴!」

 溌剌とした甲高い声で呼ばれたのは、赤い長髪の妖怪である。
 しかし彼女は申し訳なさそうに腰を曲げて言った。

「あの~、一応お話しておきますけど、何をやるにしても、私は紅魔館の門番を辞めることを承諾したわけじゃないんですが」
「何を言う。おぬしなどあの館にいてもいなくても同じであろう」
「ええっ!?」

 よほど驚いたらしく、美鈴はのけぞった勢いで片足立ちになる。

「新参の我でも知っておるぞ。おぬしがあの館の門前に立ってやっていることといえば、昼寝と食事と太極拳。たまに妖精と戯れている一方で、毎度のごとく泥棒を招き入れる始末。ビニールハウスの内に立てられたカカシ並に無
用の長物ではないか」
「ひ、ひどい……」
「ひどいのはおぬしの扱われ方であろ。仙界合衆国におけるおぬしの役目はとてつもなく重要なものだぞ。国の象徴として、幻想郷をあまねく照らし、国民の心を明るくする存在となるのだ」
「え……そうなんですか?」

 美鈴の心が、大きくぐらつく。
 紅魔館に対する忠誠心に変わりはないものの、この勧誘もなかなかに魅力的だった。
 うまくいけば、日頃より自分を軽んじている様子の主人やメイド長を、見返してやれるかもしれない。

「その気があるのであれば、さっさと大統領の前に立たぬか」
「は、はい!」

 美鈴は大統領の前に、弾むような身のこなしで移動する。
 魂魄妖夢は咳払いした後、厳かに宣言した。





「紅美鈴。貴方を『自由の女神』に任命します」

 聴衆の間に、まばらな拍手が起こった。

「自由の女神の仕事は、大西洋の方角を向いて、ひたすらポーズを取り続けることです。頑張ってください」
「普段とやってること大して変わらないじゃないですかー!? って違います! 今のなし! 咲夜さんここに来てませんよね!?」

 ああやっぱり、と思う他の国民の前で、自ら掘った墓穴を必死で隠そうとする紅魔館の門番であった。
 
「あと、その赤い髪を金髪にして、服も変えてほしいとのことです。中華街については検討中だとか」
「べ、別に私は中華人民共和国とは関係ないですからね? 明時代の生まれですし!?」

 祖国にツンデレとは新しい。
 それはともかくとして、任命式はまだ始まったばかりだ。
 
「鈴仙・優曇華院・イナバ! ……長ったらしい名前だのぉ」

 布都の呟き声を、マイクは堂々と拾ってしまっていたが、呼ばれた当人以外は気にしていなかった。
 おでこに怒りマークをつけた兎の妖獣は、大統領の前に立ち、きっぱりと言う。

「言っておきますけど、私はただ呼ばれてきただけで、永遠亭を出るつもりなんてありません。どんな役職もお断りです」
 
 しおれた耳の形とは対照的な物言いだった。
 ……が、

「何を言う。おぬしなどあの屋敷にいてもいなくても同じであろう」
「なっ!?」

 よほど気に障ったらしく、鈴仙は気色ばみ、指を銃の形に構える。
 しかし国務長官の無遠慮な発言は、彼女の威勢を一刀両断する。

「新参の我でも知っておるぞ。おぬしがあの屋敷でやっていることといえば、廊下で迷子になったり、指示された薬棚の番号を間違えたり、部下の落とし穴にはまったりすることだろう。しかも、里に行商に出た際はおどおどとして挙動不審。首に籠をぶら下げたお遣い犬の方がよい働きをするであろう」
「そ、そこまで言う!?」
「怒るな。お主の境遇に同情しているのだ。仙界合衆国における役職は、おぬしの臆病な性格を変えるかもしれんぞ。
国における神秘の象徴であり、国民の関心が止むことなく、人によっては崇める者まで現れるかもしれんなぁ」
「え……本当に?」

 鈴仙の心がぐらつく。
 日頃から部下の兎達に軽んじられて、散々な目に遭っているが、そんな悩みからも解放されるのだろうか。
 働きぶりによっては、師匠も見直してくれるかも……。

「その気があるのであれば、さっさと大統領の前に立たぬか」
「え、ええ!」

 鈴仙は大統領の前に、そそくさと移動する。
 仲の良い知り合いを前にして、魂魄妖夢は気恥ずかしげに深呼吸した後、厳かに宣言した。




「鈴仙・優曇華院・イナバ。貴方を『グレイ』に任命します」

 聴衆の間に、まばらな拍手が起こった。

「グレイの仕事は、時々その類まれなるIQと好奇心で人体実験を行うことです。頑張ってください」
「師匠とやってること大して変わらないじゃないですかー!? って違います! 今のなし! お師匠様、ここに来てませんよね!?」

 うわぁそうなんだ、と思う他の国民の前で、自ら掘った墓穴を必死で隠そうとする永遠亭の兎であった。
 その後の任命式も、なかなか良い空気にならなかった。

「私ゃ人間を襲う側なはずなんだけどねぇ……」

 ビル街を守るヒーローに任命された黒谷ヤマメが、専用のマスクをかぶりながら呟く。

「ジェリーだよ私は。ジェリー。三木さんじゃない。黒服の連中に追い回されるのだけはごめんだ」

 カートゥーン代表のナズーリンが、資料となる漫画を手渡されながら呟く。

 さらにこの日、ミスティア・ローレライが、ロックの神様となった。
 大統領が黒と言ったら、エレキギターをかき鳴らしながら「白!」とシャウトする役目だった。
 そして、冬妖怪にマシュマロマンの役職が言い渡された時は、確実に気温が氷点下まで下がった。

 ようやく、式の締めくくりである、国歌斉唱の時間がやってきた頃には、「国民」の間に十分不満が溜まっており、暴動が起きるその瞬間が迫っていた。

「それでは、国家の斉唱となります。本日斉唱していただくのは、秘境のマーメイドこと、わかさぎ姫さんです。皆さんは手元の歌詞カードを見ながら、彼女の声と演奏の音に合わせて歌ってください」

 大統領より、アバウトな指示がなされる。

「ちなみに本日の楽隊は、騒霊と付喪神の皆さんです。アドリブでジャズっぽく演奏してくれるらしいです」

 見切り発進もここに極まれり、である。
 ヴァイオリン、トランペット、キーボード。そして琵琶と琴と和太鼓。
 急遽セッションを組んだ彼女達はだいぶ乗り気らしいが、一体どんな音楽が生まれることやら。

「それでは、歌に合わせて国旗を掲揚いたします。国の平安と発展を願い、『希望をこめた』デザインとなっています。国民の皆さん、あちらをご覧ください」

 大統領が示す方向に、いつの間にか、立てた長いポールが用意されていた。
 その瞬間、暴動を起こす機会をうかがっていた国民の間に、何か猛烈な嫌な予感が走り抜けた。

「では演奏を始めてください!」




『星条旗(仙界合衆国国歌)』


1.

おお、見えるだろうか、
夜明けの薄明かりの中
我々は誇り高く声高に叫ぶ
危難の中、城壁の上に
雄々しくひるがえる
太き縞に輝く太子のご尊顔を我々は目にした

弾幕が赤く光を放ち宙で炸裂する中
我等の旗は夜通し翻っていた
ああ、希望の面はまだたなびいているか?
自由の地 勇者の故郷の上に




 歌詞に合わせて、国旗が昇っていく。
 星条旗の中心に描かれていたのは……筆舌に尽くし難い代物だった。
 のっぺりと、そう、のっぺりとしか表現することのできないアホ面。
 厳粛な雰囲気の中で、笑いをこらえるのは拷問に等しい。そしてその拷問に耐えられた国民は……大統領も含めて、一人もいなかった。

 爆笑の渦の中、旗を夜なべして作った超統領だけが、ぽかーんとしていた。
 その顔は、どことなく旗に描かれた表情に似ていなくもなかった。




 $$$




 任命式の行われた庭で、晩餐会が開かれることとなった。
 パーティー会場は立食形式。料理の主役は、蘇我屠自古が調理した、飛鳥風ピザだ。醍醐――すなわち古代のチーズが使われているのが特徴である。
 また、冬妖怪が率先して焼いてくれるバーベキューも好評だった。

「寒気で火の温度を調節すれば、低温でじっくり焼き上げることができるのよ~」
「レティクール」

 自由に食べ歩きができるという、オープンな雰囲気も良かったのかもしれない。
 無理やり集められたはずの「国民」は、先程の騒乱が嘘のように、和気藹々とした空気で語り合っていた。
 騒霊と付喪神によって結成された楽隊の音楽も、ムード作りに一役買っていた。

 そんな光景を、一同から離れた場所に立ち、ジッと冷静な目で眺めるネズミが一人。
 彼女の側にふよふよと、青娥が近付いていき、

「もう一切れピザはいかがですか?」
「……まったく食えないね。いや、チーズは好きさ。君達の仕える主人のことだ」

 さくり、ともらったピザを一口食べながら、ナズーリンは遠くで国民の輪に加わっている神子に視線を注ぐ。

「敵勢力であるはずの私までここに招いて、何を始めるかと思えば国造りときた。本気なのか戯れなのか……全く計ることができない」
「貴方はそれを探るために、物部様の誘いに乗ったのではないですか?」

 正解だった。
 実はナズーリンは場合によっては、神子が築くという国家を転覆させる、テロリストとなるつもりで来ていたのだった。もっともそれは、命蓮寺の方針とは関係のない、彼女自身の判断による試みだったのだが。
 そして実際に会合に参加してみて、これは単なる座興で終わり、自分が手を下すまでもなく破綻するであろうと、陰で一笑に付していた。
 しかし、

「こうして改めて眺めてみると……戦慄を覚えるよ」

 誰もかれも、各一派のリーダークラスとまではいかないものの、粒ぞろいの人材といっていい。
 そして、彼女達は昨日まで全く繋がりのなかった者も多いというのに、気付かぬうちに仲良くされてしまっている。

 それを可能にしたのは疑いなく……神子の能力だ。彼女は集まった者達の欲を聞き、それを導く技に長けている。
 もしその力をより積極的に使えば、人々の心を掌握し、欲を通じて勢力を拡大することも容易いかもしれない。
 いや、あるいは人々の価値観そのものまで支配することもできるのではないか?
 
 そうなったとき、この幻想郷において、抗うことの難しい恐るべきパワーが誕生することだろう。
 今のところ平和な集いとはいえ、今後も注意深く監視しなくてはいけない対象に違いなかった。

 ……それにしても、この飛鳥風ピザときたら。

「いいお味でしょう」
「聖がチーズを肉類に分類していれば、私もどうなっていたか危ういね……」

 自身の食欲と算出したカロリーの数値を天秤にかけながら、小さな賢将は悩ましげに呻いた。

「大統領ー! なんか一発芸やってよー!」
「ヒューヒュー!」 
「大統領は宴会部長じゃありません! 聞いてるんですか皆さん!?」

 燕尾服の妖夢がマイクを渡されて慌てている。
 その横で国務長官の布都が、皿回しを披露していた。
 愉快そうに過ごす国民を前にして、神子は満足げな笑みを漏らし、傍らにいる亡霊の肩を叩く。

「ありがとう屠自古。君のおかげで建国は大成功ですよ」
「……離婚だとか言ってたくせに」
「さしあたって、次の目標は映画撮影ですかね。彼女達がキャストなら、とても彩り豊かな作品ができそうです」
「……離婚だとか言ってたくせに」
「…………………………」
「……離婚だとか……」
「Hey,come on tojiko ! Stop pouting ! I know you are the best cook and my sweet heart. It's true !(も~屠自古ってば。ふくれるのはよしなさい。貴方が最高の料理人で、愛しの君だってことはわかってますよ。本当ですって)」
「弁解するなら英語じゃなくて日本語で言え!」

 昼間のお返しとばかりに、パイよりも破壊力のある、熱々のピザが顔に叩きつけられる。
 衆人環視にさらされながら、顔面を押さえて大地を転がる超統領は思った。

(そういえば、遣米使に出した芳香は無事に務めを果たしてくれたのでしょうか)

 と。


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 外界の某国にある街。某映画産業の中心とされる区画、そのスタジオにて。
 ホラー映画の巨匠として知られる、さる人物は、頬を紅潮させて唸っていた。

「素晴らしい……! 何度見ても彼女の演技は完璧だ! あの生気のない表情の中に潜む、底知れない笑み。不安定な動作。まさにゾンビを演じるために生まれてきたような逸材だ!」
「いやでも監督、さすがにリアルすぎませんかね。ノーメイクでアレってちょっと異常ですよ」
「バカもん! どんな危ない撮影も淡々とこなす彼女のプロ根性がわからんのか! 腐りかけた吊り橋を前にしても、刃引きしてない斧を前にしても、眉ひとつ動かさずに撮影をこなしたんだぞ!? 飛び交う弾丸も、燃え盛る屋敷も、彼女の氷の微笑を揺るがすことはできなかった。おそらく下着一丁になっても恥じらうことのない役者の鑑だ!」
「確かに、いい子だとは思いますけどねぇ。スポンサーから届いたあの死ぬほど不味いブリトーの山も、笑顔で食べてましたし。ヒロイン役に呼んだ売れっ子は、同じものを食べて、まだ病院のベッドでお粥生活ですけど」
「よーし! 撮影期間を一ヶ月伸ばすぞ! いや二ヶ月だ! 脚本も一から練り直しだ! 何、あのクソったれのプロデューサーが何と言おうと構うものか! メガヒットの予感だ! タイトルは『チャイニーズ・ゾンビ・ストーリー』! 来いヨシカ! 君の演技でこの国をひっくり返してみせようじゃないか!」
「MA-KA-SE-RO-(お任せください)」


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 2014年。幻想郷にて初めて撮られた映画が火付けとなり、アメリカ文化が一時的なブームとなって、コーラやポップコーン等、その一部が根付くことになった。
 一方、外界では、そのミステリアスな造作と体を張った演技で一躍スターとなったヒロインが、彼の国にまたもやゾンビブームを巻き起こすこととなったのであった。

 
 
 御読了ありがとうございました。
 容量と構成の関係上、芳香ちゃんのハリウッド女優としての生活を書けなかったのは残念です。
木葉梟
http://yabu9.blog67.fc2.com/
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コメント



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1.10リペヤー削除
みこさまwwwwノリノリすぎですww
ピザがおいしそうでGJでした。
そして芳香がハリウッド女優……すごすぎるw
2.6アメリカ探索者削除
アメリカ文化を幻想郷に持ち込もうとする、神子さんの奮闘ぶり。
ぶっとんでいますが、それはそれで、ありなのかもしれません。
早苗さんが、余計な事言わなければ、こんな展開には。
3.7名無し削除
タイトルといい、畳みかけるような怒涛のギャグといい、笑わせてもらいました。この屠自古は嫁に欲しい。
4.8削除
ストレートにおもしろかったです
5.7烏口泣鳴削除
突き抜けていく神子と布都が面白かった。それにタイトルも目を引いた。
やっぱり神子は異文化を取り入れるのが好きなのでしょうか。
6.4エーリング削除
文章から伝わってくるテンションの高さ大好きですよ!かけあいもテンポよく面白かったです。
7.10がま口削除
さくっと読めて内容がすっと通る! この安定感抜群の面白さ、バッチグーです。
外界と隔絶されているはずの幻想郷で、よくぞここまでアメリカにかぶれた神子様に脱帽です。
もとのアメリカも言わば歴史上では新参国家の様なもので、同じく新参者で好き勝手しちゃう神子様と親和性がありまくりでした。
他にもコミカルでビビットなキャラクター&懊・悩! がツボです。文句なしの満点です。
8.5みすゞ【5点満点】削除
太子様うぜえ(笑) ギャグがツボにはまって最後まで楽しく読むことができました。あえて難癖つけるならオチが弱いかなあとも思いますが、このままでも十分好きです。
9.8名前が無い程度の能力削除
コメディのようで真面目なところもあったり、でも結局コメディだったり。屠自古さんマジ良妻。
10.6百円玉削除
ほとんどタイトルでオチている気がしましたが、読んで面白くて、得した気分。アメリカナイズされた神子が元気そうでなにより。 
意外と布都ちゃんが有能で、それが一番笑えましたw
芳香ちゃんの活躍はまた別の機会でもいいのよ?
11.6矮鶏花削除
ジョージ・A・ロメロも・A・と目を丸くするようなハイテンションで楽しめました。
12.7みく削除
エンターテイメント小説としてきれいにまとまっていて、読みやすく面白かったです。
13.6あらつき削除
ズバリ面白かった。
オチが弱いかなー。芳香はかわいい。ただ、神子もしっかりオチをつけて欲しかった。
14.8deso削除
ツッコミが追いつかないw
メチャクチャ笑いました。どうもありがとうございますw
15.9ナルスフ削除
これはひどい(褒め言葉)
冒頭のカリスマたっぷりからの、この残念全開っぷり。
強引なまでの建国に、美鈴と鈴仙の美しき天丼。
堂々たる希望の面。何気に残念なだけじゃなかった神子様。
そして忘れた頃にノーメイクでスターの座を駆け上がる芳香ちゃん。
こいつは・・・ロックだぜ・・・。
終始にやにやしながら読ませていただきました。ごちそうさま。
16.8文鎮削除
太子様の世界とアメリカ、言われてみれば似ている、かな?
わりとアメリカの文化は幻想郷に馴染む気がするんですよ。個を受け入れてくれるところなんか特に。
良妻賢母な屠自古とアメリカン太子様って良いカップルだと思います。
あと、芳香ちゃんのハリウッド生活がすごく気になりました。
17.9あめの削除
あのね、これ最初の部分読んで、すごく真面目な話なのかと思ったんですよ。
おお、この太子は真面目でカリスマがあるな、って。神子好きの私はこれからどんな話を展開してくれるんだろう、ってもうかなり期待していたわけなのですよ。

それがね、……蓋を開けたらこれだよ!

最初のカリスマある太子はどこへ行ったの!? すっかりアメリカナイズされちゃってるじゃないですか! 何があった何があった!
その後の展開も何かすごいはちゃめちゃで、どうしてこうなった状態ですよ。

でもアメリカについての色々な情報がネタとしてちりばめられていて、すごくテンポが良かったです。
毎日のように弾幕が飛び交っているというあってるようで間違った認識や、憲法第二条の三宝に石油が入っていたりと、結構笑いのつぼに入りました。
どうしようもない太子だったけれど、コーラの蓋を開けてあわあわしちゃったり、爆笑の渦の中で一人ぽかーんとしていたりする姿は、可愛いものです。後は離婚と言われたことを根に持っちゃう屠自古も可愛い。
そんなわけで大満足な作品でした。
18.9めるめるめるめ削除
冒頭の早苗さんの台詞でえらく強引にねじ込んできたなと思っていたら、その後の展開はそれどころじゃなかったですね。
こういう暴走は大好物です。
19.8ito削除
おもしろかった!
まずタイトルが素晴らしい。目を引くし、印象に残る。
冒頭の神子の真面目な演説から、次の場面のギャップ! 
いかにもな俗っぽいアメリカかぶれの神子! とてもうざい! うざ可愛い! 
ダーツを外すシーンなんてたまらないです。
「アメリカ」のお題から連想されるものをこれでもかと言わんばかりにつめこんで、それが自然に見えるのもすごい。
詰め込まれたネタがジェットコースターのようなスピードで捌かれて、しかも読みやすかった。
ネタの中でも「遣米師」がすごくお気に入り。
ハイウェイを疾走する自動車が、ガードレールを突き破って飛んでいくみたいな展開で終わるのかな、と思いながら読んでいたのですが、
最後にナズーリンを通して、神子がかっこよく描かれたのが意外でおもしろかったです。
なるほど、そうやって神子の能力も描くのですね。いやはや。
20.4がいすと削除
なんでだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんでそのあとがきの方をメインにしなかったよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
愛と怒りと悲しみのデザイアドライブソオオオオオォォォォォォォオオオオオド!!!!!!!!!!
麺!麺!麺ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(発狂
21.7右の人('A` )削除
超統領、フリーダム過ぎます。
そして、合衆国被害者の方々の律儀さとその反応がまた良かったです。
……離婚だとか言ってたくせに。
22.4白衣削除
とりあえず太子様は、あれです。Maybe we should hospitalize you.
23.10名前無し削除
取り急ぎ、点数のみで失礼します。
24.8K.M削除
なんというカオス……でもみんな幸せそうだしこれでいいのか。ハリウッド女優ヨシカに腹筋よじれるかと思った。