第十四回東方SSこんぺ(絆)

碧血の交わり

2014/09/14 22:43:05
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 新聞記者である射命丸 文は、持ち前の情報網と高速飛行により、誰よりも真っ先に病院へと駆けつけた。

 妖怪の山、哨戒部隊の駐屯地には白狼天狗専門の病院が建てられており、隊員はそこで治療を受けることが出来る。
 そしてその病院に犬走 椛が緊急搬送されたと聞き、文字通り文は飛んできた。

「椛はどこにいますか?」

 受付に現れた鴉天狗の文に対し、従業員の白狼天狗は頭を下げる。
 だがそんなことは今の文にはどうでもよく、冷静に努めようとしていてもつい早口で荒々しく椛の所在を尋ねてしまった。
 受付係は慌てて椛の所在を告げる。

 椛は、まだ手術室に居るという。しかも危篤状態で。

 文は手術室の前で、白狼看護師の一人を捕まえることに成功した。
 そして文は矢継ぎ早に質問した。
 椛の容体はどうなのだ。命に別状はないのか。なぜこんなに慌ただしいのか。


「――血液が、無いのです」


 そばの扉から幾人もが小走りで出ていく最中に、看護師が初めに手短に説明したのが、先の一声である。

 聞けば椛は、最近妖怪の山を騒がせていた辻斬りカマイタチの討伐に向かっていた。
 つむじ風と共に誰彼構わず切り付けるカマイタチを、椛を含む小隊が追い詰めた。
 ところが、窮鼠が猫を噛むように、カマイタチは破れかぶれで反撃してきたのだ。
 カマイタチは近くにいた椛の体の数か所を切り裂き、他の隊員数人に軽傷を負わせるも、結局正義の白刃に屠られた。
 だが、問題はその後だった。

「椛さんは怪我による大量出血の影響で、意識が混濁している危険な状態です。
 今は薬液を輸液して保たせていますが、輸血が必須なのです」

 ではなぜ早く輸血をしないのか。文は苛立ちを隠せない。
 だがその様子を見て、看護師は悲壮な表情を浮かべる。

「この欄をご覧ください」

 看護師が差し出したのは、椛の隊員手帳。哨戒天狗全員が持っている身分証明書も兼ねた手帳の、身体的特徴が書かれたページを指差す。
 文は、赤字で書かれたその単語に息を呑んだ。

『血液型:新乙型 陰性』

「椛さんは稀血なんです。同じ血液型が数千人に一人いるかどうか……
 輸血には同族の血液提供者が必要なのです。急いで適合者を探さないと」

 そう告げると、看護師は小走りで手帳を片手に廊下の彼方へ去って行った。
 おそらく哨戒部隊やその家族の白狼天狗から、血液提供者を募るのだろう。
 だが、適合者が見つかる確率は限りなく低い。その証拠がこの慌ただしさだ。
 医者もお手上げ状態で右往左往しているのだ。

 文はもたれかかるように、壁際の椅子へ腰を落とした。
 そして頭に手を当て、くしゃくしゃと髪を乱しながら考える。

 考えろ、考えろ、椛を助ける方法を。
 白狼天狗で珍しい血液型を持つ者は誰かいないか、と必死で思いを巡らす。
 だが、文の脳内検索に引っかかる者はいない。

 では、白狼天狗以外はどうだろうか。

 さっき看護師が言ったように、異種族間の輸血は危険を伴う。
 血液型の分類も違うし、そもそも血液が流れているかどうかも怪しいからだ。
 でも、似た種族の血液ならどうか。

 最近存在が明らかになった、狼族の一員。文の脳裏にその姿がよぎる。

 その刹那、文は一縷の希望に賭け、病院から竹林に向けて空を斬って飛び出して行った。





「――影狼ちゃんは、今度お祭りがあるって知っている?」

 そうわかさぎ姫に尋ねられ、今泉 影狼はそわそわと顔を綻ばせる。

「人里の秋祭りだよね。行きたいけど、人がいっぱいいるんだろうなぁ……」
「それは当たり前よ。人里のお祭りなんだから」

 わかさぎ姫が湖畔で苦笑するも、影狼はそのそばに腰を下ろして難しい顔をする。
 影狼も最近は耳と尻尾を隠して人里でちょくちょく遊んでいる様だが、やはり人間は怖いらしい。
 その心情を読み取って、わかさぎ姫はふふふとこう提案する。

「じゃあ、赤蛮奇ちゃんに案内してもらったら? 人間にも人里にも慣れているから、きっと頼もしいわよ」
「えっ! そ、それは……大丈夫だよ」
「影狼ちゃんは大丈夫に見えないけどねぇ。
せっかくの機会なんだから、赤蛮奇ちゃんとデートくらい楽しんだ方がいいって」
「ででっ! デートってそんな! 赤蛮奇と私はまだそんな仲じゃないし」
「ふふふ。『まだ』ね」

 影狼の想いを的確に拾ったわかさぎ姫の鋭い返しに「はわわわ……」と影狼は赤面する

 そんなのんびりと微笑ましいやり取りの上空に、最初小さな黒い点があった。
 その点は徐々に大きくなり、ここにその点が近づいてきていると二人が何となく気づいた瞬間、一陣の風が二人の間をすり抜けた。
 舞い上がった砂煙に目を覆っていた影狼が瞼を開けると、そこには幻想郷最速の鴉天狗が仁王立ちしていた。

 立派な黒い羽に頭襟と高下駄靴。天狗団扇を持った手を腕組するその姿は正に気位の高い鴉天狗そのものだったが、髪は乱れて息が少し上がっている。
 よっぽど急いでいるのか、固まる影狼をじろじろと確かめる様に眺める。
 そして、短く端的にこう話し始めた。

「今泉 影狼ですね。人狼の」
「え? あ、はい……」

 威圧的な問いに思わず素直に返事をする影狼。わかさぎ姫は心配そうに会話する二人を見やる。
 たしかこの鴉天狗は文という新聞記者だった、とわかさぎ姫は思い出す。
 前回の異変終了時に取材を受けたので覚えていた。影狼も受けているはずなので知っているだろう。
 でも、こんな切羽詰まった喋り方だったかしら……と不安になる。

 すると、文は影狼にずいと近づく。影狼は反射的に引き下がったが、それでもずんずん近づき、ついに目と鼻の先まで接近された。
 そしてこう命令される。

「ついてきなさい」
「……はい?」
「説明している暇は無いの。命がかかっているから、お願いだからついてきて」

 初めて冷静な口調が乱れた。
 影狼は尊大な物言いに萎縮していたが、急に出てきた「命」という単語に目を見開く。
 それに最後の言葉は焦れた様に、動揺を露わにしていた。
 影狼は一度わかさぎ姫と目を合わせると、こう返答した。

「事情はわからないけど、一緒に行けばいいんですか?」

 影狼の答えはほぼイエスであった。文は大きく二度ぶんぶんと頷く。
 肯定の意志を確認すると、文は背中を影狼に向けてこう言った。

「お願いします。じゃ、こっちに来てください」

 影狼はきょとんとして、無防備に文の背中に近づく。
 すると、なんと文は影狼の両手を後ろ手につかむと、自らの肩を抱きかかえさせるように腕を回した。
 次に影狼の膝を持ち上げる。これには影狼も面食らって文にしがみつく。
 所謂おんぶの構えだ。

「急ぎますので、しっかり捕まっていてくださいよ」

 この時わかさぎ姫は、この台詞までははっきり聞こえていた。
 しかし、次の「え! ちょっと待って」という影狼の台詞は、語尾が間延びしてよくわからなかったという。
 それほどの高速で、文は影狼をおんぶしたまま飛翔したのだ。

 わかさぎ姫は数秒ほどしてからそのことに気づき、ぼんやりとつぶやく。

「影狼ちゃん……せめて本懐を遂げるまでは死なないようにね」





「きゅ、急患ですか!?」

 そう先ほどの看護師が誤解するのも無理はない。
 文の背中で、人狼と思われる妖怪が真っ青な顔で目を回していたのだから。
 影狼はハヤブサも追いつけないような上下左右の高速飛行を体験してしまったのだ。
 何回か気絶寸前になったが、嘔吐しなかっただけマシだといえる。

 だが文はそんな影狼を背中に乗せたまま、こう進言した。

「看護師さん。この子に椛の状況を説明して、血液検査をお願いしてください」

 その言葉に、影狼は「ふぇ?」と意識を覚醒させながら無意識に呟く。
 影狼は人狼、白狼天狗と系統が同じ狼族だ。もしかしたら、白狼天狗の血液型と同じ因子を持っているかもしれない。
 そして、数千分の一の確率が起こるかもしれない。
 根拠は無かったが、文は何でも行動して確かめるつもりだった。

 看護師も文の意図を理解し、影狼に状況と輸血の何たるかを説明した。
 初めは血を抜くと聞いて震えていた影狼も、椛の怪我の深さと自分がその白狼天狗を救うかもしれない鍵だということを知り、気丈にも検査に応じた。
 そして血液検査。検査器が示した結果は、その場にいた全員に鳥肌を立たせた。

「おお、神様……完全一致だ! 枕元輸血準備! 絶対椛さんを助けるぞ」

 影狼の血は、椛と合致する稀血だった。しかも病原菌や薬物、危険な妖力にさえ侵されていない健康な血だ。
 緊急事態でなくとも普通に使える血液で、即刻椛へ輸血が行われることとなった。
 その報告を聞いた文は、驚きと希望がない交ぜになった感情が目に少し滲んだ。

 そしてあれよあれよと言う間に影狼は手術室、椛の横に寝かせられた。
 初めて隣の椛の姿を見て、その真っ青な顔に影狼の脈拍が上がる。
 影狼は思わず、目の前の白ひげを蓄えた執刀医にこう話しかける。

「先生……私の血はいくらでも使ってくれて構いません。どうかこの人を助けてあげてください」

 その真っ直ぐな瞳に、執刀医は毅然と頷く。

「大丈夫。絶対に死なせない。椛さんも、あなたもだ」

 そして影狼の腕に注射針が刺され、真っ赤な血潮がチューブを駆け巡る。
 こうして椛は、影狼の命の一部を注がれていった。





 それから数週間が過ぎ、影狼は妖怪の山に呼び出された。
 とはいっても今度は穏便で正式に、書状での案内もついていた。

 内容は、椛の快気祝いに是非参加して欲しい、といったものだった。

「――ふわぁ……大きなお店」

 そして一張羅の着物を纏い、待ち合わせ場所から文に手引きされて連れられた場所は、何と渓谷沿いに佇む高級割烹であった。
 柔らかな橙色の明りに白壁の塀と立派な門が照らされ、さらにその奥に風情溢れる純日本家屋がどんと建てられていた。
 すぐ近くからは滝の流れる音が響き、紅葉の季節には素晴らしい名勝となるだろう。
 明らかに庶民がおいそれと入れないような場所に連れてこられた影狼は、さっきの呆けた感想を述べてしまった訳なのである。
 すると引率の文は、緊張を解く様にこう話しかける。

「なーに、ちゃんと予約してありますから、私と一緒ならば大丈夫ですよ。もっと堂々としてください」

 そう慣れた口調の文だが、衣装は公式な会合等で使用する、いわば天狗の制服を着ている。
 鴉天狗が正装じゃないと入れないような店だということを実感して、影狼の笑顔も若干引きつる。

 すると、道の反対側から文と同じ装束を着用した、影狼がつい最近見た顔が現れる。
 その元気そうな姿に、影狼は本当に嬉しそうに手を振ってこちらに招いた。

「椛さん! よかった、元気になったんですね」
「ええ。これもすべて貴女のおかげです。本当に、感謝してもしきれません」

 そう二人は久しぶりの再会と互いの健勝を喜び、両手を握り合う。
 椛は一時かなり危険な状態であったが、影狼からの輸血が間に合い一命を取り留めたのだった。
 その後順調に回復し、今はこうして日常に戻って来た。
 影狼も半死半生の椛しか知らなかっただけに、血色のいい椛を見て感激もひとしおの様だった。

「さぁさ、そういう挨拶は中に入ってから続きをしましょう」

 そうこの会の幹事らしい文が二人を促す。
 そして一行は割烹の仲居に案内され、店内でも奥まった座敷に通された。
 丸い雪見窓からは見事な日本庭園が覗け、時折鹿おどしが軽やかな音を奏でる。

 そして目の前には様々な料理。
 季節の野菜や川魚をふんだんに使用し、見た目も艶やかな懐石料理のフルコースだ。
 朱塗りの椀に半月型のお盆。見たことも無い料理の群れに、影狼は完全に固まってしまった。

 これは……どれから食べ始めればいいの? もう食べていいんだよね?

 影狼はこのお上品な雰囲気に呑まれ、不覚にもそんなプチパニックを起こしかけていたが、さりげなく文は空気を読んだようだ。

「それでは、椛の快気と部隊復帰を祝しまして、まずは乾杯しましょう」

 そう言って杯を軽く掲げる文。影狼と椛もそれに倣い、乾杯をする。こうして食事が始まった。
 やや緊張気味に食事をする影狼だったが、この席で文と椛から色々な話を聞いた。
 椛もカマイタチに襲われた時は死を覚悟したこと。影狼のお陰で無事復帰ができたこと。この店は文の好意と伝手で用意されたこと。
 ここでふと、文が椛にこんなことを伝える。

「そういえば椛、貴女の昇格試験のことだけど」
「ああ……私の怪我で結果が宙ぶらりんでしたね」

 突然の話に影狼は首を傾げるが、文があらましを語ってくれた。

 怪我をする前に椛は、階級の昇格試験に応募していたらしい。
 椛は太刀の技術に優れ、現場での経験も充分。後輩の指導官を務めていたこともあり、椛自身も管理職への昇格は目標のひとつであった。

 文は預かって来た封書を手渡す。
 まずは昇格試験を受けられるかの書類審査があり、その結果の通知書が、椛が入院中だったため本部に留め置きされていたらしい。
 椛は封筒を破いて中の紙に目を通す。
 そして、目を輝かせて二人に向かってほっとしたように結果を伝える。

「文さん。書類審査は合格だそうです! よかったぁ……」
「あやや、ホントですか。よかったですね。
 でも試験を受ける権利を得られただけです。気を抜かないように」

 椛は破顔して何度も通知書に目を通すし、文は内から溢れる喜びを格好つけて隠す様に説教じみた喋り方をする。
 その様子だけで、影狼は二人にとって喜ばしい出来事が始まったと容易に読み取ることができた。

「文さんと椛さんって、仲がいいんですね」

 そう影狼がほっこりと和みながら語りかけた言葉に、文と椛は「え……そう見える?」と口で言うのと同じくらいわかりやすい、意表を突かれた様な表情を浮かべる。

「いや……仲がいいというか、縁は長いですけどね」
「そうですねぇ。時折取材と称して恥ずかしいこと根掘り葉掘り聞く癖さえ直してくれれば、とても頼りがいのある先輩という紹介もできますが」
「あやや! 言うわねぇ。こーんなに小さかった頃は『文お姉ちゃん』なんて慕ってくれたのに、時の流れは恐ろしいわぁ」
「そんな子供時代の昔話は忘れました」

 まるで掛け合い漫才の様な軽口の叩き合いに、影狼の頬は緩みっぱなしだ。
 とっても仲良しな家族みたいだ。影狼は本人が肯定していないだけで、そう確信した。
 そして、こんな楽しい瞬間を迎える手伝いが出来たことに、影狼の心が温かくなった。





「――はぁ、夜風が涼しい。今日は気持ちよく眠れそうね」

 食事会が終了し、三人は外に出た。
 お盆が過ぎてもまだ蒸し暑い季節だが、夜半の気温は落ち着いてきた。
 山間部の冷風に文が涼んでいると、椛と影狼が頭を下げる。

「文さん。今日はごちそう様でした。私の為にこんな豪華な快気祝いを催してくれて、本当に嬉しいです」
「私も、初めての体験ができてよかったです」

 そうお礼を述べられた文は「いやいや」と謙遜するも、鼻高々といった様子でご満悦だった。
 一応年長者らしく「じゃ、夜道に気をつけて帰りなさい」と注意して、力強い羽音と共に飛び去ってしまった。

 二人取り残された影狼と椛。
 するとどこかもじもじしていた影狼が、椛にこう切り出す。

「椛さん……今日のご飯、すごく美味しかったですけど、何と言うか」
「お酒飲んでも酔っぱらえないから、肩が凝った?」
「あ、あはははは……」

 影狼は考えを見透かされ、盗み食いが発覚した子供の様な照れ笑いをする。

「文さん、お祝いしてくれるのは嬉しいんだけど……私達白狼と住んでいる世界の違いを、こういう所で実感しちゃうな」

 そう、少し悲しげな笑顔で話す椛。
 天狗社会で鴉天狗と白狼天狗が付き合いを続けることは、階級が違う者同士が付き合うことと同義だ。
 本人は気にしていなくても、窮屈な思いをすることが多々あるのだろう。
 影狼は(しまった……)と思いつつ、ここまで来たら空気を変えるためにこう提案した。

「だ、だったらこれから二人で飲み直しませんか? 夜雀さんがやっている美味しい屋台があるんです」

 その言葉に、椛の目がきらりと輝く。

「おお、いいですねぇ。明日は非番ですし、夜更かししちゃいましょうか」
「しましょうしましょう! 私、もっと白狼天狗さんのことや、椛さんのお話が聞きたいです」
「私も、人狼さんに出会うのは初めてだから、色々聞いてもいい?」

 影狼はこくこくと頷き、行きつけの屋台へと椛を案内する。
 同じ狼同士すっかり打ち解けた二人の影を、月明かりが優しく照らしていた。





「――それで、椛さんと別れた後も『また一緒にお酒を飲みましょうね』って言ってくれたんだよ」
「ふーん……」

 残暑もだいぶ落ち着き、人里では例年通り秋祭りが賑々しく開催されていた。
 広場の中央には櫓が立ち、出店が食べ物やおもちゃを売る一画を影狼と赤蛮奇が歩いていた。

 ひと月以上前から悶々と悩んでいた影狼も、清水の舞台から飛び降りる意気込みで赤蛮奇に一緒に祭りに行こうと頼んだ。
 すると、赤蛮奇は目をぱちくりして一言。

「影狼……お祭りとか興味あったんだ。
 私が人里で遊ぼうって言おうとしても俯くばっかりだから、てっきり人里には近寄りたくもないのだと……」

 どうやら赤蛮奇は、照れて目を伏せる影狼の所作を拒否しているものと思っていたらしい。
 要は、もっと早く歩み寄っていれば難なく赤蛮奇と行動を共にできたということだ。
 これには影狼も全身の力が抜け、今までうじうじ悩んできた自分を叱責したが、こうして一緒に参加することができた。

 ところが、赤蛮奇の反応はさっきから妙に鈍い。
 初めて浴衣姿を見せた時は「かわいいし、似合っている」と褒めてくれたのだが、その後の会話が中々見つからない。
 そこで影狼は最近の衝撃的な話題、つまり椛への輸血に関するあれやこれやを喋っていたのだが、どうもその話題になってから赤蛮奇は一言ずつしか返事をしない。
 とうとう会話が続かなくなり、影狼は急に落ち込んでしまう。
 そして、申し訳なさげにこう漏らす。

「……ごめんね。無理矢理誘っちゃって」
「え?」
「さっきから全然楽しくなさそう。私とお祭り……つまらないんだよね」
「いや! ち、違うよ」

 赤蛮奇は慌てて首を横に振るが、影狼にはただ取り繕っている様にしか見えない。
 ともすれば泣き出しそうな影狼に、赤蛮奇は気まずそうに頭を掻きながらこう不機嫌な理由を説明する。

「今日は正直、影狼と出かけるのなんて初めてだったから、わくわくしていたのよ。
 でもさっきからずーっと椛って女の人の話じゃない。だから、本当はその人と来たかったのかな、って……
 そう考えたら、どうしても胸がむかむかしちゃって……心配させてごめんね」

 そう自分の了見の狭さを反省する様に謝る赤蛮奇。
 対する影狼は、泣いていた狼がもう舞い上がってしまっている。

(もしかして……椛さんに嫉妬していたの!?)

 影狼はまず自分のせいではないという安心感と、あったことも無い椛に嫉妬してしまう赤蛮奇の可愛さで心臓がどくどくと熱い鼓動を刻み始める。
 朱が差してきたほっぺたが緩むのを抑えきれない。

「赤蛮奇。椛さんは私のお友達だよ。ちょっと出会い方が普通じゃなかったけどね」

 そう赤蛮奇を安心させるように一言加える影狼の意思を汲んだのか、赤蛮奇は照れ隠しにぷいっとそっぽを向いてしまう。
 だがそんな姿でさえ、影狼にとっては愛おしい。

(今日はこの流れに乗って、手とか繋いじゃおうかな)

 そんなことを思いながら、すねて早歩きになってしまったしまった赤蛮奇の後を追いかけた。

 その時だった。

 隣の櫓から、細い紐がブチブチと千切れる不吉な音が聞こえた。
 耳のいい影狼は怪訝そうに立ち止まって、櫓の方を見やる。

 刹那、櫓のもやいが解け、丸木と板材の塔が崩れ落ちる。

 そして驚愕の表情で駆け寄る赤蛮奇の目の前で、影狼は材木の雪崩に飲まれていった。





 時を同じくして、椛は天狗の里でも哨戒部隊の本部や役所が集まる区域にいた。
 やや強張った面持ちで佇む椛に、傍の文がいつもの調子でささやく。

「いよいよ面接ですね。昨日は眠れました?」
「なんとか、気合で寝ました」
「そ、そう……まぁ、あんまり気負わずに普段の自分が出せれば大丈夫よ」

 そうニッと笑う文に、椛もぎこちないながらの笑顔を作る。

 今日は昇格試験の最後、大天狗も審査官として参加する面接がこれから始まる予定であった。
 前日に行われた実技と筆記の試験はそつなくこなせ、椛にも確かな手ごたえがあった。
 後はこの面接が通れば、椛の昇格が決まる。

 そんな一大事に文は野次馬の様についてきたのだが、椛は邪険に扱ったりしない。
 文とこうして会話していると、普段のリズムが取り戻せる様で不安にざわつく精神がだいぶ落ち着いてくる。
 椛はそんな文のフォローに感謝していた。

 そうやってゆっくり歩いて行くと、ついに面接会場の建物が目に入った。
 文がついて行けるのは玄関までだ。椛はそこで文と向き合い、挨拶をする。

「それでは文さん、行ってきます」
「うん、いってらっしゃい。平常心よ」

 緊張はしているが、それでも真っ直ぐな意志の力を見せつける瞳に、文は大丈夫だろうと予想する。
 しかし建物内に入った椛の姿が見えなくなっても、文はまだ玄関で心配そうにウロウロしていた。

 それゆえに、血相を変えて玄関に飛び込む白狼天狗を視認することができたのであった。

 文の勘は記者としての武器の一つだ。
 まさかと思いつつ建物に入る。椛の控室はにわかに騒々しくなっていたので、すぐ見つけることが出来た。
 半開きの扉を遠慮なく開けて部屋の中に入ると、先ほど玄関で見た白狼天狗と椛がいた。
 どうやら白狼天狗は哨戒部の伝令係だったらしく、椛に伝令内容が書かれた紙を渡す。
 その紙を見て、椛の目が見開かれた。

 どうやら文の勘は、悪い方に当たってしまったらしい。
 文は驚きに固まる椛の手から紙を取り上げる。伝令係は何か言いたげであったが、文の文章を追う気迫に負けて何も言えなかった。

『ジンロウ キトク ユケツ コウ
 スグ ヒトザトニ コラレタシ」

 こう紙に書かれた無機質なカタカナの伝令は、衝撃的な内容を伝えるには充分だった。
 この郷で人狼は椛の命の恩人、影狼しかいない。その影狼が危篤とはどういうことなのか。
 文と椛にそう問いただされる様な視線を浴びて、伝令係はさらに詳細な状況を語った。

 人里で祭りの櫓が倒壊する事故が発生して、影狼が巻き込まれた。
 影狼の腹に折れた角材が突き刺さり、ヘタに移送できない程の重傷を負っている。
 人里の医者が治療に合ったっているが、輸血が早急に必要。
 つまり、この郷で頼れるのは椛しかいない。

「連れ合いの方が、そう哨戒部に通報してきました。ここまで首だけ飛ばしてきて……
 口調は冷静でしたけれど、泣いていました」

 余計なひと言を言ってくれたな、と文は臍を噛んだ。

 案の定、椛は先程以上に動揺を露わにしていた。
 そして椛が部屋の入口の方につま先を向けたその時、文は非情な選択をする。

「待ちなさい。どこに行こうというの?」
「どこって! 人里にすぐ行かないと」
「椛、自分のやろうとしていることが分かっているの」

 そう文は椛を咎めるように言葉を投げつける。
 椛は戸惑いを隠せなかった。どうして文が止めるのか分からなかった。
 だが、次の言葉が胸に刺さる。

「この後の面接には、多忙を極める大天狗様もわざわざ時間を割いて参加なされるのよ。
 そんな大事な面接を直前に反故にしてみなさい。事は椛だけでなく、ここまで試験を通した白狼天狗の試験官や、部隊長の責任問題にまで発展するわね。
 貴女にその責任を取るだけの力や権限があるの?」

 冷徹な言い草に、伝令係は信じられないという驚愕と、他者の命より試験を優先させている者への軽蔑の表情で文を見つめる。
 だが、言っていることは正論であり、椛はその重さを感じて冷汗を流す。

「……今回は諦めて、また次の機会に」
「あのねぇ、貴女はどれだけ甘ちゃんなのよ。
 候補はいくらでもいるの。面接に来ないなら他者が昇格するだけ。
 それにどんな事情があるにせよ、こんな不義理を犯す隊員に次の機会なんてものがあると思う?
 昇格どころか、一生最前線を駆けずり回されることになるかもね」

 椛の反論も、文の言葉の奔流にあっさり流される。
 椛が押し黙ったところで、文はこう最後通告する。

「椛、間が悪かったのよ。目をつぶって、目の前の未来に集中しなさい」

 そして痛い程の沈黙が控室を包み、椛は黙ったまま椅子に腰を下ろした。
 影狼を見殺しにする、という態度だった。
 それを見て取り、文は伝令係にヒラヒラと手を振る。帰れ、という仕草だ。
 伝令係は怒りを爆発させる代わりに文をキッと睨みつけていたが、鴉天狗に逆らえるわけがなく、悔しさを滲ませて走り去って行った。

「……じゃ、頑張ってね」

 なおもうつむく椛にそれだけ言うと、文は控室から出る。

 控室から廊下を進んでいた文は、誰もいない隅のスペースを発見した。
 するとそこの壁にずるずると背をあずけて、胸の辺りを手で押さえる。

(……椛の為よ。椛の為なら私は、どんなに非道に思われようとも……私は……)

 文はそう無理矢理自分を納得させようとしていた。
 天狗のお歴々の中には、天狗以外の種族は命ですらどうでもいいとする思考の持ち主も多い。
 そんな輩のプライドを刺激して目をつけられたら、椛は哨戒部隊にさえいられなくなるかもしれない。

 椛は子供の時から真っ直ぐで負けん気が強くて、でも誰よりも優しかった。
 哨戒部隊で見習いをしていた頃から、文はずっと椛に興味を持ち、一緒に遊んだりご飯を食べたりしたこともあった。
 文が落ち込んでいる時も、椛は子供なりに自分を励ましてくれたこともあった。
 そんな椛の姿と成長に、文は癒され生きがいを感じていたのだ。

 大切な人を守るためなら、私は悪役にだってなれる。なのに、この胸の痛みは何なのだろう。
 苦渋の表情を滲ませる文の脳裏には、影狼の素朴な笑顔と、うつむき萎れた椛の姿が映る。

 私は、とんでもない十字架を背負わせたのではないか。

 文は、椛と影狼の命の板挟みとなり、深い思考のループに落ち込んでいった。

 そして、椛もまた考え続けていた。
 椛とて今や何も知らない子供ではない。文の心境くらい読み取れる。

 文の想いを、無駄にするわけにはいかない。

「――犬走さん。どうぞ」

 面接官の一人が呼びに来た。椛は起立し、面接室に向かう。
 扉を二度叩き、「どうぞ」の言葉を聞いてから入室する。
 室内には椛の腰掛ける椅子が一脚と、大天狗以下重役が勢ぞろいして椛を迎えた。
 椛は椅子の横に立ち、氏名と所属部署を述べる。

「では、お掛けになってください」

 進行役らしき面接官が促すが、椛はなぜか棒立ちのままだ。
 疑問符を浮かべる面々に、椛は正面をまっすぐ向いたまま堂々とこう述べた。


「大天狗様ならびに面接官の皆様。
 現在、私にしか救えぬ重篤者が人里におります。ですので、これから助けに向かいます。
 どうか、突然中座するご無礼をお許しください」


 そう言うがいなや、椛は踵を返して走り出す。
 この時椛には、背後のざわめきも、玄関先でしょげる文の姿も意識に入らず、ただ人里へ急ぐことだけを考えていた。





「まずい……もう輸血無しでは保たないぞ」

 人里の医者は焦燥を隠しきれずにそう漏らす。
 目の前には、虫の息の影狼が寝かせられている。
 出来る限り最善を尽くし傷を塞いだが、足りない血液はどう逆立ちしても補えない。
 最悪の事態が頭をよぎったその時、希望は扉を蹴破る勢いでやって来た。

「私の血液を使ってください! 影狼さんと同じ稀血です!」

 そこには息が上がっているが、服をまくった腕を突きだす椛の姿があった。
 医者は突如やって来た白狼天狗にまごついていたが、すぐに影狼と合致する血液型であると確認を取った。
 そして緊急輸血の準備が進む中、隣に寝かせられた椛はこう呟く。

「影狼さん……あの時は命を分けてくれてありがとう。その分の命を、今お返しします」

 こうして、椛の血液が今度は影狼に注がれる。

 これでいいですよね。そう、椛は想起した。

 文さんには、つらい選択をさせてしまったと思って欲しくない。
 ここには、自分の判断で来ることを決めたのだ。それで不利益を被っても、それも含めて影狼を助けたいと思った自分の意志を誤魔化すことなんてできない。
 だから、文さんを悪く言う人がいたら、誤解を解く様に説明して回ります。
 それも、私にしかできないことだから。

 そう思いつつも、今はただ真っ赤なチューブの流れを見て、椛は影狼を助けてください、と幻想郷に数多いる神々に祈った。





――すっかり残暑も治まり、その日の夜は冷え込んだ。
 そんな日はおでんで飲む酒が一番と、椛はミスティアの屋台へと足を運んだ。
「いらっしゃいませ」の歓迎を受け、椛はつまみと日本酒を頼む。

 すると、背後から二つの影が歩み寄る。

「椛さん」
「やぁ、影狼さん。すっかり良くなったんですね」

 そう椛は振り返って安心した様に話しかけるが、影狼はその声を聴いた途端、くしゃりと顔を悲壮に歪める。
 そして、影狼はやおら頭を下げる。

「椛さん、ごめんなさい! 文さんに聞きました。私のせいで大事な面接に行けなかったって……」

 む、と椛が影狼の後ろを覗くと、そこには天狗団扇で顔の下半分を隠す文もいた。
 本当は黙っていて欲しかったのにと思いつつ、椛は影狼に優しく話す。

「影狼さんが謝る必要なんて、これっぽっちもありませんよ。
 あれ以来降格とか処分とか、そういう悪い知らせは無いので、何とかやっていけます。
 ささ、頭を上げて、こっちに座ってください」

 そう促すと、影狼はゆっくりと隣の席に着いた。
 だが料理を頼むわけでもなく、やっぱり元気がなかった。
 明るく言ったつもりだったのだが、悪い知らせどころか今後の処遇すらまったく知らされていないことを読み取られてしまったのだろうか。
 さてどうしたものかと椛が唸ると、逆隣の席に文がどっかりと腰を下ろした。

「……あの、何しに来たのですか?」
「あやや。酷い言い草ね。折角こうして引き会わせてあげたのに」

 椛のつっけんどんな口調も意に介さず、文は本題に入る。

「先日、大天狗様にお会いしました。あの日の事、怒っていたわよ」

 いきなり破壊力抜群な台詞に、椛は一瞬で冷汗を流し始めた。
 だが、対する文は涼しげ。いやむしろ楽しそうに話している。
 そのギャップを埋める理由が、文の手から椛に手渡された。

「……これは?」
「大天狗様はね、こう怒っていらっしゃったの。
 『どんなに大切な面接でも、命に代わるものがあるものか! ちゃんと説明してくれれば、もっと早く解放したものを』ってね。
 つまり椛は、ギリギリで正しい判断をしたってわけ。
 で、これはその穴埋め。認めるには前例がないだの面子がどうこうだのぐだぐだ言う重役は、大天狗様が説き伏せるそうです」

 その説明を受けながら、椛はまさかの展開に目を見張る。
 そして渡された封書を開封すると同時に、文が中身の要約をする。

「『犬走 椛の再面接を認める』。ちゃんと次の機会があったわね」

 そうにっこりとほほ笑む文。封書はそれを裏付ける正式な書類があった。
 椛が驚きと喜色を浮かべて何か言おうとしたその時、椛は脇腹に温かい物体が触れたのを感じた。
 そちらの方向を見ると、影狼が顔を埋めて抱きついていた。そして湿った声で心境を吐露し始める。

「よかった! 本当によかった……私のせいで、一生を棒に振らせたかと……よかった……」

 そう涙を浮かべてよかったを繰り返す影狼。よっぽど気にしていたのだろう。
 椛はそっと影狼の肩を抱く。

「本当に、よかったです。でも、この知らせが無くったって、私は嬉しいですよ。
 たとえお仕事が無くなったとしても、こうして私のために泣いてくれる人と、その人を大事に思う人達の両方を守ることができたのですから」
「椛さぁん……」

 その全てを包み込むような言葉に、今度こそすべてのわだかまりが氷解した。
 とうとう感極まって椛の名前を呟きながら鼻面をこすり付ける影狼を、椛が頭を撫でて慰める。
 そんな劇的なラストを演出した文は、店主のミスティアに注文をする。

「あ~あ、慣れない事はしないものね。ちょっとサプライズのつもりで当事者二人に顛末をバラしたけど、見せつけられちゃって立場ないわぁ。
 お酒、ある? できるだけ強くて辛口のやつ」

 そう無関心を装うも、ミスティアにはバレバレだった。
 団扇で顔を隠していても、感情の昂ぶりで桜色に上気した手は隠せていない。

 そもそもどうして文が、多忙な大天狗に会うことが出来たのか。
 きっと椛の行動は正当であると抗議しに行ったのだろう。それは文の言うところの、絶対的な上司に盾突く行為だ。
 しかし蓋を開けば大天狗も許す気だったので、文にも当然お咎めは無し。

 椛の為なら何でもできる影の功労者に、ミスティアはそっとこの店で一番いい酒の栓を開けた。
 すると、ひとしきり影狼を落ち着かせた椛は、ミスティアに目配せして一升瓶を受け取った。
 文は目を丸くする。

「文さん。これまで陰に日向に私を支えてくれて、ありがとうございます。
 命のやり取りを重ねて、またこうしてお酒を一緒に飲めることの幸せを噛みしめています。
 そして、文さんや影狼さんの想いを無駄にしない様、精一杯頑張ってきます。
 あと……その、まぁ、これからもよろしくお願いします。あ……文お姉ちゃん」

 そう最後は照れながら感謝の言葉を締めくくり、杯に酒を注ぐ椛。

「や……やあねぇ、改まって。これからもどんどん迷惑かけるつもりできなさいよ。
 この射命丸文様はとっても優しい妖怪ですからね。白狼天狗一人支えるなんて……屁でもない」

 まだ格好つけられているのだと思っているのだろう。
 だが両の目からはぼろぼろと雫が溢れ、笑みの形の口元を濡らす。
 椛が倒れた時でさえ気丈に振舞っていた気高い鴉天狗は、今までの努力が報われた瞬間感情のダムを決壊させた。

 だがそんなぐしゃぐしゃの顔を、椛や影狼は最高にカッコいいと、そう思った。





 秋も深まり、妖怪の山の景色が一番の見ごろになった季節。

 椛の人事異動の令状が公布された。
 来年の春から、椛は分隊長補佐として新たな役職につくことになる。
 当然責任は重大となり、辛いことや苦しいことも出てくることだろう。

 でも、きっと大丈夫。

 椛には、血の交わった親友と、血の交わらない家族というかけがえのない絆を結んだ仲間がいるから――


          【終】
「絆」と聞いて、まず「血の絆」が思い浮かんだのでこういうお話になりましたが……世間様とイメージがずれている、かなぁ?
ちなみに、現在枕元輸血は滅多にやらないとか、輸血を受けた人間がまた血を他人にあげちゃだめだよとか、医療モノのツッコミは優しい目でどうかひとつ……
ここまでのご精読、ありがとうございました。
がま口
gamaguchi2014-cooliercontact@yahoo.co.jp
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コメント



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1.110月削除
これ話の流れが完全にブラックジャックのパクりですよね。たまたま似てるとかそんなレベルじゃないですし。
2.3みすゞ削除
輸血ですか。読みやすくいい雰囲気で、キャラの書き方も好みでした。天狗に高級料亭に連れてこられて戸惑っている影狼さんが良かったです。
3.4ナルスフ削除
清々しいまでのご都合主義。
畳み掛けるように起こるストーリー展開のための事件。不自然なまでにことごとくいい人ぞろいの妖怪たち。
それ自体が別に悪いとは言わないんですけど、もう少し展開が自然に見える配慮が欲しかったです。
たとえば文が影狼に目をつけるくだりとか、新聞取材の一環の中で稀血持ちと類推できるような手がかりを知っていたということにすれば、少なくとも『ヤケクソでさらってきたら都合よく稀血持ちでした』よりかは自然な展開になると思うんですよ。
とかくあんまりにも都合のいい展開が続きすぎるので、ラストの感動のシーンが割と寒いです。
もう少し苦難とか理不尽なことがあって、フラストレーションが溜まって、そしてそれを読者に感情移入させることができるなら、その後が多少都合が良すぎてもいいと思うんですよね。
しかしこの作品には物語にのめりこんで登場人物を応援したくなるような何かはなかった。
正直、最初の事故のシーンの前に、文と椛の絆を思わせるようなプロローグがあればまた違ったんじゃないかと思うんですが。
それでもまぁ、優しい幻想郷を書こうとしたのはわかるぜ。
4.3烏口泣鳴削除
当人達の直面する問題に対して描写が不足していて、物語についていけなかったです。
5.7このはずし削除
最後のフレーズがとても印象に残りました
6.2めるめるめるめ削除
 前半は描写というより状況説明。いままでのあらすじ的な印象。感情移入が難しいです。
 椛が珍しい血液型だったことから影狼の血液型と偶然一致するところまで、ご都合主義が
過ぎるかなと。文はなにを根拠に影狼を連れてきたのかさっぱりわからず、納得がいきませ
ん。
 中盤は蛮奇が出てきたことで話の方向性があやふやになったように思えました。
 後半は偶発的な事故が都合良く起きてしまって、しかもそれが偶然にも椛の面接と重なる
と。流石に都合の良い偶然が起きすぎて、白けてしまうわけです。
7.5うるめ削除
白狼天狗への輸血には烏天狗より人狼の方が向いているのだろうか、という疑問がどうしても頭を離れず……。設定にもやもやが残ってしまいました。
8.4あめの削除
何もかもが予定調和! でも嫌いじゃない。すごく嫌いじゃない。むしろ好き。
偶にはこういう全てが思い通りうまくいく話も良いものです。
何より、影狼ちゃんが可愛すぎました。
9.5u!冫ldwnd削除
面接を情のために捨てた結果、鶴の一声でよい方向に転がる。
結果が即座に想像できるよくある話。ただ、その出来事と結果を見て、よくある話と思うか、感動できるかは書き方だと思います。
現段階でも良作と感じられるものもあるのですが、流石にコンパクト過ぎるのかなと。理解は出来ても味合うには足らないと思え、膨らませる事は出来る。膨らませるべきだと感じ、惜しいという感想でした。
10.5文鎮削除
椛と影狼、狼をモチーフにした妖怪同士このような交わりも良いものですね。
ただ、肉体よりも精神に重きを置く妖怪にとって、血液はそんなに大切なものなのだろうか、と思いました。
話の筋はブラックジャックの『上と下』がベースになっているのでしょうか?
11.7名前がない程度の能力削除
文字どおりの血縁ですな。意味に関しては正反対ですが。
文お姉ちゃんの方は、まぁ、その、いつまでも妹分扱いしたりするところが家族くさいというか。

獣から派生した妖獣のような二人だから、肉体的なダメージに弱かったということですかね。
12.7K.M削除
輸血に関しては、世界観も種族も現代の人間とかと違いますしそれはそれでいいんじゃないかな、と。ブラックジャックの、社長と肉体労働者の輸血の話を思い出しました。