第十三回東方SSこんぺ(アメリカ)

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2014/03/09 23:54:25
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 頭で思考した事には誤りがあっても、実際に得た感覚には誤りがない。
 そんなインディアンの言葉を思い出した。
 うろ覚えで、何処で聞いたのか分からず、本当にそれがインディアンの言葉だったのかもよくよく考えてみると定かでは無い。あやふやな記憶は嘘かもしれず、頭というのは確かに酷く曖昧だ。しかし今のこの苦しみは正に真実である。
 コーラと醤油を飲み間違えた。
 あり得ないとみんなは笑うだろう。
 けれど確かにあったのだ。
 何故それを間違えてしまったのか。飲み間違えた私自身あり得ないと思う。二つは全く違うものなんだから。共通点は色が黒いという事と冷蔵庫に入っていたという事だけ。ペットボトルの容器は形が違うし、醤油は泡を立てないし、匂いも全く違うのに、それをコーラだと信じきった頭に騙されて私は醤油を一気飲みした。
 やっぱり頭は信用出来ない。
 一方で感覚は真実を訴えている。
 これはコーラじゃない。醤油だと。
 頭は最後までその間違いに気が付かなかったが、感覚は飲んだ瞬間、味覚の異常と凄まじい咳で正解を教えてくれた。
 酷い勢いで咳き込みながら、私はインディアンの言葉を反芻していた。
 頭で思考した事には誤りがあっても、実際に得た感覚には誤りがない。
 正しくその通り。
 インディアンは偉大だ。
 苦しさ紛れにそんな事を考えていると、突然インターホンが鳴った。
「ごめんください」
 野太い声も合わせて聞こえてくる。
 誰だろう。
 全く聞き覚えの無い声だった。
 神奈子様か諏訪子様に用のあるお客様だろうか。
 厳しい妖怪を想像しつつ、息を整えてから、はーいと返事をして、玄関に出ると、黒いスーツを来た二人組が深深と頭を下げて手に持った箱を突き出してきた。
「今日から妖怪の山に引っ越してきました。これはつまらない物ですが」
 差し出されたのは饅頭とタオルで、それぞれ日に焼けたよりも真っ黒な手と血管が浮き出る程真っ白な手が捧げている。あまりにも埒外の光景に一瞬忘我した。はあどうもとだけ言ってそれを受け取ると、二人が顔をあげる。彫りが深くいかつい顔で何だか威圧感があった。見た目はただの外国人だが、気配からすると人間では無さそうだ。何となく悪い方方ではなさそうだ。
「中央情報局の方から来ました。まだ日本は不慣れでご迷惑をお掛けすると思いますが、何卒ご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします」
 実に流暢な日本語だった。
 握手を求めてきたのでそれに応じる。何の妖怪だろう。二人の黒いスーツを見ている内にはっと頭に思い浮かんだのは、幻想郷の外で昔見た映画だった。
「メン・イン・ブラック?」
 私の呟きに合わせて二人が親指を立てた。どうやら当たっていたらしい。
 黒尽くめの男達とは、UFO、特に異星人の乗り物を見た者の下に現れ警告と妨害を行うという、都市伝説の一つだ。幻想郷入りしていたとは知らなかった。
 自分とは明らかに人種の違う二人を前にして、妖怪の山にも国際化の波はどんどん押し寄せてるんだなぁと無意味に感慨深く思いながら、私は二人に笑みを向けた。
「分かりました。私は東風谷早苗。この神社の巫女をしております。この妖怪の山で妖怪達の尊敬を集める八坂神奈子様と洩矢諏訪子様に仕える者です。何か分からない事がありましたら何なりとご相談下さい!」
 二人はお礼を言いながら握手を求めてきて、応じるとお辞儀までして感謝の意を述べてきた。異邦の者とはいえ、しっかりと郷に従う気持ちがあるのなら、問題は無いだろう。胸のすく思いがした。
「それではこれからよろしくお願いいたします」
「はい、よろしくお願いします」
 三人でお辞儀をしあってから、メン・イン・ブラックの二人が踵を返す。
 かと思うと、突然二人が振り返って鋭い視線を向けてきた。
「そう言えば、東風谷さん、あなたは宇宙人の乗り物、UFOを見かけたとか」
「え? どうしていきなり。そんなの見た事無いですけど」
 私は否定したが、二人は鋭い視線を止めない。
 見透かす様な目付きだった。
 身に覚えが無いのに何だか自分が悪い事をしている気がして胸が苦しくなって呼吸が荒くなる。思わず胸を押さえると、突然二人の頬が緩んだ。
「冗談ですよ。私達、メン・イン・ブラックなので一応それらしい事を言っておこうかと」
 どうやらメン・イン・ブラック流の冗談だったらしい。
 安堵の息と共に苦笑が漏れ出る。
「冗談は止めて下さいよ」
「ええ、すみませんでした」
 二人はそれじゃあと言って歩き出した。
 だが途中で立ち止まると背を向けたまま呟く様に尋ねてきた。
「早苗さん、本当に見た事が無いんですか?」
「ええ、本当ですよ」
 幾ら冗談でもしつこいなぁと思っていると、二人は更に念を押す様に尋ねてきた。
「本当に?」
 本当です、と怒鳴りそうになって、ふと言葉が出なくなった。
 見た事があった。以前命蓮寺が幻想郷にやって来た時、確かにUFOを見た。けれど正確には見たと勘違いをしていただけで、UFOはUFOだけどあれは宇宙人の乗り物では無かった。
「それでは」
 はっとして沈み込んでいた思考から浮き上がり顔をあげると、メン・イン・ブラックの二人は今度こそ立ち止まらずに行ってしまった。
 何故だか心臓の鼓動が速くなった。
 玄関を閉め、居間に戻ってもまだ心臓が強く鼓動している。
 本物のUFOを見た訳じゃない。あれは勘違いだった。
 そう自分に言い聞かせているのに、不安な思いは拭えない。
 勘違いだったとしても、もしも私がUFOを見たとあの二人が見做したら。
 メン・イン・ブラックの都市伝説を思い出す。UFOを見た者の下に現れ警告と妨害を行う。中には消息を立った者も居るらしい。
 私もそうなってしまうのだろうか。最後のメン・イン・ブラックの何度も念を押して確認してきた素振りを見ると、冗談事に思えない。明らかに私がUFOを見た事を見透かしている様な態度だった。ではどうして何もせずに帰っていったのか。
 見逃してくれた等と楽観しない方が良いだろう。怪談物の常識では安堵した時が一番危ないのだ。何か見落としている気がする。例えば私が彼等の立場だったらどうするだろう。幻想郷に来て私と出会い、UFOを見た事があると分かったら。すぐに連れ去るだろうか。
 そうか。お二人が居るんだ。最初彼等に挨拶をした時に私ははっきりと言った。この山で尊敬を集める八坂神奈子様と洩矢諏訪子様に仕える者だと。彼等はこの山で誰が偉いのかを知っている。そうでなければ多くの妖怪が居る中でわざわざこの神社に挨拶なんか来ない。私がお二方に仕える巫女だから手出しが出来なかったのではないだろうか。
 いや、それも楽観的だ。もしそうでなかったら取り返しのつかない事になるかもしれない。他にどんな理由があるだろう。
 貰い物のお饅頭を冷蔵庫に入れている内にその可能性に思い当たった。もしかしたら見逃されたのではなく、後回しにされたんじゃないだろうか。もしも私をどうにかすれば、それはすぐに神奈子様と諏訪子様が知る事になる。メン・イン・ブラックの二人は妖怪の山どころか幻想郷に居られなくなるだろう。あるいは幻想郷に居られなくなってもUFOの目撃者を始末出来ればメン・イン・ブラックはそれで良いのかもしれない。それでも今回は、私だけじゃない。他にもUFOを見た者が居る。例えば霧雨魔理沙。例えば博麗霊夢。特に魔理沙なんて一人で住んでいるから居なくなっても何日かは気付かれないかもしれない。その間に他の目撃者を順繰りに消していって、そうして最後に私を。
 もしもそうであるなら大変な事だ。二人の様子を見に行くべきだろう。その結果間違いであれば良いけれど。
 あれこれと考えをまとめていると、鼻先にひんやりとした空気を感じて顔を上げた。冷蔵庫を開けっ放しにしていた所為で、冷気がずっと漏れ出ていた。いけないと思って扉を閉めようとして、冷蔵庫に入ったコーラが目に映った。
 嫌な気配を覚えて思わず振り返るが誰も居ない。ただ妙に辺りが冷え冷えとしていた。もう一度コーラに目を戻す。何の変哲も無い飲みかけのコーラが入ったペットボトル。表面にはラベルが巻かれていてそれがコーラである事をはっきりと示している。私はさっきこれと醤油のペットボトルを間違えた。普通に考えればあり得ない事だ。
 そうあり得ない事なのだ。それを間違えてしまったという事は普通ではない。何らかの作為が働いていたとしたら。思い浮かぶのはやはりメン・イン・ブラックだ。例えば人に気が付かれずに暗躍するメン・イン・ブラックならそれが出来るのでないだろうか。では何故二人はそんな悪戯をしたのだろう。しばらくその理由を考えて背筋に鉛が捩じ込まれた様な心地がした。醤油であればただの悪戯だがそれが毒薬だったとしたら私は死んでいた。もしかしたらメン・イン・ブラックはそれが出来る事を示したかったんじゃないだろうか。
 彼等はいつだって私を始末出来る。それでもしなかったのはやはり守矢神社に二柱が居るからだとすれば、その加護の無い他の目撃者の身が危ない。
 私は冷蔵庫を思いっきり閉めると急いで外へ飛び出した。
 日は高いが木枯らしが吹いていて身を切る様な寒さだった。凍える様な冷たさが、あのメン・イン・ブラックの象徴である黒服を連想させた。辺りを見回してもメン・イン・ブラックの姿は無いが、落葉樹の痛痛しく枯れた姿が何だか少しばかり不気味で、今にもその影から黒服を纏った不気味な男達が現れる様な気がした。
 山を降りて魔理沙の家に辿り着くと魔理沙は家の前で掃き掃除をしていた。声を掛けるといつもの様に元気な笑顔を見せてくれた。何か変な事は無いかと尋ねてみても何の事を言っているのか分からないといった様子だった。
「また何か異変か?」
 期待する様な眼差しを向けてくる。メン・イン・ブラックの事を説明してみたが、魔理沙は恐怖を覚えるどころか益益興味をもった様子だった。とにかく気を付ける様に言ったが魔理沙の眼の輝きを見ると、メン・イン・ブラックが来たら喜んで扉を開けるだろう。後でもう一度説明をしに来る必要がある。
 一先ず魔理沙が無事な事だけ確認して、今度は博麗神社に向かった。空を飛んでいるととんでもない寒さなので歩いて行こうか迷っていると、丁度おんぼろの自動車が通ったので途中まで乗せてもらう事にした。手を上げたら止まってくれたので乗り込んでみると、運転席に座る髪の長い女性は何も言わずに車を発進させた。とりあえず向かう先は博麗神社の方角なので問題無いのだが、幾ら話しかけても女性が一言も口をきかないのでやけに不気味だった。どんな顔をしているのかも分からない。俯き加減に運転しているので長い黒髪で顔が見えなかった。
 どうにも会話が成り立たないので遂には諦めて黙っていると、次第に眠気がやって来た。失礼なので何とか耐えようとしたが、耐え切れずにうつらうつらとし始めるのが自分でも良く分かった。あぜ道の段差で激しく揺れると眠りから引き上げられるものの、そうかと思うとまた舟を漕ぐ。
 しばらく眠気と戦っていると不意に大きな音と衝撃が起こった。はっとして顔を上げる。どうやら急ブレーキを掛けたらしい。どうしたのだろうと思って、隣の運転席を見ると女性の姿が消えていた。女性の座っていたシートには水が溜まっていてそれが下へ水滴となって垂れていた。車を降りて辺りを見回しても女性の姿は何処にも無い。不思議に思ったが車の止まったのは博麗神社の前で、着いた事は着いたので、片付かない気持ちが尾を引きつつも私は階段を上って博麗神社へと向かった。
 霊夢は縁側でお茶を飲んでいて、その表情から察するにまだメン・イン・ブラックの妨害は受けていない様子だった。声を掛けると眠そうな声が返ってくる。
 何の用だと聞かれたので、私は率直にメン・イン・ブラックの事を話した。きっと魔理沙の時と同じ様に疑問符を浮かべるだろうと思ったら、予想に反して霊夢はメン・イン・ブラックの事を知っていた。
「今日の朝、紫が連れてきたのよ。アメリカから来た妖怪達を」
「何か変な事聞かれなかった?」
「変な事? 別に」
「UFOを見たかとか」
「ああ、それは聞かれたわよ。だってあいつ等そういう妖怪なんでしょ?」
 ぞっとした。もう霊夢にまで手が回っていたなんて。
 だが無事だという事は霊夢はUFOを見なかったと答えたのだろうか。
「見たって答えたわよ。ほら前に命蓮寺が来た時、あれまんまUFOじゃない。あんたも見たでしょ? あの黒服達、珍しがって色色聞いてきた」
 嫌な汗が背に滲んだ。
「まさか私や魔理沙も一緒にそれを見たって言っちゃったんじゃ」
「言ったわよ。見たでしょ?」
 霊夢の無神経な言葉に怒りが一気に吹き出てきた。
「馬鹿じゃないの! 狙われちゃうじゃん!」
「え、何が?」
「あいつ等はUFOの目撃者を消し去る妖怪なの! それなのに見たなんて言ったら、私達何されるか」
「いや、でも私何もされてないし」
 確かに霊夢は如何にも元気そうに見える。どうしてメン・イン・ブラックは霊夢に手を出さなかったのだろう。霊夢が強いからだろうか。
 いや、もしかしたら。
「ねえ、メン・イン・ブラックが居た時八雲紫はずっと一緒に居た?」
「居たけど」
 ならばそういう事だ。私が神奈子様や諏訪子様の庇護を受けているのと同じ様に、霊夢の傍に八雲紫という存在が居たから手を出せなかった。逆に言えば、一人っきりになった霊夢はメン・イン・ブラックに襲われる可能性がある。
「霊夢、お願いだから気をつけて。戸締まりとかしっかりして、メン・イン・ブラックが来ても絶対に出ない様にして。何かあったら八雲紫の助けを呼んで」
「ちょっとちょっと、急にどうした訳? だから私何もされなかったって」
「それは多分八雲紫が一緒に居たから」
 私が必死で霊夢の身を気遣っているのに、霊夢は気の無い様子で違うと思うけどなぁと言いながら頭を掻いた。
「私が間違っているならそれで良い。でも気を付けるに越した事は無いでしょ? とりあえず今だけでも」
「あのさ、ここは幻想郷よ?」
「急に何?」
「幻想郷じゃ妖怪は元の妖怪のままじゃ居られない。それはきっとアメリカから来たあいつ等も理解している。それを理解した者達だからこそ、紫はあいつ等を幻想郷に入れたんじゃないの? 信じてあげなさいよ」
「八雲紫なんて怪しい妖怪の最もたる例じゃない」
 霊夢があーと呻いて空を見上げる。
「紫の名前を出したのは間違いだったわね」
 それから霊夢は肩を竦めて言った。
「分かった。戸締まりはする。黒服が来ても出ない。もしも押し入ってきたら助けを呼ぶ。これで良い?」
「そうしてくれるなら」
 それで良い。けれど霊夢の納得していない態度が気になった。
「本当に気を付けてよ?」
「分かってるって」
 釈然としないながらも、博麗神社を後にしようと踵を返した時、背中から霊夢が憂う様に言った。
「別に妖怪と人間が分かり合う必要なんてまるで無いと思うけど。っていうか、人と人だって本当に分かり合うなんて出来無いんだし。心なんて読めないんだから。でもさ、困ってる様に見えたならそれを救ってあげるべきなんじゃないの?」
 意味が分からず振り返ると、霊夢は悲しそうな顔をしていた。
「多分、あんたはこの幻想郷に来たから忘れていると思うけど、きっと外の世界は妖怪にとって住みにくい世界で、外の世界じゃ妖怪はとても弱弱しい存在なんじゃないかと思うの。そんだけ。分かってあげろとは言わないけどさ」
 私が霊夢の言葉に混乱している内に、霊夢は神社の中に入ってしまった。
 取り残された私はしばらく霊夢の言った言葉の意味を考えていたが結局分からず終いで、木枯らしの中立っている訳にもいかず、私はすっきりしないまま家に帰る事にした。
 空はもう日が暮れていて夜の寒さが少しずつ染み出してきていた。急いで帰る為に空を飛んでいると物凄く寒い。身を震わせながら空を飛んでいる途中、魔理沙の様子を再度見に行こうと思い立った。そこまで寄り道という訳でも無い。少しだけ飛ぶ方向を変えて魔理沙の家に行った。
 魔理沙の家の玄関をノックして何度か声を掛けてみたが、魔理沙から返答が無かった。どうしたのだろうと訝しんで試しにノブを回すとあっさりと開く。不用心な事に鍵は掛けられていなかった。中を覗いて声を掛けてみたがやはり返答は無い。何かしている様な気配も無い。
 突然に心を急かされて、悪いと思いつつも勝手に上がり込んだ。魔理沙が居ないかどうか探しつつ居間に入ると、テーブルに、お昼ごはんだろうか、食事が並んでいた。山盛りのサラダにミートソースのパスタ、ポタージュスープ、魔理沙らしい簡便な食事だった。湯気は無く、器に触れるとすっかりと冷め切っていた。スプーンの突っ込まれたスープは少し嵩の減った跡があった。椅子の傍の床に魔導書が落ちていて、まるで食事をしていた魔理沙が唐突に消えてしまったかの様だった。
 まさか。
 あれだけ注意をしたのにまさか本当に。
 慌てて魔理沙を探して家中を走り回ったが何処にも魔理沙の姿が無い。
 まさか本当に魔理沙はメン・イン・ブラックに連れ去られてしまったのか。
 そうだとしか思えなかった。
 どうすれば良いのか考えるが、自分一人ではどうする事も出来そうにない。神奈子様と諏訪子様に助けを求めるしか無いと考えて、私は急いで守矢神社へ戻った。
 ところが神社に戻っても、神奈子様と諏訪子様の姿が見えなかった。まだ帰ってきていないらしい。戻ってくるのを待つしか無い。座っている事すら落ち着かなくて、居間を歩き回っていると、神奈子様と諏訪子様が帰ってきた。ただいまという声が聞こた瞬間、私は急いで玄関へと駆け、そこで息が詰まる程驚いた。
 玄関には神奈子様と諏訪子様とそれからメン・イン・ブラックの二人とあろうことか魔理沙が立っていた。
「ああ、早苗。この二人は今日からこの山に来た妖怪らしくてね。歓迎したいから宴を整えてくれるかな?」
 神奈子様が笑みを浮かべて二人を紹介してきた。紹介された二人は先程既に挨拶を済ませたばかりだとおどけた仕草で神奈子様へ伝える。それを聞いた神奈子様が驚いた顔をして、どうしてか私の目の前で五人して笑い声を上げ始めた。
 呆然としている内に、いつの間にか魔理沙を除いた四人は履物を脱いで奥へ上がっていた。魔理沙だけは玄関には上がらずに、また明日なと言って去って行こうとする。
「ちょっと待って、魔理沙!」
 私が慌てて掴まえると魔理沙は驚いた顔で振り返った。
「何だよ、急に」
「どういう事? 何で魔理沙、あの二人と一緒に居たの?」
「え? 何でって、何か家の近くを神奈子と諏訪子の二人が歩いてたからさ、どうしたのかなと思って声を掛けたら明日の準備があるって言うから手伝ってたら、あのメン・イン・ブラックの二人が来て、それから、まあそんだけだな、それで今帰ってきたところ」
「何で! あの二人には注意してって言ったじゃん!」
「いや、何でって言われても向こうから合流してきたし。それに何もされなかったぜ」
「それはきっと神奈子様と諏訪子様が一緒に居たからで」
「ならこれからも大丈夫だろ」
「でも神奈子様達の居ない時を狙って」
「下手な事したら幻想郷で暮らせなくなるんだからそんな事しないって」
 そうして魔理沙は慌てて顔を上げて箒に飛び乗った。
「悪いけどもう夕飯の時間だから帰るぜ。今日は咲夜と約束があるんだ」
「待って、魔理沙! 本当に気を付けて!」
「大丈夫だって。良く分かんないけど、お前誤解してるよ」
「誤解でも何でも、とにかく疑いが晴れるまで」
「疑いは晴れるよ、明日きっと。お互い話しあえばさ。じゃあな、また明日!」
 私が尚も止めようとすると、魔理沙はそれを振りきって飛び去ってしまった。魔理沙は大丈夫だろうか。不安な思いばかりが残る。しきりに明日明日と言っていたが、一体明日何があるというのだろう。まさか既に洗脳されていて、明日メン・イン・ブラック達が行う何か恐ろしい事を予言してみせたなんて事は無いと思うけど。
 頭の中が片付かないまま家に戻ると、神奈子様が玄関に立って私の事を睨んでいた。
「ちょっと、準備してくれって言っただろ?」
「あ、すみません」
 慌てて台所に行こうとして、その足が止まる。背中を向けた神奈子様に思わず手を伸ばしそうになった。私の心の内に落ち込んだ不安の種を話して、今すぐにでもメン・イン・ブラックの二人を追い出して貰える様に頼もうとした。
 けれど言えなかった。
 自分の不安は霊夢や魔理沙からの反応で分かる様に、他から見れば妄言にしか見えない事は分かっている。メン・イン・ブラックの二人はただ挨拶をしに来ただけで他には何もしていない。それを不安に思うのは偏にメン・イン・ブラックの二人が妖怪だからだ。UFOを見たものの下に現れて嫌がらせをするという妖怪だから、UFOを見た私は二人を恐れている。
 その論理を以って二人を追い出す事をこの山は絶対に許さない。妖怪が妖怪であるという理由だけで追い出す事は、即ち妖怪達の暮らすこの山の根底をそのまま否定する事に他ならない。この山でそんな人間の論理を許容する者は居ない。
 神奈子様と諏訪子様なら私を信じて、メン・イン・ブラックの二人を追い払ってくれるかもしれない。けれどそれをしてしまえば、守矢神社とこの山の関係が壊れてしまう。折角集めた信仰が失われてしまう。それだけは避けなければならない。
 あれこれと考えている内に結局お二人に相談出来ないまま宴が始まった。突然の事だったので夕飯にお酒を加えた程度のささやかなものであったが、アメリカから来たというメン・イン・ブラックの二人は、供した料理の一つ一つを物珍しげに食べながら一一大袈裟に喜んでいる。
 お酒が回ると会話も弾み、メン・イン・ブラックの生い立ちが話の話題に上った。
 どうやらアメリカのメン・イン・ブラックはほとんど絶滅してしまったらしい。絶滅というより、駆逐されたといった方が正しいかもしれない。かつて放映されたメン・イン・ブラックを題材にした有名な映画によって、宇宙人と人間の間を仲立ちする正義のヒーローとして書かれた結果、人人の印象が上書きされて、今回幻想郷にやってきた様な、UFOに関わった者の下に現れて処理を行う不気味な存在は人人の心の中から消え失せてしまったそうだ。
 信仰は恐れ。恐れを失えば超常の存在は人間社会に存在出来なくなる。ところが恐れを抱いた相手を人間はそのままにしておかない。利益を授ける福を、撃退する術を、滑稽化させる笑いを、あらゆる属性を付与して零落させに掛かる。UFOに実在性や不気味さを与える装置として生み出されたメン・イン・ブラックがUFOに対する興味や恐れを越えた時、人人の脅威という単純なキャラクターに成り下がり、その恐れを取り払う為に貶められたのだ。
 ただでさえ存在を歪められ数を減らし、最近ではUFOを含めた異星人に関する噂の殆どが陳腐化してしまった結果、メン・イン・ブラックは人間社会では暮らしていけなくなったそうだ。それで幻想郷にやって来たらしい。
 何処と無く、私達守矢神社にとって共感する部分があった。
 慰撫、鎮魂、捏造、零落、風化、忘却、日本でもあらゆる手段を用いて超常の存在は人間社会から追い払われている。私達も同じ様に、外の世界で信仰を集めきれなくなって、今はこうして幻想郷に住んでいる。
 私達とメン・イン・ブラックが重なって見えた。
 食卓を囲み、談笑している内に、メン・イン・ブラックが悪い存在には思えなくなっていた。
 二人は私達と同じ様な悩みを持っている。そこに違いなんて無い。二人を恐れる理由だって何処にも無い。二人が幻想郷に来たのは自分達の存在を守りたい一心で、そこに誰かを傷つけたりしようなんていう思いは一切無い。話している内に二人の誠実な人柄をまざまざと思い知らされた。そう言えば、最初に出会った時も悪い様には見えなかった。
 それを恐れてしまったのは、メン・イン・ブラックという妖怪の性質に思い至ったからで、決して実際の二人から感じた事じゃない。あくまで私が頭の中で考えたメン・イン・ブラックという存在を恐れたに過ぎない。それは妖怪に対する認識としては正しいかもしれないけれど、隣人に対する思いとしては間違っている。
 またあのインディアンの言葉が頭を過った。
 頭で思考した事には誤りがあっても、実際に得た感覚には誤りがない。
 頭で理屈をこねくり回して、二人の事を分かった気になっていた。メン・イン・ブラックという噂の影ばかりを追って。初めから直感を信じておけば良かったのに。私は私自身が得た実際の感覚を信じられなかった。素直に信じておけばこれ程簡単な事は無かったのに。
 やっぱりインディアンは偉大だ。
 酔いが回り涙を零し始めたメン・イン・ブラックの二人に感化されて、神奈子様と諏訪子様、そして私まで胸が詰まる思いで、五人で静かに泣いた。
 宴が進み、神奈子様が幻想郷での過ごし方をメン・イン・ブラックの二人にレクチャーし始めた頃になって、私は眠気に耐え切れなくなって場を辞した。自室に戻る途中、自己嫌悪の念で胸が一杯だった。二人に対してあらぬ嫌疑を掛けてしまった。苦悶の末に故郷を捨てて幻想郷へやって来たメン・イン・ブラックを疑うなんて、自分が酷く汚れている気がした。
 静かで冷たい夜が辺りに沈んで暗く寂しい闇の中、自室で布団を敷いている間にもしばしば遠くから笑い声が聞こえてくる。明かりの灯った明るい宴を思い浮かべていると、真っ暗闇の中で布団に入り込んでいる自分が何か間違っている様な気がして心が逸り中中寝付けなかった。
 いつの間にか辺りが窪んだ様な心地になって、どうやら自分がまどろみの中に居るのだと気が付いた。ふと人の気配を感じて、神奈子様か諏訪子様だろうかと目を開けると、布団の傍らに男が立っていた。誰だろうとよくよく目を凝らすと、どうやらメン・イン・ブラックの片割れの様だ。寝ぼけているのか目を瞑ってうつらうつらと立っている。どうしてこんな真っ暗な中で立っているのか分からなかった。そもそも今自分の居る場所が分からない。どうしてこの男と二人で一緒に居るのか。
 はっとして私は飛び上がった。
 自分が眠っていた事に気が付いた。そして男が寝室に侵入して来ている事にようやく気が付いた。気が付いた瞬間、攻撃的な感情が湧いて、考えるよりも先に口から悲鳴が迸り、同時に男の腹を下から思いっきり蹴り飛ばした。男が呻き声を上げながら畳に転がり、障子にぶつかって廊下に飛び出した。それを追って、更にどうにかしてくれようと思った時、神奈子様の叫びが聞こえた。
「どうした!」
 その声を聞いた瞬間、男に対する怒りは俄に消沈して代わりに男に侵入されたという恐れが吹き出てきた。障子が開いて神奈子様と諏訪子様が顔を覗かせると、安堵と共に足が竦んで立てなくなった。
「早苗、何があったんだ?」
「起きたら傍でその人が立ってて」
 指さした男は泥酔仕切った様子でもう一人のメン・イン・ブラックに抱き起こされている。呂律の回らない口で自分の部屋は何処か聞いていた。抱き起こしている方もまた酔い潰れていて危なげな様子で相方を抱き起こしながら、こちらも舌足らずに地球はみんなの物だとかなんとか言っている。その上、顔を覗かせた神奈子様と諏訪子様も完全に泥酔していて、壊れた障子と倒れた男を見てへべれけな笑いを浮かべていた。
「どうやら部屋を間違えたみたいだね。しょうがないなぁ」
 諏訪子様がそう言いながら倒れた男に手を貸した。
「悪かったね、早苗。障子は明日直しとくから」
 神奈子様がそう言って外れた障子を嵌めた。
 そうして酔っ払った四人は何処かへ行ってしまった。
 私は打ち鳴らされる心臓を必死で押さえながら破れた障子を見つめ続けた。
 諏訪子様は酔って部屋を間違えたと言っていたが違う。確かにそれらしく見えたし、一瞬納得しかけたが、間違いなく違う。夜に突然忍び込んでくるなんて、理由は間違いなく一つしか無い。
 夜陰に乗じて攫いに来たのだ。きっと中央情報局だか、何処かの研究所だかに連れて行く為に。
 とうとう奴等は尻尾を見せたのだ。
 そうと決まれば眠って等居られない。いつ奴等がやってくるかも分からない。
 それにしても、どうして神奈子様と諏訪子様はあんなにも怪しい態度を取った二人を放っておく。どう考えてもあれは私を攫いに来ていたのに。
 もしかして、まさか、考えたくは無いけれど、お二方も既に洗脳されてしまったのか。信じたくは無いが、そう考えればあんなにも易易と奴等の掌の上で踊らされていた事にも納得が行く。そう考えると魔理沙も怪しい。あれだけ警告したのに一切疑わない。それに別れ際の明日よろしくという言葉。まさか明日一斉に摘発を行って皆を洗脳する可能性もある。それに霊夢。霊夢も怪しい。こちらの警告を全く聞かない。それに最後良く分からない事を言った。洗脳されている。それなら八雲紫もだ。霊夢が洗脳されているのだから、洗脳されている。間違いない。もう誰も信じられない。
 私は河童から貰ったレーザーガンを手にとって部屋の隅にうずくまる。
 頭の中で昔聞いた警告の言葉が繰り返し流れている。
 Stay Alert!
 Trust No One!
 Keep Your Laser Handy!

 朝、私は部屋の隅でうつ伏せになって眠っていた。頬に畳の跡が付いていて痛かった。頭ががんがんとした。少し吐き気があった。何故か河童から貰ったレーザーガンの玩具を固く握って、手が鬱血していた。何故か障子が破れていた。そう言えば、酔っ払ったメン・イン・ブラックが部屋を間違えて侵入してきた気がする。記憶が薄れていてそれからどうして、こんな風に眠っていたのかまでは思い出せなかった。
 起き出すと、既に河童と山女の巫女が朝食を準備してくれていて、神奈子様と諏訪子様は昨日あれだけお酒をかっ喰らったのに、何事も無かったかの様に味噌汁をすすっていた。
「おはよう、早苗。昨日は悪かったね」
「おはようございます。あの二人は?」
「ああ、先に会場に行ったよ。私達も準備が出来たら行こう」
「はあ、そうなんですか」
 もう会場に入ったのかと思いつつ、水を貰って一気飲みしてから、神奈子様に聞いた。
「すみません、会場って何の事ですか?」

 準備を整えて、会場に行くと、既に山の妖怪が沢山集まっていて、神奈子様と諏訪子様の姿を認めるなり、集まって口口に挨拶をし始めた。
 肝心のBBQ大会は既に始まっている様で、あちこちで煙が立っている。
 朝食は気持ち悪くて食べなかったからお腹が空いていた。早速食べようとお皿とお箸を貰って突撃を掛けようとしたしたら、その前に呼び止められた。
「早苗さん」
 横を見ると、メン・イン・ブラックの二人が立っていた。
「あ、おはようございます」
「おはようございます。昨日はごめんなさい」
「いえ、別に気にしないでください。酔って寝ぼけてただけなんですし。むしろ蹴っちゃってすみません」
「それだけでなく、私達はあなたを怖がらせてしまったみたいで。UFOの事で。魔理沙さんから聞きました」
 メン・イン・ブラックの背中越しに興味深げな顔をしてこちらを窺っている魔理沙の姿が見えた。あいつ、ちくりやがった。
 もう昨日の夜話し合った事で疑いは晴れたのに。むしろどうして昨日あんなにも怯えていたのか思い出せない位だ。
「いえ、私も勘違いしていて。でも昨日話して、もう疑いは晴れました。あなた達はそんな事をする人じゃありません」
 するとメン・イン・ブラックの二人は首を横に振った。
「いいえ」
「え?」
 不穏な返答に身が強張る。
「本来であれば、私達はそういう存在です。それに間違いはありません。私達を警戒する早苗さんは正しい」
「あの」
「でもここでそんな事をすれば、どうなるかは分かっています。ですから私達はそれをしません。子供ではありませんから、何が自分や周りにとって良い事なのかというのはしっかりと判断出来ます」
 そう言って笑った。
「私達は郷に入っては郷に従わなければいけない。その為に日本語、は職業柄話せますが、それ以外にもしきたりや何かも覚えて、幻想郷でのメン・イン・ブラックという存在を確立しなければいけない。そうでなければ私達はまた同じ様に絶滅してしまいますから」
 メン・イン・ブラックの明るい口調とは反対に、実のところは悲壮だろう。生きる為に自分達を無理矢理にでも捻じ曲げなければならない。私達守矢神社の場合はそこに納得のいく落とし所をつけたがメン・イン・ブラックの二人はどうだろう。今の今まで居た場所と全く違うこの幻想郷で、その納得の行く点を見つけ出す事が出来るだろうか。
 きっと私は不安そうな顔をしていたのだろう。メン・イン・ブラックが力強く笑った。
「大丈夫です。ただ与えられた仕事をこなしていた昔と違って、今度はもっと有意義になる。人生は、もっとよい世界を切り開こうと努力する場合に、初めて生き甲斐のあるものとなる、と言うでしょう?」
 そう語るメン・イン・ブラックには些かの不安も窺えなかった。
「早苗さんには、外の世界から来て成功した先輩として是非ともご指導ご鞭撻の程を」
 だから私も心の底からの笑顔で答えた。
「勿論です! 何でも聞いて下さい!」
 きっとこれから仲良くしていけるだろうと直感して。

 しばらく話した後、メン・イン・ブラックの二人と別れて、お皿を持って煙の立ち上る網へと近づいていく。勘違いで怖がってしかもそれを見透かされるなんていう恥ずかしい思いや、これから仲良くやっていけたらという希望等、もろもろの思考は放棄してまずは目の前のご飯にありつこうと思った。空腹で隣人は愛せないと言うのだし。
 向かったBBQの周りには既に山の妖怪と髪の長い女性の妖怪が居た。見慣れない顔だが見覚えがあった。昨日車に乗せてくれた女性だ。どうやらアメリカの妖怪だったらしい。ヒッチハイクする方だった気もするけれど。そんな事を考えつつ、挨拶をしようとした時、突然手を引かれた。
 振り返ると、下から子供達の声が聞こえてきた。
「お姉ちゃん」
 イントネーションが少しおかしい。
 アメリカの子供の妖怪かなと思って下を見ると、子供達が揃って笑顔を浮かべていた。白目の無い真っ黒な眼をしていた。
「遊ぼう」
 その言葉に抗う事が出来なかった。
 子供達に手を引かれるままに連れられていく。
 何かおかしな気がしたが、それも良く分からない。
 とにかく子供達と遊ばなければいけないと思った。
 そう思っている内に辺りにはもう他の妖怪は居なくなって、それでも子供達の足は止まらずに、気が付くと暗い森の中を分け入って、良く分からないまま私は子供達に手を引かれて先へ先へと進んで行った。
 森の奥深くで子供達が言った。
「かくれんぼしようよ、お姉ちゃん」
 それはきっと楽しい事だろう。
 そう直感して私は微笑んだ。
 日の暮れた真っ暗な森の中、早苗は息を潜めて隠れていた。
 夜になってもじっと子供達から隠れていた。
 ずっとずっといつまでも誰かに見つかるまでずっと。
烏口泣鳴
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コメント



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1.9アメリカ探索者削除
レミリアに続けとばかりに、海外から幻想入り!
国際交流は重要。 本当に!?
早苗さんを必要以上に煽るメン・イン・ブラックさん、早速活動ですか。
ただ、女性の存在が最後まで分からず、凄い気になりました。
解説をいただけると、助かります。
2.3名無し削除
結局これはホラーに分類されるのだろうか。オチが唐突で最後に置いて行かれた印象。
3.7エーリング削除
この不気味なオチはもやもやする、早苗は一体どこで踏み間違えてしまったのか……。何度か読み直してみましたがやはり最後どうしてこうなってしまったのかが良く解らないのです、けれどその解らなさがオチてないという形の不満として残る訳ではなく、そういう作品なんだなとすっと腹に落ちる作品でした。面白かったです。
4.4がま口削除
やっぱり。このテーマならどこかで出てくると思ったよ、メン・イン・ブラック……
というか、映画のメン・イン・ブラックはもっとコミカルでそんなおそろしげな人々じゃなかったような。たまに記憶を消すピカッって奴をやるだけで(汗)
発想は面白いのですが、つらつらと説明文の様に淡々と進める文体と読めない筋を理解するのが大変だったのでこの点数で。
もっと楽しげな文章とメリハリの効いたアクションがあれば良いと思います。
5.2みすゞ【5点満点】削除
幻想郷にメン・イン・ブラックという状況がシュール過ぎて、シリアスなノリについていけませんでした。淡々とした雰囲気や物語そのものには興味をそそるものがあったのですが、肌に合わなかったということでご了承ください。
6.9みく削除
早苗だと思いました。
オチも好みです。
7.7あらつき削除
メンインブラックが分からないせいか、中盤がくどく感じてしまった。
しかし、それをおいて恐怖感の煽りが非常に素晴らしい。もっとずっと恐怖に追い立てられるこの文章に浸り続けたいと思わせてくれるほどでした。
8.4deso削除
ホラーとしてはいまいち何かが足らない感じ。
早苗が空回りしてるのがまるわかりだったのが辛い。
もっとM.I.Bに説得力が欲しかったです。
9.7ナルスフ削除
なんだか早苗さんがやたら情緒不安定だなぁと思いながら読んでいると、なるほど、ホラーオチですか・・・。
メン・イン・ブラックって映画の名前としか知りませんでしたけど、元々はアメリカの都市伝説だったんですね。
途中の女性は消えるヒッチハイカー、最後の子供は調べてみると『Black Eyed Kids(黒い目の子供たち)』なんでしょうか。
ずっとメン・イン・ブラックの話をしていて、それに決着がついたと思わせてBlack Eyed Kidsが横からさらっていく。むぅ。
メン・イン・ブラック(黒尽くめの男たち)とBlack Eyed Kids(黒い目の子供たち)は確かに似たようなネーミングですし、どちらにもエイリアン説があるので関わりがあってもおかしくはないのか。
そう考えるとヒッチハイカーが謎ですけどね。メン・イン・ブラックに連れ去られることを恐れている早苗が謎の車にホイホイ乗り込ん

だ挙句、運転手が忽然と失踪しても割と落ち着いてスルーの姿勢を見せた時は「!?」と思いましたけど、思えば早苗が既におかしくなっていることを示すエピソードだったのだろうか?
よくわからない作品だけれど、不安になる作品には違いなかったので、ホラー作品としてはきっと成功しているのだと思いました。
メン・イン・ブラックと守矢神社の関わりも面白かったですし。
10.6文鎮削除
オカルト好きな早苗らしい失敗、というか警戒感ですね。
ただ、最後に唐突に現れた子どもたちがよく分からなかったのですが、彼らもアメリカの幽霊か何かなのでしょうか?
早苗の早合点や慌てぶりを見ていると、最初から彼らに取り憑かれていた気がしてきます。
11.3あめの削除
早苗の思考について行けないと言うか、何で早苗はこんなに二人組を怖れているんだろうという疑問があって、ちょっとストーリーの方に入り込めませんでした。
ラストの部分もちょっと唐突な印象があって、あまり納得できない……かなあ。
12.8めるめるめるめ削除
勘違いが暴走してひたすら空回りする早苗さんがとても楽しかったです。
こういうのは早苗さんの大きな魅力ですね。
オチはちょっと蛇足気味かな。
13.8ito削除
とても好みのSSでした。
メン・イン・ブラックが幻想入りというインパクト、そして彼らがアメリカで力を失い、幻想郷に来ざるを得なかった理由付けがすごく上手い。なるほど、と唸った。
ホラーな小説って、どこか少しでもわざとらしい部分があると失敗するような気がしているのですが、この作品はそういうところがなくて見事でした。
淡々と少しずつ話を展開させていき、最後にぞっとさせる。素晴らしいです。
二人を怪しむのが早苗だけで、どんどん疑心暗鬼になっていく。
早苗に味方しないみんなの意見がとても自然に書けていて、早苗が間違っているのは自分だと思ったり、やはり彼らは疑わしいと思ったりするゆさぶりがおもしろい。
気になったのはラスト。
この子どもたちはメン・イン・ブラックが幻想郷用にローカライズされた姿と私は理解したのですが、もしかしたら違うかもしれない。ちょっと分かりにくかったです。
14.3がいすと削除
Men in Blackは圧倒的に1が好きです。
メタルブラックのが好きですけどね。
15.6百円玉削除
なんだろう、恐い。 
醤油とコーラの件で「ふふっ」って笑ったんですけど、そこからの淡々とした描写と早苗の不安げな感じがあって一気に読み進めました。メン・イン・ブラックの疑いが晴れたのかもしれないけれど、なんだかちょっと、腑に落ちない気分もあります。それが『恐い』のかしら。
16.6このはずし削除
まさにハリウッド映画でその存在を知った私は、見事にウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズで脳内再生されました。
でもオチはこわひ!
17.8名前無し削除
取り急ぎ、点数のみで失礼します。
18.6K.M削除
MIBの他、車から消える女性にブラックアイキッズ。都市伝説アレコレ楽しかったです。